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2017年11月12日日曜日

憲法公布71年の11月3日・神戸憲法集会

憲法と市民の力で平和を 


日本国憲法公布から七十一年の十一月三日、神戸憲法集会が神戸市立西区民センター大ホールで開かれ、定員四百八十人の会場が満席となりました。兵庫県憲法会議などでつくる実行委員会が主催、憲法共同センターなどが協賛しました。
東京慈恵会医科大学教授(憲法学)の小沢隆一氏の「今、憲法九条を守ることの意義」と、兵庫県原水協事務局長の梶本修史氏の「新しい歴史をひらく核兵器禁止条約」の二つの講演が行われ、ゆがふバンドが沖縄のうたを歌いました。

今、憲法9条を守る意義

小沢隆一東京慈恵会医科大学教授

小沢氏

小沢氏は、安倍首相が提唱する九条三項「加憲」は、九条を軍事に対する制限から権利を与える規範に転換するものであり、集団的自衛権の全面行使を狙うものだと指摘。軍事への人員確保のため災害救助活動は拡充するどころか縮小すること、自衛隊法はじめ関連する法律の改正により戦争法のバージョンアップが行われること、さらに、軍事費の増大、軍事産業の拡大、軍学協同の促進など波及効果もあげ、「九条改憲を〝小さく見せる〟企みとしての三項加憲の本質を徹底的に暴く」ことが必要だと強調しました。
自民党が改憲の課題として高等教育無償化、緊急事態条項、参院選挙区合区解消などをあげていることも批判しました。
国連での核兵器禁止条約成立について小沢氏は、大国中心の国際秩序への異議申し立て、市民社会の国際活動の成長とその成果であり、立憲主義の国際化の兆しといえ、憲法九条とともに「法と世論の力による平和の実現」という課題を共有していると述べました。
日本国憲法は、国家権力には憲法尊重擁護を義務づけ(九十九条)、国民には「憲法が保障する権利」を保持する責務を求め(十二条・九十七条)、立憲主義の「見事な芸術品」だと指摘しました。
小沢氏は講演の結びにかえて、映画『この世界の片隅に』に寄せ、引き続く戦争に対し「否」と主張し続けること、その根底にあるのは(日本国憲法が保障する)個人の尊重と平和的生存権であり、「戦争のための砦」ではなく「平和への路(途)」を築いていこうと呼びかけました。

歴史ひらく核兵器禁止条約

梶本修史兵庫県原水協事務局長
 
梶本氏

梶本氏は、核兵器禁止条約採択によって核兵器が歴史上はじめて明文上も「違法」なものとなったと強調。会議名が「核兵器の全面廃絶につながる、核兵器を禁止する法的拘束力のある協定について交渉する国連会議」であったこともあげ、核兵器保有国とそれに同調する国が条約への参加する道も規定し、条約が「核兵器のない世界」というゴールを可視化していると説明しました。
八〇年代半ばまで、核兵器廃絶は「空想論」だとして国外では国際政治・平和運動の中心課題とされていなかったもとで、被爆者が自身の体験を伝え、核兵器の非人道性を訴え続け、反核・平和運動とともに「ヒロシマ・ナガサキアピール署名」を積み重ね、九〇年には兵庫県でも県民過半数に広げてきたことなど、条約採択が草の根からの苦難の道を乗り越えたものであること強調しました。
現在、条約への署名が五十三カ国(批准三カ国)であることについて、梶本氏は、それぞれの国で政府と議会に条約調印と批准をさせるたたかいが重要だと指摘しました。
特に、世界と国民の願いに逆行する日本政府に迫るたたかいの重要性を強調し、「『ヒバクシャ国際署名』で核兵器保有国と日本など同調国を包囲しよう」「日本で調印・批准する政府をつくることは被爆国の運動の国際的な責務だ」と力説しました。非核「神戸方式」も改めてその値打ちに着目しようと述べました。
*
ゆがふバンド

開会挨拶では憲法会議代表幹事の佐伯雄三弁護士が、総選挙での市民と野党の共同の経験を生かし、憲法改定国民投票に打ち勝つ力をつけるとともに発議を許さないたたかいに打ってでるために学ぼうと呼びかけました。閉会挨拶では同代表幹事の津川知久氏が「一万人意見広告」運動の到達を報告し(三面に記事)、「三千万署名」への取り組みを訴えました。


(兵庫民報2017年11月12日)

「憲法を守り、活かそう」意見広告に8,444人・731団体

11月3日の神戸憲法集会で紹介される意見広告

文化の日11月3日付「神戸新聞」に「憲法を守り、活かそう」の意見広告が見開きで掲載されました。「平和をつなごう! 今日生まれた子の未来が戦争のない世界でありますように」のサブタイトルをつけています。
戦争法(安保法制)反対のたたかいで生まれた共同の組織、「戦争させない、9条壊すな!総がかり行動兵庫県実行委員会」が呼びかけたもので、個人8,444人、731団体が応募しました。
総がかり兵庫県実行委員会は旧総評系の1,000人委員会、共産党など民主団体でつくる兵庫県憲法共同センター、弁護士9条の会など市民団体で構成。来年5月3日の憲法記念日には神戸で最大規模の憲法集会を屋外で計画しています。この意見広告の増し刷りは兵庫県憲法共同センターに一定部数ありますので必要な方は問い合わせをFax078‐366‐6856まで。


(兵庫民報2017年11月12日)

2市2町平和と文化のつどい


加古川・高砂市、播磨・稲美町の九条の会は五日、加古川市民会館で「第十二回平和と文化のつどい」を開きました。

講演する谷口氏

「改憲・護憲を論じるその前に!―ホントに憲法を知っていますか⁈」と題して講演した大阪国際大学の谷口真由美准教授(写真左端)は、「まず九十九条から。護憲派といわれる方や私たちも日頃慣れで〝憲法を守ろう〟というが、(政治家や裁判官らに)〝守らせよう〟というべきだ。かわりに私たちは十二条をよく読みましょう。〝この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって保持〟する義務があります」と強調しました。
参加者からは、「ユーモアあり、解りやすく大変いい勉強になりました」などの感想が寄せられました。
文化行事ではヘルマンハープ演奏とみんなの歌で〝文化の秋〟を楽しみました。(山崎道哉=実行委員会副実行委員長)


(兵庫民報2017年11月12日)

緊急事態条項:尼崎共同行動が学習会


安倍首相が大規模災害を口実に国家緊急権の憲法改正を公言する中で、学習会「憲法に緊急事態条項は必要か」が十一月五日午後、尼崎市立小田公民館で開かれました。
この学習会は党派を超えて戦争法廃止などでの運動に取り組んでいる戦争・原発・貧困・差別を許さない尼崎共同行動が開催したもので、市民百二十人が参加しました。
まず共同代表の高原周治医師が「今回の衆議院選において尼崎で野党共闘が前進した。これを力に安倍政権の改憲策動を阻止しよう」と訴え、日本弁護士連合会災害復興支援委員会元委員長の永井幸寿弁護士が報告しました。
永井氏は「緊急事態とは権力が国家の存立を維持するために、立憲的な憲法秩序を一時停止して非常事態を取るもので、権力乱用の危険があり、一挙に憲法をひっくり返すことができる条項だ。内容は人権を大幅に制限し、民主主義を破壊、内閣総理大臣という新たな独裁者をつくりだす。しかも自民党の国家緊急権案はナチスよりもひどく極めて危険なものだ」と報告しました。
この集会に、先の衆院選兵庫八区野党共同候補としてたたかった日本共産党の堀内照文前衆議院議員が駆けつけて、選挙でのお礼を述べながら「憲法審査会は機能停止をしている。改憲阻止の三千万署名を集め、九条改憲反対をゆるぎないものにしよう」と訴えました。(徳田稔=尼崎市議)


(兵庫民報2017年11月12日)

多可町・町長選と町議選14日告示・19日投票


  • 町長選:あったか多可 辻誠一氏
  • 町議選:日本共産党 酒井よう子氏

住民の利益第一の町政へ全力

多可町の町長選と町議選は十一月十四日告示・十九日投票で行われます。

事務所びらきで決意を表明する辻氏

町長選には「あったか多可町をつくる会」から辻誠一氏(46)=新=が立候補を表明。辻氏は同会運営委員で日本共産党町議。無所属・党推薦でたたかいます。現職町長は引退を表明しており、辻氏、元県議、前町理事兼防災監、会社顧問の四人が名乗りをあげています。

激励を受ける酒井氏

町議選には日本共産党の新人・酒井よう子氏(57)が立候補します。
*
現多可町政は、町民の暮らしを守ろうと一定の姿勢はあったものの「高齢者への支援はやめ、その分を子育て支援にまわす」として住民サービスの後退をひきおこしつつあります。この間、町役場本庁舎(三十億円)、生涯学習センター(十億円)などが計画されましたが、辻町議と党多可町委員会は、真に住民要求にこたえる建設計画にするべきだと訴え、役場建築は二十億円に縮小、生涯学習センターは中止させました。
日本共産党町委員会は、今回の町長選・町議選を、住民の利益第一をつらぬき、ハコモノ行政から福祉・教育優先の町政をすすめる町長と、住民の声と願いを行政と議会にとどける議員を選ぶ選挙だと位置づけています。
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町長選に向け、辻氏と「あったか多可町をつくる会」は「あったかプラン2017」を発表。
①若者にも高齢者にも仕事をつくる―休耕田、空き家、農林業公社を機能的に活用、Iターンを希望する若者の「仕事」と、高齢者の「年金+三万円」になる仕事づくりをすすめる
②「子育てするなら多可町」子育て支援をさらに充実―第一子〇歳児保育料無料化、無利子奨学金制度を創設し、給付型奨学金制度をめざす、三十人以下学級の実現、教員の事務負担軽減でよりよい教育環境をめざす
③地元を元気に! 町内事業者を応援―公共事業分割発注で町内業者を優先、手数料無料のクラウドファンディング立ち上げ、役場などの消耗品は町内販売店から購入
などの政策を掲げ、「取り戻そう、元気な多可町を」と訴えています。
*
酒井氏は、住民の意向を無視したソーラパネル設置に対し地域住民とともに反対運動に取り組むなか、辻議員はじめ日本共産党が「国民の苦難に寄り添い力を尽くす」立党の精神に感銘を受け入党。町議選に向け、日本共産党議席を引き継ぎ、町民の声と心に寄り添う議員にと全力をあげています。


(兵庫民報2017年11月12日)

借り上げ住宅:神戸市が新たな被災者追い出し訴訟

神戸市が十一月六日、借り上げ市営住宅シティコート住吉本町の明け渡しを迫り、入居者を相手に提訴したことについて、借上住宅弁護団が次のコメントを発表しました。


このたび神戸市が、キャナルタウンウエストに続き、提訴による追い出しを図る暴挙に出たことは、復興災害の最たるものであり、極めて残念である。
また、先日のキャナルタウンウエストの入居者の一人に対して出された判決では、同じ借上げ復興住宅において、入居許可書に期限の記載がない者が先に入居しているという事実や平成二十一年度の審議会で、神戸市の住宅管理課長が「出てくださいとは言っておりません。」という発言をしている事実に目をつむり、審理を打ち切って、判決していた。今回、提訴された事件は、同じ借上げ復興住宅に、平成九年十月に同時に入居しているが、許可書への記載がある者とない者とが存在している。借上期間満了時における施策を全く用意しないまま、許可書への期限の記載も特段重視しないで、入居事業を進めていた事実が明らかになっており、当時、神戸市が、被災者を二十年後に退去させる方針であったことを前提とした先日の判決が不当であったことが裏付けられている。
弁護団は、裁判所には、二度と審理を打ち切ることのないように、慎重に審理をされるように訴えるとともに、支援者の方々とともに、この残された震災復興の解決に向け、今後も全力で入居者のために対応する所存である。


(兵庫民報2017年11月12日)

西はりま後援会まつり:国政での捲土重来を期し

挨拶する堀氏(左端)

台風一過青空のもと強く大きな党をめざし十一月三日、姫路市・市川の河川敷で第一回西はりま後援会まつりを開催し、約二百五十人が参加する盛会となりました。
西はりま地域は、五市六町を有する県党最大の地区にもかかわらず行政区後援会が一つしかないという弱点をかかえており、後援会づくりのきっかけをつくろうとまつりが計画され、十二の後援会がそれぞれの特産品などを出店。さながら「おらが地域物産展」となり、他に青年、お子さま、授乳・オムツ交換、共産党コーナーなどもあり多種多様なまつりになりました。後援会づくりではすでにあちこちで話題になり、一部で計画が進んでいます。
この日の舞台は、民族歌舞団・花こまによる面踊り「沖縄」から始まり、来賓挨拶は二人の共産党員元町長―福崎町の嶋田正義氏・南光町の山田兼三氏や岩崎修西播地区委員長、森原健一県後援会会長が発言。市川町の党員町長―岩見武三氏は公務のため欠席しました。
兵庫十一区、十二区の衆議院候補者の稲村さとる氏、堀ゆずる氏からは選挙中の温かいエピソードなどが紹介されました。
記念講演は堀内照文前衆院議員。残念ながら当選にはいたらなかったが、兵庫八区で社会民主党、新社会党の推薦、緑の党の支援を受け、ミナセン尼崎やママの会など多くの市民団体から支援をいただき、市民と野党の統一候補としていっしょに街頭演説するなど、経験したことのない感動の日々だったと話しました。
また憲法問題にふれ、憲法審査会が、イギリス、フランス、イタリアを訪問したとき、相手国から「なぜ憲法を変えねばならないのか、国を守る憲法をやめ外国を攻める憲法にするのか」などと追及されたと報告。共産党は衆参二十六議席に減ったものの、力をあわせ捲土重来を期したいとの強い決意を語りました。
会員から提供された品物が多数並ぶビンゴ大会では、童心にかえり盛りあがりました。
突然の総選挙で、後援会まつりの準備活動が中断し参加目標達成の点ではやや残念な結果となりましたが、第二、第三のステップへ力強い展望をつかむことができました。
(安積弘允=西はりま後援会事務局長)


(兵庫民報2017年11月12日)

名張毒ぶどう酒事件兵庫支援する会総会&えん罪学習会

故奥西勝さんの名誉回復と再審無罪を

名張毒ぶどう酒事件兵庫支援する会が第二十四回総会とえん罪学習会を十一月五日、神戸市内で開き、三十人あまりが参加しました。
学習会では、名張弁護団の西田雅年弁護士が「えん罪はなぜ起きるのか、日本に司法の問題点」について講演しました。裁判官、鑑定人、捜査官、検察官など関係者別にえん罪の原因を解明しました。
とくに検察官は「公益の代表者」であり「公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障」「警察の捜査をチェックする」ことが職務だが、えん罪事件では検察が公共財である証拠を私物化した「証拠隠し」が必ずあると述べ、えん罪の原因究明のためには政府から独立した第三者機関が必要だと強調しました。
総会では、十月四日に名古屋市笹島交差点を埋め尽くした「奥西勝さん獄死二年大宣伝行動」の録画を見たあと議事を行い、名古屋高裁の不当判決を許さず、妹・岡美代子さん(88)がお元気なうちに、奥西勝さんの名誉回復と再審無罪を勝ち取る決意を固めあいました。(大藤信子=同会)


(兵庫民報2017年11月12日)

亀井洋示「憲法守るタッグチーム」



(兵庫民報2017年11月12日)

神戸演劇鑑賞会11月例会:劇団民藝『集金旅行…』


昭和初期。東京・荻窪に古びたアパート富士荘があった。持ち主が急死。残ったのは多額の借金のみ。身よりもない。そこで、富士荘に住み続けたいと願う住民たちは一計を立てた。
十号室に住むヤブセマスオ氏を管財人に仕立て、部屋代を踏み倒し、夜逃げした人たちから滞納金を取り立て、借金に当てる。売れない小説を書いているヤブセ氏は、小説のネタも兼ねると同意する。この計画を知った七号室の、コマツランコさんが、昔の不実な恋人たちから慰謝料を取り立てたいと、同行を申し出た。旅は道連れ世は情け。まったく目的の違うふたりの旅が始まった。
最初は岩国。宿に着くと、さっそく、女中から街の見所や、取り立て相手の情報を探った。女中は、方言でこと細かく告げた。ヤブセ氏は、筋をきっちりとおし、コマツさんは艶ぽっく相手に迫り、集金は大成功。残りの、下関、福岡、尾道、福山も、ほぼ同じ方法で成功させる。そして、この旅で浮かびあがって来たのは、庶民の生活の中にあるユーモアとペーソス。美しい方言。そして、その庶民を演じるのが民藝の主役級の俳優たち。一挿話、一挿話をつなげると、昭和初期の厳しい社会を人情豊かに、しなやかに生き抜いた、先輩たちだった。
もう一つ心に残るのは、ヤブセ氏の心情を語るナレーションの文章に、小説家・井伏鱒二が光って見えた。
(小谷博子)

劇団民藝公演『集金旅行』

原作=井伏鱒二、脚本=吉永仁郎、演出=髙橋清祐、出演=樫山文枝・西川明ほか/①11月30日(木)18時30分②12月1日(金)13時30分③2日(土)13時30分/神戸文化ホール中ホール/会員制(入会時に入会金1,000円と月会費2カ月前納)、月会費3,500円(大学生2,000円、中高生1,000円)/☎078‐222‐8651、Fax078‐222‐8653


(兵庫民報2017年11月12日)

映画『明日へ―戦争は罪悪である―』(日本の青空シリーズⅣ)をあなたも

いかなる理由があっても「戦争は罪悪である」


映画「明日へ―戦争は罪悪である―」は日中戦争そして第二次世界大戦のさなか「戦争は罪悪である」と唱え続け、真宗大谷派から懲戒処分を受けた竹中彰元帥や、治安維持法で約四年間投獄された植木徹誠師(植木等氏の父)などファシズム・日本軍国主義の嵐の時代の歴史的反戦宗教者の勇気をモデルに描いた劇映画です。私たちは上映運動の目的を「安倍首相(自公政権)が強行しようとしている憲法改定(改悪)を阻止する運動の一環として取り組む。いかなる理由があっても『戦争は罪悪である』ことを多くの方に再認識していただくために取り組む。日本国憲法を守り平和と民主主義を進める運動の一つとして取り組む」とし、多くの方がこの映画を鑑賞していただく事を呼びかけます。ご一緒に考えましょう、戦争のこと、憲法の大切さを。
大義があれば人を殺したり、殺されたりすることが是となっていた時代のお話しです。
自国の政府がどんな素晴らしい理想を持っていても、一般市民の生活は、二十四時間三百六十五日国の為に尽くすという訳ではなく、個人の夢を追いかけたり、ものを食べて「美味しいね」と誰かと共感したり、冗談を言って笑ったり、愛する人を大切に想ったり、そんな何気ない日常です。しかし、ひたすら政府の言うことを信じ協力した結果、その日常や、大切な人の命が奪われていったのが過去の戦争です。
目の前の仕事や日常は本当に大変な時代です。でもそれに覆い隠され、壊されていることはないでしょうか。この映画をご覧になる皆様が、劇中や鑑賞後、「どうしてこんなことになってしまったのか」とご自分の日常に照らし合わせ、立ち止まって考える機会になればと願っています。
(加藤通世=クリエイト兵庫介護センターにじ)

映画『明日へ―戦争は罪悪である―』(日本の青空シリーズⅣ)

12月22日(金)①10時②14時③18時30分(上映時間105分)/新長田勤労市民センター別館ピフレホール/一般:前売り1,200円・当日1,500円、学生・障がい者:前売り・当日とも1,000円/問い合わせ先(上映運動実行委員会)☎078‐335‐3770、Fax078‐335‐3830(兵庫労連、担当:北川伸一)


(兵庫民報2017年11月12日)

みんぽう川柳〈十月〉「新聞」

選者 島村美津子

特 選

新聞はフェイクニュースを叩く武器
 神戸市 古賀哲夫

【評】巷にはフェイクニュースが溢れ、最も危険で恐ろしいのが安倍政権の垂れ流すフェイク、明らかにヒトラーへの道を辿っていることを指摘する新聞を目にするとき救われる思いです。揚句の通り勇気を持ってきちんと正しいことを書いてくれる新聞は正に庶民の武器でありましょう。

入 選

あればなぁフェイクか否かのテスト液
 尼崎市 中内眞佐子

赤旗読む清し人生ありがとう
 神戸市 山本尚代

日常をまんまる団地伝えてる
 芦屋市 梶原嘉代子

新聞で勇気をもらう老いの日々
 尼崎市 富田明美

旧友の動向を知る投書欄
 神戸市 塩谷凉子

投稿好きドキドキ胸でめくっている
 神戸市 藤田幸子

新聞は権力監視やめりゃ死ぬ
 神戸市 長尾粛正

マスコミの機能果たさぬ新聞紙
 神戸市 高馬士郎

報道と教育私物化アベ危険
 神戸市 梶山洋枝

沖縄のニュースのらない全国紙
 神戸市 山元三恵子

憶えてますか伝書鳩ある新聞社
 神戸市 水田裕子

生タマゴ包む昭和の古新聞
 神戸市 玉山歳子

切り抜きを財布に入れて対話ふえ
 神戸市 松尾美恵子

真実を伝える新聞配る朝
 神戸市 小林尚子


(兵庫民報2017年11月12日)

大門みきし「看板に偽りなし」:連載エッセイ21

あの笑顔の仲間がいない、国会に来てほしかったあの笑顔もない――総選挙直後の国会ではとてもさみしい気持ちになりました。けれど、一番悔しい思いをした候補者の皆さんが新たな笑顔で頑張っている姿を見て、自分も前を向いて進むしかないと思いました。
私は国会で「経済論戦の第一人者」と呼ばれてきました。一昨年の参議院選挙のときは、候補者カーに「経済論戦の第一人者」という大きな看板を掲げ、近畿を走り回りました。たとえ事実であっても、あそこまで臆面もなく自画自賛できる候補者を、私は今まで見たことがありません。
最近、あの「看板」をあらためて証明してくれる出来事がありました。
いま政府、日銀の金融政策がゆきづまり、国債の暴落など経済パニックを引き起こす危険性が指摘されています。日銀ウォッチャー(監視役)として有名な民間のブログ、『本石町日記』(十月二十六日)で、私のことが紹介されました。「リフレ的なものに一貫して筋の通った反論を堂々と行ったたった一人の政治家が共産党の大門みきし参院議員だ」と。早くから今日の事態を予見し、国民の立場で安倍政権のリフレ(無理やりインフレ方向へ誘導する)政策を批判してきたことへの評価です。
「看板」に偽りはなかったと安堵するとともに、一緒にたたかった仲間たちを再び国会に迎えるためにも、日本共産党議員団の値打ちをさらに大きく示していく必要がある、そのためにもっと頑張ろうと思いました。
(日本共産党参院議員)


(兵庫民報2017年11月12日)

観感楽学

学校を卒業しソフト開発会社に入社したころ、新入社員研修という名目でいろいろ社会人としての常識を習い、上司や先輩社員から「ほうれんそう(報告・連絡・相談)」をするようにと、よく言われました▼自分が中堅社員となったころには「コーチング」という技法を教えられました。「知っている人が知らない人に教える」というのが一般的な指導法ですが、教える人からの一方通行の対話になりがちです▼一方、コーチングは対等な立場での対話が基本。対話を通して、相手自身から考え方や行動の選択肢を引き出します。この仕事をどう進めるかは、自分で考え決めていくよう、対話から動機づけをします。こちらは、相手が望む環境作りなどのサポートに徹します。コーチングする意味は「自ら問題を解決する力をつけさせる」「自分で考え行動できる」人材を作ることと教えられました▼大切なことも一杯ありましたが、組織内での人間関係、パワハラ、メンタル面の対処方などの教えはなかったと思います。最近でこそ企業内でこの手の学習も行われているそうですが、もっと力を入れないといけないと思います。ブラック企業、過労死をなくすためにも。(ふ)



(兵庫民報2017年11月12日)