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2017年9月3日日曜日

災害復旧融資はもう返済免除に

堀内・真島両衆院議員が被災業者と懇談

報告する堀内議員と(その右)真島議員(右端は金田氏)

日本共産党の堀内照文、真島省三両衆議院議員は八月二十四日、阪神・淡路大震災の災害復旧融資返済を巡る問題で、被災事業者らと懇談しました。
阪神・淡路大震災で被災した業者は、生業を再建するために多額の借金を余儀なくされました。
さらに被災から二年後に消費税が増税され、売り上げが激減。当初の返済見通しが大きく狂いました。
被災事業者は「この二十年間、生活費を最低限に切り詰めて返済してきました」「九十歳まで働かないと返済できません。夫婦で頑張ろうと励まし合ってきましたが、今年の春、とうとう主人が先に逝ってしまいました。仏壇に〝お父さん、ずるいですよ〟ってつい愚痴を言ってしまいますが、お父さんだって二十年以上、借金を返すためだけの人生だった訳で、かわいそうでなりません」「借金の大きさに子どもの結婚相手もみつかりません」など、今なお苦境が続いています。
そんな中、「これまでどおり返済を続けると言うのに、一方的に遅延損害金一四%の代位弁済に切り替えようとしてきた」「信用保証協会が住居の売却を強要してくる」といった不当な実態が出ています。
被災地の粘り強い運動と日本共産党の国会追及に、世耕弘成経産大臣も「本当に心が痛む思い」と答弁し、実態検証を行うと約束(今年五月国会)しました。その後、中小企業庁金融課が兵庫県信用保証協会に対して現地調査を実施し、結果を堀内、真島両議員に文書で報告しました。
当局の報告について参加者は「調査結果の内容は事実と違う点がある」「災害復旧融資を受けた後、借り換えた業者が少なくない。そういう人たちの実態も知って欲しい」「後継者や保証人にも救済が必要」と指摘、「借りたものは返す。しかし震災がなければなかった負債。必要な人には免除があっても良いのではないか」など切実な思いが出されました。
両議員は「各地で災害が起きている。被災者に心を寄せた対応を求めたい。国の姿勢を変えるたたかいです」(真島議員)「返済免除に向けて引き続きがんばりたい」(堀内議員)と決意を述べました。
懇談会には、きだ結県議会議員も参加しました。
(金田峰生=日本共産党国会議員団兵庫事務所長)

(「兵庫民報」2017年9月3日付)

「部落差別解消推進法」の重大な危険性

平和と平等と人権のための東播合宿研究会で仁比聡平参院議員が講演

八月二十六・二十七日の両日、今年で三十二回目を迎える「平和と平等と人権のための東播合宿研究会」が三木市内で開催され、実人数七十人、のべ九十八人が参加しました。
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講演する仁比議員

一日目のトップには日本共産党の仁比聡平参議院議員が昨年暮れの国会で成立した「『部落差別解消推進法』の重大な危険性」と題して講演しました。
仁比議員は冒頭、小学校四年生だった一九七四年に部落解放同盟(解同)が引き起こした八鹿高校事件のこと、自分が育った福岡県での部落問題との出会い、「何が差別かは解同が決める」などとする解同の「確認・糾弾」とのたたかいなど経験を語りました。特に、八鹿高校事件について、「赤旗」以外のマスコミが真実を報道しないなか、事件直後の国会で村上弘衆議院議員が解同の蛮行と無法な運動をきびしく追及した論戦を紹介し、共産党の先輩たちがタブーをつくらず部落問題の解決と人間の尊厳を守るために不屈にたたかってきた歴史と伝統を語りました。
そして、「部落差別解消推進法」の成立を巡る参議院法務委員会での国会論戦について、社会問題としての部落問題はすでに解決しているにもかかわらず、法案は部落問題を永久化・固定化させる危険性をもっており、断固反対する立場で論陣を張ったこと、法律は共産党以外の議員多数の賛成で成立したものの、参考人質疑を実現させ人権連代表の意見を反映する「……過去の民間運動団体(解同)の行き過ぎた言動等、部落差別の解消を阻害していた要因を踏まえ、これに対する対策を講ずる……」との「附帯決議」をつけたこと―など成果についても報告しました。
「いま、アベノミクスの破綻、格差と貧困の拡大、閉塞感が充満するなかで、市民的自由と権利を奪う差別はもちろん、『差別解消』の名による『特別扱い』が容易に国民を分断し支配の道具にされることもまた歴史の教訓です」と指摘し、「日本共産党は、一九二二年の党創立以来、全国水平社とともに、戦前戦後、苛烈な部落差別とたたかい、部落問題の解決に力を尽くしてきた政党です。人間の尊厳を守る輝かしいたたかいに深く学び、草の根から人権と民主主義、住民自治を真剣に求める日本共産党の奮闘こそ、『市民と野党の本気の共闘』への大きな力になるに違いありません」と結びました。
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なお、合宿研では、阿江義春兵庫県高齢者生活協同組合理事長の「社会保障制度の全面的な切り下げ攻撃がつよまるなか、弱者貧困者に寄り添って」という講義と長谷川一裕弁護士(名古屋北法律事務所長)の「日本国憲法七十年と自衛隊――安倍自民党の新たな改憲策動をどう見るか」という講義を受けて、情勢にふさわしい熱気ある討論を行いました。
(前田武=兵庫県地域人権運動連合事務局長)

(「兵庫民報」2017年9月3日付)

神戸市長選その争点は…〈3〉

安倍〝自民党政治〟の持ち込み許すのか、「自治体らしい自治体」を取り戻すのか

(三)選挙公約「子ども医療費ゼロ」を放棄―住民福祉の後退

神戸市政のゆがみの二つ目は、「住民福祉の後退」です。
久元市長は、四年前の神戸市長選挙で、中学卒業まで「子どもの医療費を速やかにゼロにします」を公約に掲げました。それは、全国的に医療費無料が広がるなかで多くの市民の願いでもあり、市長選では主要な候補者の共通の公約でした。久元市長も公約発表時に「近隣自治体に比べ水準が劣るのは見過ごせない」としていました。
市長選から四年間、兵庫県下でも無料化に踏み出す自治体が増え四十一市町のうち三十五市町が無料化しました。しかし久元市長は四年の間、一度も無料化の提案をせず、今年度の予算編成で「将来の財政負担を考えると一部負担が必要だ」と無料化実現を放棄しました。市民からは「ウソつき市長はゆるせない」と批判の声があがっており、「神戸新聞」も五月二十五日の一面で「市民に約束する『公約』。守るべきではないのか」と厳しく指摘しました。
こうした久元市長の方針転換の背景にも安倍「自民党政治」への追随があります。
全国の医療費無料化の流れが国政に影響することを恐れた安倍内閣は、二〇一五年六月に骨太方針二〇一五で「地方単独事業について、過度な給付拡大競争を抑制していくための制度改革を進める」との目標を掲げ、巻き返しを図ります。
安倍内閣の巻き返しの地方での担い手として真っ先に手を挙げたのが久元市長でした。久元市長がまとめ役になって二〇一五年十二月に政令市指定都市市長会が「地方創生に向けた東京一極集中及び人口減少に対する提言」を発表。子どもの医療費の助成について「限られた財源の中で持続可能な制度とするため、利用者の自己負担を求めることにより、適正な利用を担保すべきである」との意見をまとめあげ政府に提出しました。
久元市長は公約を放棄するにとどまらず、安倍内閣の社会保障抑制策の忠実な推進者としての役割を自ら買って出ています。医療費だけにとどまりません。待機児童の完全解消を掲げた公約も、子どもがいずれ減るという理由で、須磨〜西区の保育所建設推進を抑制し、待機児童は就任以来増え続けています。さらに、小学校給食費の値上げと調理の民営化を強行しました。高齢者福祉でも、敬老パスの有料化や福祉パスの低所得者からの取り上げ、さらには半世紀にわたって行ってきた高齢者の長寿を祝う敬老祝い金の支給を廃止しました。
こうした度重なる福祉の切り捨ての結果、一般会計決算は毎年黒字を計上。黒字のため込みも百二十九億円と震災前のレベルまでに達しています。しかし久元市長は、市民への還元ではなく、大型開発へ優先的に予算を投入しようとしています。日本共産党神戸市議団が毎年の予算で提案しているように、一般会計予算のわずか二〜三%程度を組み替えれば、子どもの医療費の無料化や、国保一万円、介護保険五千円の引き下げ、住宅・店舗リフォーム助成など市民の所得アップと地域振興に役立つ施策はすぐにでも実現できます。
今の久元市政にないのは「財源」ではなく「福祉の心」ではないでしょうか。

(「兵庫民報」2017年9月3日付)

地域医療守る共同 各地に広がる

兵庫の地域医療を守る会代表 今西 清

兵庫県内の公立病院再編が続いていますが、医療圏の広域化や病床削減など地域医療を後退させる内容になっています。これに対して地域医療を守ろうという住民運動が起こり広がっています。

神戸市北区の済生会兵庫県病院の存続・充実を求める署名運動にとりくむ人々
(左から2人目は金沢はるみ神戸市議)

但馬地域

但馬地域は二〇〇七年以降、豊岡病院と八鹿病院への集約と病床再編が押し付けられてきました。医師不足を口実とした、広大な地域での「医師とベッドの集約・集中」は、医療過疎の悪循環を生み出しています。
昨年、日本共産党・あおぞら豊岡市議団が、日高医療センターの九十九床を廃止する動きを住民に知らせるニュースを配布。「地域医療を守る但馬の会」が住民集会を開催、署名運動を提起し、「日高病院に入院機能を残そう」と運動を開始しました。区長会も動いて二万筆を超える署名を集め、日高病院の入院機能を守っています。

神戸

神戸市は市民病院の独立行政法人化を進めると共に、医療産業都市構想の一環で、三次救急医療を担う中央病院をポートアイランドⅡ期埋立地へ移転させました。県立こども病院も患者・家族の反対を押し切って同地への移転が強行されました。
命を守る病院を大企業に奉仕する機関に変質させるものとして、市民・関係者が反対の声をあげました。

尼崎

尼崎市には二つの県立病院がありました。塚口病院は周産期医療、尼崎病院はガン治療や地域支援医療と、それぞれ役割を担い、広く地域医療を担っていましたが、兵庫県はこれを統廃合。一方、市民は跡地の医療機能確保などの要求を掲げ、八万筆の署名を集めて県と交渉。地域医療確保を実現しています。

加古川

加古川市民病院と神鋼加古川病院の統合は、市と県知事、神戸大学医学部によるもので、公立病院と民間病院の統合再編という異例の事でした。
市民は「二つの市民病院の存続と充実を求める会」を結成し、三万五千筆の署名を集め、連合自治会も声をあげるに至りました。市議会請願は全会一致。旧西市民病院跡地に民間医療機関を誘致させました。

姫路

県立姫路循環器病センターと製鉄記念広畑病院(新日鉄)を統廃合し、新県立病院とする計画を二〇一六年に県が公表。大学や民間の研究機関も併設するとしており、注視する必要があります。
「姫路の地域医療と介護を守る会」は、広畑病院が担っていた姫路南西部の地域医療確保を求めて、住民アンケートや学習会などの取り組みを行っています。

川西

今年五月に川西市長が、「市立川西病院の運営を指定管理方式とし、民間病院と統合再編する」方針を公表。しかし総合病院の存続を求める署名がすでに一万を超えています。「川西の医療と介護をよくする会」が住民学習会を重ね、川西病院を守る一点共闘の幅広い取り組みを進めています。

三田・神戸北区

県地域医療構想は「三田市民病院は二次医療圏域をこえた病院統合再編を検討する」としています。三田市長が二〇一八年度には政治決断するとしたことに対して、「三田の地域医療と介護をよくする会」が市民病院を守る取り組みを開始。千通を超えるアンケートを集めています。
隣接する神戸市北区では「三田市民病院と済生会兵庫県病院が統合されるのではないか」と不安が広がり、「済生会兵庫県病院の存続・充実を求める会」が結成されて署名活動を開始しました。

日本共産党が果たしている役割

公立病院再編に対して、地域医療を守る取り組みが各地で展開されています。北播磨総合医療センター設置や県立淡路病院移転問題でも運動が起こりました。
但馬で医療再編の動きが強まった時、日本共産党の山下よしき参議院議員が現地入りし、住民運動を励ましました。今、厚生労働委員でもある、堀内照文衆議院議員が国会で奮闘してくれています。地域でも、日本共産党の地方議員と党組織が、住民の命と健康を守る先頭に立ってくれています。
地域医療を守り充実させる一点で、立場の違いをこえた運動を広げたいと思います。

(「兵庫民報」2017年9月3日付)

市民連合@いたみアクション学習会

「共謀罪」にどう対処するか


「市民連合@いたみアクション」は、「真夏の決闘:市民VS.共謀罪」と題して「共謀罪」の学習会を八月二十四日、いたみホール大会議室で開催しました。講師は「リスペクトの政治をつくる大阪弁護士有志の会」の弘川欣絵弁護士です。
平日の夜にもかかわらず十六歳から八十七歳まで三十七人の幅広い参加者があり、この問題への高い関心をうかがわせました。
主催者から「市民連合@いたみアクション」が今年の五月以降、展開してきた、冨田宏治氏講演会、共謀罪廃止に向けた声明発表、市議会への請願提出、キックオフイベント、コッカイオンドクの実施などの様々な活動を報告した後、弘川氏の講演に入りました。
弘川氏は「既遂処罰」という刑法の原則を壊し、コミュニケーションを犯罪とし、監視社会を進める共謀罪の問題点に深く切り込み、廃止に向けた運動を強めること、選挙の大切さ、早い段階の仕掛けがあるかもしれないが運動団体が委縮せず声をあげること、何かあったとき必ず弁護士と連携することなど、今後私たちがどう対処していけばいいかということまで具体的に語られました。
その後の質疑でも、戦争体験者からは現政権が戦争する国づくりを進めている事への不安の声があがり、若い世代の人からは様々な表現規制の政策がすすめられている現実があるという意見が出るなど、主催した私たちも「市民と野党の共同」を発展させる事がいかに重要か再確認することができました。
(中島隆夫=同アクション事務局)

(「兵庫民報」2017年9月3日付)

垂水憲法フォーラム大盛況

平和主義と安倍改憲の狙いを解明

神戸市垂水区内の「垂水ひがし」「明舞」「神陵台」の三つの九条の会が共催で「垂水憲法フォーラム」を八月二十七日、垂水勤労市民センターで開催し、会場いっぱいの九十人あまりが参加する盛況となりました。

歌う松尾さん

最初に、ハンディキャップを克服して活躍するソプラノ歌手・松尾春奈さんの歌声を山田慶子さんのピアノで堪能しました。

講演する和田氏

続いて、和田進・神戸大学名誉教授が講演しました。和田氏は憲法の平和主義の二つの側面として―①戦争責任の自覚と二度と侵略者にならないというアジア諸国民への誓約、②国家の自衛権を乗り越えた世界人民の平和的生存権―をあげましたが、とくに、パリ不戦条約・国連憲章にもない戦力不保持・交戦権否定まで規定している点に注目。戦争を起こすのは常に国家権力であり、世界の人々は国家を超えた民衆的連帯によってこそ平和的生存権を確立できるという和田氏の指摘は新鮮な感銘を聴衆に与えました。
また、和田氏は、安倍改憲の狙いを、五月以後の政治情勢の変化・日本会議などの動向なども含めて解明。軍事大国化の道を許すかどうか、ここ二年が勝負所であると指摘しました。
質疑・討論でも、活発な発言が相次ぎました。
(廣森勝久=九条明舞の会世話人代表)

(兵庫民報」2017年9月3日付)

「ストップ!神戸空港」の会総会

神戸港将来構想の監視も

「ストップ!神戸空港」の会は八月二十五日、第十六回総会を神戸市勤労会館で開き、六十人が参加しました。

開会挨拶する武村代表委員

代表委員の武村義人医師は開会挨拶で「国の政治でも社会保障、憲法、平和に問題がある」として、「医療・介護は簡単に削るが、北朝鮮のミサイルに対する〝日米同盟強化〟ということで米国の高価な武器購入に予算を割いている。神戸空港も同じ考えで進めてきたと考えられ、人の命より大企業の利益を優先している。政治を市民に向かわせる運動が大切だ」と訴えました。
北岡浩事務局長は、経過報告と活動方針、役員を提案し、神戸空港の運営権売却と関西三空港一体運用の問題点を報告。引き続き神戸空港の検証を続けるとともに、「神戸港将来構想」も監視し市民に知らせる活動を展開しようと提起しました。

講演する柴田氏

記念講演をした柴田悦子大阪市立大学名誉教授は、神戸港が戦前のユダヤ難民、戦後のベトナム難民の受け入れなどで果たしてきた人道的役割や、都市とともに発展してきた歴史を紹介。一方、空港と港湾を一体的に利用するやり方がどの地域でも成功していないことを示し、市民の声を聞き、街づくりと一体に非核「神戸方式」を生かした平和で働きやすい神戸港づくりを提案しました。
最後に神戸・市民要求を実現する会共同代表の村上健次兵商連副会長が、十月の市長選での奮闘を呼びかけました。

(「兵庫民報」2017年9月3日付)

第22回尼崎平和のための戦争展を終えて

実行委員会事務局 松岡宗治

紙芝居をみる保育園児

「あなたと私には平和のうちに生きる権利がある」をテーマに今年も戦争展(八月十八日~二十日)を開催しました。
戦争法、共謀罪法と国会での強行採決、そして都議選後の内閣支持率急落の中、尼崎市民とともに平和を考えました。
映画「標的の島 風かたか」は沖縄や南西諸島だけでなく、日本列島を中国を軍事的に封じ込める防波堤とするアメリカの戦略であることがよくわかる映画でした。アンケートにも「現地の方が命を懸けて反対運動をされている姿が強く心に残りました」「福島もそうだが、国は誰のための政治をしているのか」などの感想や怒りを表されていました。
沖縄・宮森小学校元校長で一九五九年の米軍ジェット戦闘機墜落事故当時、同校二年生だった平良嘉男さんに、その惨状と墜落事故から見える沖縄について語っていただきました。島津藩による琉球征伐による薩摩藩への併合、明治政府による琉球処分など歴史を振り返り、一九七二年の「基地のない本土なみ返還」もごまかしだったこと、そして「平和の最大の敵は無関心、戦争の最大の友も無関心」だと指摘。オスプレイ全国配備についても本土が沖縄化されることへの警鐘を鳴らしてくださいました。
展示は「憲法」「共謀罪」「沖縄」問題、「戦争へつき進む歴史年表」などをポスターや冊子、写真、手書き資料などでわかりやすく訴え、安倍政権が進めようとする平和憲法破壊の動きにNO!を示すものとなりました。
また一角には市内の保育園児が小さな手で折った千羽鶴が飾られ、会場で参加者に書いていただいた寄せ書きとともに、沖縄平和ツアーで持って行き、現地で闘われている名護共同センターに寄贈してきます。


毎年、質量ともに充実し続けている戦争展、今年は、映画は二百七十名を超える方々、展示は三百名を超える方々が見学。大成功を収めることができました。

(「兵庫民報」2017年9月3日付)

兵庫革新懇一泊研修ツアー

危険高まるXバンドレーダー基地

岬の上のXバンドレーダー基地

「平和・民主・革新の日本をめざす兵庫の会」(兵庫革新懇)は、八月二十日・二十一日に、夏期一泊研修ツアーに取り組み、三十三人が参加しました。会の結成時から毎年取り組んでいる研修ツアーで、今年は、青森県に続き日本で二カ所目となった京丹後市経ヶ岬のXバンドレーダー米軍基地を視察しました。
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Xバンドというのは七~十二ギガヘルツという非常に高い周波数の領域のことで、千キロメートル先の十センチメートル単位の物体を識別するという精緻さ。米軍はこの周波数を使って、小型の弾道ミサイルを探知・追尾し、迎撃する目的で配備を計画し、二〇一四年十二月二十六日から本格稼働しています。推定探知距離は五千キロで、そのため発信出力もメガワット級を使い、レーダー照射範囲への影響は強力です。
また、多額の市の出費を伴う米軍基地の拡張計画がすすめられ、隣接する自衛隊基地でも高さ三十メートルの強大なアンテナ塔二基や三階建ての新隊舎など拡大強化も行われています。
自衛隊基地も増強

現地を案内した「米軍基地建設を憂う宇川有志の会」代表の三野みつるさんは、ミサイル防衛の前線となるXバンドレーダー基地の危険度はきわめて高くなっており、「軍事対軍事」の対決ではなく、あくまでも平和的外交的な解決をめざすことが必要だと強調しました。
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今回の研修企画では、兵庫県豊岡市で、「粛軍演説」「反軍演説」などで知られる「但馬の政治家、立憲政治を求めた斎藤隆夫」の記念館「静思堂」、野生復帰事業に取り組むコウノトリの郷公園なども視察。バス内でも、原水爆禁止世界大会や沖縄の報告など、内容の豊富な研修となりました。
今後も時宜にかなった企画への期待が寄せられました。
(柳原ゆき子)

(「兵庫民報」2017年9月3日付)

「あさぎ」87回:九月詠草 姫路年金者組合

川沿いの緑の中へバス分け入り客は歌会帰りの吾ただ一人
蛍一匹ツゥーと寄って来る川辺たずねて来しか亡き義兄の魂
 山本直子

はつなつの梅干しつくり梅の香に心ゆるりとほぐされている
七十八年のわがすぎゆきをかえりみん月を仰いだ祖母とのくらし
 藤原信子

山の田の初穂を添えて厄除けの御札下さる広峰の宮
母の日に貰いし花のブラウスは人目構わぬときだけに着る
 衣川有賀子

合歓の花一輪なれど卓上に薄紅色を愛でて語らう
雷雲至る水嵩増しし用水路ビニール傘の浮きつ流るる
 常田洋子

退院を期間限定で許されて「あさぎ」七号の作成はじむ
印刷の終わり歌友に電話して製本紙折手伝いたのむ
 田渕茂美

(「兵庫民報」2017年9月3日付)

劇団四紀会60周年記念公演vol.3

「魔女の宅急便」を朗読・ピアノ・コーラスで!

魔女っ子〝キキ〟は一人立ちをするため、海辺の大きな町コリコにやって来ます。そこで始めた仕事は、ほうきで空飛ぶ〝宅急便〟。キキはここで様々な人たちと素敵な出会いを重ね成長していくのでした……。
「金子みすゞ」「宮本武蔵」「二十四の瞳」等を送り出した四紀会&梶武史記念朗読集団。今回は宮崎駿のアニメでご存知「魔女の宅急便」を、朗読にピアノの生演奏、子どもたちのコーラスを交えお届け致します!(里中真=劇団四紀会)

劇団四紀会第155回公演・梶武史記念朗読集団公演『魔女の宅急便』

原作:角野栄子、脚色:桜井敏、演出:岸本敏朗/9月16日(土)・17日(日)・18日(月・祝)各13時・17時/元町プチシアター/大人(高校生以上)2,000円、子ども1,200円(中学生以下)※小学校高学年以上対象/☎078‐392‐2421(20時以降)・090-8389-0300(里中)、Fax078‐392‐2422、Email: info@shikikai.com http://www.shikikai.com/

(「兵庫民報」2017年9月3日付)

兵庫県知事選挙「新聞広告募金」ご協力ありがとうございました

二〇一七年八月 日本共産党兵庫県委員会

さきの兵庫県知事選挙では、日本共産党と憲法県政の会・津川ともひさ氏への熱い期待を込めた県知事選挙募金が寄せられ、各種活動の財政的な支えとなりました。
これとあわせて、兵庫県委員会は、目的を特定した独自の募金として「新聞広告募金」をよびかけました。これは、日本共産党が津川ともひさ氏を推薦していること、安倍暴走政治と対決し、憲法九条を守るためには津川ともひさ氏を支援していただくことが確かな力になることを、有権者に広く知らせるために新聞広告を掲載する、そのための募金でした。
よびかけに応えて、訴え開始直後から県知事選挙投票を経た最近まで募金が寄せられ、八月二十五日現在、百二十七万円の募金が寄せられました。新聞広告は六月二十五日の「神戸」「読売」に掲載し、百五十九万円の掲載費用を支払いましたが、費用の大半をみなさんから寄せられた募金でまかなうことができました。みなさんのあたたかいご協力に心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。今後とも、日本共産党に物心両面のあたたかいご支援・ご協力をお願いいたします。

(「兵庫民報」2017年9月3日付)

ひなたぽっころりん〈603〉


(「兵庫民報」2017年9月3日付)

観感楽学

七月、借り上げ住宅問題の裁判中、事件が起こった。突然裁判長が休廷を宣言し、いったん扉の奥に引っ込んでしまった。傍聴者は、何が起こったのかわからないまま待機していると、しばらくして裁判が再開され、裁判長は「この事案は十月十日に判決を言い渡す」と宣告して閉廷してしまった▼いま、借り上げ住宅をめぐる追い出し裁判は、神戸の「被告」七名が、第二、第四、第五民事部に分離され、それぞれ裁判長が異なる。いきなり、十月に判決言い渡しと告げられたのはキャナルタウンのNさんで、第二民事部が担当している。彼女をめぐる審理は始まったばかりで、まだ意見陳述さえしていない▼八月十一日、この異常な裁判を正そうと兵庫区で緊急集会が開催された。会場には百名を超える入居者や支援者が結集し、同じキャナルタウンのTさんが「Nさんはいま七十九歳ですが、病気のため足腰が衰え、先日も風呂から出られなくなり、湯船に水を一杯張り、浮力でようやく脱出したものの危なかった」と報告した▼彼女の入居許可証には確かに二十年間の入居期限が記載されているが、彼女がそれを知ったのは、公営住宅法二十五条二項でいう「事業主体が入居決定した時」ではなく、鍵渡しを受けて入居した後戻りのできない時であり、しかも入居の際、担当者は「期限は継続されるから心配いらない」と説明している。こんな事実経過を審議しないまま結審することを許してはならない。(D)

(「兵庫民報」2017年9月3日付)