カコから学び、ジダイの本流つかもう
「核兵器ゼロ!原発ゼロ!ZEROこねっと」は七月十七日、「プレゲンスイキン―二〇一七年度の原水爆禁止世界大会にむけた学習企画―」を神戸市内で開催し、十七人が参加しました。七月七日に採択された核兵器禁止条約をうけて、今年の原水爆禁止世界大会は画期的な大会になることが予想されます。この世界大会に参加する前に学習しようと、本条約の内容や歴史的意義を学び、条文の核心部分であるヒバクシャの声・被爆体験の聞き取りを行うことの二部構成で行いました。
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核兵器禁止条約について報告する冨田教授 |
核兵器禁止条約の内容については、原水爆禁止世界大会起草委員長を務める冨田宏治関西学院大学教授が報告しました。
報告では、「本条約の書き出しが核兵器の非人道性について書かれ『二度と使用されない残された唯一の方法として、こうした兵器の完全廃絶が必要であるとの結論を認識し』という部分は、第一回原水爆禁止世界大会から被爆者と反核・平和運動がずっと掲げていたこと」「一番大事なのは、ヒバクシャという言葉が公的良心の担い手として二カ所も入っていること。被爆者の声を聞いて、被爆者の声が形になったという条文になった」と述べ、条約は原水爆禁止運動と被爆者の勝利だと強調しました。
そして、世界の世論と運動、とりわけ日本政府の態度を改めさせるためには、日本政府を交代させることが必要だと語りました。
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被爆体験を語る千葉さん |
被爆体験については、千葉孝子さんが広島の爆心地から約二kの地点で被爆した体験を語り、「これまで被爆者で良かったことなんて何もなかった。でも、被爆者の願いに応えて核兵器禁止条約が採択された。被爆者として生きてきて誇りに思う。生きてきて良かった」と述べました。
長崎出身の被爆三世の青年も参加し、「千葉さんの話で祖父を思い出した。被爆者の方々の思いが詰まった条約で本当にうれしい。日本政府の姿勢は本当に情けない。世論を高めて政治を変えたい」と感想を話しています。
2017年7月23日付「兵庫民報」掲載