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2017年6月4日日曜日

兵庫民報2017-06-04

  • 若者が県政を変えるシンポジウム/
  • 「共謀罪」反対:野党5党と市民が街頭宣伝/
  • 兵庫10区野党共闘を考えるシンポジウム/
  • 検証兵庫県政(6)/
  • 県主導で病院統合:広畑病院閉院で地域医療はどうなる?/
  • 神戸市が突如発表:「神戸港将来構想」(上)/
  • がんばってます!兵庫6区:吉見秋彦さん/
  • 伊丹革新懇総会で志葉氏が記念講演/
  • 兵庫県原水協が理事会(総会)/
  • 電力足りているのにナゼ再稼働?/
  • ビデオ:『県民のいのち、くらしを守る県政へ転換を』/
  • 映画『母―小林多喜二の母の物語』を見る/
  • 島村美津子川柳句集『姉ちゃんは百歳』によせて/
  • 観感楽学/

若者が県政を変えるシンポジウム

実態語り合い、津川さんが展望を語る


兵庫県内の青年がおかれている実態を交流、県政をどう変えることができるのかを共に考えようと「若者が県政を変えるシンポジウム」(実行委員会主催)が五月二十八日、神戸市勤労会館で行われ、四十二人が参加しました。
パネラーとして三人の青年――大学生、子育て中の教員、個人事業を営む歯科技工士――がそれぞれの状況を語り、憲法が輝く兵庫県政をつくる会代表幹事の津川ともひささんが兵庫県政の現状と課題を語りました。
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大学生は「高すぎる学費で奨学金を借りているが、バイトをしないと生活ができない。教育予算が低いせいで、学びの自由を奪われている。平等ではないと感じる」と訴え、県独自の給付型奨学金創設を求めました。
子育て中の教員は「残業という概念もないのに、明日の準備で深夜まで働く。自分の健康と仕事を天秤にかけながら働いている」という過酷な労働実態を語りました。
歯科技工士は「下請けにいけばいくほど力関係があり値引かれる。消費税があがれば下請けへの負担がそれだけ多くなる。歯科技工物の値段が下がれば診療報酬も下がる仕組みなので、ここで止めないと大変なことになる」ことを明らかにしました。
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三人の報告をうけ津川さんは、「人口減に対し兵庫県は、若者の出会いの場をつくり、結婚したら手当を給付するという政策を出しました。それも必要なことですが、『そもそもなぜ結婚ができないのか』という要因を解決しなければなりません。多くの青年が非正規で働き賃金も低い、これを改善することが必要です。中小企業には支援をしつつ最低賃金を上げるべきです」と主張するなど、県政が変われば暮らしが変わる展望を語りました。
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フロアからも、様々な実態や要求が語られ、県政に対し熱心な議論がなされました。
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終了後、参加者は三宮でパレードを行い、市民にアピールしました。

「共謀罪」反対:野党5党と市民が街頭宣伝

西宮・芦屋のみなせんと野党は共闘市民の会(準)


みなせん@西宮・芦屋と、野党は共闘!西宮芦屋市民の会準備会の共催で「私たち市民と野党は、共謀罪に反対です!街宣」が五月二十七日、阪急西宮ガーデンズ前で行われ、約百五十人が参加。スピーチやビラ配布、署名などで、いっしょに声をあげ、「共謀罪」(テロ等準備罪)に反対しましょうと買い物客らに呼びかけました。
野党から、民進党の畠中光成元衆院議員(兵庫七区)、社民党の大島淡紅子宝塚市議、新社会党の前田辰一芦屋市議、緑の党グリーンズジャパンのよつや薫西宮市議、日本共産党の上田さち子西宮市議(兵庫七区国政対策委員長)が――
市民からは、明日の自由を守る若手弁護士の会(あすわか)の川元志穂弁護士、一級建築士の渡部明さん、新婦人西宮支部の松尾玲子事務局長、阪神土建労組の田中治常任書記、安保法制に反対するママと家族と有志の会西宮らへんの一色風子さん(西宮市議・無所属)が――次々とマイクを握り訴えました。

兵庫10区野党共闘を考えるシンポジウム

二市二町総がかり行動実行委員会


戦争させない・9条壊すな二市二町総がかり行動実行委員会は五月二十八日、加古川市勤労会館で、「戦争はイヤだ! 兵庫十区野党共闘を考えるシンポジウム」を開催。七十三人が集い、市民連合の結成と野党共闘の実現で、安倍暴走政権打倒の展望を語り合いました。
基調報告に代えて、高砂市在住で同実行員会代表の小南浩一・兵庫教育大学教授と内田樹・神戸女学院大学名誉教授が対談し、日本の現状と打開策など、近未来を語り合いました。
小南氏は、「安倍自民党総裁は、日本会議の入れ知恵で、憲法九条に第三項を創設して自衛隊を盛り込み、平和憲法の骨抜きを狙っている」と強く批判。内田氏は、「対米従属優先で、反知性主義の安倍政権につける薬なし」と断じ、市民と野党の共闘で安倍内閣打倒を」と呼びかけました。
続くシンポジウムでは、新日本婦人の会、脱原発はりまアクション、美濃部達吉研究会、県職労、9条の会、戦争をさせない1000人委員会の六団体の代表がパネラーとして登場しました。
安倍政権退陣を求め、これを機に衆院兵庫十区の野党共闘・市民連合の結成準備会を発足させることも話し合われました。

検証兵庫県政(6)

大型開発などで巨額の借金:県民にそのツケをまわす

これまでの県政は、震災からの「創造的復興」の名によるものも含め、ムダな大型開発や優先すべきでない事業のために巨額の借金をしてきました。震災前に比べ、「公債費」(借金返しのお金)の割合が大きく増えているのは、そのツケが、県民にまわされていることを示しています(図)。
失敗のツケが財政を圧迫しているのが確かですが、県知事には、「予算を調製し、及びこれを執行すること」(地方自治法一四九条の二)、つまり、県民の税金を使ってどんな仕事をするかを決める強い権限が与えられています。
現知事のもとでは、連載で見てきたように、「行革」の名で県民の暮らしや福祉の予算がカットされる一方で、大型開発や企業誘致など大企業やゼネコン向けの施策が継続される「逆立ち予算」になっています。
たとえば、大企業への補助が中心の「企業立地補助」の今年度予算は約十三億円。一方、県行革で対象者が大幅削減された母子家庭等医療費給付助成費を元に戻すのに必要なのは約六億円、今年度廃止された「老人医療費助成」を復活するのにかかるのは約五億八千万円、あわせて約十二億円です。年間予算約一兆九千億円のわずか〇・一%にも満たない額です。
知事が、大企業やゼネコンの方でなく、住民の方を向いて仕事をすれば、県政は大きく変えられるでしょう。
知事の姿勢で、県政が大きく変わることは、この間の全国の動きが示しています。
沖縄県では、翁長知事が、県民のいのちを守る立場で、基地の県内移設を絶対許さないと頑張っていますが、くらしの問題でも、独自の奨学金をつくり、こどもの貧困対策を進めています。沖縄県は決して財政豊かな県ではありませんが、知事の姿勢があれば財源の知恵も生まれてきます。

県主導で病院統合:広畑病院閉院で地域医療はどうなる?

住民が懇談会



姫路では、いま、兵庫県の主導によって、県立姫路循環器病センターと社会医療法人製鉄記念広畑病院とを統合し、新県立病院(仮称)県立はりま姫路総合医療センターをJR姫路駅東約八百メートルの姫路市所有地に二〇二二年度の上期に開院させる計画が進行しています。これに伴い、姫路市南西部住民の地域医療を担って来た広畑病院が閉院します。
そこで、広畑病院閉院後の地域医療を考える住民懇談会が五月二十八日広畑市民センターで行われました。新県立病院の計画が明らかになってから結成された「姫路の地域医療と介護を守る会」が主催したもので、四十人が出席しました。
会場周辺に配布された案内チラシを見て参加された方からは、「病院統合計画を初めて知った」という声もありました。
参加者間の活発な意見交換があり、①住民が納得できる説明会を②広畑病院の医療機能を残させる署名活動を③繰り返し住民学習会を④地域に運動が見える行動を⑤在宅医療体制整備を求める―などの行動が提起されました。(苦瓜かずしげ=姫路市議)

神戸市が突如発表:「神戸港将来構想」(上)

目を疑う超巨大開発

神戸市は五月十九日、神戸港開港百五十年の記念式典で突如「神戸港将来構想」を発表しました。二〇五〇年(概ね三十年後)を目標年次とする同「構想」は、目を疑うような二つの「超大型開発」――「国際ロジスティック構想」と「ウオーターフロント構想」――が据えられた神戸港「構想」です。その問題点を二回連載で考えます。

①一兆円こえる超巨大港湾づくり



一つ目の「超大型開発」は、新たな人口島埋め立てを柱にした「国際ロジスティック構想」です。
六甲アイランドの南沖に三百三十三ヘクタールもの人口島を埋め立て、巨大なコンテナターミナルを整備します。まだできてもいない大阪湾岸道路から、コンテナ専用橋上道路を二本建設し、六甲アイランド南と、ポートアイランド二期につなぐ計画です。
埋め立て事業は、神戸空港をしのぎ、ポートアイランド二期(三百九十ヘクタール/五千二百億円)に匹敵する五千億円規模。現在進められている総事業費五千億円の大阪湾岸道路に、二つの橋上支線道路と埋め立て事業が加わると、一兆円を大きく超える計画です。
いま、日本の大手船会社三社では事業統合計画がすすんでおり、神戸港で利用される十一の国際コンテナターミナルの維持どころか減少すら想定されています。「構想」では神戸港のコンテナターミナルをほぼ倍加する計画ですが、当然費用対効果はまったく検討されておらず、過大な投資といわざるをえません。

前市長の公約を破棄し、六甲アイランド南を建設

六甲アイランド南は、阪神・淡路大震災前からある埋め立て計画です。二〇一一年に矢田前市長が、市長選出馬時に「大規模投資は抑制し、市民生活に身近な投資を優先する」と公約。そこで掲げられたのが「六甲アイランド南凍結」です。
その後の市政運営で「大規模投資の抑制」は必ずしもそうなっていませんが、「六甲アイランド南凍結」は、いまも神戸市の大方針です。「構想」は、そうした経過が市議会でも確認されていることを無視し、方針の大転換を勝手にきめています。
久元市長は、自らが四年前に掲げた「子どもの医療費無料化」について「一部負担が必要」と公約を放棄しました。このたび、前矢田市長の「大規模投資は抑制」の公約まで放棄し、「超大型開発」優先の神戸市政の復活を推し進めようとしています。
(続きは次号)

パブリックコメント募集中

神戸市は「同構想」を「パブリックコメント案」として六月二十一日まで市民意見を募集していますが、批判の声をふくめ広く市民の意見を聞く姿勢が神戸市に求められています。
「神戸港将来構想(案)」への市民意見は、個人は住所と氏名、団体は所在地・名称・代表者氏名を明記して下の宛先へ郵送・Fax・電子メールで提出します。
また、同構想(案)の資料は①市政情報室(市役所二号館二階)、②みなと総局技術部計画課(市役所一号館二十一階)で閲覧できます(募集期間中の平日)。
「神戸港将来構想(案)」パブリックコメント提出先
郵便:〒650‐8570 神戸市中央区加納町6‐5‐1
神戸市みなと総局技術部計画課
Fax:078‐322‐6127
e-mail:minato_keikaku@office.city.kobe.lg.jp
(問い合わせ:同課☎078‐322‐5680)

がんばってます!兵庫6区:吉見秋彦さん


六区(伊丹・川西・宝塚)で国政委員長として活動することを決意しました。
街頭や対話では安倍政権の憲法に対するスタンスと「改憲許さず憲法を守り生かす政治」を訴えると反応があり対話になります。
安倍政権ほど日本国憲法を変えようとして実際に解釈で違憲な法律を連発している政権はありません。
戦争法(安保法制)の時もこれまでの憲法解釈で「できない」とされてきた集団的自衛権(九条)を現行憲法下で法制化しましたし、憲法で規定された内心の自由・団結の自由・表現の自由(一九条・二一条)を侵す「共謀罪」を審議不十分、まともな答弁なしに衆院で強行採決しました。
国の責任である社会福祉・社会保障の向上(二五条)も投げ捨てて、医療・福祉・教育の分野での改悪は目を覆うばかりです。
そして改憲では憲法記念日の九条に関するメッセージ。「自民党総裁としての発言」「読売新聞を熟読してほしい」おおよそ首相の答弁として信じられない国会での答弁です。
北朝鮮のミサイル発射と自衛隊のあり方はどのように解決するか国民の中でもさらなる議論が必要ですが、すべきことは憲法を変えて自衛隊を日本の安全と関係ない海外派兵させることでも自衛隊の違憲状態をただちに解消することでもありません。
オリンピック開催のために「テロ」を口実に警察権力が国民の内心をのぞき、密告を奨励し、国民を監視する共謀罪をつくることでもありません。
明文改憲・解釈改憲になんの道理もなく、対案もありません。現行憲法の精神に従って平和外交で近隣諸国と友好関係をつくる努力と実績、基本的人権を保障し人間らしく生きられるよう、社会保障の充実を図ることこそ今求められる改革です。
来るべき総選挙にむけて政治と市民共同・野党共闘の力をともに広げ、党躍進のための自力をつける先頭にたって奮闘します。

伊丹革新懇総会で志葉氏が記念講演

日本国憲法で保障された権利のために一人ひとりが声あげよう



伊丹革新懇は五月二十七日、伊丹市立図書館「ことば蔵」で第五回総会を開き、約五十人の参加がありました。
第一部は戦場ジャーナリストとして活躍中の志葉玲さんの講演。テーマは「戦場取材から語る日本国憲法」です。ガザをはじめ様々な戦場で取材された生々しい映像をもとに自身の捕虜体験など貴重なお話を聞かせていただきました。
ドローンでわざわざ子どもを狙い、救急車や病院、発電所まで破壊するイスラエル軍。イラクの一般家庭で宿泊させてもらった志葉さんは、そこの人たちが、文化や言語が違っても私たちと同じ心をもっていることを実感したといいます。
安倍政権は大企業と組んで「武器輸出三原則」を撤廃し、こういった戦争をする国に武器を売ることを可能にしました。志葉さんは「本当に愚かなことです。近代史の中で最も犯罪的な兵器(原爆)の被害を受けた日本こそ、兵器を売り、拡散していくことをすべての国にやめるよう求めていく立場ではなかったのでしょうか」と訴えます。
「戦争や武器輸出などを日本の国民は拒絶する権利があります。憲法前文にある『平和的生存権』とは、殺し殺されないで、平和に生きる権利があること。憲法をただの文ではなく、社会に息づく生きたものとするためには、日本の国民一人ひとりが憲法で保障された権利を自覚し、自らの権利のために声をあげることが大事。自民改憲案はこういった条項を削除しており、現憲法を守り抜くことが必要です」と志葉さんは講演を締めくくりました。
第二部の総会では兵庫革新懇事務局の宮田静則氏の力強い挨拶を受け、事務局から「昨年度の活動報告」「会計報告」「今年度の活動方針&年間行事計画」(特に今年度は新しい方針として「野党共闘を求める市民連合を発展させる」を追加)「予算案」「役員案」を提案。総会参加者からの建設的な意見も加えてすべて承認されました。(中島隆夫=同革新懇事務局)

兵庫県原水協が理事会(総会)

「ヒバクシャ国際署名」推進

開会挨拶をする津川ともひさ筆頭代表委員

津川筆頭代表理事「非核宣言すらしない兵庫県政の転換を」
兵庫県原水協は五月二十七日、二〇一七年度理事会(総会)を行い、十八地域原水協、十六県団体などから八十二人が出席し、「ヒバクシャ国際署名」の推進などの新方針を確認しました。津川知久・筆頭代表理事(兵庫県知事選予定候補)が開会挨拶をし、核兵器禁止条約実現の道を切り開いた被爆者を先頭にした非核の世論と運動の役割を強調しました。そして、「非核宣言すらしない兵庫県政の転換に全力をあげよう」と訴え大きな拍手を受けました。
講演する土田氏
理事会では、日本原水協の土田弥生事務局次長が、「核兵器禁止条約の実現へ 私たちの役割を果たそう」と題して記念講演。国連会議に出席した土田氏は、条約草案が発表された歴史的意義を明らかにし、被爆者の発言、市民社会の長年の努力が高く評価されたことを、数々のエピソードを紹介しながら語りました。アメリカなど核兵器国と核兵器依存国の強い圧力、妨害、特に、日本政府の禁止条約に対する敵対的な態度に国際的な批判が広がっており、六月十五日にはじまる国連会議第二会期に向けて「ヒバクシャ国際署名」を広げることの重要さを強調しました。
理事会は、各地、団体から、「ヒバクシャ国際署名」などの取り組みの経験、決意が語られ、兵庫県知事選挙で津川勝利、国民平和大行進と原水爆禁止世界大会(長崎)の成功などの新方針などを採択しました。
代表理事に津川知久(兵庫労連顧問)、上園隆(民青同盟)、岡本毅一(年金者組合)、岸本友代(新婦人)、村上哲也(兵商連)、和田進(神戸大学名誉教授)、事務局長に梶本修史などの役員を選出しました(敬称略・役職はいずれも再任)。
(梶本修史=兵庫原水協事務局長)

電力足りているのにナゼ再稼働?

原発なくす会が学習会



原発をなくし自然エネルギーを推進する会(原発なくす兵庫の会)は、学習会「電力足りているのにナゼ再稼働?」を五月二十五日、神戸市内で開催しました。
講師は電力兵庫の会の速水二郎さん。福島原発事故後、国民的な節電努力や家電の改善もすすみ、さらに再生可能エネルギーが爆発的に増えており、原発は必要なくなっているにもかかわらず、関電が依然として原発を推進している最大の理由として原発燃料が資産になっていると指摘。原発燃料は数年使い続け、使用済み燃料は破綻しているが核燃料サイクルで再度燃料とされ、単年度で五千億円以上の「資産」になっていると解明しました。
さらに関電は原発再稼働で電気代を引き下げ、自由化で逃げた顧客を取り戻す魂胆との説明に、参加者も「なるほど」とうなずきました。
関電は株主総会を六月二十八日ワールドで開く予定。原発なくす会は毎月十一日のイレブンアクションを引き続き継続し、学習・交流もすすめることにしています。
〈597〉

ビデオ:『県民のいのち、くらしを守る県政へ転換を』

日本共産党県議団がビデオを公開



日本共産党兵庫県会議員団が、兵庫県政を語るビデオ『県民のいのち、くらしを守る県政へ転換を』(三十七分)を公開しました。
同県議団は、県知事選挙(六月十五日告示・七月二日投票)に向けた学習などに活用をと呼びかけています。
グラフや地図、写真を使って、五人の県議が県政の現状を分かりやすく解説しています。
このビデオはインターネットのYouTube(ユーチューブ)「日本共産党兵庫県会議員団」チャンネルで視聴できます。
また、これを収録したDVDも日本共産党の兵庫県委員会や各地区委員会を通じて注文することもできます(実費)。

映画『母―小林多喜二の母の物語』を見る

戸崎曾太郎



八十五歳の映画プロデューサー・監督の山田火砂子が、三浦綾子の「母」を映画にしました。
主演の寺島しのぶは、「人の幸せを願う」多喜二を信じ、ひたすら子を思う「母」の心を素直に演じています。
息子を惨い遺体にして返した非道な国家権力に対する怒りも、見る人に訴えるシーンでした。「戦争するな、武器をつくるお金で貧しい人たちに食料をあたえよ」という思いから小説を書いた小林多喜二は、治安維持法で検挙され、拷問され、虐殺されたのです。
いま安倍政権が治安維持法の現代版と言われる「共謀罪法」を強行成立させようとしているとき、「二度と戦争はさせない、暗黒社会にはしない思い」を強くする映画です。
(治安維持法国賠同盟兵庫県本部会長)
元町映画館(元町通4丁目)で、6月17日(土)〜30日(金)までの2週間、連日午前10時30分から1回の上映です。料金は一般1,700円、シニア1,100円、学生1,000円

島村美津子川柳句集『姉ちゃんは百歳』によせて

田渕茂美

島村美津子さんのお姉様、吉川絹恵様の百歳のお祝いに出版された貴重な句集です。お姉様は長女、島村さんは十四歳下の末っ子だそうです。
「兵庫民報」の森卓司編集長から見せていただいて、「心の広い人…」と第一印象が私の口からほとばしり出ました。島村さんは川柳、私ははたけちがいの短歌。まして、川柳のお仲間の文と絵が添えられた句集。悩みましたが、編集長のお誘いにこたえ、感想を書いてみました。
*

百歳の姉は私の宝もの
老老介護の身で何人の方がこの句を詠えるだろうかと思う時、島村さんの心の広さ、深さを見たように思いました。
いいんだよ何度も同じこと聞いて
「何度も同じことを聞いて」と友がぼやいているのを聞いたことがあります。「病人だものしかたがないわ」と私が言うと、友は「私は心ができていなから」と言う。この句にも作者の心の広さ、深さがうかがえます。
介護する小鳥のような小さな背中
瘦せて小さくなった姉を愛おしく感じる作者の心が小鳥と詠わせたのだと思います。発想の転換の豊かさを感じました。
天の月地上の自分ほめて寝る
今日も色々あったけれども、私がんばったでしょう…。お月様に心を放って眠りに就かれたことでしょう。読んで「ごくろうさまでした」と思わず声が出ました。
明かり消し誰にともなくありがとう
灯りを消し、一日のあれこれを思いめぐらすとき、でも今日、無事過ごせたことの感謝と喜びを込めて「ありがとう」とおっしゃったのでしょう。
全部で十八句という小さな句集ですが、川柳作家の仲間の画と文が加わり、ほっこりと温かい心にさせていただきました。
島村さんに見習い、心を広く、深く、発想の転換ができるよう、私も生きて行きたいと思います。
(新日本歌人協会会員)



『姉ちゃんは百歳』川柳・島村美津子、絵・なおと、文・妹尾凛、芳賀博子、渡辺かおる――は、A6判三十六ページ・カラー、二〇一七年四月発行の私家版です。

観感楽学

第二次安倍内閣が発足した二〇一四年、内閣官房のもとに「内閣人事局」という新しい部局が作られた。この新組織は、「役人主導」から「官邸主導」に、つまり「政治家の関与を強めるため」創設されたもので、結果、一府十二省の事務次官を筆頭とする最高幹部約六百名の人事権は総理大臣と官房長官が握ることになった▼官房長官等によって抜擢された最高幹部たちは、安倍総理に忠誠を誓い、命がけで働いている▼そういえば、「森友学園問題」では佐川理財局長が、「共謀罪」の質疑では、金田法務大臣にかわって審議官が、自衛隊問題では、官僚が稲田防衛大臣の盾になって野党の追及を逃れた。彼らは、体を張って安倍内閣を支えようと必死になっている▼しかし「森友学園」に続いて発覚した「加計学園」問題で、その最高幹部だった一人が「反乱」をおこした▼文部大臣などが、「国のトップの意向」などという文書は存在しない。と国会答弁したが、「あるものをないとは言えない」「文書はここに存在する」と、前・事務次官が暴露し衝撃が走った▼記者会見に臨んだ冷静沈着な前・事務次官に対して、菅官房長官は滑稽なほど慌てふためき、低劣極まりない罵詈雑言を浴びせて事実を隠蔽しようとしている。が、「隠すより現る」加計学園問題に対する総理大臣の関与はもはや隠しようがない。大見えを切った安倍総理には、さっさと退陣していただこう。 (D)

(「兵庫民報」掲載)