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2017年4月30日日曜日

兵庫民報2017-04-30

  • 津川ともひさ@7月兵庫県を変える!大集会/
  • 尼崎で街頭演説 山下副委員長、堀内衆院議員ら/
  • 山下さん・堀内さんと青年たちがアマトーーク/
  • 検証兵庫県政:県「行革」を振り返る①下/
  • 検証兵庫県政:県「行革」を振り返る②/
  • 川重に商船建造継続要請を:日本共産党県議団が知事に申し入れ/
  • 認可施設の抜本的拡充を:堀内衆院議員が質問/
  • 兵庫2区:がんばってます!/
  • 福崎町議選:小林・いしの両氏再選/
  • 兵庫県憲法会議が総会/
  • 治維法国賠同盟創立50周年記念映画と講演のつどい/
  • 弁護士9条の会で猿田ND事務局長が講演/
  • ひなたぽっころりん〈595〉/
  • 『太陽のめざめ』:愛とは見捨てないこと/
  • クリスタル短歌の会から/
  • 観感楽学/

津川ともひさ@7月兵庫県を変える!大集会

県政転換の願い総結集


七月二日の兵庫県知事選投票日まで二カ月あまり、憲法が輝く兵庫県政をつくる会は、「津川ともひさ@七月兵庫県を変える!大集会」を四月二十一日、神戸文化ホール大ホールで開き、県内各地から千五百人が参加しました。
労働者、年金者、女性など各分野の人々が横断幕やのぼりを掲げ、要求パフォーマンスを行いました。ひょうご借り上げ住宅協議会の安田秋成代表も切々と訴えました。
未来の社会を考える仲間たちの久一千春さん、福島原発事故で相馬市から避難してきた木幡智恵子さん、明日の自由を守る若手弁護士の会兵庫支部の園田洋輔弁護士、安全保障関連法に反対する学者の会の岩佐卓也神戸大学准教授、連帯スピーチや、津川代表幹事の東播磨高校での教え子・井上清美さんの期待のスピーチが行われました。
安保法制に反対するママと有志の会@兵庫の向山桂子さんからのメッセージも紹介されました。
*

津川ともひさ憲法県政の会代表幹事は――
「この間、県下各地をかけまわり、さまざまな人々と懇談・対話してきたなかで見えてきたのは、地域が壊されていること。地域から病院が奪われ、学校がなくなり、交通手段が奪われ、生きることが困難になっています」「その原因は、国民の生活実態に心を寄せない安倍暴走政治と、それに右へならえで、ハッパをかける兵庫県政にあります」
「こんどの知事選は、地域を住民の手に取り戻す選挙です。住民一人ひとりがそこで人生サイクルを充分に完結できる、そんな地域につくり変えていく選挙です」
「地域を守りたいと願う人々としっかり手を結び、憲法が輝く兵庫県政を実現します。兵庫県政を変え、安倍政治を追い詰めるため、全力でたたかいます」
―と決意を表明し、大きな拍手に包まれました。
*

集会では、政策パンフレット、ワンコイン募金袋・ミニリーフ、SNSの活用など、ただちに構成員が力を一二〇%発揮して必ず「五百五十万人、県民のための兵庫」を実現しようとの行動提起もされました。

尼崎で街頭演説 山下副委員長、堀内衆院議員ら

日本共産党伸ばし暮らし守ろう:尼崎市議選7人・総選挙勝利へ


目前にせまった尼崎市議選(五月二十八日告示、六月四日投票)での七人全員勝利と総選挙勝利をめざして、日本共産党の山下よしき副委員長・参院議員をむかえた日本共産党の街頭演説が四月二十三日午後、JR尼崎駅前で開かれました。
山下副委員長は、北朝鮮への軍事的圧力を強めるアメリカのトランプ政権と、これに追従する安倍政権を批判。「朝鮮半島の問題を戦争で解決することは絶対にできない」と力説しました。国民の内心を処罰の対象にして、盗聴や密告など日本を監視社会にする「共謀罪」の廃案を訴えました。
山下氏は、「希望あるとびらを尼崎から開こうではありませんか」と呼びかけ、尼崎市議選に言及。対決構図は「福祉を切り捨てる自民、公明、維新」対「市民の暮らしを守る日本共産党だ」とのべ、「共産党を伸ばし、暮らしを守ろう」と訴えました。
党市議団の役割ついて、三つの角度――①市民の切実な願いをとりあげて実現する②市民の暮らしの防波堤として市政をチェックする③市民に開かれた清潔な議会へ改革をすすめる――から豊富な実績を紹介しました。
堀内衆院議員は、いまの国会状況にふれ、〝森友問題を質問したのが気に入らない〟と質疑を打ち切る与党、与党の顔色をうかがい国会への資料提出も拒む態度など〝そんたくと隠ぺい、モラルハザード国会だ〟と批判しました。〝介護はずし〟と負担増はやめよと論戦をつくしていることも紹介。民主主義と暮し破壊の暴走政治にたいし、野党と市民の共闘で政治の流れを変える動きにもふれて「一人ひとりの願いを力に、暮らしをまもるために全力つくす」と訴えました。
まさき一子、徳田みのる、川崎としみ、松沢ちづるの各市議、さとう貴志、こむら潤、広瀬わかなの市議予定候補の七氏が「国民を苦しめる安倍政権をささえる自民、公明、維新と対決し、くらしを守る日本共産党を伸ばしてほしい」「子育て支援の充実、子どもの医療費無料化を」「高い国保料の引き下げ、住宅リフォーム助成の実現を」「中小企業、商店街がある尼崎をいつまでも住み続けたい街にしたい」などと訴え、声援に包まれました。
「明日の自由を守る若手弁護士の会」の弘川欣絵弁護士が「野党と市民の共闘をすすめてきた共産党を高く評価しています」と期待を語りました。
街頭演説の参加者からは「国会でも市議会でも、共産党の役割がよくわかった」「共産党を伸ばすためにがんばりたい」などの感想が寄せられました。

山下さん・堀内さんと青年たちがアマトーーク

野党共闘発展のためにも民青と日本共産党へ


山下よしき党副委員長・参議院議員と堀内照文衆議院議員を招いた「兵庫JCPアマトーーク」が二十三日開催され、約三十人が参加しました。この企画は党尼崎地区や民青尼崎地区、尼崎民商などの有志でつくる実行委員会が主催し、六月四日投票の尼崎市議選での日本共産党七議席を若者の力で実現しようと取り組まれました。
司会者から「尼崎の印象はどうですか?」とはじめに聞かれた山下さんは、「尼崎の人たちはあたたかい。演説会でもたくさんの声援もらって気持ちよかった」と話し、和やかな雰囲気で企画がスタートしました。
企画では、参加した青年が仕事や学校での実態、政治や社会に対する思いを語り、山下さんと堀内さんが一つひとつ丁寧に答えていきました。
「正規と非正規の対立があって職場の雰囲気が悪い。自分は非正規で時給八百九十円。これでは一人暮らしも結婚もできない」「介護の仕事をしていて、八十人の利用者を職員二人で対応しないといけない。一人ひとりにしっかり対応できなくて申し訳ない。介護現場で働く人の処遇を改善してほしい」「残業が多い月は百時間を超える。職場からも早く帰るように言われるが、生産性はそのままでと言われ無理がある」などの働く実態が語られました。
山下さんと堀内さんは、日本共産党の長時間労働解消・過労死根絶の緊急提案などを紹介し、大企業が働く人を犠牲にして内部留保を増やしていることや、政治の責任で働く人を守る必要があることを話しました。
SEALDs KANSAIに参加していたという青年からの「いまの政治は共謀罪、森友学園問題、南スーダンの問題など訴える中身が多すぎてまとめられない。どうしたらいいか?」という悩みや、尼崎でデモを計画しているという人の「国会前の抗議行動やデモにはどれだけの効果がありますか?」などの質問も出されました。
最後に山下さんが「いま、野党共闘の努力が進んで、すごいことが起こっています。市民、国民に後押しされて野党も変化しています。日本共産党も変化しました。野党共闘をさらに発展させるためにも日本共産党と民青同盟にぜひ入ってください」と訴えました。
アマトーク終了後には参加していた青年が「仕事が忙しいですが、自分にできることはやりたい。学んでいきたい」と入党を決意し、民青同盟へも加盟しました。

検証兵庫県政:県「行革」を振り返る①下

教育の切り捨て

教育では、「行革」で「事務費削減」や「施設管理費抑制」が方針とされたため、県立高校の予算が大幅減に。生徒の学ぶ権利が損なわれかねない事態も起こりました。
*
私立高校への経常費補助は、国の交付税措置が増えた分、県税相当分を削るというやり方で、本来必要な増額を抑え続けてきました(下の表)。私立高校授業料補助は、国の就学支援制度ができると県予算を半減。全国四位と高い私立高校の学費負担の軽減にはほど遠い状況です。
都府県2010(H22)年度予算額前年度比増額伸び率
東京都43億3,700万円9億5,700万円18%増
京都府9億8,500万円8億8,500万円885%増
大阪府65億1,600万円1,700万円0.3%増
和歌山県2,400万円300万円14%増
広島県5億7,200万円6,700万円13%増
兵庫県6億2,200万円▲5,900万円9%減

検証兵庫県政:県「行革」を振り返る②

職員と県民サービス大幅カット

削減率全国一位


井戸敏三現知事は、二〇〇八年策定の「新行革プラン」で、二〇〇九年度~二〇一八年度の十年間で、県職員の三割削減方針を打ち出しました。一般行政部門で二千七百人、教育部門で四百二十人、警察で百十人、公営企業で二百人の大幅削減です。
二〇〇七年度で八千二百七十九人だった一般行政部門の職員数は、二〇一六年度で六千六十三人となり、削減率は全国一位です。

官製ワーキングプア

そのもとで、県職場では職員の長時間労働や「官製ワーキングプア」が横行する事態になっています。
本庁では、二〇一五年度、大きな災害がなかったにもかかわらず、ひと月あたり八十時間以上の残業を八カ月連続して行った職員や、ひと月あたりの残業が二百九十時間を超える職員まで出ています。県が目標とし、厚労省が健康維持ラインとしている年間三百六十時間を超過した職員は、全職員の約一割にもなっています。
出先機関の一部では、公務職場であっても労働基準法三六条が適用され、残業に労使協定の締結が必要ですが、職員が千二百五十四人から九百六十人に大幅に削減された土木事務所や港湾事務所では、二〇一四年度から二〇一六年度の間だけでも全ての事務所で労使協定を上回る違法な超過勤務が行われていました。県立病院でも違法な超過勤務が慢性化していることが明らかになっています。
県では、本来自治体がやるべき仕事を、民間業者などに請け負わせる、民間委託や指定管理が進められ、県営住宅の管理にあたる労働者が「時給八百円」で募集されていたり、専門性や経験の必要な仕事が、短期のアルバイトで募集されるなど、安い賃金や不安定な雇用を広げています。

民間委託・指定管理で住民サービス低下

こうしたもとで、住民サービスの低下、「福祉の向上」という自治体本来の姿が失われる事例が起こっています。
ある女性は、娘の教育資金を「母子父子寡婦福祉資金」から借り、生活保護を受けながら、県との約束で毎月千円ずつ返還していましたが、県から委託を受けた債権回収会社からいきなり「四十万円一括返済」を求められました。
また、県営住宅の入居者が、収入がなくなり、指定管理者となっている民間会社に相談に行ったところ、本来は家賃減免を受けられる資格があったにもかかわらず、何も教えてもらえなかったという事例も起こっています。
少ない県職員:全国43位
人口10万人当たり(2016年度)
一般行政部門職員数:108人(全国43位)
職員削減率全国1位:27%減
2007年度:8,279人
2016年度:6,063人

川重に商船建造継続要請を:日本共産党県議団が知事に申し入れ


日本共産党兵庫県会議員団は四月十九日、川崎重工業の神戸工場での商船建造撤退の発表を受け、「神戸工場での商船建造継続を川崎重工業に求めること」などを井戸敏三県知事に申し入れました。
申し入れは、①県は地域経済と労働者の雇用を守り、ものづくりの灯を絶やさない立場で、神戸工場での商船建造継続を川崎重工業に要請すること②関連中小企業とともに、請負、派遣など含め労働者からの相談を受ける窓口を設け、雇用・労働の実態を把握すること―の二点を求めました。
ねりき恵子県議団長らは、「私企業といえども県内の経済に大きな影響を及ぼす大企業なので、県として撤退すべきでないと求めるべき」「川重で長年、商船建造の技術者として働いてきた方は、その仕事を誇りにしている。配置転換で対応するということにも無理がある。撤退の撤回とともに、労働者の実態を県としてもつかみ、相談窓口など必要な対策を」と要望しました。
応対した安部斉産業労働部政策労働局長らは、「地域経済への影響への配慮、下請企業などの影響などの把握につとめながら、必要な対応をしていきたい。商船建造の撤退については、経営の根幹にかかわる部分なので、注文をつけるのは難しいと考えている」などと応えました。

認可施設の抜本的拡充を:堀内衆院議員が質問

姫路・わんずまざー保育園、芦屋市の認定こども園化などとりあげ


日本共産党の堀内照文議員は四月十九日、衆院厚労委員会で、重大な法令違反が発覚し、制度初の認定取り消しとなった認定こども園(姫路市・わんずまざー保育園)の事例を取り上げ、国の責任をただしました。
同園は個人立の認可外施設です。子ども・子育て支援法では設置主体が個人であれば施設給付の対象外ですが、二〇一五(平成二十七)年四月までに地方裁量型の認定こども園になれば個人立の認可外施設であっても認定こども園の実績があるとみなして給付が受けられます。
内閣府の中島誠子ども・子育て本部審議官は同園の認定が「平成二十七年三月一日」だったと答弁。堀内氏は姫路市内のもう一つの個人立施設の認定が新制度施行直前の三月三十一日であることも示し「駆け込み認定」と批判。待機児童が多い地域で「質の確保が十分でないまま受け皿づくりを急いだと言わざるを得ない」と指摘しました。
堀内氏はわんずまざー保育園が二年近く監査を受けていなかったことを指摘するとともに認可外施設が認定こども園に認定できるような地方裁量型の仕組み自体を見直すべきだと主張しました。
中島審議官は「地方裁量型の認定こども園のあり方について、今回の事案等を参考に考えていく必要がある。情報を把握し、必要に応じて、指導監査のあり方について見直しが必要であれば積極的にやっていきたい」と述べました。
*
最後に堀内氏は、芦屋市などで公立の就学前施設が統廃合され認定こども園化が進められていると指摘。規制緩和の受け皿づくりではなく、公立保育所を含む認可施設の抜本的拡充を求めました。

兵庫2区:がんばってます!

平松順子さん


核兵器禁止国際条約交渉会議が国連で行われ、歴史上はじめて、核兵器が違法化されようとしています。
ここに至るまでには、被爆者のみなさんのたたかいと、それに連帯し、長年核廃絶の署名を国連にとどけてきた原水協など日本はじめ各国の反核運動の積み重ねがありました。その活動が評価され、国連の会議としては初めて、市民社会が会議の正式な構成員とされました。
綱領に核廃絶を位置づけてきた日本共産党の代表団も市民社会の一員として会議で発言。会議に参加した三十カ国以上の代表・NGOと個別に懇談するなど、会議の成功に大きな役割をはたしました。
私も、二〇一五年のNPT(核不拡散条約)再検討会議の際、会議成功をめざす兵庫代表団としてニューヨークを訪れ、反核団体などと交流、現地での署名行動にも参加しました。言葉の違いを超えて快く核兵器禁止署名に応じてもらえたことに、世界共通の思いを実感しました。
なのに、被爆国でありながら、今回、「交渉には参加しない」と表明した日本政府の姿勢は恥ずかしい限りです。カナダ在住の被爆者サーロー節子さんは「心が裂ける思い」「母国に裏切られた」と言われました。
安倍政権は、シリアや北朝鮮に対してのアメリカの危険な軍事対応の動きにも、いち早く賛同するなど、対米追随の姿勢を続けています。
北朝鮮の非核化を求めるにも、核兵器禁止国際条約が有効です。日本政府は態度をあらため、アメリカに「軍事攻撃はやめるよう」に伝えるべきです。
街頭宣伝でも、「北朝鮮とアメリカの対応がすごくこわい」「安倍さんでは日本が戦争にまきこまれるのではないか?」「兄を戦争で亡くした。二度と戦争はいや」との切実な声がよせられます。
戦前に逆戻りさせないために、憲法と民主主義をまもらなければ、そのために総選挙に勝利しなければと、改めて決意をかためています。

福崎町議選:小林・いしの両氏再選

小林氏は全国最多の14選

小林ひろし氏
いしの光市氏

福崎町議選は四月二十三日、投開票で行われ、日本共産党の小林ひろし氏(74)、いしの光市氏(61)が再選を果たしました。小林氏は全国の日本共産党議員で最多の十四期連続当選です。
日本共産党の得票合計は千五百八十一票、得票率一七%。前回比で二百三票、四㌽伸ばし、二〇一六年参院比例票の二・二倍の得票となりました。(投票率五九・八%)
両氏と党福崎支部は安心・安全で活力ある住みよい町づくりなど五つの重点政策をかかげ支持を広げました

兵庫県憲法会議が総会

県政に憲法いかせばこう変わる:津川さんがミニ講演

憲法改悪阻止兵庫県各界連絡会議は、二〇一七年度総会を四月十八日、高教組会館で開催しました。
恒例の冒頭ミニ講演は代表幹事の津川知久さん。憲法県政実現のリーダーとして昨秋来、県下各地で、各界の方々との懇談のもようをリアルに語りました。
津川さんは①「学校」「病院」「足」、そして「雇用」が奪われて地域が壊れかかっている、②地域が一部のもの(大企業)の利益(全体に還元されない)をあげるための草刈り場になっている、③その中でも地域では、それぞれ関係者の方々が必死の工夫と努力が行われている、など県下の姿を説明。アベ暴走政治の中、自治体行政がどちらを向くのか、〝全体の奉仕者なのか、福祉向上の責務を第一義にしているのか〟の基本姿勢が問われていると強調しました。
兵庫県の位置について、経済力、幸福度、雇用や収入状況、非正規率、完全給食率など、全国比の詳しい説明では、総会参加者は驚きの声もあげていました。
こうした井戸県政の方向よりも、憲法の各条項をいかし、例えばわずか一・八%の組み替え予算を実現するだけでも県民の暮らしを守る県政になると説明、そのためにも、こうした具体的な政策で一致出来る党派を超えた共同を、早期に全地域で実現しようと訴えました。
憲法会議総会は、上脇博之事務局長が激動の憲法情勢を詳しく説明、津川さんの極めて詳細な講演内容も含め、憲法をめぐる国内外・県内の活動報告や二〇一七年の方針を討論し深め、積極的な意見も出されました。
閉会挨拶で和田進代表幹事は、「兵庫県でも憲法会議が結成されて以来、解釈改憲、立法改憲と強行され、いま、明文改憲で大変な事態となっている。あるゆる階層の方々と共同し、この危機を乗り越えるため奮闘しよう」と訴えました。

治維法国賠同盟創立50周年記念映画と講演のつどい

「共謀罪法」が監視社会もたらす:平野喜一郎氏が講演で警鐘


治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟兵庫県本部が四月二十三日、神戸で開いた「映画と講演のつどい」に約七十名が参加しました。
最初に同盟創立五十周年記念製作の映画「種まく人びと」を上映しました。映画では治安維持法弾圧の歴史を生存する犠牲者が語っています。
戸崎曾太郎県本部会長が主催者挨拶をし、「四・一六弾圧」を紹介し、「共謀罪法案」と「治安維持法」の「目的遂行罪」が似ていると話しました。
講演は、「治安維持法の時代と今日の情勢」と題して三重大学名誉教授で兵庫県革新懇代表世話人の平野喜一郎氏が行いました。
平野氏は明治末の「大逆事件」に衝撃を受けた文学者たち、その後の「冬の時代」から「大正デモクラシー」へ、そして「治安維持法」が日本を侵略戦争へ導いた歴史を述べ、「共謀罪法」が完全な管理・監視の社会をもたらすと警告。歴史に学びたたかうことの大切さを強調しました。

弁護士9条の会で猿田ND事務局長が講演

日本・世界の様々な声が外交に反映される社会を


兵庫県弁護士九条の会は定期総会を四月二十二日、神戸市勤労会館で開催、あわせて開かれた公開講座で「トランプ政権の日米同盟の行方」と題し、弁護士で新外交イニシアティブ(ND)の猿田佐世事務局長が講演しました。
猿田さんは、ワシントン留学中、政権交替で誕生したその直後に鳩山政権が米国の強い反発を受けているという日本での報道とワシントンの世論とのギャップに気付いたことがきっかけで、米国政府・議会へのロビーイングを開始し、NGOのシンクタンク「新外交イニシアティブ」を創設した経緯などを紹介しました。
日米外交について猿田さんは、
―ごく少人数の知日派の見解が、日本では米国の意向として大きく報道されているが、連邦議会の大多数の議員は日本についてほとんど関心・知識をもっていないこと、知日派の中にも様々な意見(アーミテージ氏も普天間基地移設に辺野古以外の別案の検討が必要だと述べたりしていることなど)があること、
―日本政府や大企業は、知日派シンクタンクへの資金提供、ロビーイスト、与党国会議員の訪米などを通じて、その意向を米国側に代弁させる「ワシントン拡声器」とも呼べる仕組みを作っていること、
などの現状を解説。ロビー活動をすすめるには米側に対し説得力のある政策が必要となることも指摘しました。
その上で、沖縄訪米団や新外交イニシアティブのワシントンでのロビーイングで、米国の国防権限法から「辺野古が普天間代替施設の唯一の選択肢」という条項を取り除くことができたという成果も紹介し、日本・世界にある様々な声が外交に反映される社会、市民が政策形成に関われる社会をつくることが必要だと強調しました。

ひなたぽっころりん〈595〉


『太陽のめざめ』:愛とは見捨てないこと

神戸映画サークル協議会5月例会


この映画『太陽のめざめ』はカトリーヌ・ドヌーヴ扮する家庭裁判所の判事フローランスが、心に傷を抱えた少年マロニー(ロッド・パラド)を見守り、更生させようとする作品だ。
不遇な時代を送り、親の愛を知らずに育った少年。子どもを持ちながら自立できずにいる母親。「子どもは親や大人が守り、育てる」という自明の理が揺らいでいる日本。大人社会を反映し、子どももまた生き辛い時代だ。
映画はフランスを舞台に一人の少年の更生を願う人々の取り組みをフローランスを中心に描いている。自分の誕生日を祝ってくれる更生施設の職員や仲間たちの前でケーキを前にして屈託のない笑顔をこぼす少年。その笑顔の中に彼がどんなに寂しい人生を歩んできたかが現れている。
人間は誰かに愛され、信頼されていると実感することで、前に向いた人生を歩んでいける。「人間の誤ちは人間が真剣にかかわる事でしか治らない」というある家裁調査官の言葉はこの映画のテーマとともに重い。
(松本正憲)

映画『太陽のめざめ』

神戸映画サークル協議会市民映画劇場5月例会/5月19日(金)①11時②13時30分③16時④19時、5月20日(土)①11時②13時30分③16時④18時30分/神戸朝日ホール4階/2015年・フランス・119分/監督:エマニュエル・ベルコ、出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、ロッド・パラド/一般1,300円(当日1,700円)、シニア・障がい者・大学生以下1,300円/主催:神戸映画サークル協議会☎078‐371‐8550、http://kobe-eisa.com/

クリスタル短歌の会から

安武ひろ子選

重き上衣脱ぎすてペダル漕ぎてゆく陽ざしやさしき啓蟄の土手
岡本征子

啓蟄も催花雨も過ぎ春は来ぬ夫亡き吾にも優しき春が
清水淑子

引っ越しを終えて冬日の暖かし昨日のつづきの今日が始まる
平野万里子

ふる里のぎぼし花咲く池の辺で未来夢みし少女のわれは
正津房子

酷寒に耐えて咲きにしびわの花はやも小さき青実抱けり
宮川菊代

山あいに匠の手入れの枝垂れ梅短き陽を受け見事に咲きぬ
島田国子

防護服まといピアノを弾く少女避難解除の飯館村の
長谷川一枝

放射能いっぱいの街へ戻れという政府に一かけらの良心もなし
森ひろ美

窓越しに咲く寒あやめの色深し平和ならこそ穏やかに見ゆ
広瀬弘子

花などが供えてありぬ餌をもとめ鳴きいし猫らここに眠るや
三浦良子

籠池氏窮鼠となりて猫を噛む慌てる猫は何匹いるや
西嶋節子

観感楽学

安倍内閣の腐敗が続いている。新聞や週刊誌がこぞって報道しているように、暴言を吐いて謝罪する議員、平気で国民にうそをついて追及される議員、質問に答えられない大臣など安倍内閣の閣僚の無能ぶりと腐敗に国民はうんざりしている。そしてまた週刊誌に、中川という政務官が「妻子がありながら別の女性と結婚式を挙げた?」などと「重婚」疑惑が報道され、当人は「私の不徳の致すところで…」といって自民党を離党した▼「不徳の致すところ」という言葉は、ただ言い訳しただけで謝罪にはなっておらず、自民党を離党すれば終わりという無責任さにあきれはてる▼ところで、四月十五日に東京で開かれた日本共産党文化後援会全国交流会で、田村智子さんが教育勅語に触れ、次のような挨拶をした。「森友学園問題をめぐる国会質疑の中で、教育勅語の『父母に孝に、兄弟に友に、夫婦相和し』などの一節を平然と評価する風潮がありますが、天皇主権の下では、家督相続権は長男だけ、女性の参政権はなく、離婚請求もできず、姦通罪は女性のみに適用されました。家父長制の下で、兄弟姉妹は長男に従い女性は男性にかしづくことを前提としたこの言葉のどこが評価できるのでしょうか」と▼この教育勅語を礼賛する者らは、闘病中とされる彼の妻が無責任な夫の不始末を謝罪する姿を見て何とも思わないのだろうか。腐敗を極める安倍内閣は早々に退陣すべきだ。(D)

(「兵庫民報」掲載)