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2017年4月2日日曜日

兵庫民報2017-04-02

  • 宝塚市長選4月9日告示・16日投票/
  • 市民の暮らしと福祉を守り、神戸経済を真に発展させる予算へ/
  • 3月県議会:日本共産党の討論/
  • わんずまざー保育園問題:日本共産党姫路市議団が市に申し入れ/
  • 借り上げ住宅57回協議会/
  • 共謀罪法案許さず/
  • 西宮革新懇が総会/
  • 再生可能エネルギーを地域ぐるみのとりくみに/
  • 誰のための政治やねん:安倍政権に反対するデモ/
  • 党県委員会を会場に東日本大震災救援バザー賑わう/
  • ひなたぽっころりん〈593〉/
  • 神戸映サ4月例会『歌声にのった少年』/
  • 劇団「四紀会」60周年記念公演第一弾!/
  • 俳句:新俳句人連盟兵庫支部/
  • 観感楽学/

宝塚市長選4月9日告示・16日投票

市民ととも市政を前へ中川市長が決意表明


二期八年市民との共同でつくってきた市民目線の市政をさらに前に――宝塚市の「中川ともこと歩む会」が「中川ともこを囲むつどい」を三月二十五日に開催。会場の宝塚ソリオホールいっぱいに市民が参加する盛会となりました。

開会挨拶で同会会長の木下達雄氏は、「二期八年の実績があり、クリーンな政治をこれからも続けられるのは中川市長だけ。〝宝塚を取り戻す〟と言っている立候補表明者もいるが、中川市長以前の金権政治に戻そうとしているのではないか。在特会・日本会議など右翼の動きもある。このつどいを機に楽観論を払拭して、市政を前進させようと」と訴えました。
はじめに瀬田敦子さんによるピアノミニコンサート。二代続けて市長が汚職で逮捕されるという宝塚市政に怒りを感じ八年前、立候補した中川市長の姿に重ねた、ショパン「革命」など五曲を演奏し、つどいに大きな花を添えました。

市民が語る中川市長への期待

続いて五人の市民が中川市長への期待を語りました。
月見が丘・長寿が丘の住民は巡回バスが実現した経過を報告。公共交通を求める運動に対し、五つの地域で面談するなど市民と一体となって市政をすすめる中川市長だから実現できたと強調しました。
市民病院の緩和ケア病棟を利用した市民は、「遠いところまで行かなければ受けられなかった終末期の緩和ケアが市内で受けることができた」「入院した主人だけでなく、家族である私の不安や悩みにも丁寧に対応してくれた」と感謝を述べました。
Uターンで西谷に帰ってきた青年は、「市の助成も受けながら月一回西谷の地域情報を発信している。市とともにこれからも自然豊かな西谷をPRしていきたい」と語りました。
東日本大震災を機に千葉県柏市から移住してきた母親は、子どもの健康を考え、給食がいいと宝塚に決めたこと、末広公園で初めて中川市長と会ったときに経過を話すと「よく頑張ったわね」とハグしてくれたことなどを紹介し、「こんな人柄の人がリーダーなら宝塚は大丈夫だと思った」と述べました。
石積み作品で有名な芸術家は、「中川市長には阪神・淡路大震災の時から接点を感じている。中川さんは市長になる前に被災者支援法を作り、自分は震災を機に作風が大きく変わった。ガーデンフィールズの土地活用は宝塚の文化に必要なもの、文化をないがしろにする政治は廃れる」と主張しました。

実現したいことまだまだある:中川市長の訴え

大きな拍手の迎えられ登壇した中川ともこ市長が次のように決意と公約を語りました――
八年前二代続いた市長の汚職で混乱していたとき、市民のみなさんのお力で新しい市政をスタートさせることができました。
八年間市長を務めて実感したのは、それまでの市の負の遺産。選挙ごとに市長が変わり人も方向性も変わってきたが、私になって初めて「クリーンな政治」を市民とともにすすめてきましたが、まだまだ時間が足りません。実現したいことがまだまだあります。
子どもの分野では、認可保育所をつくり待機児童数を減らしてきたが、まだ潜在的な待機児童解消にまで至っていないのでさらに努力したい。子どもの貧困問題もいま調査結果が出てきたところ。夏までには本格的な対策に取り組みたい。
障がいを持つ方がたには差別をなくす条例を作りましたが、グループホームや空き家利用など設備の面でまだまだ努力が必要。職場づくりや制度づくりで社会参加もできる取り組みもすすめたい。
市民病院は心療内科を新たに設立したい。社会的な影響で心を病む人が増えており、この分野を強化したい。
教育では学校の先生に余裕がなくその影響が子どもに及んでいます。環境整備をしていきたい。昨年市内で子どもが自ら命を絶つという悲しい事件が起こりました。いじめをいじめる側といじめられる側の両方から考える「キャップ」制度に取り組みたい。
脱原発・自然エネルギーでは西谷の豊かな自然を活用し、努力していきたい。福島の悲劇を二度とおこさないよう原発に頼らない宝塚を実現したい。
観光では、西谷・中山寺・清荒神・鉄斎美術館・手塚治虫記念館と見どころいっぱいの宝塚をもっとアピールしたい。

財政も市民に必要かどうか十分に精査

財政では他の二人の立候補表明者が「宝塚の財政が危険だ」と言っていますが、この八年間、大きく膨らんだ市の赤字を減らし、基金についても財政健全化のために市民に必要なものとそうでないものをギリギリまで精査しています。ファミリーランド跡地とNTN跡地の取得の時期が重なり大変ですが、ファミリーランド跡地は文化創造と観光の中心的役割を担います。NTN跡地はすでに福祉施設分の買い取りが決まり、県の施設も入る予定、空き地は将来活用できるように確保の予定です。
二期、市民の皆さんとともやってきたことをさらに前進させたい。国政でも宝塚でも戦前回帰と人権無視の流れが起こっています。そんな宝塚には絶対にしてはなりません。全力でがんばります。

市長選の構図も〝国政野党+市民〟vs. 自民


宝塚市長選挙は四月九日告示・十六日投票で行われます。日本共産党宝塚市党と阪神北地区委員会は二期八年の中川市政をさらに前に進めるために中川市長を支持して市長選挙をたたかいます。
立候補を表明しているのは中川市長と二人の現職市議の三人。なかでも女性市議は自民党の推薦を受けて地元選出の衆議院議員などとも連日街頭宣伝を行い、「中川市政では国とのパイプがなく財政も大変」と中傷。共産党・民進党・社民党の支持を受けた中川市長とのたたかいで「自民党対〝国政野党共闘+市民共同〟」の構図が鮮明になってきました。
党阪神北地区委員会は中川市長三選のために全力をあげて奮闘する決意を表明しています。

市民の暮らしと福祉を守り、神戸経済を真に発展させる予算へ

日本共産党が組み替え提案


日本共産党神戸市会議員団は、三月二十七日に開催された神戸市議会で、市長提案の二〇一七年度神戸市一般会計予算案に対する組み替え動議を行いました。
党神戸市議団の予算組み替え提案は、二〇〇一年度以来十七年連続となりました。
久元喜造神戸市長の提案する予算案は、四年任期最後の予算編成ですが、市民との公約である中学卒業までの子どもの医療費無料化の実施を放棄。その一方、阪神・淡路大震災の復興課題にめどがついたとして、三宮再開発など、これまで手をつけられなかった様々な大型プロジェクトに取り組むと「大型開発復活」を宣言しました。
西ただす市議
日本共産党の西ただす市会議員は、大型開発による「都市基盤の整備」を進めれば、神戸経済の好循環につながるとする久元市長の考え方は、神戸空港などの失敗にも学ばない、破綻ずみのトリクルダウンそのものだと批判。
このようなやり方では神戸経済の衰退が進み、さらなる財政悪化につながると指摘。市民の暮らしと福祉を守り、神戸経済を真に発展させるための予算へと転換するため、予算の組み替えを提案しました。

将来を担う子どもたちと子育て世代への支援充実

子育て支援策の充実では、所得制限なしで中学校卒業までの医療費無料化の実施。全行政区で認可保育所の誘致を進め、公立保育所も建設。保育所保育料も政令市平均まで引き下げます。学童保育の予算の充実や中学校給食の自校方式への転換も推進します。
小学校全学年で三十五人学級を実施するほか、プレハブ校舎解消など詰め込み教育解消をすすめます。小学校給食は、保護者負担によらず公費負担で充実し、就学援助は拡充し、入学準備費の支給を入学前に前倒しします。
また、国の交付金制度も活用し子どもの貧困の実態調査と対策推進計画を策定します。若年世帯向けの家賃補助制度を復活させます。

医療・介護・福祉の充実を進め安心して住み続けられる街を

医療・介護・福祉の充実では、国民健康保険料の一人一万円引き下げ・介護保険料の五千円引き下げを実施。待機者解消のため特別養護老人ホームの建設を進めます。敬老祝い金の支給は復活し、敬老パスの無料化復活や福祉パスの生活保護世帯への交付の復活に加え、神戸電鉄粟生線など鉄軌道路線へ対象を広げます。
また、市バス路線の一方的な減便の押しつけに反対し、市民の意見を反映した公共交通の在り方の調査を行います。

企業誘致と成長産業支援偏重から抜け出し、広く中小企業 応援の経済対策に

経済政策では、神戸市の姿勢が、JRによる元町高架通商店街の追い出し問題に見られるように、商店街・小売市場を守る立場に立っていないと批判。行政との約束を破り続けている兵庫南部のイオン進出に対する甘い姿勢とは対照的だとして転換をもとめています。
中小企業振興条例を制定し、販路拡大につながるトライアル発注制度などで中小企業・業者の仕事づくり。地域経済の活性化につながる住宅・店舗リフォーム助成制度を創設します。ブラック企業・ブラックバイト規制の条例化をめざし、調査を実施します。従業員の賃金アップや正規化をすすめる小規模事業者にたいしては、若年層雇用安定奨励交付金の創設など必要な支援を行います。

広く市民の要求に応えて

そのほか、災害に強い神戸市をつくるため、消防隊員の増員や私有地土砂災害対策の抜本的強化に力を入れます。
葺合文化センターの現地建替え、多重債務の相談体制の確立、再生可能エネルギーの促進など広く市民要求に応えるための施策も進めます。

財源

以上の施策を実現するための財源は、大型開発偏重予算の削減で捻出します。
主なものは、区民の合意を無視して区役所移転を強行する三宮再開発。需要予測を大きく下回り補助金に依存している神戸空港。総事業費五千億円もの大阪湾岸道路の延伸化計画。国が成長産業として指定した事業者のみを応援するやり方や企業誘致の推進に偏重した予算など。これ以外にも、借上住宅からの一方的な移転を求める費用や、マイナンバーに関わる経費、議会費用弁償を削減します。
なお、財源不足分については、空港開港までは一般会計に繰り入れていた新都市整備事業利益剰余金の繰り入れ、百二十九億円もためこんだ財政調整基金の一部を活用することを提案します。公共投資も大型開発から保育所など地域密着に見直すとともに、市債発行額も圧縮し、将来への負担軽減もはかれます。
これらの提案は、久元市長の予算案のわずか二・五%を組み替えることで実現できます。

3月県議会:日本共産党の討論

社会保障・暮らし削る新年度予算案に反対

反対討論をする入江議員
県議会で三月二十二日、入江次郎議員が、井戸敏三知事提案の新年度予算案などに対する反対討論を行いました。
入江議員は、新年度予算案は、①社会保障削減の予算②大企業優遇の逆立ちした予算③不要不急の大型公共事業を推進している予算④「最終二カ年行革プラン」など行革を推進する予算―であるとして批判し、反対を表明しました。
消費税増税で、社会保障の「充実・安定化」どころか、新年度から介護の要支援外しが本格的にすすめられ、地域医療構想に基づく医療病床の削減、医療費抑制が狙いの国保の都道府県化に向けた予算も計上されていると指摘しました。
一方、設備投資額が大きくなればなるほど青天井に補助額が大きくなる県の産業立地補助は、パナソニック姫路・尼崎工場だけでも併せて百三十億円もが支出されていると批判しました。
播磨臨海地域道路や名神湾岸連絡線・大阪湾岸西伸部の調査費や、東播磨南北道路、浜坂自動車道路など不要不急の大型公共事業を推進していることについて、地元業者の育成にほとんどつながっていないと指摘し、地域にある産業や企業など今ある地域の力を支援し伸ばす内発型に転換すべきだとのべました。
「最終二カ年行革プラン」など県民いじめの行革推進について、新年度から老人医療費助成を廃止し、これまでも重度障害者児、母子父子家庭等の医療費助成の削減を繰り返してきた県の冷たい姿勢を批判しました。
二〇〇九年からの新行革プラン以降、二六・八%と全国一位の県職員削減が行われたことで、県職場の長時間労働は過酷を極めていると指摘。一カ月の超過勤務が二百九十時間にもなる職員や、過労死ラインといわれる一カ月八十時間を越える超過勤務を八カ月連続で行っていた職員がいたほか、労基法三十六条が適用される土木事務所等で、労使協定を上回る違法な残業が行われていた実態が明らかになったとして、職員削減を中止し、適切な職員配置を行うよう求めました。

〝核兵器禁止条約交渉会議参加を〟など請願採択を

採択を主張するいそみ議員
県議会で三月二十四日、いそみ恵子議員が請願討論を行いました。
いそみ議員は、「国に核兵器禁止条約の交渉会議への参加を求める意見書提出の件」について、条約に調印すれば、米艦船が調印国に寄港することは不可能になり、世界が非核「神戸方式」になることだと指摘。唯一の戦争被爆国でありながら条約交渉開始に反対した政府に対し意見書を提出し、核兵器廃絶を実現するべきだと、採択を主張しました。
「老人医療費助成制度『低所得者二』の実質的廃止の撤回を求める件」に関し、県が行革で老人医療費助成を改悪し、ただでさえ医療費の支払いが困難な低所得者に「要介護二以上」という身体条件を追加することで、助成対象をごく一部に狭めようとしていることについて、請願者である開業医団体から出された「受診抑制による重症化が心配」「かえって入院患者が増え医療費が増えるのではないか」との危惧を受け止め採択するよう求めました。
「最低賃金の改善と中小企業支援の拡充を求める意見書提出の件」について、内需を思い切って拡大させて景気の好循環を生み出すためには、最低賃金の大幅な引き上げが必要だとして採択を求めました。
いそみ議員は他に、「オスプレイ配備、米軍戦闘機の低空飛行訓練の中止を求める意見書提出の件」「借上げ住宅で希望する入居者全員に継続入居を認めることを求める件」の採択を主張しました。
*
これらの請願は、自民、公明、県民連合、維新などの反対で不採択となりました。

わんずまざー保育園問題:日本共産党姫路市議団が市に申し入れ

公的責任で保育の確保を


日本共産党姫路市会議員団は、定員を大幅に超えるなどの法令違反を重ねていた私立認定こども園「わんずまざー保育園」問題の全容解明と再発防止に向け抜本的な対応策を求め三月二十一日、姫路市に申し入れました。
姫路市は、二月二日に認定後初めての定期監査を、二月二十三日には兵庫県との合同の特別監査を実施、認定及び認定の確認の取り消しに該当する法令等の違反を確認したとしています。
私的契約児の受け入れ、保育士の架空配置及び架空勤務、施設長の勤務実態の虚偽報告、利用児童に対する不適切な給食提供など―これらの法令違反等によって、兵庫県と姫路市は三月中にも、こども園の認定を取り消す方針を明らかにしています。
申し入れは、子どもと保護者に不利益が生じないよう①入園中の子どもの処遇改善②保護者への説明責任を果たし、相談に応じること③認定取り消し後の子どもの処遇に不利益が生じないよう対応すること④市職員の増配置を行い監査体制を強化することなどを求めました。
その後、子育て支援対策特別委員会や厚生委員会も開催され、正規の子どもたちの四月からの利用先が全て確保され、私的契約の子どもたちについても申込をしてもらうなどの対応がなされたこと。また、監査体制も強化を図るとの報告がありました。
この背景には、待機児問題や国の規制緩和があります。市民が安心して子どもを預けることができるためにも、国と自治体の公的責任で保育の質と量を確保し、保育環境の改善を図っていくことが求められています。

日本共産党県議団県に申し入れ


兵庫県姫路市の認定こども園が法令違反の不適切な保育を続け、県と市が認定の取り消しを決めた問題で、日本共産党兵庫県議団は、県に申し入れました。
申し入れは、「県が認定した施設でこうしたことが行われ取り消しにいたったことは極めて重大で県の責任が問われる」として、緊急に▽入園中の子どもの処遇をただちに改善させること▽保護者の相談に応じる体制を直ちにつくること▽正規申し込みか直接契約かにかかわらず子どもと保護者の希望にそった対応を市とともに行うこと▽認定時の経過について第三者を含めた検証▽監査の強化等の再発防止――などを求めています。

新婦人県本部も申し入れ


新日本婦人の会兵庫県本部も「わんずまざー保育園」のような事件が再発しないよう、安全安心の公的保育所を増やすよう三月二十二日、兵庫県に申し入れました。
申し入れ項目は、①県として、同保育園を認定した責任を明らかにし、認定の経過や認定後の運営実態、監査の状況について検証を行い、見直しと改善を早急に行うこと②県の責任で、待機児童数を正確に把握し、安心安全の最低基準が守られた公的保育所を増やすこと―の二点です。

あったか神戸が総会:市民によりそう新しい市長を


市民にあたたかい神戸をつくる会(略称あったか神戸)は三月二四日、第6回総会を開催しました。。
同会は四年前、市民本位の神戸市政実現へに結成し、神戸市長選をたたかいました。
那須由美子事務局長が活動報告と方針提案を行いました。久本喜造市長の「公約」投げ捨て・官僚的トップダウンの冷たい市政に対し、同会が市民の共同の運動を広げてきたことを報告。市民の意見を聞き願いに寄り添う新市長を誕生させ、市民の夢と希望がかなう神戸を実現する六つの柱の政策を提案し、それをさらに分野・地域で発展させることなど、今後のとりくみを提起しました。
金沢はるみ日本共産党市が市政報告。久本氏が市長選で掲げた「こどもの医療費を速やかにゼロ」を放棄し、その一方で、葺合・生田両区の合併にあたっての市議会決議の「地元住民合意」を無視し、三宮再開発などをトップダウンですすめていることや、借り上げ住宅入居の被災者を追い出しの提訴の問題などについて解説しました。また、港島関係団体による市政介入真相解明に力をつくすことも表明しました。
参加者は、子育て、借り上げ住宅、地域の運動など取り組みを交流。当面の県知事選で共同を発展させ勝利に全力をあげること、候補者を急いで決めることなども確認し、閉会しました。
この総会には、津川知久憲法県政の会代表、粟原富夫新社会党県本部委員長があいさつ。また、新たに神戸市内の弁護士で結成された「あったか神戸・弁護士の会」のメッセージが読み上げられ、大きな拍手を受けました。

借り上げ住宅57回協議会

相談会、陳情、裁判支援:継続入居へ活動交流

ひょうご震災復興借り上げ住宅協議会は三月二十三日、第五十七回の協議会を神戸市中央区内で開き、神戸市内各区や西宮市の入居者、支援者らが参加しました。 代表の安田秋成さんは、「森友問題など、いまの政治は間違っていると国民の多くが感じていると思う。借り上げ住宅も〝政治の間違い〟そのもの。最後までたたかって勝利しよう」と訴えました。運営委員の段野太一さんが、同日午前の裁判をはじめ、神戸市と西宮市がおこした一連の裁判の到達点を報告し、裁判傍聴など支援を呼びかけました。入居者、支援者が予算議会に請願、陳情を提出し、活発な陳述がおこなわれたことを紹介しました。 西宮の会や神戸の各行政区の会の代表らも活動報告。「区で開いた相談会では、入居者が減った住宅の管理費の負担増など、切実な要求もだされた。継続入居とともに、要求解決にとりくみたい」「裁判結果がでるまで〝住み替え募集はするな〟と陳情した」などと交流しまし

共謀罪法案許さず

宝塚九条の会


宝塚九条の会が国民救援会宝塚支部と共催で「九条の会春の学習会」を三月二十五日、宝塚市立東公民館で開きました。
あすわか兵庫の川元志穂弁護士が「共謀罪四たび―安保法制との関係」をテーマに講演しました(写真)。
川元弁護士は、「テロ対策のための法律は、殺人予備罪や爆発物取締罰則、銃刀法、組織犯罪処罰法等、すでに整備されている」と解説したうえで、「戦前には、国家に反対する思想をもっているだけで処罰され、多くの人が不当に逮捕・勾留され、拷問をうけ、処罰された。その反省から処罰範囲を限定する必要があると考えられ、憲法から導かれた刑法における既遂処罰の大原則がある。共謀罪は、この大原則を変え、処罰範囲を大幅に広げるもの」と指摘。
マンション建設の反対運動で「座り込み」を計画しただけで「威力業務妨害」の対象とされ、労働組合が団体交渉に臨む際、「交渉が終わるまで社長を帰さないぞ」という一言が「監禁罪」の対象とされるなど、具体例を示しながら、一般人が共謀罪で罰せられる危険性を訴えました。
川元弁護士は、参加者からの質問に答えながら、「共謀罪は犯罪を未然に防ぐために必要という声もあるが、一般人が巻き込まれ、監視されるリスクの方が高い」と指摘しました。
また、自民党改憲案にある緊急事態条項が通れば、緊急事態宣言によって、意図的に政権延命ができる危険性についてふれ、「今、大切なことは、一人ひとりが主体性をもって行動すること。そして、選挙で現政権を変えること」と訴えました。
(田中こう=宝塚市議)

伊丹革新懇

「『共謀罪』は『平成の治安維持法』という人もいる。内心を処罰するという点では同じだが科学技術の進歩による監視ツールが発達している現在の『共謀罪』の方が危険ともいえるかもしれない」
「共謀罪法案」が閣議決定された翌日の三月二十二日夜、いたみホールで開催した「共謀罪学習会」での一コマです。主催は伊丹革新懇、講師は神戸合同法律事務所の吉田維一弁護士でした。平日の遅い時間帯にもかかわらず二十八人の参加者があり、この問題に対する強い危機感をうかがわせました。以下要約です。
―共謀罪は過去三回にわたり国会に提出しながら廃案になったもの。政府は「国連越境組織犯罪防止条約(通称パレルモ条約)締結に必要」というがこれは経済的組織犯罪を対象にするものでテロ対策とは無関係。「五輪対策」をいうが「リオ五輪のブラジルに共謀罪はなかった。元々日本には銃刀法等テロ準備段階で対処可能な犯罪規定がすでに多数存在している。
―共謀罪には「準備行為」を処罰するという要件があるがこれは日常生活と区別がつかない。しかも何が「準備行為か」の認定は捜査機関任せになる。そのために捜査機関は様々な方法で市民社会を監視する。見せしめ的な逮捕でもあれば市民は意識するとしないに関わらず、自分の生活の安全・保身のため他人とのコミュニティに懐疑的になり、事なかれ主義になっていく。この状態は権力側の狙うところであり、共謀罪は日本国憲法の「個人の尊厳」という究極の目的を精神的に刈り取ってしまう可能性がある――
(中島隆夫=伊丹革新懇事務局長)

西宮革新懇が総会

市民と野党の共闘を地域から大きく

講演する乾氏
西宮革新懇(平和・民主・革新の日本をめざす西宮の会)は、三月二十五日に第三回総会を開きました。
開会挨拶で、代表世話人の冨田宏治関西学院大学教授は、「街頭に出て、訴える時期だ」と強調しました。
来賓として、日本共産党の衆院七区予定候補の上田さち子さん(西宮市議)、みなせん@西宮芦屋の共同代表の川元志穂弁護士から連帯の挨拶があり、新社会党芦屋市議の前田辰一さんのメッセージが紹介されました。
「『市民と野党の共闘』の発展をめざす課題と革新懇の役割について」と題して全国革新懇の事務室長の乾友行氏が記念講演を行いました。
乾氏は、野党共闘は市民が生み出したということが大事で、革新懇が主張してきた「要求を実現させるためには政治を変えなければならず、そのためには政党、団体、個人の共同が必要で、共産党を除くは間違いだ」ということが「一点共闘」の中で共通認識になり、共同の運動が大きくなり「市民と野党の共闘」が現実になってきたと、具体的に語りました。
さらに、今後の課題として、アベ政治に変わる国民の心に響く「日本の全体像」を示すことが必要で、さらに地域から政策をつくることの重要性を指摘。安倍政治と対決する運動の中で共闘を生み出す努力を強めることなどを強調しました。
そのうえで、三十五年間、政治を変えるために団体、個人が主権者だと確固とした展望をもって一致点を大事にした共同で頑張ってきた革新懇が、統一戦線の推進力として情勢にふさわしい新しい役割を、地域でこそ発揮してほしいと力説しました。
総会への「報告と提案」が行われ、五人から活動を踏まえた発言があり、活動方針や役員などが確認されました。
「野党共闘への全国の動き、民進党の見方、人は変わるという視点は大切にしていきたい。地域からの政策づくりは重要だと思う」「野党共闘への取り組みを地域で大きくしていきたい」などの感想が寄せられました。
(樫村庸一)

再生可能エネルギーを地域ぐるみのとりくみに

「ゼロこねっと」がフィールドワーク

「原発ゼロ!核兵器ゼロ!ゼロこねっと」は三月二十日、電力兵庫の会の速水二郎さんを講師に、県内の再生可能エネルギーを学ぶフィールドワーク企画を行いました。

○太陽光発電

権現ダムの堤体を活用した太陽光発電

平池水上太陽光発電所

午前中は、加古川市の権現ダムの堤体を活用した太陽光発電(兵庫県企業庁)や、全国で一番多い兵庫県の農業用ため池を利用した小野市の太陽光発電の実証実験(兵庫県)、平池水上太陽光発電所(一般社団法人グリーン・市民電力)、加西市逆池水上メガソーラー発電所(京セラTCLソーラー合同会社)などを見学。平池水上太陽光発電所では、一般家庭の約三百八十世帯の年間消費電力をまかなうとあり、速水さんより「周囲三六〇度に見える家の電気はすべてカバーできる」と説明され、太陽光発電の具体的なイメージを持つことができました。一方で「企業によるメガソーラーは利益が企業にいくため、自治体や地域に利益がいくような形にすることが大事」とも言われ、エネルギーの地産地消の問題についても深めることができました。

○揚水発電

午後からは日本で三番目に大きい揚水発電所である神崎郡神河町の大河内発電所の見学へ。揚水発電は、電気が余っているときは電気を使用して下から上のダムへ水をあげる(揚水)、電気が必要なときは上から下のダムへ水を流して発電する仕組みで、すぐに発電できるのが利点です。そもそも原発が二十四時間動き続けるのに対して、夜間の余った電気をどうするかというところから生まれた発電方法で、発電をするよりも揚水するほうが三割も電気量を使用するため、効率が悪いということで、速水さんからは、原発の発電単価は揚水発電も合わせて考えなければいけないと指摘がありました。
大河内発電所ではPR館での説明を受け、二つの点が印象的でした。一つは、太陽光発電の余剰分でも揚水発電を行っている実態があることで、原発が動いていなくても太陽光で電気が足りていることです。もう一つは、電気需給の見通しによっては火力発電で揚水を行っているときもあるということで、無駄の多い発電もまだまだあるということがわかりました。揚水発電はロスのある発電方法とはいえ、これから再生可能エネルギーが増えていけば、揚水発電が活用できる可能性もあると感じました。
*
道中にはそれぞれの住宅や空いた土地にソーラーパネルを設置しているところが多数あり、意識してみると自分の周りにこうした取り組みがあるように思いました。原発をなくす運動とともに、再生可能エネルギーの地域ぐるみの取り組みにしていくことが大切だと感じました。今後もこうした企画を行い、学びながら運動をすすめていきたいと思います。(橋本銀河=原発ゼロ!核兵器ゼロ!ゼロこねっと事務局長)

誰のための政治やねん:安倍政権に反対するデモ


3月25日に大阪で、元SEALDs KANSAIメンバーやSADLなどの市民団体による「安倍政権に反対するデモ」が行われ、およそ千人が参加しました。 音楽にのせたコールで人目をひきました。飛び入りで参加する高校たちのグループもありました。 「誰のための政治やねん」というプラカードが日々ふるえるほど腹立たしい報道ばかりですが、そんな時こそデモに参加し主権者として政治と向き合うことで、少しづつ社会が変わっていくと参加して感じました。(H)

党県委員会を会場に東日本大震災救援バザー賑わう



実行委員会による「東日本大震災救援バザー」(第七回)が、三月二十五日、日本共産党兵庫県委員会で開催されました。
のべ百人以上のボランティアが、県下から送られてきた物品を三日間かけて一~二階に所せましと並べて準備しました。昨年は十一日に行ったため、十一日に来られた方もあったり、「待っていたよ」という声がかかるなど、事務所近辺では恒例のバザーになっています。
当日は十時の開店前には会館前に行列ができるなど、百五十人を超える来店がありました。一階には食器類・電化製品・食料品・文具、二階には衣料品・靴・日用品・雑貨など、休憩所には、コーヒー・カレーや手作り品、安武ひろ子さんの絵画も展示販売されました。
「とめよう原発再稼働・福島救援を求める署名」・「ヒロシマ・ナガサキ被爆者国際署名」・「共謀罪反対」・「沖縄の辺野古基地建設反対の署名」コーナーも設けられ、それぞれ五~十五筆の署名と東日本大震災救援のカンパもあつまりました。
食器類など多くの品物を買った中年の男性は「森友学園の問題でも、共産党は頑張ってるね、ありがとう、いつも投票してますよ」と対話に、赤旗日曜版の宣伝紙を持ち帰りました。
当日は堀内照文衆議院議員と金田峰生兵庫十区予定候補が挨拶。福島への救援を訴えました。

ひなたぽっころりん〈593〉


神戸映サ4月例会『歌声にのった少年』

歌声が世界の壁を越えていく


ムハンマド・アッサーフはガザ地区出身の歌手。二〇一三年「アラブ・アイドル」で優勝した際、彼が人々を動かした理由は歌唱力以上に祖国パレスチナへの想いを込めた歌でした。その歌声に、聴衆は大歓声を送り大いに盛り上がりました。
本作『歌声に乗った少年』は彼をモデルに製作され、ガザに暮らす少年たちがムハンマドたちを演じています。カメラに映らない部分にも信憑性を求めたため、ガザでロケをした初めての国際映画となりました。
これは、歌が上手な少年が有名歌手になった成功物語ではなく、紛争地に暮らす少年が絶望的な状況でも希望を見失わずに生きる姿を描いています。彼らの暮らしが丹念に描かれており、ガザ地区の生活が生き生きと映し出されています。
アサド監督は言います。「ムハンマドの物語には二つの段階があります。希望と不屈の物語、そして成功の物語です。パレスチナではこの六十年間、敗北の物語しかありません。(中略)しかし今、我々パレスチナ人が待ちに待った、成功の物語を手にしたのです」。
困難な状況にある中、ムハンマドがパレスチナ民族の想いを一身に背負い遂に夢を叶えるシーンは、歌声があらゆるものを越えていく感動に包まれます。
(桑田葉子)

「歌声にのった少年」

神戸映画サークル協議会市民映画劇場4月例会/4月14日(金)①11時②13時30分③16時④19時、15日(土)①11時②13時30分③16時④18時30分/神戸朝日ホール4階/監督・脚本:ハニ・アブ゠アサド/出演:タウフィーク・バルホーム、ムハマド・アッサーフ、ナディーン・ラバキー/2015年、パレスチナ、98分/一般1,300円(当日1,700円)、シニア・障がい者・大学生以下1300円/☎078‐371‐8550、http://kobe-eisa.com/

4月例会学習会「アラブ歌謡の魅力に迫る」

4月12日(水)19時~20時30分/グストハウスギャラリー(神戸市中央区楠町5‐3‐11)/講師:中町信孝(甲南大学文学部教授)/参加費1,000円(一般)/☎078‐371‐8550、http://kobe-eisa.com/

劇団「四紀会」60周年記念公演第一弾!

百貨店の、そして神戸の再生に賭ける人たち!

長きにわたり地域に親しまれてきた明神デパート。そんな老舗百貨店にもかげりが訪れ、今や存亡の危機に。その起死回生を図り、かつて震災後に復興を願い取り組んだ「人間時計」なる企画に、二十二年の時を経て再び賭けることに…。
二〇〇三年に上演した森卓也のオリジナル作品『冬の桜』を、桜井敏が現在の神戸に置き換え、脚色、創立六十周年記念公演の第一弾として、四紀会の総力を挙げて挑みます。(里中真)

劇団四紀会第153回公演『満開の時刻(とき)~華咲く原っぱ~』

原案:森卓也、脚色:桜井敏、演出:岸本敏朗/①4月29日(祝)14時・18時半②4月30日(日)14時/神戸アートビレッジセンターKAVCホール/一般2,400円(当日3,000円)、学生・身障者2,000円(当日2,500円)/☎078‐392‐2421(20:00~)・090‐8389‐0300(里中)、Fax078‐392‐2422、E-mail shikikai@rose.ocn.ne.jp

俳句:新俳句人連盟兵庫支部

毎晩の薬の仕分け猫柳
ゆみこ
エリザベス号春灯海に鏤めて
典子
願わくば椿の蕊を筆代り
ふみこ
受験生らしからぬ孫桜咲け
くにこ
山並みはほんのり紫芽吹き待つ
れいこ
蠟梅や涙の匂いホロリポロリ
まりこ
春雨に濡るるも一興露天風呂
まさこ
亀鳴くや地球の裏の自衛隊
邦子
窓口に置く尿カップ君子蘭
俊子
朧夜の日本会議の水平線
淳一
初つばめ酒屋の隠居お達者か
好子
春炬燵腰から抜けし思考力
その子
亀鳴くや秘めたささやき共謀罪

菜の花や機銃掃射のビル礎石
山明

観感楽学

ちかごろは高齢者の中でも、メールやツイッター、フェイスブックなどを使いこなす人が増えてきた。かくいう私も、時々フェイスブックやメールを使って親しい友人と交信している。通勤電車の中では、ほとんどの若者たちがスマホを操作している▼先日、衆・参両院で開催された森友学園問題の証人喚問で、安倍総理夫人の昭恵氏と籠池夫人とのメール交換が取り上げられた。報道によると、昨年六月から半年余りの間に八十三通とか。若者同士ならいざ知らず、総理大臣夫人と一保育園経営者との間で、かくも頻繁にメール交換していたとは…▼ところで、この事件、「忖度」という極めて日本的な対応が、がぜん籠池事件のキーワードになってきた。「相手の気持ちを推し量り、行動すること」とされるこの言葉は、ひょっとすると、年末の「流行語大賞」にノミネートされるかもしれない▼昭恵夫人が、籠池氏に「夫からです」と百万円寄付したのが事実だとすると、これは夫の気持ちを一番よく知っている昭恵夫人の夫への「忖度」であり、昭恵夫人付から問い合わせを受けた官僚が「要望」を断った後、突然吹いた「神風」は昭恵夫人の後ろにいる総理大臣への官僚の「忖度」だったのではないか▼「女性が輝き活躍する社会」は、安倍内閣の基本方針とされるが、稲田大臣、昭恵夫人、夫人付きの秘書、籠池夫人と、皮肉なことに、安倍総理の身近なところで女性たちが「活躍」している。(D)


(「兵庫民報」掲載)