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2017年3月12日日曜日

兵庫民報2017-03-12

私たちの願いかなう兵庫県政に


憲法が輝く兵庫県政をつくる会は四日、神戸市勤労会館で「リレースピーチ」のつどいを開き、「私たちの願いと兵庫県政」をテーマに十一人が発言しました。
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代表幹事で神戸女学院大学教授の石川康宏さんが開会挨拶(上の写真)。七月の県知事選挙にむけて、「新しい市民運動」の人たちとも交流を深めてきたことも紹介し、「リレースピーチで互いに学びあい、県の政治に生かす道を探求したい」と強調しました。
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岡部さん
弁護士の吉井正明さんは、「神戸でもヘイトデモがつづいている。兵庫県内には在日外国人が多く、兵庫県、神戸市でも条例をつくるべき」と訴え、NPO法人で活動する福島県出身の岡部眞紀子さんは、「住宅支援の継続をはじめ、東日本大震災の原発事故避難者に、もっとよりそう兵庫に」と呼びかけました。
神戸医療福祉大学の男子学生は、高い学費とバイトに苦しむ学生の実態を紹介し、「心から給付制の奨学金がほしい」と語りました。歯科医師で兵庫県保険医協会副理事長の加藤擁一さんは、地域医療構想と病院のベッド削減、県「行革」による老人医療費助成削減にふれて、「県民の暮らしを守る政治をしてほしい」と強調しました。被爆者の立川重則さんは、被爆二世への自治体独自の支援を訴えました。
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津川ともひささん

憲法県政の会・代表幹事の津川ともひささんは、県下各地を訪問し、農協、漁協、市町長とも懇談を重ね、切実な声を聞いてきたことを紹介。「地域から学校、仕事、病院、交通がうばわれてきているが、それでは人は生きていけない。人は、地域とむすびついて生きていく。そこにしっかり目を向けていきたい」と訴えました。
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きだ県議
日本共産党県議団の、きだ結県議が、県政の実態を発言。県「行革」による医療費助成の削減などの一方で、高速道路など大型公共事業やパナソニックなどへの上限のない補助金がつづいていると紹介。消費税も原発も国のいいなりの実態にもふれて、「県民の願いを正面から受け止めることのできる県政を」と強調しました。
このほか、公共交通・神戸電鉄粟生線の存続、姫路の病院統廃合問題、青年の雇用、子どもの貧困と子育て支援などの現状と要求が語られました。

県議会 ねりき恵子議員が一般質問

原発再稼働中止・給付型奨学金など県民要求に背を向ける井戸県政

ねりき議員
県議会で三月一日、日本共産党のねりき恵子議員が一般質問を行いました。
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ねりき議員は、今年七月任期満了を迎える井戸敏三知事が、「行革」で県民の福祉を連続後退させ続け、新年度も老人医療費助成を廃止する一方、巨額の内部留保を持つパナソニック社の姫路工場には六年で七十億円も補助金を出してきたことを厳しく批判しました。

原発再稼働中止を求めよ

ねりき議員は、原発再稼働中止を国や関西電力に求めるよう、知事に強く要求しました。
知事は、「県民の安全確保」と言いながら、「安全判断は原子力規制委員会、再稼働は国の責任」と繰り返し、「私に迫られても手の打ちようがない」などと答弁しました。

非核平和都市宣言を

唯一の被爆国であるにもかかわらず国連決議に反対した政府に対し、非核「神戸方式」が存在する県として、声を上げるべき時だとして、県として「非核平和都市宣言」を行うよう求めました。

過労死の根絶を

ねりき議員は、県内男性の過労自殺事件に触れ、学生の「働くことを怖いと思うようになった。若者に働きやすい県だとPRして」との声を紹介。
県が二度と過労死を生まない決意にたち、違法異常な長時間労働をさせる企業と契約しないことや労働時間規制を進める中小企業への補助などの対策をとるよう、具体的に提案しました。

中小企業支援充実を

ねりき議員は、県内中小企業の潜在力とニーズを直接つかむために悉皆調査を行い、県自らが異業種交流会を行うことや現在の融資中心の支援メニューではなく、企画・試作段階からの直接補助を創設することなど、中小企業支援の充実を求めました。

返済不要の奨学金創設を

ねりき議員は、貸与奨学金返済に苦しむ学生の切実な実態をのべ、高校生・大学生への県独自の給付奨学金を創設し無償化促進を求めました。
県教育長は、国の大学生向け給付奨学金は不十分との認識を示したものの、県の制度創設は拒否。高校生向けも「高校就学の経済的な障壁は著しく低い」として拒みました。

学校給食無償化を

ねりき議員は、新しい子育て支援策として、中学校給食の完全実施とともに、学校給食無償化に向け市町への財政支援を求めました。

給食費補助 県内17市町に:市川町が新年度から

公立の小学校や中学校の給食費の保護者負担を軽減する市町が増えています。兵庫県下では、幼稚園から中学校まで給食費を無償化している相生市をはじめ十六市町(二〇一七年二月現在、赤旗特報部調べ)にひろがっていました。
さらに新年度から新たに予算化する自治体も生まれています。市川町は、三月一日に発表した一七年度当初予算案で、小学校、中学校の給食費を月額三百円軽減することにしています。
自治体補助内容
相生市全額補助
佐用町半額補助
養父市2人目以降半額補助
福崎町米飯拡大、もち麦使用
神河町1食15円補助
稲美町米拡大、学校給食負担金
宍粟市地産地消推進
南あわじ市地産地消推進
篠山市米粉パン補助、特産品使用補助
加西市米飯加工賃の半額
新温泉町野菜高騰の差額補助
香美町ふるさと給食推進
西脇市地産地消推進助成費
豊岡市コウノトリ育むお米推進
赤穂市米粉パン補助
加古川市地産地消推進

赤穂市議選3月26日告示・4月2日投票

若い世代も高齢者も安心して暮らせる豊かな市政に

川本氏
小林氏

赤穂市議選(定数十八)は三月二十六日告示・四月二日投票で行われます。
日本共産党は、ともに現職の川本孝明氏(63)、小林とくじ氏(65)をたて、現有議席確保をめざします。
赤穂市は十五年連続で人口が減っています。日本共産党は市民アンケート、パパママアンケートなどで広く市民の声に耳を傾け、若い世代の就職、結婚、子育てを支援し、高齢者が安心して暮らせる豊かな市政の実現を目指すとして、六つの重点政策を発表し、広く支持を訴えています。
①学校給食を無料に②保育料を二人目から無料に③医療費を高校卒業まで無料に④国保税を一人一万円引き下げ⑤市内循環コミュニティバス「ゆらのすけ」を増車し週四日に増便⑥社会福祉団体と協力して特別養護老人ホームを新設。

全国災対連第18回総会

生活再建支援法抜本改正はじめ当面する被災者支援課題に全力

挨拶する高橋議員

全国災対連(災害被災者支援と災害対策改善を求める全国連絡会)は三月三日、衆議院第二議員会館内で第十八回総会を開きました。
開会挨拶で小田川義和代表世話人は、災害で一度に住宅を奪われる事態に政府は未だに対応しきれていない。原発問題に至っては極めて冷淡。事実、三万人の自主避難者を切り捨てようとしていると厳しく指摘。被災者生活再建支援法の抜本改正をはじめ、当面する被災者支援課題に全力で取り組むことを改めて表明しました。
討論では、「三万二千人余の被災者のうち、まだ二万二千人余が仮住まい。被災者一世帯あたりの収入は月額八万円以下」(宮城)、「汚染水処理も第一原発廃炉も展望が見えない」(福島)、「直接死五十人に対し、関連死が三百人超という異常事態」(熊本)など、被災地の現状と取り組みが報告されました。
来賓として日本共産党から高橋千鶴子・大平喜信衆院議員、武田良介・岩渕友参院議員が出席。高橋議員が、生活再建支援法改正案を野党共同で提出していることを紹介し、力をあわせて前進させたいと挨拶しました。自由党、沖縄の風からもメッセージが寄せられました。
災対連はこの後、「福島原発事故からの自主避難者支援を継続すること」「被災者生活再建支援制度改正」「借上げ住宅からの追い出しをやめること」など六項目を内閣府、復興庁、厚労省、国交省に、原発をなくす全国連絡会と連名で、「福島第二原発廃炉を決断すること」など二項目を経産省(エネ庁)に要請しました。(金田峰生=党国会議員団兵庫事務所長)

日本共産党県女性後援会「講演と総会のつどい」

つながる力・聞く力・しゃべる力いかして政治の春を


後援会は三月五日、神戸市で、「女性のひろば」の編集長・藤田文さんを招いて「講演と総会のつどい」を開きました。
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藤田編集長
「女性の願いと新しい政治――編集の現場から」と題して、藤田さんは「女性のひろば」に携わって二十四年間の編集活動から、新しい政治への大きな変化を語りました。
「『女性のひろば』は女性五人の編集者がつくっている」と紹介しながら、大きく変化してきたのは、ここ一~三年、思わぬ方々との出会いと友情があったこと、参院選時には生まれて初めて選挙をした党外の若い人など三人が誌上で話しあったこと、他党の国会議員も誌面に登場していることなどのエピソードも紹介しながら、「日本の新しい時代が始まった」ことを実感していると強調しました。
最後に、女性の「つながる力」「聞く力」と「アイ(I)メッセージ」(自分の視点・自分のことばで語ること)を対話に生かし、総選挙へ力を発揮しようと結びました。
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参加者からは「感動しました。また読もうと思う」「女性後援会にふさわしいお話だった」「とても感動、来れなかった人に伝えたい」などの感想が寄せられました。
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総会では、二〇一七年活動方針が提案され、総選挙、野党共闘での勝利と共産党大躍進をめざし、後援会活動を新しい情勢にふさわしく発展させていこうと確認しました。
討論では、定時定点の宣伝や二千万署名の経験(中央区)、毎週土曜日宣伝車で宣伝(長田区)、二十八人の世話人で楽しく元気の出る活動をしている(垂水区)、中川ともこ市長三期目の実現を訴え(宝塚市)、二月の「春女性のつどい」で三人の仲間を迎えた(新婦人明石支部内)など各後援会の元気な活動が交流されました。
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知事選予定候補の津川ともひささん、衆院選小選挙区予定候補の、こんどう秀子さん(一区)、平松順子さん(二区)、ふじたに香恵子さん(三区)、県議の、きだ結さんも参加し、決意を語りました。
閉会挨拶で、代表世話人の岸本友代さんが「女性の力はすごい、つながる力、聞く力、しゃべる力をおおいに発揮して、政治の春を呼びましょう」と呼びかけました。

連帯兵庫みなせんが学習交流会

「市民連合みえ」守原氏が講演:野党共闘深化の展望魅力的な政策づくりの重要性

講演する森原准教授

連帯兵庫みなせんは三月五日、神戸市内で学習交流会を開催し、百三十人が参加しました。
学習交流会では、森原康仁・三重大学准教授が、「市民と野党の共闘の深化をめざす」と題して、「市民連合みえ」のとりくみをふまえて講演。このなかで、当初は握手さえできなかった野党が、顔をあわせ、行動をともにするなかで、結束していった経過を語り、野党共闘の深化への展望を示しました。また、魅力的な共通政策をつくることの重要性を指摘し、そのために勉強会など、市民の中での多様な取り組みを強調しました。
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県内の日本共産党、社民党、新社会党、緑の党の各代表が挨拶し、オブザーバーとして民進党からも参加がありました。
挨拶する堀内議員

日本共産党を代表して挨拶をした堀内照文衆院議員は、共闘の原点が、戦争法案に反対する市民と野党の共同のたたかいにあることを指摘し、野党統一候補として勝利した参議院議員が、国会で国民の声にこたえる積極的な役割を発揮していること、共謀罪でも、南スーダンPKOへの自衛隊派遣問題でも、森友学園問題でも野党が結束して安倍政権を追い詰めていることを紹介。ともにたたかいを強め、市民と野党の共闘を発展させようと呼びかけました。共産党からは、一区・こんどう秀子、二区・平松順子、三区・ふじたに香恵子の各衆議院予定候補と、村上亮三・県書記長が参加し紹介されました。
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市民連合・奈良、安保関連法に反対するママの会@奈良、関西市民連合からも連帯の挨拶がありました。

九条の会.ひがしなだ 学習・トークの集い

「共謀罪」の怖さあすわか演劇で分かりやすく

トークするあすわか弁護士のみなさん

「九条の会.ひがしなだ」は三月五日、東灘区民センターで、「『共謀罪』って実際どうなの?――劇と解説・トークの集い」を開催しました。
明日の自由を守る若手弁護士の会兵庫支部のメンバーで構成する「劇団あすわか」のリアルな演劇に前評判も高く、約九十人が参加。親子連れなど家族での参加が目立ちました。目で見て耳で聞き、資料を読んで話し合い、「安心安全」を掲げながら、実は監視社会から戦争準備へと導く「現代版治安維持法」ともいえる「共謀罪」の怖さを実感しました。
演劇は、若い警察官が幼なじみの女性司法修習生をマークし、さりげない会話の一部始終を録音して秘密保護担当の幹部に報告、任意同行で取り調べ、というストーリー。「悪いことしてないから大丈夫」論の間違いを描きました。脚本・演出の吉田維一弁護士は解説で、「テロ・五輪対策を口実とした『共謀罪』が、秘密保護法と結びつけば、違法捜査をチェックできなくなる」と警鐘を鳴らしました。
トークでは、「科学技術の発展と情報企業の協力で盗聴が容易に」「マイナンバーや監視カメラが危険」「密告・司法取引が市民社会を分断」など、問題点が指摘され、その後の交流会でも「集いのCDができたら、高校の教材に使いたい」「市民への影響は大きい。国会提出前に広く訴えよう」の声が相次ぎました。

灘区九条の会 講演とフルートコンサート

「憲法は設計図かたちにするのは私たち」:羽柴弁護士が国民の役割を指摘


三月四日、六甲道勤労市民センターで、灘区九条の会主催で「講演会&プレ・フルート・コンサート」が開かれました。
フルートコンサートは、矢野正浩さんの指揮により、爽やかな演奏が披露されました。
「自民党憲法改正草案から見えてくるもの」というテーマで、羽柴修弁護士が講演しました。
羽柴氏は、「憲法って私たちの暮らしとどういう関係があるのかな?」という角度で、憲法は、「国の基本設計図」であることを強調。「個人の尊重」という第十三条が、憲法の要であること、また、「立憲主義」とは、「憲法で権力をしばる」ことであることを分かりやすく解明されました。同時に、「憲法さえあれば、自動的にみんながしあわせな社会になるわけでは」なく、「憲法は設計図で、それをかたちにするのは、私たち一人ひとりです」と語り、九条の会が果たすべき役割についても話されました。
自民党憲法改正案は、この現在の憲法の大事な点をことごとく骨抜きにしていることを詳しく紹介し、森友学園問題にみられる戦前回帰の危険性と安倍政権の関係についても力説されました。
参加者からは、若い世代に、いかに分かりやすく、憲法の意義を話していくのかなど出し合われ、羽柴氏が丁寧に応答されました。
(味口としゆき=神戸市議)

被災63年3・1ビキニデー集会に参加して

いよいよ3月から国連で交渉会議:ヒバクシャ国際署名の強力な推進を

兵庫県原水協事務局長 梶本修史

墓参行進する兵庫の参加者
「被災63年3・1ビキニデー」の諸企画が二月二十七日~三月一日、静岡市、焼津市で行われ兵庫県からも二十四人が参加しました。アメリカがビキニ環礁で行った水爆実験で第五福竜丸など多くの日本漁船が被ばくした事件を契機に誕生した原水爆禁止運動が、六十年以上にわたって求め続けてきた核兵器禁止条約の交渉会議が三月、六~七月に国連本部で行われます。その直前に行われたビキニデー集会は、この歴史的チャンスを成功させるために、「ヒバクシャ国際署名」を強力に推進する契機となるものでした。
集会では、トランプ米大統領が核戦力の増強を改めて表明していることがきびしく批判され、安倍政権が「日米同盟第一」としてアメリカ追従の姿勢を強めていることの危険性が明らかにされました。「ヒバクシャ国際署名」の推進で、この情勢を決定的に転換することが訴えられました。
ガーソン氏から激励をうける津川氏

兵庫県原水協の津川知久・筆頭代表理事(兵庫県知事選挙予定候補)は、国際交流会議に出席し、「非核・平和宣言を行おうとしない兵庫県政を変えて、全県で非核『神戸方式』を実施するなど平和にこだわる県政にして世界の核兵器廃絶の流れを促進したい。来年は、県知事として出席する」と決意を述べ、全国の代表は大きな拍手で応えました。アメリカのジョゼフ・ガーソン氏、マーシャル諸島共和国のアバッカ・アンジャイン・マディソン元上院議員は、「ぜひがんばって!」と励ましの言葉を送ってくれました。
集会では「ヒバクシャ国際署名」の取り組みが交流され、新婦人兵庫県本部の垣本千里平和部長も、交渉会議までに三万筆目標を実現するための市役所前での毎週行動、公民館などに署名用紙を置いてもらう行動など各地の経験を報告しました。
被災六十三年目の三月一日、第五福竜丸無線長の故久保山愛吉さんの墓がある弘徳院まで千四百人が参加して墓参行進が行われ、兵庫県代表団も参加し、核兵器禁止条約の実現の決意を固めあいました。
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兵庫県では、三月十八日の「非核『神戸方式』決議四十二周年記念のつどい会」(行事案内参照)の成功と、日本政府に対して核兵器禁止条約の交渉会議に参加して条約実現に真剣に努力するよう求める「第一次集中行動期間」(三月二十二日と二十七日)に取り組みます。

非核「神戸方式」決議42周年記念のつどい

3月18日(土)13時30分/神戸市勤労会館7階大ホール/記念講演「核兵器のない世界と非核『神戸方式』」緒方靖夫(日本原水協常任理事・日本共産党副委員長)/琉球古典音楽安冨祖流:仲村元一/資料代1,000円/☎078‐341‐2828、Fax078‐371‐2427

おひなまつり春の女性パレード

新日本婦人の会兵庫県本部

津川氏もさんか

三月八日の国際女性デーに呼応して、新日本婦人の会兵庫県本部は三月三日、「おひなまつりパレード」にとりくみました。遠くは姫路、三木、川西など全県から熱い思いをこめたタペストリーを持ちよって十七支部百人が参加しました。
出発前の集会で岸本友代会長が「女性やこどもの貧困など深刻な問題が社会を覆い、さまざまな矛盾が噴き出しています。国民を苦しめている政治の根源は何かということが明白になっている今こそ、多くの女性たちと手をつないでいきましょう」とよびかけました。
憲法県政の会代表幹事の津川ともひささんも「こどもたちが大切にされる兵庫県政に転換しよう」と決意を表明し、五ヵ月の赤ちゃんを連れたママや二十代の会員といっしょに商店街を歩きました。
花時計前からセンター街を「共謀罪やめて!」「平和を守ろう!」「原発なくそう!」など力強くコールしながら歩く私たちに行きかう人々は目をみはり、手を振ったり写メを撮るなど大きな声援を受けました。
「だれの子どももころさせない」「憲法を守りたい」という平和への思い、女性が本当に輝く社会の実現への思いをたくさんの女性たちと共有できるパレードでした。
(桜井文子=新婦人県本部事務局長)

みんぽう川柳〈二月〉「梅」

選者 島村美津子

特 選

元気にても一度見たし綾部梅
神戸市 岩里千鶴子
【評】一見何でもないような素朴な句に思わず涙がこぼれてしまったのはなぜだろう。足もとの黄色い菜の花と、ピンクや白の一面の梅の花とが織りなす綾部の梅林が目に浮かぶ、私も、もう一度見たい。
今回はニューフェイスがたくさん登場して下さいました。これを機会に川柳に親しんでもらえたらと念じながら。

入 選

梅がもう咲いているよと弾む声
神戸市 山元三恵子
受験生絵馬に描き足す梅一輪
尼崎市 富田明美
絵馬の願かなえてあげて梅の精
神戸市 長沼幸正
梅咲いて春はまだ来ぬこの世かな
尼崎市 西村光行
はや梅が咲いて心配温暖化
丹波市 西田修二
原発ノー越後に咲いた梅の花
神戸市 亀井洋示
腹守る海外旅行梅持参
神戸市 藤田幸子
どこでどうバトン継ぐのか梅さくら
神戸市 古賀哲夫
娘時代の母の付けさげ小梅咲く
神戸市 水田裕子
裾模様梅に重なる母の顔
神戸市 山本尚代
梅の香にしばし濁世を遠ざける
神戸市 塩谷凉子
東風吹いて梅の香届けジュバの宿
佐用郡 上田宇堂
戻さない梅干一個お弁当
神戸市 梶山洋枝
梅干は妻の手造り朝一つ
神戸市 川上俊智

大門みきしエッセイ15「園児に右翼愛国教育は許されない」

日本共産党参院議員 大門みきし

大阪の学校法人「森友学園」が、財務省・近畿財務局から大幅に値引きした安値で国有地を払い下げてもらっていた問題(国土交通省・大阪航空局も関与)は、日本共産党の宮本岳志衆院議員の告発、暴露につづき、小池晃書記局長の政治家関与の指摘、辰巳孝太郎参院議員の追撃などによって、一層疑惑が深まっています。政治家の関与をふくめ、日本共産党は引き続き、疑惑解明に全力で取り組みます。
ところで、ある外国の通信社の記者の話によれば、海外メディアがこの問題で最も関心を寄せているのは、土地売買のことより、憲法「改正」をめざす安倍政権と「愛国教育」をかかげる「森友学園」の思想的共通性だとのこと。この間、アメリカの「ワシントンポスト」や「ニューヨークタイムズ」で「森友学園」をめぐる報道で使われたのは、日の丸のもとに幼稚園児が並ぶ写真でした。特に「ニューヨークタイムズ」(2月24日付)は「日本の教育界に右派勢力が影響力を増している」と指摘しました。
天皇国家への奉仕を強いる「教育勅語」を幼稚園児に暗唱させ、運動会では「安倍首相がんばれ。安保法制、国会通過よかったです」と選手宣言させる「森友学園」。確かに安倍政権のもとで、日本の教育界に右翼愛国教育運動(「日本会議」)が浸透してきていることの表れです。右翼愛国教育が現憲法のもとで本当に許されるのか、「森友」問題のもう一つの重要な論点だと思いました。

観感楽学

私がソフト会社で働いていたとき、原子力発電所で使用するシステムの開発に携わったことがありました。そのときに某大手電気メーカーの社員さんから聞いた話です▼社員さん曰く「発電するという意味では新しい技術もなく、良く言えば安定した技術。しかし、問題は燃料のウラン。制御不能になった発電所は原子炉とその周辺が特に危険。こうなると水で冷やし続け、最後はコンクリートで原子炉と周辺を固め、自然の力でウランから放出される放射線の数値が減るのを待つ。生物に影響がでない数値まで。でも安全装置が何重にもあり、チェルノブイリ原発のような事故は、日本では発生しないから大丈夫」といって笑っていた▼この話を聞いたのは二十年ぐらい前のこと。当時、私は最終的な対応が「お粗末だな」「大丈夫なのかな」とは思った。でも、なぜか「日本の技術は高いから大丈夫」と気にせず一緒に笑っていた▼それから十数年後、福島第一原子力発電所で事故が発生。国際原子力事象評価尺度でも最悪のレベル七。これは「深刻な事故」と分類され、チェルノブイリ原発事故と同じレベル。〝大丈夫〟ではなかった。笑っていた自分が恥ずかしい▼いま「大手電機メーカーが原子力事業で巨額損失」というニュースをよく見かける。「原子力」という単語を聞くと、この話を思い出して恥ずかしくなる。早く原子力発電所が無くなることを願います。
(ふ)

(「兵庫民報」掲載)