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2017年1月15日日曜日

兵庫民報2017-01-15

尼崎地区単独の演説会に800人

安倍政権打倒、市議選勝利へ

声援にこたえる市田、堀内両氏と市議予定候補

日本共産党尼崎地区委員会は一月七日、「安倍内閣打倒! 野党共闘の勝利と日本共産党の躍進、市議選勝利!――『日本の未来を語る』演説会」を尼崎アルカイックホールで開催。八百人が市田忠義党副委員長・参院議員の演説などに耳を傾けました。
冒頭、ことし六月の尼崎市議選に向け、松村ヤス子、まさき一子、徳田みのる、川崎としみ、松沢ちづる(以上現職)、こむら潤、広瀬わかな(以上新人)の七人の予定候補がそれぞれ決意を述べ、全員当選を訴えました。

 弘川さん
続いて、安保法制に反対するママと有志の会@尼崎の弘川欣絵さんがスピーチ。「憲法を守るため、尼崎で野党共闘を実現し、勝ちましょう」と呼びかけました。

堀内衆院議員
衆院近畿比例・兵庫八区(尼崎市)予定候補の堀内照文衆院議員は「比例で共産党支持の大波を起こし、八区でなんとしても勝ち抜かせてください」と訴えました。

市田副委員長
市田副委員長は、「大義の旗」と「本気の共闘」で野党共闘をさらに発展させ、与党・補完勢力を三分の二以下、少数勢力に追い込むこと、比例選挙議席増で野党第三党をめざし、兵庫八区の堀内氏の勝利はじめ小選挙区でも勝利し、日本共産党自身が躍進を遂げる―という総選挙の二大目標とともに、尼崎市議選での勝利を訴えました。
*
演説会終了後、市田副委員長を囲む入党懇談会がひらかれ四人が入党を決意しました。

民青同盟が新成人と対話

奨学金、最賃など切実な声



民青同盟兵庫県委員会は神戸市の成人式会場で成人式宣伝に取り組みました。
「参議院選挙に行きましたか」「あなたが社会や政治に望むことはなんですか」という項目が書かれたシールアンケートで八十七人の新成人と対話、「選挙に行った」は三十七人、「選挙に行かなかった」は五十人でした。
「社会や政治に望むこと」では、「選挙に行かなかった」人からも「ファミレスで働いている。深夜一時半まで働いているが、ゼロ時以降は給与が出ない」「奨学金を月十万円借りている。卒業後返済が不安」などの切実な声が聞けました。シールアンケートには「学費値下げ・返さなくても良い奨学金を」「最賃を千五百円に・ブラック企業をなくす」に多数のシールが貼られました。


選挙に行かなかった理由を聞くと「当日バイトがあって行けなかった」「部活の大会で行けなかった」という人も。「期日前投票というのがあるのは知りませんでしたか?」と聞くと「そんなのがあったんですね!」と驚きの反応もあり、選挙の意義や投票のやり方などの情報が行き届いていない実態が明らかになりました。
「今年は総選挙があるとも言われている。共産党など四つの野党が協力して、長時間労働規制法や給付型奨学金制度の創設など私たちの生活を良くするために頑張っているんですよ」と話すと、「そうなんですね!」「次の参考にします」など新鮮に受け止められました。
(上園隆=民青県委員長)



神戸市の成人式会場前では日本共産党のこんどう秀子(1区)、平松順子(2区)、ふじたに香恵子(3区)、おおすぎ鉄夫(4区)の各衆院小選挙区予定候補、堀内照文衆院議員らも新成人を励ましました。

衆院選小選挙区候補者を発表(第3次)

日本共産党兵庫県委員会と党西宮芦屋地区委員会は12月28日、衆院兵庫7区の候補者を発表。また同県委員会と党但馬地区委員会は1月7日、衆院兵庫5区の候補者を発表しました。

◆兵庫五区

(豊岡市、養父市、朝来市、美方郡、丹波市、篠山市、三田市、川辺郡)


村岡峰男(むらおか・みねお)(68)新
〈役職〉党県委員、党但馬地区委員長。豊岡市議(現、合併前六期・合併後三期)、建設経済委員会委員長。〈略歴〉県立豊岡農業高校卒。元農林水産省職員。

◆兵庫七区

(西宮市、芦屋市)


上田さち子(うえだ幸子)(68)新
〈役職〉党西宮芦屋地区副委員長、党西宮市委員長、西宮市議(現八期)。〈略歴〉西宮市立西宮高校卒。市監査委員、市議会副議長など歴任。

「戦争サポート」兵庫から平和の兵庫へ(下)

梶本修史(兵庫県原水協事務局長)

地方自治の原則にたつ平和づくりに背向ける現県政

安倍政権が「戦争できる(戦争する)国」づくりを急進展させる中で、地方自治体もその役割を担わされようとしています。
沖縄県でも、米軍基地建設のために県知事の権限(埋め立ての許認可権)を否定し、国が県を裁判に訴える暴挙が押し通されました。
二〇〇一年、姫路港へ米軍艦が寄港する際に、兵庫県は米側に「非核三原則の状況」について「照会」(非核証明を求めたわけではないことに注意)し、米側から事実上の「回答拒否」であったのに、外務省の悪名高い「事前協議なし」の「回答」で、「非核が証明された」として寄港を認めてしまいました。

01年8月28日姫路港に入港した米ミサイル巡洋艦Vincennes

その上、井戸知事は、「非核証明は自己証明なので、自己証明を千枚取ったからといって本当に証明になるのかどうか」として、「それよりも現行の枠組み、米政府の基本的な考え方というものを前提に判断したい」「(非核証明を)出せということは入ってくるなということになる。すくなくとも日米安保条約上の相互関係からすると特定の理由なしに拒否をする理由がない」(記者会見)と述べ、米軍艦への全面開放の立場を表明する始末です。
核兵器の持ち込みを許さない非核「神戸方式」が四十二年間も維持され、国連の方針にも取り入れられるほど国際的に高い評価を受けていることと比べれば兵庫県の態度がいかに間違ったものか明白です。
兵庫県は、「互恵・平等の精神に基づき、全ての自治体の交流協力のネットワークを形成することにより…北東アジア地域の全体的な発展…、世界平和に寄与する」ことを目的とした「北東アジア地域自治体連合」に加盟しています。一九九六年九月に設立された「連合」には、六か国(中国、日本、モンゴル、韓国、北朝鮮、ロシア)、七十三自治体が加盟していますが、日本側の加盟自治体十県の内、非核宣言していないのは兵庫県と新潟県だけ(新潟県は原発反対の新しい知事が誕生)。
井戸知事は、「非核宣言は議会の判断」と言い続けていますが、これまで県議会では、「核兵器の廃絶と恒久平和実現に関する意見書」を採択。「国際社会の先頭に立ち、核兵器廃絶に向けて行動する責務がある」とする議会の意思が明確に示されたのですから、兵庫県が非核宣言を行うのに何の障害もありません。
米軍機の低空飛行訓練に対しても外務省への「要望書」は提出しますが、米軍に直接、中止を迫ろうとしません。それどころか、防災訓練に米軍輸送機オスプレイの出動を求める始末です。
兵庫県が非核宣言すれば、兵庫県を舞台にした軍事強化の動きを止め、「平和地域連合」づくりを促進し、経済、教育、文化・スポーツなど多面的な自治体外交を展開する道が開けます。この憲法県政は、非核「神戸方式」という世界が賞賛する「平和発信」の好例も加わって、緊張がつづく北東アジアと日本の非核・平和づくりを間違いなく前進させる力になります。「平和発信基地」となる新しい兵庫県は国内外での権威を高め、県民が誇りを持てる郷土になるでしょう。
(終わり)

がんばります! 小選挙区予定候補

4区 おおすぎ鉄夫さん


私は、一九九六年、四十八歳の時、はじめて衆院兵庫十区の小選挙区候補として立候補しました。それから二十年、十区で二回、九区、三区でそれぞれ一回ずつ立候補し、今回の四区で五度目となります。
これまでの選挙は、いずれも「日本共産党を除く」という「壁」がれっきとして存在するもとでのたたかいでしたが、今回はまったく違います。「壁」がなくなり、新しい対決構図となった「自公と補完勢力」対「野党と市民の共闘」の一方の極で、日本共産党が重要な役割を果たしている状況のもとでたたかわれます。
ワクワク感いっぱいの、しかもやりがいのあるたたかいであるという思いと同時に、責任の重さをひしひしとかみしめているところです。
さて、安倍政権の強権・暴走政治に対して、日本共産党の事務所に「これはひどい。ひどすぎる」という不安と怒りの声が寄せられています。あわせて、「共産党、がんばって」という期待の声も寄せられています。その声は、昨年末の臨時国会で、安倍暴走政治を支える自民、公明、そして維新が、カジノ、TPP、年金カットの三大悪法の採択を、多数の国民の声を踏みにじって強行したことで、いっそう強まっています。
アベノミクスで広がった格差と貧困は深刻です。私は、社会保障、教育、子育て支援など格差と貧困の是正につながる予算を増やすために全力を尽くします。
日本の農業をつぶすTPPの発効は許せません。農産物の価格保障・所得補償の強化など日本の食料と農業を守ります。
立憲主義の破壊を許さず、憲法九条を守ります。
高い学費と奨学金が若者やその家族から希望を奪っています。「給付型奨学金を」「学費を下げろ」という切実な声。その実現に全力をあげます。
来るべき総選挙は、安倍政権を倒して野党連合政権に向かう上で、大事な選挙です。私は、野党と市民の共闘を発展させ、自民、公明と維新を少数に追い込むと同時に、日本共産党の勝利をかちとるために、とくに兵庫四区――神戸市西区、三木市、小野市、加東市、加西市、西脇市、多可町のみなさんと力をあわせ、全力を尽くす決意です。

◆兵庫四区(神戸市西区、西脇市、三木市、小野市、加西市、加東市、多可郡)
おおすぎ鉄夫(大椙てつお)(68)新
〈役職〉党神戸西地区委員長、党県委員。〈略歴〉一九九六年、二〇〇〇年衆院兵庫十区、〇五年同九区、一二年同三区に立候補。

12区 堀ゆずるさん


二〇一四年に続いての挑戦となります。十二区は、現職議員が民主党(当時)から自民党に鞍替えするなど異常な選挙区となっています。その批判も根強くあり、自共対決が濃厚です。
私は教育(小学校臨時教員)と福祉(知的障害者施設長など)の現場を歩いてきました。子どもたちや障害を持った人たちが希望を持って生きていける社会の実現を望んできました。
子どもの貧困やいじめ、障害者施設での事件など、心が痛むことが続いています。
本来、政治とは、国民の誰もが、心豊かに生活していくためにあるのではないでしょうか。
最後に勤めた福祉施設(身障施設)では、法人認可の不正取得、公金の私的流用、利用者からの寄付金(最高一人二千万円)の強要など、あらゆる問題点を、仲間とともに内部告発しました。障害者を私的に利用した施設運営に、強い憤りを持ちました。これも政治の貧困から生まれたものだと感じました。
その後、町議会議員を皮切りに、地方政治にかかわってきました。
今の安倍自公政権の国民無視の暴走ぶりには、怒り以外ありません。しかし、これも安倍自公政権の深刻な行き詰まりの表れです。
そのなかで、安保関連法に関する市民の反対運動には感動を覚えました。私も、「じっとしていられない」という思いで、反対運動に参加してきました。
今、あらゆる分野で軍事化及びその関係性が強められています。今こそ、憲法九条を生かした平和を守る声を挙げなければならないと思います。
私事ですが、五歳と二歳の孫がいます。この子たちが、将来、戦争に関わる職業に就かなければならない状況は決してつくってはなりません。未来あるすべての子どもたちのためにも、平和な日本を残していこうではありませんか。
暮らしの問題も大変です。高齢者の暮らしは疲弊しています。その上、医療や介護など、給付減と負担増が計画されています。
暮らしと平和を守るためにも、政治を変えなければなりません。安倍自公政権を倒さなければなりません。
昨年の参議院選挙では、市民と野党の共闘により成果を挙げることができました。政治は必ず変わります。そのために、微力ながら、全力で頑張る決意です。
◆兵庫十二区(姫路市のうち旧家島町・旧夢前町・旧香寺町・旧安富町、相生市、たつの市、赤穂市、宍粟市、神崎郡、揖保郡、赤穂郡、佐用郡)
堀ゆずる(ほり譲)(66)新
〈役職〉党西播地区常任委員、党たつの市委員長。〈略歴〉元たつの市議二期、旧新宮町議一期。一四年衆院兵庫十二区立候補。

年末年始も途切れず原発ゼロめざし、カンキン行動

関西電力神戸支社前

12月30日のカンキン行動

昨年十二月三十日、関西電力神戸支社前で二百三十五回目の原発ゼロをめざす神戸行動が行われました。
神戸行動は二〇一二年七月六日以来、毎週金曜日、一週も休まず続けられています。
この日は年末のあわただしさにもかかわらず、いつもより少し多い四十五人が集まりました。
参加者からは「もんじゅ廃炉は嬉しいことだが、新しい高速増殖炉建設は失敗を認めていない」「福島原発廃炉費用を新電力にも負担させられるなんてありえない」など怒りの思いが語られました。
また、「普段はなかなか参加できないが、一度も休まず行動してくれているから、こうやって参加できる」と行動を続けてきたことへの感謝の声もありました。
いつも替え歌を作って参加されている方からは、『脱原発替え歌集』も配布され、参加者みんなで歌いました。
*
年明け一月六日の二百三十六回目の行動にも四十人が参加し、「今年も頑張って行動しよう」という決意が交流されました。また、一月二十二日、の「高浜原発うごかすな!関電包囲全国集会」(前段デモは十四時に大阪市役所南の中之島公園女性像前集合。集会は十六時から十七時三十分、大阪・関電本店前)の案内もされました。

国民春闘兵庫県共闘旗びらき

大幅賃上げ、安倍暴走政治ストップ、総選挙・知事選勝利へ頑張ろう!

国民春闘兵庫県共闘委員会と兵庫労連は六日、二〇一七年春闘勝利新春旗びらきを開きました。
開会あいさつで成山太志兵庫労連議長は、「大企業優遇の政治でなく、大幅賃上げなくして日本経済の発展はない。野党と市民の本気の共闘こそ勝利の道、安倍暴走政治とのたたかいをさらに広げよう。今年は兵庫県知事選もある、総選挙での野党の躍進、知事選勝利へ頑張ろう」と呼びかけました。
日本共産党の堀内照文衆議院議員は、安倍政権の嘘とごまかしを報告し、危険だがもろい、暴走ストップへ頑張ろう、と連帯あいさつをしました。

あいさつする津川氏
憲法が輝く兵庫県政をつくる会の津川知久代表は、野党と国民的共同の発展へさらに大きく一歩を踏み出す年にしよう、知事選で勝利し新しい政治の流れをすすめよう、と決意を語りました。
菊地憲之新社会党県書記長も連帯のあいさつ。


JAL争議団、大阪航空連、県国公、全国一般などそれぞれのたたかいへの決意を述べました。懇談の時間にはトーフレンズの演奏、地域のベリーダンスグループの演舞もあり、笑いと決意みなぎる交流がすすみました。
最後に、大幅賃上げを勝ち取り、安倍暴走政治ストップ、総選挙・知事選勝利へ、参加者全員で「団結頑張ろう」をおこないました。

消費税なくす会「生活実態調査」が生活苦鋭く告発

暮らし・子育て・健康・いのちがたいへん

消費税をなくす全国の会は、10月から1月末まで『生活実態アンケート』を行っています。兵庫の会に12月25日までに届いた508人(男性48.6%、女性51.4%、年令は30代まで14%、50代まで29%、60代以上57%)から回答が寄せられています。


「消費税が8%になってあなたの生活はいかがでしょうか」―「よくなった」はわずか0.4%。「変わらない」18.4%、「苦しくなった」81.2%でした。
「生活のためにどんな工夫をしていますか」(複数回答)―「衣類などの買い控え」19%、「安売りを狙う」17%、「文化・教養などの娯楽費を減らした」14%、「水・光熱費の節約」12%でした。
介護保険―「保険料が高くなった」48%。医療費・薬代の自己負担は「重い」76%、「適正」21%。「重い」の理由では「自己負担額が高い」が79%を占めています。
医療保険料(健保・国保)「高い」「下げてほしい」で93%を超えています。
年金(複数回答)―不満に思うことで「受給額が少ない」39%、「保険料が高い」は25%、「積立金の使い方」に24%です。
「安倍政権の19年10月からの10%増税について、どう思いますか」―「きっぱり中止」52%、「消費税は廃止」33%、「5%などに引き下げる」10%、「わからない」は5%でした。
8%の消費税増税から2年9ヶ月が経過しました。安倍政権の4年間の経済政策のもと、国民は「暮らし・子育て・健康・いのち」を守るために必死の努力をしていることがアンケートで明らかになっています。

「芦屋の会」宣伝行動(昨年12月26日)
一言欄にも150を超える声が寄せられています。その一部を紹介します。
60代女性は「社会保障にまったく回っていない消費税は許せません!くらしを守るために全国で一揆でもしないといけない!」。
60代男性は「昔の物品税のような『贅沢品』のみに課税を!」。
60代女性は「買うものをメモしてそれ以外は買わない。自転車を使ったり歩いている」。
30代女性は「外国は税率が高いと言う前に、使い方の中身を比べてほしい」。
子どもについて、30代女性は「子育てにとにかくお金がかかりすぎ、今後を考えると不安しかない」。
20代男性は「これから社会福祉が切り捨てられていく中で、子どもが生まれても育てられない」
――など、多くの切実な声が出されました。
2016年12月26日
消費税をなくす兵庫の会 藤原紀嘉



俳句 新俳句人連盟兵庫支部

地震の傷母は忘れて冬に入る
由美子
お先には逝けぬ訳あり冬紅葉
まさこ
虎の子の年金カット冬の雷
山明
何思うてパールハーバー開戦忌
好子
訃報三人ひとりは若し冬の蝶
邦子
若冲の赤の点描酉の市
俊子
花形の金時人参筑前煮
くにこ
船頭の印半纏山眠る
典子
雪・雪火照った頬に0・1秒
れいこ
五線譜の激しい河や神渡し
まりこ

段重喜「あなたは何処の総理なのですか?」


みんぽう川柳〈十二月〉「蟹」 選者 島村美津子

特 選

蟹だってグーを突き出し怒ってる
吹田市 喜田啓之
【評】いつもおとなしくピースだけ出していると思ったら大間違い。蟹も拳を突き上げて怒っている。「アベ政治を許さない」と。口先では不戦を唱えながら戦争法を強行し、殺したり殺されたりする戦場へ自衛隊を派遣したりする安倍総理の顔がヒトラーに重なる。
みんぽう川柳も三度目の新年を迎えました。投句をお待ちしています。あなたが日常感じた喜怒哀楽を五・七・五に書いてみてください。それがあなたの川柳です。

入 選

再稼働許すな蟹の目に涙
神戸市 山元三恵子
ズワイ蟹マツバを土人と蔑まず
神戸市 古賀哲夫
東京にドでかいブラック蟹工船
神戸市 長沼幸正
かに食って政活費にてお支払い
尼崎市 西村光行
カニ食えば顔がほころぶ我家族
丹波市 西田修二
孫達も無になりて食むカニの足
神戸市 玉田歳子
老女子会ただ黙々と蟹三昧
神戸市 熊谷敏子(挿絵も)
山陰の同窓会は蟹づくし
尼崎市 富田明美
わいわい鍋蟹食べ始め声は無し
芦屋局消印 失名 氏
蟹一匹今夜の家族黙しけり
神戸市 塩谷涼子
カニの鍋しめは雑炊冬の幸
大阪市 鈴ケ嶺輝美
蟹ツアーチラシでがまん年の暮れ
明石市 門脇かつ子
カニ鍋は野菜も高値くちに入らず
神戸市 高馬士郎
蟹のみそほじくりながら涙する
神戸市 松尾美恵子

劇団四紀会60周年幕開けは“女の一生”

劇団四紀会は今年創立60周年を迎えます。その幕開けを飾りますのは、四紀会若手メンバー中心班「Team V.S.」第5弾、劇団最若手作家=吉田業の完全オリジナル×豪華絢爛の女性キャストによります『花、匂うがごとく』でございます! 大正・昭和を廓で生きた或る“花”の物語=四紀会版“女の一生”に、是非ともご来場下さい!(里中真)

劇団四紀会第152回公演『花、匂うがごとく』

作:吉田業、演出:十管業之助/①1月28日(土)と2月4日(土)13時・18時②1月29日(日)と2月5日(日)11時・15時/元町プチシアター(劇団四紀会スタジオ)/2,500円/☎078‐392‐2421(20時以降)・090‐8389‐0300(里中)、Fax078‐392‐2422、E-mail shikikai@rose.ocn.ne.jp

観感楽学

「観感楽学」を書かないかと突然の依頼。前任の(あ)氏から「会社勤めが長く、新鮮な目で党を見られるあなたが書くと面白いはず」とあおられ、あっさり承諾。これが締切り二日前の出来事……前置きが長くなりました。よろしくお願いします▼先日、幼なじみ数人と飲んでいました。隣の席の中年サラリーマンたちから「息子から、お父さんの会社はブラック企業と言われた」という話が聞こえてきました。続いて「電通の過労自殺」が話題に。一人が「残業なしで仕事は無理」「上司の方が気の毒」と言うと、みんな「そうだな」▼しかし、ガラの悪そうな一人が「自殺するまで追込む方が悪い」「社員を増やして対応するべき」と一番まともな意見。もう一人からは「競争がなくなると世の中がだらけて共産主義みたいになる」と聞き捨てならない言葉。でも私は意気地無し。見ず知らずのオッサンに「それは間違っている」とは言えない。それでも最後には「自殺するまで追い込むのは間違っている」と話が落ち着きました▼良かったこと――自殺するような環境は何か問題があるとみんな思っていること、人は見かけによらないっていうのは本当だったこと。(ふ)

(「兵庫民報」掲載)