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2017年10月15日日曜日

クリスタル短歌の会から 安武ひろ子選

被災地の復興住宅ピカピカの玄関で聞く帰れぬ嘆きを
 三浦良子

近隣との妬みそねみでドア閉ざし復興住宅に孤独な人あり
 島田国子

原発ゆえの「いじめ」は社会の縮図なり国と東電の責任を問う
 塩野菜美

今年また福島に行き人生を変えられた人の語りきくのみ
 正津房子

ミサイルだ核だと騒ぐ不気味さに幾千万の「英霊」目覚めん
 西嶋節子

安堵しつつ眺めておりぬ飛びゆくはオスプレイにあらず定期の旅客機
 平野万里子

国民を分断させる政治あり老人多しと青年の言う
 広瀬弘子

退職後鞄持たず来れども闘う伴侶とまた鞄買う
 宮川菊代

これでもかといわんばかりの暑さ去りわがもの顔の鰯雲笑む
 岡本征子

起こされて孫と見あぐる夜の空思わず息のむ眠気も失せて
 長谷川一枝

あたたかき人に囲まれしわが人生祖先のおかげと盆参りする
 森ひろ美

会いたくてなお会いたくて涙出ず迎え火焚きて亡夫を待ちわぶ
 清水淑子


(「兵庫民報」10月15日付)

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