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2017年9月10日日曜日

災害援護資金問題また一歩前進

阪神・淡路大震災救援・復興兵庫県民会議事務局長
岩田伸彦

阪神・淡路大震災発生から22年8カ月になり、災害援護資金返済免除問題で残されていた1,957件の連帯保証人の返済を免除する事案が8月30日に神戸市議会に提起され、兵庫県も同様の措置をとる方向を8月28日の知事記者会見で明らかにしました。
阪神・淡路大震災救援・復興兵庫県民会議(復興県民会議)は、公的支援とこの災害援護資金問題を特別に重視して取り組んできましたが、また一歩、大きく前進させることができました。

当初から貸付利息3%に公的助成を求めて国や兵庫県に要請を重ね、5年後の返済が始まる前に、少額償還の実現を求めて国に繰返し要請し、最終的には借受人の生活実態に即した返済金額を認めさせました。
本来、返済は年1回返済もしくは年2回分割返済しかなく、350万円を借りると返済時には、年1回なら759,036円、2回分割でも一回に379,518円となり、全てのものを無くし、生活・生業など再建がままならない中で、被災者に返済できる額ではありません。
国は12カ月分割を決めましたが、月々63,253円のを返済でもとても返済できる金額ではなく、繰り返し少額償還を求めて要請、交渉を行いましたが思うように進みませんでした。
やむを得ず復興県民会議として正規の返済が始まる前に、独自に「少額償還用紙」を作成して、3,000円、5,000円などを記入して、借受人と集団で神戸市役所に出向き提出を繰り返しました。
最終的には返済が始る直前になって国は、「借受人の生活実態に即した返済金額を認める」と発表し、画期的な「少額償還制度」が実現しました。

このことを多くの借受人に知らせ、返済窓口である「こうべ福祉交流センター」の2階の一室を借り受け、復興県民会議事務局メンバーや兵庫県商工団体連合会、兵庫県生活を守る会や、日本共産党神戸市議団の方々と共同して「災害援護資金少額償還相談会」を毎月1回1年以上開催し、毎回多くの借受人の方々がお越しになりました。
借受人から生活や営業実態などをお聞きし、月々の返済金額を相談し、返済窓口にも同道して返済金額設定などを援助し、多くの借受人から大変感謝されました。
私たちもこの活動を通して多くの被災者、借受人に接し、被災者の様々な大変な生活実態を知ることができました。

2011年3月11日に発生した東日本大震災被災者には、「阪神・淡路大震災」でのたたかいが生きて、借り受けに当たって連帯保証人をつければ利息はゼロとなり、連帯保証人がない場合にも利息は1.5%となりました。
返済期限から10年が経過して、なお、無資力、返済能力がないと判断されれば、返済が免除されることになりました。
復興県民会議は直ちに阪神・淡路大震災被災者にも、東日本大震災での返済免除規定など同等の措置を取るよう、堀内照文衆議院議員と一緒に要請活動を進め、その結果、阪神・淡路大震災での借受人にも同等の措置が適用されることになり、このことが冒頭で述べた連帯保証人に対する返済免除に繋がっています。

しかし、この前進した災害援護資金制度は東日本大震災のみに適用され、昨年発生した熊本地震被災者などには適用されず阪神・淡路大震災と同じ制度で進められています。災害援護資金貸し付けでは利息3%と決められていますが、ゼロ金利の時代に金利3%はべら棒に高く、直ちに改正が必要です。
熊本地震被災者などにも、東日本大震災被災者と同じように災害援護資金貸し付けを適用すべきであり、共同の運動を進めたいと考えています。

復興兵庫県民会議はこうした問題に取り組みながら、緊急の課題となっている。最高300万円支給の被災者生活再建支援法を、当面、最高支給500万円支給へ、そして一部損壊への適用をはじめ、適用範囲の拡大などを求め引き続き力を尽くしていきます。


(兵庫民報2017年9月10日付)

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