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2017年7月29日土曜日

神戸製鋼所火力発電所増設:市民への説明会


神戸製鋼所は、今年10月の高炉廃止跡に建設を計画する石炭火力発電所についての市民への1回目の説明会を7月19日に開催しました。会場の灘区民ホールには約300人が参加し、18時30分から20時30分の予定が多数(57件)の質問で終了は21時となりました。ただ一方通行の回答なので、「最新の技術導入」「環境基準の指針を下回っています」「可能な限り低減します」などの回答を繰り返し、参加者からは「茶番である」「質問に答えていない」など強い批判の声が上がっていました。

総排出量を示さずPM2.5調査も拒否

窒素酸化物、硫黄酸化物や水銀など汚染物質の年間総排出量を示してくださいとの質問に対し神鋼は、濃度を示し「人体への影響はない」としましたが、総排出量は示しませんでした。
ぜん息、肺がんなど健康被害が心配されているPM2.5は、発電所半径20km内の32調査点のほとんどの地点で環境基準を達成していません。しかし、神鋼は今回の環境影響調査に取り上げず、質問されると「50%は中国飛来」「生成メカニズムが解明されていない」などと調査も拒否しました。

排出CO2倍増で神鋼以外の神戸市全体量上回る

パリ協定発効後世界は「脱石炭」の流れが強まっています。しかし、2基の増設で排出するCO2は約692万t/年も増え、既存の2基と合わせると約1432万t/年の膨大な量です。神鋼の石炭火力発電所からの排出量が、神鋼以外の神戸市全体の排出量(神鋼発電所除き約1247万t/年)を上回ります。
それにもかかわらず、神鋼は、「石炭火力は国のエネルギー基本計画において重要なベースロード電源と位置付けられている」「(2030年までには26%削減の)国の政策に合致している」などと具体的な根拠に触れず、「売電先の関西電力が削減すると聞いている」などと無責任な態度でした。
政府は温室効果ガス削減を「2050年80%削減」と閣議決定しています。それを実現するためには近い将来、石炭火力発電は稼働できなくなります。神鋼の石炭火力の稼働は2021年、2022年と予定されていますが今さえ良いとする神鋼の姿勢は許されません。(廣岡豊=神鋼石炭火力発電公害問題灘区連絡会)

「兵庫民報」2017年7月30日付掲載

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