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2017年7月16日日曜日

「緊急事態条項」賛成?反対?:県弁護士会〝白熱討論〟会


日本弁護士連合会の日本国憲法施行七十周年全国アクションプログラムの一環として、兵庫県弁護士会が七月八日、兵庫県民会館で「憲法改正で白熱討論!――緊急事態条項 賛成・反対」を開きました。
白承豪会長は「討論を通じて、今後の憲法改正議論のなか、みなさんご自身がしっかり考えていけるきっかけになれば」と主催者挨拶しました。
討論会は、同弁護士会会員の長谷部信一弁護士のコーディネイトで、日本会議推薦の奥村文男大阪国際大学名誉教授(憲法学)が「賛成」論を、日弁連災害復興支援委員会元委員長の永井幸寿弁護士(四面に関連記事)が「反対」論を述べました。

永井氏

永井氏は、▽戦前、四つもの国家緊急権が濫用され、人権を侵害した経緯から、現在の日本憲法があえて国家緊急権を置かず、緊急事態には法律で対処することを趣旨としていること▽災害に関する法律は整備され、東日本大震災被災自治体へのアンケートでも憲法が災害対策の障害にならなかったと九六%の自治体が答えていること▽日本では国会・裁判所が政府を抑制する力が弱いこと―など具体的な事実をあげ、「災害をダシに憲法を変えてはいけない」と主張しました。

奥村氏

奥村氏は、東南海・南海トラフ地震など大規模災害への対応のためとする一方で、北朝鮮のミサイル発射など、有事に国民の人権を守るため、緊急事態条項の必要性が高まっていると述べ、煩雑な法を整理し、基本法・憲法という三段階の体系みにし、法に根拠を与えるため憲法に緊急事態条項が必要だと強調。現行憲法が緊急事態条項を置かないのは単なる欠陥だと述べました。
永井氏は奥村氏のいう三段階の体系での緊急事態条項は抽象的となり濫用の恐れが大く、予測される大災害には法律を準備しすぐ発令できるようにするべきであり、有事も政策で回避、法律で対処できると反論しました。

2017年7月16日付「兵庫民報」掲載

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