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2017年7月29日土曜日

観感楽学

県営住宅や市営住宅は、入居者がそれぞれの所得に応じて決定された家賃を支払う家賃のほかに運営経費の二分の一ずつを国と自治体が負担している。ただ、激甚災害法の指定を受けた場合は、国の負担割合が増える。阪神・淡路大震災の場合は、被災から五年目までは四分の三を、六年目から二十年までは三分の二を国が負担してきた▼いま、借り上げ住宅からの追い出しが問題になっているが、西宮市や神戸市は、負担割合が二十年目以降は三分の一から市営住宅並みの二分の一に変わるため負担増になると宣伝している。三分の一から二分の一にということは、六分の一が負担増、これを金額にすると月額一万円程度にすぎない▼ところで、裁判が始まって二年近くなるが、一人の若い女性が、神戸市の裁判費用に疑問を持ち、開示請求を行った。開示された資料によると、神戸市が契約した六人の弁護士一人ひとりに、着手金として、四十三万六千円が支払われ、他に、交通費三万円が支払われていた。さらに、「意見書」を依頼した大学教授には、「経費」として二百十六万円が支出されていた。これらすべて税金である▼こうして心ならずも「被告」とされてしまった人たちは、全員、住民のサポートが欠かせない病弱の高齢者ばかりである。この人たちが継続入居を認められて余生を送ったとして、神戸市にどれほど負担が増えるというのだろう。高い資料代や弁護士費用を払って追い出すことに何の意味があるのか。(D)

「兵庫民報」2017年7月30日付掲載

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