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2017年7月16日日曜日

観感楽学

核兵器禁止条約が国連本部で採択された。平和行進を芦屋市に迎えた原爆被害者の会の千葉孝子会長は、「バンザイ!被爆者の誇りと喜びを平和行進にぶつけます」とおさえきれない喜びを語った。七十二年目の広島・長崎の日を前にした快挙に世界が沸いた▼条約前文に「ヒバクシャ」が明記され、被爆者の過酷な体験をくんだことが明確にされた。今までのように核兵器を安全保障上の「必要悪」とするのではなく、人道上の「絶対悪」としたのだ。しかし核保有国と依存国は反対した▼米国は北朝鮮の核開発の脅威を述べ、日本政府も同様の理由で「核の傘」の必要性を言う。北朝鮮は米国の核兵器の脅威に対抗すると言う。条約は「使用の威嚇」も禁止し、核抑止力論の考えは違法とされた▼核抑止力で問題が解決しないことは北朝鮮問題の現実が示している。日本政府は核保有国と非核保有国の「橋渡し役」を任ずる。しかし、核保有国でもない日本は核保有国に同調し、橋の一方(核保有国)の側へ来いというのである▼禁止条約が示す新しい立場にたって「核の傘」から抜け出し、核保有国に禁止条約の調印を迫ることこそ「橋渡し」というものではないか。(K)

2017年7月16日付「兵庫民報」掲載

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