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2017年6月25日日曜日

兵庫民報2017-06-25

  • 「共謀罪」廃止を:各地で抗議/
  • ママの会が街頭で再現―「コッカイオンドク!」/
  • 衆院議員 堀内照文エッセイ(10)/
  • 尼崎アスベスト被害:全国の10倍以上のハイリスク/
  • がんばってます! 兵庫9区:新町みちよさん/
  • 市民連合@いたみアクション:キックオフ・イベント/
  • 核兵器禁止条約国連会議へ向け署名・宣伝/
  • ―ノーモアヒバクシャ近畿訴訟・傍聴記―/
  • 新『JCP magazine』使って広げよう若い世代との対話/
  • 「県民要求実現の前進に役立つ」:運動団体から「兵庫民報」購読申し込み/
  • 神戸映画サークル協議会7月例会:『レ・ミゼラブル』/
  • 神戸演劇鑑賞会7月例会:『遥かなる甲子園』/
  • 劇団四紀会:一般公募の子どもたちと舞台づくり/
  • 兵庫山河の会「山河」75号より/
  • 段重喜「唯我独裁」/
  • 観感楽学/

ママの会が街頭で再現―「コッカイオンドク!」

なんてひどい国会審議


「コッカイオンドク リターンズ!」を安保関連法に反対するママと有志の会@兵庫が六月十八日、元町駅東口で行いました。
ママの会は十一日にも、憲法違反の法律・共謀罪の問題点、ひどさを明らかにするため、国会中継から審議を書き起こした市民の原稿をもとに論議を再現する「コッカイオンドク!」を全国にいっせいにとりくみましたが、十五日の強行採決を受け、再度とりくんだものです。
今回は三つのシーンで、共謀罪がテロを防げないこと、一般人が対象になりうることが明らかになったことを読み上げ、演じました。
演じたママと有志の皆さんは、「共謀罪は強行されたけど、こんな法律はおかしい。反対の声をあげ続けよう」「子どものプライバシー権守るのは、大人の責任、次の国政選挙で共謀罪廃止の議員を当選させて共謀罪を廃止させよう」「この法律は、国民が手をつなぐことをやめさせようとしている。だからこそ手をつないでいっしょに声をあげよう」と訴え、通行人も立ち止まって聴いていました。

「共謀罪」廃止を:各地で抗議

安倍政権と自民党・公明党・日本維新の会が「共謀罪」法を六月十五日朝の参院本会議で可決・成立させたことにたいし、抗議の声が兵庫県内各地でも起こっています。


兵庫県憲法共同センターは十五日夕、十九日夕と連続して、神戸大丸前で抗議宣伝。前日の十四日にも宣伝を行っています。
姫路駅前でも市民らが十五日夕、「コッカイオンドク!」で同法の問題点や政権の答弁のひどさなどの不当性を訴えました。
宝塚の中川智子市長は阪神間の市議・市民に呼びかけ、「テロ対策を名目にして『一億総監視社会』につながる共謀罪法の廃止を求めます」との声明を発表しました。急な呼びかけでしたが、神戸・宝塚・伊丹・川西・尼崎の民進党、日本共産党、社民党、新社会党、みどりの党、無所属の九市議と安保関連法に反対する有志とママの会兵庫の弘川欣絵さんが集まり、記者会見しました。


十八日には、戦争・原発・貧困・差別を許さない尼崎共同行動が、「共謀罪」法廃止と加計学園問題などの真相徹底究明を求め、JR尼崎駅北広場で緊急集会を開催。百五十人が参加し、「コッカイオンドク!」やデモで訴えました。

衆院議員 堀内照文エッセイ(10)

「共謀罪」法強行成立:兵庫で厳しい審判を

十五日午前七時四十六分、参議院本会議で、共謀罪法案が自民、公明、維新によって採決が強行され、成立しました。審議中の法案を委員会からとりあげ、採決の機会さえ奪う「中間報告」なる禁じ手を使っての暴挙に断固抗議です。
「中間報告」がおこなわれたのは、これまで臓器移植など委員会採決が難しい問題や、野党が委員長で与党の思うように採決できない場合(これも不当ですが)などの例がありました。しかし、今回は与党、公明党が委員長。都議選を前に、公明党の委員長が強行採決をしたことを、国民に見せたくなかったのでしょう。さらに、早々と採決することで、会期延長することなく、加計学園問題の追及から逃げられるとの判断からでしょう。まさに国民の世論に追い込まれ、文字通り党利党略のあまりにも見苦しい採決強行です。
参議院審議で新たに人権や環境などをうたった団体でも「隠れみの」なら組織的犯罪集団だ、その構成員でなくても「周辺者」なら対象になるとの答弁が飛び出しました。どの団体が隠れみのか、どの周りの人が対象か、外見上は分かりません。電話の盗聴、メールやラインの通信傍受など、日常的に誰もが、捜査機関から監視されうることにならざるを得ません。
内心の自由を踏みにじるとんでもない憲法違反です。安倍政権与党が何より恐れたのが都議選などへの影響ですから、ここでのわが党の勝利はもちろんのこと、「地方自治で今必要なのは立憲民主制と法治国家そのものが瓦解しているという危機感」との内田樹氏の指摘のとおり、兵庫県での勝利で厳しい審判を下すべく奮闘したいと思います。

尼崎アスベスト被害:全国の10倍以上のハイリスク

中皮腫死亡者増え続け2015年は41人



アスベスト被害からいのちと健康を守る尼崎の会事務局長 粕川實則

工場周辺にアスベストを飛散させ、深刻な被害が明らかとなった「クボタショック」から今月末で十二年を迎えます。
クボタが明らかにした被害者に対する「救済金」の支払いは、三百人に及び、クボタの労働者に労災上乗せ補償をした二百六人とあわせて、五百六人が中皮腫や肺がんなどのアスベスト疾患で亡くなったり、闘病したりしています。
*
このほど公表された尼崎市の「平成二十七(二〇一五)年人口動態統計の概要」によれば、二〇一五年の中皮腫による死亡は四十一人(男性二十六人、女性十五人)。グラフのように、増加傾向は加速しています。
*
中皮腫(胸膜中皮腫、腹膜中皮腫など)は、アスベスト(石綿)を吸ったことにより発生。アスベストを扱う労働者だけでなく、労働者の家族やアスベスト関連の工場周辺の住民にも発生しています。アスベストを吸い込む量が多いほど、またその期間が長いほど発症の危険性が高くなります。アスベストを吸ってから中皮腫が発生するまでの期間は二十年から五十年といわれ、「静かなる時限爆弾」ともいわれています。
*
全国の中皮腫死亡者は、年間約千四百人。十万人に一人の割合です。しかし、尼崎市ではクボタが旧神崎工場(JR尼崎駅のすぐ東)で一九五四(昭和二十九)年から九五(平成七)年までの四十一年間にわたって二十三万トン(中皮腫を発症するリスクが五百倍とされる青石綿八・八万トンを含む)を超える大量のアスベストを使用し、石綿セメント管や建材を製造してきた影響で、一万人に一人の割合で中皮腫による死亡という深刻な被害が出ているのです。
この四十一人の中皮腫死亡数は、尼崎市在住者の死亡数です。尼崎で働き、定年後に故郷に帰り、故郷で亡くなった人数は当然のことながらカウントされていません。ですから、いかに深刻な事態かがわかります。
*
「クボタショック」直後から被害者の掘り起こしや相談活動を続けている「アスベスト被害からいのちと健康を守る尼崎の会」は、「被害者は増加の一途。被害者に寄り添い、相談活動を継続する」としています。


男(人) 女(人) 合計(人) 前年比 02年からの累計(人)
2002 11 6 17 17
2003 8 5 13 76% 30
2004 13 7 20 154% 50
2005 17 5 22 110% 72
2006 14 9 23 105% 95
2007 23 6 29 126% 124
2008 17 11 28 97% 152
2009 16 5 21 75% 173
2010 18 8 26 124% 199
2011 25 18 43 165% 242
2012 20 11 31 72% 273
2013 20 13 33 106% 306
2014 24 9 33 100% 339
2015 26 15 41 124% 380

がんばってます! 兵庫9区:新町みちよさん



いま、総選挙に先立って安倍政権にノーを突きつける絶好のチャンスです。
内閣の支持率が急落しています。支持は四四・九%で(マイナス一〇・五㌽)、不支持が四三・一%です。「共謀罪の「中間報告」で、委員会審議をとばしての採決は「よくなかった」が六七・七%。「加計学園」は「真相明らかになったと思う」が九・三%、「思わない」が八四・九%。
安倍政権は、国家を私物化、国民にはウソとゴマカシ、歯向かう者には容赦ない攻撃をしかけます。二〇一二年、第二次安倍内閣成立後、「特定秘密保護法」「盗聴法の拡大」そして、「安保法制=戦争法」、さらに「共謀罪法」を禁じ手で押し通しました。しかも憲法施行七十年の五月三日には、憲法九条に自衛隊を書き込む、二〇二〇年には新憲法でと発言しました。
いよいよ安倍政権は打倒するしかありません。
怒りと同時に国民の声を代弁する国会議席が少ないのを痛感します。
昨年の参議院選挙では、三十二の一人区で野党共闘が実現し、十一の選挙区で、勝利することができました。
次期総選挙では、日本共産党の比例代表で八百五十万票、近畿で五議席の獲得と小選挙区でも必勝区と野党統一候補の勝利で自公と維新を少数に追い込まねばなりません。
私もみなさんと力を合わせ、全力でがんばる決意です。

市民連合@いたみアクション:キックオフ・イベント


「市民連合@いたみアクション」が設立記念キックオフ・イベントを六月十五日、いたみホール会議室で開き、政治活動のベテランから、初めて政治的な集会に参加したという人まで二十四人が集まり、意見を交わしました。
設立宣言後、四つのグループに分かれて、今政治について思うこと、疑問点、何をやっていけばよいのかといったことについて意見を出し合いました。
「こういった集会にこそもっと若者が参加してほしいが政治に関心を持つ余裕がなくなっているようだ。労働条件の悪化もその原因となっている」
「行政が社会的弱者に冷たい。私たちにできることは何か」
「多くの問題の底に貧困問題がある。困った時どこに相談すればいいかを調べる余裕すらなくなっている」
「安倍政権の支持率がなかなか下がらないのはメディアの問題もある。メディア批判とともに、良い報道に対しては評価の電話やメールを送ることも大切では」
―などの意見が出されました。
青年から「これからアートの活動を通じて仲間に政治への関心を広げていきたい」と決意の表明があり、拍手が沸き起こる場面もありました。
今後の活動として参加者から「国会での答弁がいかにひどいものか市民に知ってもらうため、書き起こした国会質疑を声に出して読む『コッカイオンドク!』をやってみたらどうか」といった具体的な提案が出ました。
主催者からも「街へ出てスタンディング等の活動で対話を広げたい。貧困の問題は行政への働きかけと同時に、私たち自身ができる事をやって行けないか」との考えが示され、「次回の集会には今日の参加者があと一人連れてきてください。具体的な取り組みを進めていきましょう」と締めくくられました。
また、この日未明、安倍政権によって共謀罪が強行採決された事を受け、同イベントでは「共謀罪廃止」を求める緊急声明が発表されました。
(中島隆夫=伊丹革新懇事務局)

核兵器禁止条約国連会議へ向け署名・宣伝



署名を呼びかける鹿島副理事長と立川事務局長

兵庫県原水協は、核兵器禁止条約国連会議の開会前日の六月十四日、正午から一時間、神戸大丸前で「ヒバクシャ国際署名」街頭署名・宣伝行動を行いました。
兵庫県被団協の鹿島孝治副理事長(80歳・長崎で被爆)、立川重則事務局長(73歳・広島で被爆)(など三人の被爆者も参加、総勢二十三人が「ヒバクシャ国際署名」を呼びかけました。
宣伝車から垣本千里新婦人平和部長、日本共産党の平松順子平和部長、庄本えつこ県議らが、核兵器禁止条約国連会議の攻防について語り、会議にも出ない安倍政権をきびしく批判、「ヒバクシャ国際署名で安倍政権の態度を変え、禁止条約に調印させよう」と呼びかけました。
署名に応じた人のなかには「安倍さんも兵庫県知事も、核兵器廃絶を主張しないなんてけしからない」と怒りながら筆を走らせる人もいました。
フランス、ノルウェー、ニュージーランド、モロッコ、中国、アメリカの観光客、留学生らも署名し、九十四人から署名が寄せられました。
*

新日本婦人の会兵庫県本部も六月十七日、「おりづるパレード」を行い、約九十人が参加。神戸花時計前から元町三丁目まで核兵器禁止条約の実現を訴えて歩きました。

―ノーモアヒバクシャ近畿訴訟・傍聴記―

ノーモアヒバクシャ訴訟の到達点を、きちんとつかんだ裁判を求めて

副島圀義
大阪地裁第二民事部での訴訟にあたる裁判長が交替したため、六月十五日は愛須勝也弁護士が「ノーモアヒバクシャ訴訟の到達点をきちんとつかんだ裁判を」と意見陳述しました。
*
―二〇〇三年からの集団訴訟は大半の原告の訴えが認められた結果を踏まえ、「今後は被爆者が訴訟の場で争う必要がないように、国と被団協などが定期協議によって解決する」との合意に到達した(九年)。
―しかし国はその後も、発病に対する放射線起因性に機械的な線引きで、原爆症認定申請を却下し続けた。その結果、全国で百二十一人の被爆者が、やむなく訴訟を起こした(ノーモアヒバクシャ訴訟)。
―この訴訟でも、すでに多くの被爆者の訴えが認められるにいたっている。
―しかし国は、高齢で闘病中の被爆者に「申請却下が不満なら裁判をおこせばいい」とまで開き直っている。
*
報告集会では、この日から核兵器禁止条約交渉会議第二期が始まり、大阪からも代表がニューヨークに向かったことが報告されました。
またこの日早朝の「共謀罪」強行への憤りの声が交わされました。「安倍政権が核兵器禁止条約に背を向けていることと、福祉の切り捨てなどと根は一つ。この流れのなかで被爆者援護だけを守るわけがない。これら全体をとらえて努力していこう」との発言もありました。
*
気になったのは、新裁判長が、愛須弁護士の意見陳述でスライドを使わせなかった、とのこと。
今や、原告以外の裁判当事者はすべて、原爆も戦争も直接には体験していません。
原爆症について審理するためには、七十二年前の広島・長崎で何が起こったのか? 生き残った被爆者はその後をどう生きてきたのか? 放射線を浴びるとはどういうことなのか?―などを謙虚に知ろうとする姿勢が絶対必要だと思うのですが…

新『JCP magazine』使って広げよう若い世代との対話



日本共産党は新しい『JCP magazine』(JCPマガジン)を使っての若い世代との対話を始めています。六月十九日には関西学院大学上ヶ原キャンパス前での対話に取り組みました。
「学費が高くて奨学金を借りている。海外の学費は安いし、給付型の奨学金なんですね」「日本の労働時間の長さに驚いた」「核兵器問題に興味があって国連で会議が始まったのは知っていた」「イラストが良いですね」などの対話になりました。
また、通り過ぎる学生からも「共産党は意外と若い人に優しい党やからな」などの声も聞こえてきました。
『JCP magazine』は若い世代の興味・関心に応え、切実な要求を実現する展望を語っています。まずは身近な人から『JCP magazine』を届けていきましょうと日本共産党兵庫県委員会は呼びかけています。

「県民要求実現の前進に役立つ」:運動団体から「兵庫民報」購読申し込み

前月につづき、今月も〝たたかいと運動を連帯する最良のメディア〟として「兵庫民報」購読の申し込みが運動団体からありました。
申し込まれた方は、「私たちは、人間らしく生きることを求めて運動をひろげ、国や自治体に暮らしに役立つ、たくさんの制度を実施・改善させる取り組みを長年やってきました。安倍政権は軍事費を増やしつづけ、自衛隊の海外派兵も強行しています。また、消費税の税率アップや社会保障の大改悪を狙っています。だからこそ戦争放棄をかかげ、人間らしく生きる権利の保障を定めている憲法や、その精神にのっとってつくられた諸法律が、今ほど大事で必要なときはありません」「今、国の政治を見れば自民、公明による『共謀罪』法案の強行の暴挙は本当に許せない。審議すればするほど問題点が次々出てくる。『加計』疑惑でも、官邸によって行政がゆがめられる新事実が出てきている。『数の暴力』で強行されたが、新たなたたかいを起こさないといけない。立憲主義、民主主義、平和主義を取り戻す取り組みを強めていかないといけない」「県政に目を向ければ、大型開発優先の県政から、『人と地域を守る』県政の実現、医療と福祉を手厚く、教育・子育て安心、働く人々の権利を守り発展させる兵庫県にしないいけない」と語られました。
「主権者・国民が、二十一世紀にむけ、人間が人間らしく生きることのできる社会づくりめざし、ともに力をあわせて、草の根からの運動をひろげていくためにも県下の運動や共闘の動き、要求の実現の取り組みがわかるからこの機会に購読します」と申し込まれました。
後援会員、運動の先頭立っている方などに「兵庫民報」購読の取り組みを強めましょう。
(浜本信義=日本共産党兵庫県機関紙部長)

神戸映画サークル協議会7月例会:『レ・ミゼラブル』

永遠に語り継がれるミュージカル



主人公ジャン・バルジャンはパンを盗んだ罪の仮釈放中の身で再び罪を犯す。ミニエル司教に救われ、それをきっかけに、罪を償う人生を全うしようとする。
この人物を中心に、多くの登場人物が交錯する。厳格な法の番人である鬼警部ジャベール、売春婦に身を落として死んでいくファンテーヌ、小悪党のテナルディエ夫婦、あばずれの外見の下に純愛を包んで天に召されるエポニーヌなど、類型的な人物像とできすぎと思える物語展開。
しかしそれより、有無を言わさぬ映画の面白さ、描写の迫力、歴史考証の機密さ、悠揚としてしかも絶え間なく流れるストーリー、ここには、物語の力が満ちあふれている。
原作者ユーゴーの、この世から「悲惨な人々」をなくしたいという人道的な理想主義がこの映画のバックボーンとして貫かれている。
舞台の映画化だが、ミュージカルの迫力をそのままに映像でしか表せないスケールの大きさが魅力である。何といっても豪華キャスト陣、ヒュー・ジャックマン、ラッセル・クロウ、アン・ハサウェイエディ・レッドメンなどの吹き替えなしの生の歌声が素晴らしい。
(飯川徹=神戸映画サークル協議会)

映画『レ・ミゼラブル』

神戸映画サークル協議会市民映画劇場7月例会/7月14日(金)・15日(土)ともに①11時②14時10分③18時30分/神戸朝日ホール4階/監督トム・フーバー、出演:ヒュー・ジャックマン、ラッセル・クロウ/2012年、英、158分/一般1,300円(当日1,700円)、シニア・障がい者・大学生以下1,300円/主催:神戸映画サークル協議会☎078‐371‐8550、http://kobe-eisa.com/

神戸演劇鑑賞会7月例会:『遥かなる甲子園』



ここにひとりの高校生がいる。名は森野一樹、沖縄県立福里ろう学校の生徒。彼は中学生の時、沖縄代表で甲子園に出場した高校の応援に、ひとりで行った。その時、一樹はボールの「カキーン」の〝音〟を見た。それは、音が聞こえない一樹にとって貴重な経験になった。福里ろう学校に〝野球部〟をつくるとの強い思いであり、夢でもあった。
この舞台は実話を元に作品化されている。オリンピックの年(一九六四)、沖縄で風疹が猛威をふるった。風疹のウイルスはアメリカ軍によって持ち込まれた。その時の妊婦からおおぜいの聴力障害の子どもが産まれた。そこで、子どもたちのために開校されたのが、中高一貫一学年のみの〝福里ろう学校〟であった。
やがて、一樹の思いに仲間たちが集まり、校長先生や学生の時、野球部だった先生の努力もあって、野球部は誕生する。しかし、高校野球連盟加入の高いハードルが待っていた。それは、マネージャーの弥生が佳作賞を受賞した時のスピーチで、野球部が連盟に加入できるように訴えたことで、一気に解決した。そして、県大会準優勝校との試合が実現をした。が…。
舞台は手話も使いながら、一樹たちの青春のエネルギーが舞台を包む。泣く。笑う。同化する。そして、なにより、人間の底の底にある力を感じ、爽やかな風が吹いてくる。
(小谷博子=神戸演劇鑑賞会)

関西芸術座公演『遥かなる甲子園』

戸部良也作『青春の記録 遥かなる甲子園 聴こえぬ球音に賭けた16人』(1987年、双葉社)より/脚色=西岡誠一、演出=鈴木完一郎、補演出=門田裕、出演=上沢拓也、前田英利ほか/①7月28日(金)18時30分②29日(土)13時30分/神戸文化ホール中ホール/会員制(入会時に入会金1,000円と月会費2カ月前納)、月会費3,500円(大学生2,000円、中高生1,000円)/☎078‐222‐8651、Fax078‐222‐8653

劇団四紀会:一般公募の子どもたちと舞台づくり

毎夏恒例の「家族劇場公演」。今回は、創立六十周年記念公演第二弾として、これまでの巡演でご好評をいただいてまいりました『ブレーメンの音楽隊』を上演いたします。
誰もが知っているグリム童話の名作で、年老いた動物たちが一致協力して自分たちの新生活を切り開いていく物語です。
この作品を四紀会風にアレンジ、お芝居はもちろん、歌あり踊りありピアノの生演奏ありでお届けします。さらに今回は、一般公募の子どもたちにも舞台に上がっていただきます。
(里中真=劇団四紀会)

劇団四紀会第154回公演『ブレーメンの音楽隊』

脚色:森卓也・桜井敏、演出:岸本敏朗/①7月15日(土)・16日(日)・17日(月)11時・15時=元町プチシアター/②7月23日(日)13時=西区民センター/一般2,000円、障がい者1,700円、子ども1,200円(当日各200円増)/☎078‐392‐2421(20時~)・090‐8389‐0300(里中)、Fax078‐392‐2422

兵庫山河の会「山河」75号より

揺りあげて楠の若葉にいく千のひかりの生るるはつなつの風
山下洋美
水張田の山ふじの影ゆらめかせ青葉の風のつと吹きてゆく
安武ひろ子
木枯らしに鍛えられたるポプラの樹若葉しげりて葉ずれさわやか
山下 勇
そこだけは別天地のごと子らの声弾けて染める遊びの世界
新井 幸
神戸港百五十年祝うみなと祭りフラワーロードを華やかに舞う
鵜尾和代
野良猫は短命ときくこの団地に野良と生まれし二匹の子猫よ
古賀悦子
虎ファンが浜風に乗れと気合い込め声高く我もメガホンたたく
高木庸子
フォルティシモ弦の響きに目を覚ます倉庫のような小さな部屋で
大中 肇
雨上がり大丸前のスクランブル志位委員長聴く人の群がる
塩谷凉子
弾圧は抵抗を呼び友を呼ぶ辺野古・高江の不屈の闘い
古賀哲夫
安倍首相任期中にて改憲をたくらむ焦り二項変へんと
岸本 守
この国をどんな国へと導くや監視密告社会にさせぬ
西澤 愼

段重喜「唯我独裁」


観感楽学

第四週担当の筆者が、七月二日・憲法を生かし、人と地域を守る兵庫県政に変えるため大奮闘中ですので、今回の「観感楽学」は休載いたします。

(「兵庫民報」掲載)

2017年6月18日日曜日

兵庫民報2017-06-18

  • 「共謀罪」新設許さず:県弁護士会が5回目のパレード/
  • 「共謀罪」新設許さず:丹波市議会が慎重審議求める意見書/
  • 「共謀罪」新設許さず:県議会は請願不採択/
  • 県民への痛み押し付け:反省ない知事/
  • まぎれもない有料「釣り堀」/
  • 森友学園問題:NKH問題を考える会がシンポ/
  • 淡路市議選6月25日告示・7月2日投票/
  • がんばってます!兵庫8区:堀内照文さん/
  • 後期高齢者医療保険料の追加徴収:堀内衆院議員が追及/
  • 川西病院の公設民営化反対/
  • 教師・地域住民が/
  • 次々とアンケート受け取る高校生/
  • 「あさぎ」85回 六月詠草 姫路年金者組合/
  • 「叛乱」/
  • ひなたぽっころりん〈598〉/
  • 観感楽学


「共謀罪」新設許さず:県弁護士会が5回目のパレード

「反対」の声あげ続けよう



兵庫県弁護士会は六月八日、五回目の共謀罪法案反対街頭パレードを神戸東遊園地から三宮センター街で行い、市民も含め五百人が参加しました。
東遊園地での出発集会では、憲法が専門の塚田哲之神戸学院大学法学部教授と、刑法が専門の大場史朗大阪経済法科大学法学部長補佐・准教授がスピーチしました。
塚田氏は、「共謀罪」新設が昨年の安保関連法と一体で「戦争する国づくり」をすすめるものであり、「共謀罪」で言論を委縮させ、戦争への異論をつぶそうというものだと指摘。さらに「しかし、法案が成立しても終わりではない」として、「『共謀罪』の運用を許さないため、いま弁護士が反対の声をあげることと、それを市民が後押しすることが重要だ」と強調しました。
大場氏は、「共謀罪」が従来の刑法の原則を吹き飛ばすものだと批判。元日弁連副会長の大塚明弁護士も、「たたかいをやめれば、むくむくと『共謀罪』は起き上がってくる。いま、反対の声をあげ続けよう」と強く訴えました。

「共謀罪」新設許さず:丹波市議会が慎重審議求める意見書

丹波市議会は六月十二日の本会議で、市民団体からだされていた請願を採択、「『テロ等準備罪』の新設について慎重審議を求める意見書」を可決し、同日付で内閣総理大臣・法務大臣・参院議長に提出しました。
この請願は「基本的人権の尊重される社会に暮らしたい住民の会」から出されていたもので(請願代表者は藤尾周作氏、賛同者七十人、紹介議員は日本共産党の西本嘉宏氏)、六日の総務常任委員会で、請願項目のうち一つめの共謀罪法案に反対することは否決されましたが、二つめの慎重審議を求めることが採択されました。
同会の人々は各議員に働きかけるとともに、総務常任委員会と本会議にはそれぞれ二十数人が傍聴にかけつけ審議を見守りました。

反対したのは
公明・維新だけ

本会議では無所属の奥村正行議員と日本共産党の西脇秀隆議員が賛成討論を行いました。反対討論はありませんでした。採決の結果、賛成十六、反対三(公明二、維新一)で請願を採択、意見書を可決しました。
*
丹波市議会の意見書は、
•すでに現行法にもテロ等の準備行為を処罰する規定は存在し、法案により処罰を一般化するなら、必要性や合理性が明らかにされなければならない。
•対象となる「組織的犯罪集団」の定義、共謀「合意」の判断、「準備行為」の要件などがあいまいであり、捜査機関の拡大解釈によっては一般団体や個人の「内心の自由」が侵され、自由な思想信条が罰せられる恐れがある。
•未遂に至らない段階の行為についても処罰対処になることから、捜査機関による監視等の範囲拡大につながることも懸念され、言論・表現の自由やプライバシーの侵害など、基本的人権までもが脅かされる恐れがある。
―(大要)として、「国民の基本的人権を守り、憲法が保障する思想・信条・表現の自由を十分鑑みて、『テロ等準備罪』の新設について慎重に審議を行うことを強く要望」しています。

「共謀罪」新設許さず:県議会は請願不採択

六月九日の兵庫県議会本会議で日本共産党のねりき恵子議員が、「共謀罪」法案の廃案を国に求める趣旨の請願の採択を求めて討論に立ちました。
ねりき議員は、「共謀罪」が「限りなく内心に踏み込んで処罰するものだ」と指摘。「組織的犯罪集団」の認定要件があいまいなため、捜査機関の判断次第で市民が処罰対象になりうるとして、「近代刑法の大原則を根底から覆すもの」と強く批判し請願の採択を強く求めました。前日の警察常任委員会審査で自民・公明・維新の各会派が「テロ対策」「TOC条約の締結に必要」と主張したのに対し、テロ対策は、TOC条約の対象外であり、現行法の組み合わせで条約は締結可能だと厳しく批判しました。
日本共産党とひょうご県民連合、無所属議員二人が採択に賛成しましたが、自民、公明、維新などの反対で不採択になりました。
なお、同請願が付託されていた警察常任委員会の審議は八日に行われましたが、委員がいないため日本共産党県議団は、委員会会議規則に基づき「委員外議員発言」を申し出ましたが、委員会が認めなかったため発言できませんでした。

県民への痛み押し付け:反省ない知事

日本共産党入江県議が一般質問:16年間の県政を問う


兵庫県議会六月議会で日本共産党の入江次郎議員が六月七日、一般質問に立ち、知事に対し、憲法九条への態度や、十六年間の「行革」で県民の暮らしの予算を削ってきた責任などについてただしました。

*憲法

入江議員が、「安倍首相の九条改憲発言に反対を表明すべきだ」と迫ったのに対し、知事は、「(九条は)崇高な理念を示すもの」としながらも、自衛隊の位置づけについて「解釈だけで現実問題に対応することについての是非がいま問われている」「今後九条を含めた憲法改正について、国民のあいだで十分な議論がされることを期待している」と述べました。

*県「行革」

入江議員は、神戸空港や高速道路など大型開発をすすめ大企業呼び込みのために税金を投入しながら、県「行革」で医療や福祉、暮らしを切り捨ててきた知事の責任をただしましたが、知事は、県「行革」の「成果」ばかりを強調し、老人医療費助成については「平均寿命の延伸や受給者の増加をふまえた」、ひとり親家庭や障害者の医療費助成については「他の制度との均衡」「(見直しは)望ましい内容だ」と述べるなど、切り捨てを合理化し、県民への痛みの押しつけに無反省な答弁に終始しました。

*認定こども園

入江議員は、姫路市の認定こども園「わんずまざー保育園」が、法違反を含む劣悪な保育を行い認定取り消しになった問題に関し、県の認定責任や県条例の規制緩和、知事がいっそうの保育の規制緩和を求めている問題について追及しました。
県は、認定についての責任を認めず、基準を緩和した条例の見直しを拒否。また園庭面積など保育水準の規制緩和を「今後も進める」と答弁しました。

*新日鉄の違法取水

入江議員は、新日鉄住金広畑製鉄所が、工業用水として水利権を取得していた夢前川からの取水の一部を、五十年にわたり構内で飲料水として利用していた事実を暴露。市民が一四%もの水道代の値上げを押しつけられるなか、同社が水道代を払わず違法に取水を続けていたことは許されないとして、水利権者である県に是正と詳細な調査を求めました。
県は事実を認め、同社に指導し、来年度に飲料水を姫路市の上水道に切り替え、是正させると答弁しました。

*介護・公契約条例

入江議員は、四月から全市町で始まった「介護予防・日常生活支援総合事業」で、せめて「現行相当サービス」を維持させること、最低賃金を定めた県の公契約条例をつくることを求めました。

まぎれもない有料「釣り堀」

淡路交流の翼港

淡路交流の翼港の防波堤(対岸は神戸市)

兵庫県が七十億円かけてつくったものの定期航路はとうとう開設できず、「70億円の釣り掘」と言われている「淡路交流の翼港」を訪れました。


国道28号の夢舞台前交差点から橋を渡り、交流の翼港の駐車場に着くと、すぐ係員がやってきました。駐車料金五百円を支払うつもりで、窓を開けると係員が「釣りはしますか?」。
釣りはしないと答えるとけげんな顔をしながら、「じゃあ五百円です」の返事。
不思議に思って「〝釣りをすると五百円〟じゃないのですか」と聞くと、「釣りをする場合は、一日一人五百円が追加です」とのこと。


車を降りたあと、あらためて駐車場の入口を見ると、「ご利用の皆様へ」の立て看板に、駐車料金にあたる「車両整理協力金」に加えて、一人一日五百円の「清掃協力金」という表示がありました。立て看板は釣りをする人だけが訪れることを前提に作られているようで、「清掃協力金」は釣りをする場合にだけ支払うということはどこにも書かれていません。


駐車料金の領収書の裏にも、釣りに関する注意書きがありました(下線は筆者)。
「淡路交流の翼港」はまぎれもない有料「釣り堀」でした。(中嘉信)

森友学園問題:NKH問題を考える会がシンポ

政府とメディアによる幕引き許さない


NKH問題を考える会(兵庫)は第四十一回メディアを考えるつどい「森友学園事件――政府とメディアの幕引き許さない!」を六月十日、西宮市勤労会館でひらき、定員四百人の大ホールをあふれる参加者がつめかけました。


シンポジウムは、いずれもこの事件追及の最前線で活躍中の、著述家・菅野完氏、木村真豊中市議、宮本岳志衆院議員をパネラーに坂口徳雄弁護士のコーディネイト、愛須勝也弁護士のアシストですすめられました。
木村氏は、用地売却の異常さに気づき最初に告発した経緯などを報告。
宮本氏は、国民の納得が得られていない二点―土地の値引きと学校の認可―の経緯や、ひきつづいて表面化した加計学園問題にみられる安倍夫妻・政権による国政の私物化を批判しました。
菅野氏は、幼稚園運動会の宣誓で「安倍首相がんばれ」と園児に言わせたのは「うけるとおもったから」と籠池泰典前理事長が語ったことをあげ、安倍政権のもと、それが「うける」と思わせる〝時代の空気〟をつくっている日本会議の戦略と利用されているメディアの責任を批判。それに対抗するには、よい報道についてはほめて励ますことも必要だと指摘しました。

淡路市議選6月25日告示・7月2日投票

暮らし応援第一に市民とともに取り組む2議席必ず

淡路市議選(定数十八)は六月二十五日告示・知事選と同日の七月二日投票で行われます。
日本共産党は、現職(現在二期目)のかまづか聡氏(38)と新人で党淡路地区委員長・淡路市地域くらし対策部長の岡田のりお氏(55)を立て、現有二議席の確保をめざします。
日本共産党が現在行っている市政アンケートの中間集約では、国保税・介護保険料と利用料の負担軽減が市政に力を入れてほしいことの一、二位。子育て・教育では、学校統廃合の見直し、小・中学・大学生への通学費助成、学校や子どもの安全対策への要望が多く寄せられています。
かまづか、岡田両氏は、市が自由に使える財政調整基金(残高二十三億円)の活用で、学校給食負担軽減・無料化、国保税一世帯一万円引き下げ、保育料完全無料化は実現可能だと主張。
税金の使い方を市民応援第一に、アンケートに寄せられたような住民の暮らしに重要な課題の実現へ、市民と力を合わせ、全力でとりくむ日本共産党の二議席を必ずと訴えています。

がんばってます!兵庫8区:堀内照文さん



「森友」「加計」など安倍政権による国政の私物化、「共謀罪」に「九条改憲」が大問題になるなか、衆院兵庫八区である尼崎市で市議会議員選挙がたたかわれました。
自民党が改選六に十二人の立候補、公明党は改選八・前回九から十二人の立候補、維新が四に対し八人立候補と、各党が総選挙を意識して激しい政党間の争いとなりました。それは、無所属・四十代の副議長経験者が落選したことにもあらわれています。
*
安倍政権への批判――私たちも大いに訴えましたが――は強く、自民党は議長経験者をはじめベテランの現職が五人も落選、いずれも選挙直前まで安倍総理との連名ポスターを張り巡らせていたといいます。
日本共産党は、前回比で得票数も得票率も伸ばし、改選六議席を守ったものの、七人全員当選には及びませんでしたが、わが党でトップの得票となった広瀬若菜候補は、廃止されようとしている地区会館を残そうなどの訴えが保守層からも期待を集め、全市的にも、こういうときに共産党が元気でなきゃ困るという声が広い層から聞かれました。
一方、公明の全員当選、維新の七議席など、組織の力量、批判の受け皿という点で、様々な教訓を残しています。
*
他地域からの多大なる応援に感謝し、及ばなかった候補、勇退される議員の方も含め、新議員団と力を合わせ、何としても総選挙で勝ち抜く決意です。

後期高齢者医療保険料の追加徴収:堀内衆院議員が追及

責任のない高齢者に重い負担を課してはならない

日本共産党の堀内照文議員は九日の衆院厚生労働委員会で、後期高齢者医療保険料の算定ミスによる追加徴収問題を質しました。
保険料算定システムは、制度発足当初から誤りがあり、二〇一一年には自治体から指摘されていました。厚労省は、それを公表もせず放置してきたことを、昨年十二月初めて公表、過小徴収の被保険者は、追加納付が求められることになります。
兵庫県内からも、二年分の追加納付書が送られてきたと相談が寄せられていました。
堀内氏は「責任は厚労省にある。家族経営の零細事業所が過去二年分もの重い負担を課せられていいのか」と批判しました。
堀内氏はまた、神戸市が二年分の保険料を二年間で納付することを求めている書類を示し、「期限を過ぎれば保険証をとりあげ短期証に切り替えることをわざわざ二重下線まで引いて強調している」と指摘。
夫婦とも九割減免から全額負担になり、一年間で三十倍の保険料納付を求められることにもなるとし、「本人に責任もないのに重い負担を課し、一方的に期限を切って遅れたらペナルティを課すなどあってはならない」と迫りました。
塩崎恭久厚労大臣は、「個々の事情に配慮してていねいに対応してもらうよう呼びかけていく」と答えました。
堀内氏は、広域連合が対応するための必要経費について国が責任をもつよう要求。鈴木康裕保険局長は、「必要経費は、基本的に特別調整交付金で対応する」と答えました。

川西病院の公設民営化反対

住民がありかたを考える集い



大塩民生川西市長は住民への十分な説明もなく、市立川西病院を指定管理により公設民営化し、中部に移転すると五月一日にマスコミに公表しました。
六月市議会には、市立川西病院の管理を指定管理者に行わせることができるようにするために、「川西市病院事業の設置等に関する条例」を改正する議案も提案されています。川西病院は川西市民だけではなく、猪名川町、能勢町、豊能町の住民も多く利用しており、中部に移転すると川西北部の地域医療が大きく後退します。北部には外来だけの急病センターを置くとしていますが、川西病院が現在果たしている医療機能を代替できるものではありません。
指定管理者は公募すると言いながら、特定の民間病院と市長の間で相談されていることを市の担当者も認めており、選定過程が極めて不公正なもので、これに百七十五億円もの公費を投ずることは認められません。現在、日々住民の命を守る職務に懸命に尽くしている職員は全員が解雇になり、希望して民間病院職員になれても賃金など勤務条件は大きく変わってしまいます。
*
これに対し、川西の地域医療と介護をよくする会は六月四日、川西市文化会館で「川西病院のあり方を考える集い」を開催しました。
開会にあたって同会の南野朝香代表が、「住民無視で市長が市民病院の民営化を決めて暴走することは許されない、住民みんなで川西病院を守っていきましょう」と挨拶しました。
日本共産党の黒田みち市議が発言し、市が、住民から川西病院の存続を求める署名が九千五百名分提出されたのを無視し、市議会で追及しても、反対の声は受け入れがたいと答弁するなど独裁的な姿勢で進めていることを厳しく批判しました。
集会は、川西病院指定管理計画は白紙に戻して再考するべきだと、市長や市議会議員への要請など様々な行動を起こしていくことを確認しました。
(今西清=兵庫の地域医療を守る会代表)

教師・地域住民が

道徳の教科化を考える学習会

「道徳の教科化でどうなる子どもと教育」―検定教科書のねらいについて考えてみませんか?―をテーマに加印教職員組合、ゆきとどいた教育をすすめる加印の会などが学習会を六月十日、加印教育会館で開き、教師、退職教職員、地域住民らが参加しました。
講師に招かれた京都橘大学教授の岩本賢治氏が、二〇一六年の学習指導要領の改訂で、小学校で一八年度から、中学校で一九年度から全面実施される道徳の教科化自体の問題点と、新しく検定に合格した道徳教科書の内容・問題点について説きました。
また、教師などを対象とした道徳の教科化についてのアンケートでは「価値観の強制」「評価が困難」など多くの課題が指摘され、教科化については大多数が反対であり、「学級定員の少人数化」への要望が強いという、学校現場の実態も報告しました。
参加者からは、「授業の評価をどうするのだろうか」「第一次安倍内閣で教育基本法を改定し、いま、道徳を教科化。さらに憲法改悪をねらおうとしている。背景に『戦争する国・人づくり』があるのではないか」「忙しくものが言いにくくなっている学校現場をなんとか応援できないだろうか」などの質問や意見がだされ、安倍政権批判と改訂学習指導要領の抜本的見直しをの世論を大きく広げようとの呼びかけもありました。
最後に岩本氏は、道徳教科書の内容を一方的に教え込むのではなく、子どもたちがやってよかったと思えるような楽しい道徳授業の実践が大切ではないかと強調しました。
主催者からは、六月十六日から展示される新しい小学校道徳教科書をぜひ閲覧し、意見・感想を書いてほしいと呼びかけがありました。また、来年採択される中学校の道徳教科書については育鵬社も出版することが考えられることから、さらに運動を広めていくことが訴えられました。
(加印教組Kさん)

次々とアンケート受け取る高校生

日本共産党但馬地区委員会が高校門前で配布



日本共産党但馬地区委員会は6月12日、養父市の県立八鹿高校門前で「高校生活実態アンケート2017」を配布しました。
但馬地区は世代的継承をすすめるために青年学生部を再結成し、4月から部会を定期的に開いてきました。「まず一歩足を踏み出し、行動してみよう」と議論し、返信用封筒も作成して高校門前宣伝を計画しました。
この日は津﨑和男養父市議、竹浦昭男地区青年学生部担当者ら5人でアンケートを配布すると、次々と高校生が受け取ってくれ、生徒数の半数約300枚のアンケートを手渡しました。

「あさぎ」85回 六月詠草 姫路年金者組合

東の空明るみぬ「赤旗」をかかえ届けよういつもの家に
蓮根を酢水にさらすキッチンに窓から入りぬ朝の光り
藤原信子

山の田に水柔らかくゆき渡りお田植え近し広峰の宮
「自由、平和、正義のために尽くして」とカンパ袋にメッセージを書く
衣川有賀子

古希すぎた姉弟五人の旅先でグラウンドゴルフに興じる桜影
昨秋の実からこぼれたゴーヤ種芽吹きを見つく水撒きの夕
常田洋子

晴れ続きお茶の新芽に急かされて山の斜りの草持て登る
摘みし茶葉深蒸し手もみ広げ干し夕辺の厨に新茶の香り
山下直子

花束が届く母の日子供等のやさしき笑顔脳裏に浮かぶ
花の鉢二つ部屋に華やいてアレンジメントの花の香りぬ
江藤雅江

戦争はしないとちかった憲法の九条こわす安倍首相とは
戦争中牢死させし治安維持法共謀罪と名を変えもちだす
田渕茂美

亀井洋示「叛乱」

ひなたぽっころりん〈598〉

観感楽学

「忖度」―官僚は行政をゆがめても政府の考えに固執する―森友・加計問題でも、南スーダンPKOの「日報」問題でも見せつけられた▼神戸市でも兵庫県でも憲法をめぐる問題で同じことが起こっている。憲法集会への後援申請の不承諾が、二〇一四年五月三日から計五回続く。後援要件の一つの「政治的中立であること」に抵触すると言うのだ▼「昨今の社会情勢に鑑み」「憲法に関する集会そのものが政治的中立性を損なう可能性がある」とされた。安倍内閣の登場という「昨今の社会情勢」を忖度していいのか。憲法尊重・擁護義務がある行政のゆがんだ判断を追及されると、「総合的に判断した」と答える▼今年の兵庫県母親大会については、「憲法」の文言が入っていればダメとされるまでに。いずれも「後援要件」に明示されておらず、行政が恣意的に判断する不公正を問うても、「総合的に判断」を繰り返すばかり。憲法の大切さを学ぶ市民の健全な思いに応えられない行政の方がおかしいと思わないか▼安倍政権で流行る「忖度」が、自治体職員にもはびこる。上部の判断を絶対視して、行政のゆがみを検討する自由さもない硬直ぶりは由々しいことだ。(K)

(「兵庫民報」掲載)

2017年6月11日日曜日

兵庫民報2017-06-11

  • 兵庫県知事選15日告示/
  • 尼崎市議選で日本共産党/
  • がんばってます! 兵庫7区:上田さち子さん/
  • 検証兵庫県政 7/
  • 「神戸港将来構想」:目を疑う超巨大開発(下)/
  • マイナンバー漏洩問題で神戸市に申し入れ/
  • 「共謀罪」法案廃案求め地方議会から意見書を/
  • 「共謀罪」反対平和憲法を守る垂水ネットが署名宣伝/
  • 『火垂るの墓』に母の話を重ね、平和と「共謀罪」阻止の決意新た/
  • 革新芦屋の会総会で沖縄統一連・瀬長氏が講演/
  • 兵庫生存権裁判を支援する会が総会/
  • 「最賃1000円以上に!」労働局前で座り込み・デモ/
  • 連載エッセイ18「たまには飲みながら」/
  • みんぽう川柳〈五月〉「晴れ」/
  • 段重喜「非常にありがたい」/

兵庫県知事選15日告示

憲法が輝く兵庫県政をつくる会と津川ともひさ氏が全力


兵庫県知事選挙はいよいよ六月十五日告示。七月二日の投票へ、激しい選挙戦が始まります。
憲法が輝く兵庫県政をつくる会の津川ともひさ代表幹事は、連日、各地の街頭で、集会で、県政の転換を訴えています。
*


六月四日には、近畿二府四県からかけつけた百人を超える全労連近畿ブロックの労働組合員が、午前中から神戸市内で宣伝カーによる街頭演説やハンドマイク宣伝、ビラ配布を展開。午後三時には元町駅前で、津川氏と合流して宣伝しました。


津川氏は、「人と地域を守る県政に」と県民の命と安全を守る県政の役割を強調。安倍政権の改憲と戦争する国づくりに対し「憲法九条を守り、平和を発信する兵庫県にしたい」と決意を語り、「七月二日を、兵庫県を変える日にしましょう。県民の生活を支え、原発をなくし、平和にこだわる―そんな県政をごいっしょにつくりましょう」と呼びかけました。

尼崎市議選で日本共産党

得票伸ばし現有6議席確保

当選した日本共産党の6氏と堀内照文衆院議員、庄本えつこ県議

尼崎市議選は六月四日に投開票が行われ、日本共産党は、二新人と四現職が当選し、現有六議席を確保し、得票・得票率ともに前進しました。
日本共産党の当選者は、広瀬わかな(37)=新=、まさき一子(59)=現=、こむら潤(41)=新=、松沢ちづる(62)、徳田みのる(69)、川崎としみ(63)=以上現=の六氏。さとう貴志氏(53)=新=は及ばず、前回獲得議席七の回復はなりませんでした。
*
定数四十二に対し前回より十人多い六十一人が立候補。選挙戦は政党間の激しい争いになりました。
日本共産党は、①国保税引き下げ、十八歳までの医療費無料化をはじめとした、尼崎市民の命と暮らしを守る日本共産党か、市民にがまんを強いる自民・公明・維新か、②憲法九条を守り、憲法を暮らしにいかす日本共産党か、憲法改悪の自民・公明・維新か―の二つの争点を鮮明にしてたたかいました。
*
日本共産党の得票合計は一万九千八百二十三票(前回比千三百九十票増)、得票率は一二・四九%(前回比〇・五二㌽増)。二〇一六年参院選比例票比では、得票で三千三百八十二票減でしたが得票率は〇・四八㌽上回りました。
自民党と維新は改選議席の倍の大量立候補。しかし、十二人を立てた自民党は現職五人、新人一人が落選し、現有議席六に留まり、得票は二万七千百五十九票で参院比例票から二万七百八十一票減。八人を立てた維新は現職が一人落選し、七人が当選しましたが二万千四百四十五票で比例票比二万二千六百三十一票減。いずれも比例票比で半減。公明党は得票を増やし十二人全員当選で三議席増となりました。
投票率は四二・四二%(前回比一・〇四㌽増)。
*
日本共産党尼崎地区委員会は、市議選で展開した論戦と得票増に確信を持ち、公約実現に全力をあげ、兵庫県知事選挙勝利、東京都議選での躍進、衆院兵庫八区での堀内照文議員の議席獲得、市民との共闘・野党共闘の発展に全力をつくすと表明しています。

がんばってます! 兵庫7区:上田さち子さん


日本共産党兵庫七区国政対策委員長としての活動を開始してから、五カ月経過しました。活動エリアは西宮全域と芦屋市域へと広がり、朝立ちや街頭宣伝、各種団体等での挨拶、さらに各支部が開催する「日本共産党を語るつどい」などに参加。宣伝でもつどいでも、あまりにひどい安倍政治への批判とともに、政治は変えられると、政治転換への展望を届けています。
とくに、憲法九条の第三項として「自衛隊」を書き込むとの安倍首相の企みについては、必ず訴えの中心に据えています。三十年以上にわたる阪神西宮駅での定時定点では「いやな世の中ですね。憲法改悪を一緒にやめさせましょう」と言いながら握手を求めてくる女性がいたり、リクルートスーツの若い女性が黙って手を差しだすことも。
「戦争反対!」が私の政治家としての原点。何としても共謀罪を廃案に追い込むとともに、憲法改悪を阻止する決意です。
地域を回ると読者から「上田さん、もうすぐ選挙やで」と声がかかります。「安倍はもう終わりや、選挙に逃げ込むしかない。がんばりや!」と言われます。解散総選挙はいつになるかわかりませんが、絶対自民や公明、維新を少数に追い込まなくてはと思います。
この間、みなせん@西宮・芦屋の選挙カフェにゲストとして参加し、日本共産党の「財源論」を話したり、五月二十七日には、みなせんと野党は共闘!西宮芦屋市民の会(準)との共催で行われた集会に参加し、買い物客でにぎわう阪急西宮北口ガーデンズ前で「共謀罪に反対しましょう」と百五十人の参加者ともに訴えました。この集会では、議員や市民十人がリレートークし、民進党元衆院議員(兵庫七区)の畠中光成さんとともに、日本共産党から私もスピーチを行いました。
野党は共闘!のうねりを兵庫七区から実現し、議席を奪還するために奮闘する決意を新たにしています。

検証兵庫県政 7

渦巻く県民の暮らしの願い、要求実現の県政へ転換を

国が、社会保障の切り捨てや庶民増税を矢継ぎ早に進めるもとで、くらしを守ってほしいという県民の願いは切実です。
子育てでは、「子どもの医療費を無料に」の願いが大きく、新日本婦人の会兵庫県本部などが、毎年パレードや県への交渉を続けてきています。県の医療費助成の対象年齢拡大が行われ、市町が上乗せ助成を行うことで、県下の大多数の市町で中学校卒業までの無料化が実現しています。県の制度として中学校卒業までの無料化が実現できれば、県内どこに住んでも、子どもは安心して医療にかかることができ、さらに十八歳まで無料化への展望が開けます。
高い学費と奨学ローン返済に苦しむ学生の強い願いになっている給付制奨学金。県は、県内中小企業に就職する人向けに返済免除の制度をつくりましたが、対象も予算もわずかで、現役学生向けの制度はまだありません。全国では、若者の声に動かされ、独自の給付制奨学金を創設する県が増え始めています。
県の経済の主役・中小企業は、消費税増税や個人消費の落ち込みに苦しみ続けていますが、ねばりづよい運動を続け、県「中小企業振興条例」が制定されました。
しかし、県の予算は大企業本位のまま。県内の九九%を占める中小企業に対する年間の予算は、融資をのぞくと、パナソニック一社につぎこまれた金額の半分程度しかありません。
住宅リフォーム・店舗リフォーム助成制度は、県はまだ創設しようとしていませんが、県議会に請願が出されるなど、中小企業振興につながる制度として強く期待されています。
ほかにも、高い医療費や国民健康保険料の引き下げ、保育所や特養ホームの建設、少人数学級の拡大、働くルールの確立など、県民の間には、くらしの願いが渦巻いています。
地方自治体の第一の仕事は、国の悪政の防波堤となり、県民のくらしを守ること。知事選挙を前に、県民のくらしの方を向いて仕事をする県政か、大企業の利益の方を向いて仕事をする県政か、が問われています。
県民の願いを集め、県民の願いを実現する県政へ転換するために、大きく力をあわせる時です。
(おわり)

「神戸港将来構想」:目を疑う超巨大開発(下)

神戸市は五月十九日、神戸港開港百五十年の記念式典で突如「神戸港将来構想」を発表しました。二〇五〇年(概ね三十年後)を目標年次とする同「構想」は、目を疑うような二つの「超大型開発」――「国際ロジスティック構想」と「ウオーターフロント構想」――が据えられた神戸港「構想」です。その問題点を前号に続き考えます。

②スクラップアンドビルドに偏ったウオーターフロント構想

神戸港将来構想の二つ目の「超大型開発」は、巨大な民間再開発を柱にした「ウオーターフロント構想」です。
「構想」では、須磨海岸から深江浜までひろがる再開発ですが、戦略的な取り組みとされているのは「中央区」一極集中の再開発です。
神戸には「強力な集客資源が不足している」ときめつけ、「都市の成長の牽引」する商業施設や集客施設の誘致に依存しています。いまの神戸の良さや魅力を無視したスクラップアンドビルドに偏った再開発です。
三宮の再開発計画では、先日、駅前にミント神戸をしのぐツインタワー商業ビル構想を発表した二社がアドバイザーに認定されました。また、市役所二号館再整備では、商業・にぎわい施設の誘致が検討されています。さらに、神戸港の「構想」ではポートターミナルや神港突堤西地区に商業集設を誘致する民間再開発をすすめ「国際集客エリア」にする計画で、既存の商店街を顧みずに、三宮商圏の巨大再編計画を推進しています。
また「構想」では、居住人口の減少と世界レベルの「居住者獲得競争」に備え、「外国人居住者の取り組みが重要」としています。そのため神港突堤西地区の建築制限を規制緩和して地上三十階建て百メートル級の高質マンション誘致や、須磨水族館を民間に売り払い須磨海岸を外国人向けの滞在型リゾートにしようとしています。一体誰のための神戸市なのでしょうか?
住民や商店業者などに期待せず呼び込みに頼り、いま神戸に住み、暮らし、生業を営んでいる市民を全く無視する久元市長の政治姿勢が色濃く表れている「構想」です。

非公開・トップダウンで市民や港湾関係者不在

また「同構想」は市民や市会議員が知らない間に、非公開の場で決定されました。久元市長の指示で神戸市港湾審議会の中に「研究会」を設置。市会議員を加えず、行政当局と一部の学者と港湾関係者が非公開で議論し、発表の前日に審議会に報告されました。審議会でも記念式典でも「案」の文字はなく「構想」として出席者に配布しました。
神戸港の将来を考えることは必要ですが、市民や大半の港湾関係者の意見を聞かずに「三十年先を見据えた」計画をトップダウンで押し付けることは許されません。

パブリックコメント6月21日まで

神戸市は「同構想」を「パブリックコメント案」として六月二十一日まで市民意見を募集していますが、批判の声をふくめ広く市民の意見を聞く姿勢が神戸市に求められています。
*
「神戸港将来構想(案)」への市民意見は、個人は住所と氏名、団体は所在地・名称・代表者氏名を明記して下の宛先へ郵送・Fax・電子メールで提出します。
また、同構想(案)の資料は①市政情報室(市役所二号館二階)、②みなと総局技術部計画課(市役所一号館二十一階)で閲覧できます(募集期間中の平日)。

「神戸港将来構想(案)」パブリックコメント提出先

  • 郵便:〒650‐8570 神戸市中央区加納町6‐5‐1
    神戸市みなと総局技術部計画課
  • Fax:078‐322‐6127
  • e-mail:minato_keikaku@office.city.kobe.lg.jli
  • 問い合わせ:同課☎078‐322‐5680

マイナンバー漏洩問題で神戸市に申し入れ

特別徴収額決定通知書への記載は中止を日本共産党神戸市会議員団



神戸市の市県民税特別徴収額決定通知書により、マイナンバーなど個人情報が漏洩したことについて、日本共産党神戸市会議員団は六月五日、市に要望書を提出し、通知書へのマイナンバー記載の中止などを求めました。
神戸市は、同通知書にマイナンバーを記載し、約六万の事業所に対し約五十三万人分を送付しています。
そのうち、事務処理の誤りで、五人のマイナンバーが他人の通知書に記載され、個人情報が漏洩したことが市議会総務財政委員会の質疑であきらかにされました(うち一件は委員会後に判明)。
要望書では、この五件についてはいずれも事業者からの通報によって発覚したもので、通報がなければ漏洩の有無事態を市が把握できず、この他にも漏洩がないかどうか危惧されるとし、また、マイナンバーの管理は、中小企業にとっても大きな負担であり、番号管理の体制が整っていないにもかかわらず一方的に送りつけること自体、さらなる情報漏洩を招く恐れがあると指摘。
市民からも不安の声が陳情として三月市議会に提出され、日本共産党神戸市議団も行財政局に対し記載の中止を求めるなど、繰り返し問題点が指摘されてきたにもかかわらず、このような事態を招いた神戸市の責任は重大だとしています。
また、総務省は「マイナンバー記載がなくてもペナルティーはない」との見解を示し、東京都中野区や北区、名古屋市など、マイナンバーを記載せずに通知している自治体もあることも上げています。
さらにマイナンバー制度は、国民の税・社会保障情報を一元的に管理し、社会保障の給付削減を狙いとするものであり、またいったん漏えいした情報を取り返すことはできないと指摘し、同通知書の送付について次の三点を求めました。
①特別徴収税額決定通知書へのマイナンバーの記載は中止すること②個人情報漏えいの原因を解明し、対策を講じること③個人情報漏えい等神戸市の把握した内容は速やかに議会、市民に明らかにすること。

「共謀罪」法案廃案求め地方議会から意見書を

憲法会議、自由法曹団、9条の会など各地で請願

「国民を総監視する共謀罪」を阻止する運動のひとつとして、各団体が地方議会へ「テロ等準備罪法案の廃案を求める意見書を国に提出すること」を求める請願を行っています。
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兵庫県議会への請願は、六月一日十七時締め切りに間に合わそうと、兵庫県憲法会議は幹事の井村・綿中・速水の三氏が、国民救援会兵庫県本部は濱島氏が、三十日の午後県議会各派に二団体合同で要請を行いました。
自民党・維新改革・ひょうご県民連合・公明党・共産党・無所属四議員の順にそれぞれ説明し紹介議員になるよう説得しました。
反応は「うちは何しろ自民ですから」「検討はするが難しい(維新)」「慎重審議と廃案に分かれまとまらないので紹介議員は無理(連合)」「正確に報道してくれてない、説明不足と思う(公明)」「積極的に紹介議員となる(共産)」などの回答で、無所属は全員留守でした。六月一日午後に返事をもらいに行き、結局、日本共産党議員だけの紹介で提出しました。
自由法曹団兵庫県支部も県議会に請願。吉田維一弁護士が精力的に各派をまわり、六月一日無所属の丸尾議員・共産党の磯見議員の紹介で、請願書を提出しました。
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三田市議会には、三田革新懇、秘密保護法に反対する三田市民の会、三田九条の会、新婦人三田支部で構成するピースパレード実行委員会が五月三十日請願書を提出しました。紹介議員は共産党だけとなりましたが民進系の議員は議会では賛成すると言いました。
「九条の会・赤穂」のよびかけ人代表谷中進氏ら三人は五月二十九日、市議会を訪問、「国民の内心の自由と人権を不当に制約する恐れがある」との趣旨で「共謀罪の廃案を求める」請願書を持参し、有田光一議長へ手渡しました。
(速水二郎=兵庫県憲法共同センター)
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丹波市議会には、基本的人権の保障される社会に暮らしたい住民の会が日本共産党の西本嘉宏議員の紹介で、篠山市議会には、九条の会ささやまが同党の前田えり子議員の紹介で、それぞれ請願を提出。篠山市議会には新日本婦人の会篠山支部も陳情を行いました。

丹波市議会委員会が「共謀罪」法案の慎重審議を求める請願を採択

丹波市議会は6月6日の総務文教常任委員会で、基本的人権の保障される社会に暮らしたい住民の会が提出していた、「「共謀罪(テロ等組織犯罪準備罪)」に反対する意見書提出を 求める請願」を部分採択しました。今後の本会議での議決をへて、共謀罪法案の慎重審議を国に求める意見書を提出する運びとなります。

「共謀罪」反対平和憲法を守る垂水ネットが署名宣伝

「こんな悪法通したらダメ!」と次々



平和憲法を守る垂水ネットワークは六月三日夕、JR垂水駅西口で「共謀罪」反対の署名宣伝を行い、十八人が参加しました。
年金者組合、東垂水九条の会、新日本婦人の会、国民救援会垂水支部、垂水革新懇、日本共産党の代表者が代わる代わるマイクを持ち、通行中の市民に訴えました。立法事実の乏しさ、内心の自由に踏み込む違憲性、安倍政権が戦争をする国をつくろうとしていることなど、をそれぞれの言葉で語りかけました。
夕方の慌ただしい時間でしたが、六十五筆の署名が集まりました。口々に「こんな悪法は通したらダメ!」といいながら署名をしてくれました。若い世代の署名もあり、励まされました。
平和憲法を守る垂水ネットワークでは地域や垂水区内の他の駅頭で、いろんな団体に呼びかけ、共謀罪反対の署名を取り組んでいます。(戸田晃=同ネットワーク)

『火垂るの墓』に母の話を重ね、平和と「共謀罪」阻止の決意新た

御影公会堂での講演と映画の集いに参加して

兵庫一区くらし相談所長 こんどう秀子

一九四五年戦争末期の神戸大空襲、その戦禍を潜り抜け、必死で生きようとする兄妹が餓死するまでを描いたアニメ映画『火垂るの墓』(監督・高畑勲、原作・野坂昭如)。
神戸大空襲を経験し、戦後の混乱期を死に物狂いで乗り越えてきた私の母は「二度と戦争はしたらあかん」とまるで自分に言い聞かせるように話してくれます。
その母の話とこの映画が重なって、涙なくして見ることができません。テレビでは何度も見ましたが、映画の舞台のひとつとなった御影公会堂での上映に、初めて見たような新鮮な気持ちになりました。
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講演した羽柴弁護士(中央)ともに(右が筆者)

ことしリニューアルされた御影公会堂で六月三日午後、実行委員会主催で「『共謀罪』阻止、平和と民主主義を守る講演と映画の集い」が開かれ、羽柴修弁護士(弁護士九条の会事務局長)の講演「戦前の悲惨な経験を繰り返さないために」と、「火垂るの墓」が上映されました。
御影公会堂の職員の方も、「リニューアル後初めての映画会で、『火垂るの墓』が上映されたことはうれしい」と語ってくれました。
講演の冒頭、羽柴弁護士は「なぜ今、共謀罪法案が衆議院で強行採決されたのか、私たちの国が戦争法の下で、本当に戦争する国にしていいのかどうか、私たちの孫、日本を支えていく子供たちのために、歯をくしばってでもくい止める運動にしていく」と、共謀罪阻止へ決意を述べました。
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私も、今日の集いの経験を今後の運動につなげ、がんばる決意です。

革新芦屋の会総会で沖縄統一連・瀬長氏が講演

「たたかいあるかぎり基地建設はできない。

「革新芦屋の会」は六月三日、第六回定期総会を開き、安保廃棄沖縄県統一連事務局長の瀬長和男さんが四十人余の参加者を前に記念講演しました。
瀬長さんは、沖縄戦の教訓は「基地があったから戦争になった」「軍隊は住民を守らない」ことだと話し、アベ政権の「戦争できる国づくり」を批判しました。
新基地建設工事のなかでは、政府が、「法的根拠」を示すこともできない「座り込み排除・拘束」で警官が市民に大けがをさせているなどの生々しい実態を報告しました。
しかし「そこまで政権が新基地建設に血道をあげても、計画面積のわずか数%の埋め立てにも一年以上かかるだろうという進捗であり、今後、知事・市長の許可を要する様々な手続きがある」など、具体的な根拠をあげ、「県知事、名護市長のがんばりと市民・国民のたたかいがあるかぎり、辺野古新基地建設はできないと確信している」と語り、「オールオキナワをオールジャパンに発展させよう」と訴えました。
*
総会議事では、「野党は共闘!」の声をさらに広げていく/壊憲・共謀罪を許さぬたたかいを前進させる/安保を知る学習会・講演会などを開く/「革新懇ニュース」を読み普及する/などの方針を拍手で承認しました。
*
上田さち子・共産党兵庫七区国政対策委員長が、五野党と市民そろい踏みの「共謀罪」反対の街頭宣伝で、民進党・畠中光成氏とともにスピーチし、握手も交わした経験に触れつつ、「衆院七区の議席を市民の手に」と決意を語りました。
;(副島國義)

兵庫生存権裁判を支援する会が総会

支援をいっそう広げよう


兵庫生存権裁判を支援する会は第十一回定期総会を六月三日、あすてっぷKOBEで開催し、七十五人が参加しました。
開会挨拶で代表世話人の松崎喜良神戸女子大学教授は、全国で十一年、兵庫で十年にわたった老齢加算復活を求めるたたかいは裁判では負けたものの、我々の主張が間違っていないとの確信と教訓を広げ、生活保護基準引き下げに対する「新生存権裁判」の原告が全国で千人近くに広がっていると強調し、「支援する会の枠・量をさらに広げていく総会にしよう」と呼びかけました。
二つの裁判の元原告・原告らが紹介され、生存権裁判元原告の勇誠人さんが支援への感謝を述べ、新・生存権裁判原告の北風正二団長が支援を訴えました。

漫談で問題点を開設する吉田・八木両弁護士

吉田維一・八木和也両弁護士が「漫談」で、生活保護基準引き下げが、生活保護だけでなく、最低賃金、就学援助、医療費助成、介護保険料など多くの人々の暮らしに影響を与えることを風刺も交え、解説。生存権裁判への支援を広げることの重要性を訴えました。
総会は新生存権裁判支援の取り組みを強めること、「いのちのとりで裁判全国アクション」に参加することなど、一年間の方針を確認しました。
憲法県政の会の津川ともひさ代表幹事も参加し、激励と連帯の挨拶をしました。

「最賃1000円以上に!」労働局前で座り込み・デモ



兵庫労連は六月一日、兵庫労働局前で「6・1最賃労働局前座り込み・デモ行動」を行いました。
成山太志議長は、「いまの最低賃金の水準では生活できない。時給千円以上を求めているが、これでも年収二百万円にとどかない。結婚を考えられる収入にはならない。尼崎と隣の大阪では六十円も違う、全国一律で大幅な引き上げが必要。兵庫県知事選で、最賃審議会にものを言える知事に変え、生活を変えよう」と訴えました。
座り込みの間、リレースピーチも行われ、最賃審議会の傍聴の報告や、各産別、地域からの最賃引き上げの訴えがあり、長時間労働是正の必要性も語られました。


この日までに集めた二千三百余の「最賃引き上げを求める署名」第一次分を労働局に提出。「最賃を千円以上に」「最賃審議委員は公正に選べ」「ワーキングプアをなくせ」などコールを響かせデモ行進もしました。

連載エッセイ18「たまには飲みながら」

日本共産党参院議員 大門みきし

六月三日、大阪なんばで開かれた「ReDEMOS(リデモス)」の集まりに参加しました。
「ReDEMOS」は、安保法制=戦争法反対で大活躍した若者団体「SEALDs(シールズ)」の元メンバーが中心となって立ち上げた、一人ひとりが大事にされる社会をめざして政策提言をおこなう研究機関です。
集会のテーマは「大阪から経済のはなしをしよう」。
大沢真理・東大教授、塩田潤さん(神戸大大学院)、奥田愛基さん(一橋大大学院)、小川郁さん(SADL・関西市民連合)、民進党の辻元清美衆院議員と一緒に、格差や地域経済問題について議論をしました。
大阪経済をどう発展させるか。辻元清美議員は生まれ故郷である奈良の「柿の葉寿司」を例に、伝統産業が大きな産業に発展する可能性を力説。
私はわが本家である大阪交野の大門酒造がこのたび国際的な日本酒の品評会で金賞を取ったことを報告。大阪商人のもつ技術の素晴らしさに光をあて、懸命に頑張っている中小企業を支援することこそ大事だと訴えました。
会場はライブハウスのようなところで、みんなで飲みながら食べながら、ゆるい雰囲気でのトークショーという感じ。でも中身の濃い、話し手と参加者の一体感があふれるいい集会でした。
最後のまとめの発言で、私が「共産党の演説会もたまにはこんなふうに飲みながらやるといいかも」というと、場内爆笑。奥田愛基さんも「そりゃ、いい」と大賛同してくれました。

みんぽう川柳〈五月〉「晴れ」

選者 島村美津子

特 選

晴れた日は心弾んで無駄づかい 神戸市 松尾美恵子
【評】ただでさえ少ない年金は削りに削られ物価は上がる一方、家計は苦しくなるばかり更に腹の立つ森友、加計問題のひた隠し更にさらに平和を脅かす共謀罪や憲法の改悪いいことの何もない。
そんな日常の中でふと晴れた日に心を弾ませて日頃の節約を忘れ財布のひもが緩む、ユーモアとペーソスに思わず微笑みがもれる一句。

入 選

日本晴れ原発撤去基地撤去
 神戸市 山本尚代

晴れた空個人情報暴かれる
 神戸市 山元三恵子

反戦の思いが集う五月晴
 神戸市 梶山洋枝

共謀罪いらん母親行進晴ればれと
 尼崎市 富田明美

お日さまに負けて一枚シャツを脱ぐ
 明石市 小西正剛

鯉のぼり求め旅する五月晴れ
 神戸市 伊藤マツ子

晴れわたる空の青さに来た別れ
 大阪市 鈴ヶ嶺輝美

晴れたらいいな茶柱立った椅子を立つ
 神戸市 水田裕子

晴れ男だったはずだが雨嵐
 丹波市 西田修二

洗濯物減って青空持て余す
 神戸市 玉山歳子

明日は晴れ願って天をつきあげる
 神戸市 塩谷凉子

安倍首相忖度解明政治をはらす
 神戸市 高馬士郎

空晴れて歴史語らず舞う黄砂
 神戸市 長沼幸正

晴ればれと都議選結果見てみたい
 神戸市 古賀哲夫

段重喜「非常にありがたい」



(「兵庫民報」掲載)

2017年6月4日日曜日

兵庫民報2017-06-04

  • 若者が県政を変えるシンポジウム/
  • 「共謀罪」反対:野党5党と市民が街頭宣伝/
  • 兵庫10区野党共闘を考えるシンポジウム/
  • 検証兵庫県政(6)/
  • 県主導で病院統合:広畑病院閉院で地域医療はどうなる?/
  • 神戸市が突如発表:「神戸港将来構想」(上)/
  • がんばってます!兵庫6区:吉見秋彦さん/
  • 伊丹革新懇総会で志葉氏が記念講演/
  • 兵庫県原水協が理事会(総会)/
  • 電力足りているのにナゼ再稼働?/
  • ビデオ:『県民のいのち、くらしを守る県政へ転換を』/
  • 映画『母―小林多喜二の母の物語』を見る/
  • 島村美津子川柳句集『姉ちゃんは百歳』によせて/
  • 観感楽学/

若者が県政を変えるシンポジウム

実態語り合い、津川さんが展望を語る


兵庫県内の青年がおかれている実態を交流、県政をどう変えることができるのかを共に考えようと「若者が県政を変えるシンポジウム」(実行委員会主催)が五月二十八日、神戸市勤労会館で行われ、四十二人が参加しました。
パネラーとして三人の青年――大学生、子育て中の教員、個人事業を営む歯科技工士――がそれぞれの状況を語り、憲法が輝く兵庫県政をつくる会代表幹事の津川ともひささんが兵庫県政の現状と課題を語りました。
*
大学生は「高すぎる学費で奨学金を借りているが、バイトをしないと生活ができない。教育予算が低いせいで、学びの自由を奪われている。平等ではないと感じる」と訴え、県独自の給付型奨学金創設を求めました。
子育て中の教員は「残業という概念もないのに、明日の準備で深夜まで働く。自分の健康と仕事を天秤にかけながら働いている」という過酷な労働実態を語りました。
歯科技工士は「下請けにいけばいくほど力関係があり値引かれる。消費税があがれば下請けへの負担がそれだけ多くなる。歯科技工物の値段が下がれば診療報酬も下がる仕組みなので、ここで止めないと大変なことになる」ことを明らかにしました。
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三人の報告をうけ津川さんは、「人口減に対し兵庫県は、若者の出会いの場をつくり、結婚したら手当を給付するという政策を出しました。それも必要なことですが、『そもそもなぜ結婚ができないのか』という要因を解決しなければなりません。多くの青年が非正規で働き賃金も低い、これを改善することが必要です。中小企業には支援をしつつ最低賃金を上げるべきです」と主張するなど、県政が変われば暮らしが変わる展望を語りました。
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フロアからも、様々な実態や要求が語られ、県政に対し熱心な議論がなされました。
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終了後、参加者は三宮でパレードを行い、市民にアピールしました。

「共謀罪」反対:野党5党と市民が街頭宣伝

西宮・芦屋のみなせんと野党は共闘市民の会(準)


みなせん@西宮・芦屋と、野党は共闘!西宮芦屋市民の会準備会の共催で「私たち市民と野党は、共謀罪に反対です!街宣」が五月二十七日、阪急西宮ガーデンズ前で行われ、約百五十人が参加。スピーチやビラ配布、署名などで、いっしょに声をあげ、「共謀罪」(テロ等準備罪)に反対しましょうと買い物客らに呼びかけました。
野党から、民進党の畠中光成元衆院議員(兵庫七区)、社民党の大島淡紅子宝塚市議、新社会党の前田辰一芦屋市議、緑の党グリーンズジャパンのよつや薫西宮市議、日本共産党の上田さち子西宮市議(兵庫七区国政対策委員長)が――
市民からは、明日の自由を守る若手弁護士の会(あすわか)の川元志穂弁護士、一級建築士の渡部明さん、新婦人西宮支部の松尾玲子事務局長、阪神土建労組の田中治常任書記、安保法制に反対するママと家族と有志の会西宮らへんの一色風子さん(西宮市議・無所属)が――次々とマイクを握り訴えました。

兵庫10区野党共闘を考えるシンポジウム

二市二町総がかり行動実行委員会


戦争させない・9条壊すな二市二町総がかり行動実行委員会は五月二十八日、加古川市勤労会館で、「戦争はイヤだ! 兵庫十区野党共闘を考えるシンポジウム」を開催。七十三人が集い、市民連合の結成と野党共闘の実現で、安倍暴走政権打倒の展望を語り合いました。
基調報告に代えて、高砂市在住で同実行員会代表の小南浩一・兵庫教育大学教授と内田樹・神戸女学院大学名誉教授が対談し、日本の現状と打開策など、近未来を語り合いました。
小南氏は、「安倍自民党総裁は、日本会議の入れ知恵で、憲法九条に第三項を創設して自衛隊を盛り込み、平和憲法の骨抜きを狙っている」と強く批判。内田氏は、「対米従属優先で、反知性主義の安倍政権につける薬なし」と断じ、市民と野党の共闘で安倍内閣打倒を」と呼びかけました。
続くシンポジウムでは、新日本婦人の会、脱原発はりまアクション、美濃部達吉研究会、県職労、9条の会、戦争をさせない1000人委員会の六団体の代表がパネラーとして登場しました。
安倍政権退陣を求め、これを機に衆院兵庫十区の野党共闘・市民連合の結成準備会を発足させることも話し合われました。

検証兵庫県政(6)

大型開発などで巨額の借金:県民にそのツケをまわす

これまでの県政は、震災からの「創造的復興」の名によるものも含め、ムダな大型開発や優先すべきでない事業のために巨額の借金をしてきました。震災前に比べ、「公債費」(借金返しのお金)の割合が大きく増えているのは、そのツケが、県民にまわされていることを示しています(図)。
失敗のツケが財政を圧迫しているのが確かですが、県知事には、「予算を調製し、及びこれを執行すること」(地方自治法一四九条の二)、つまり、県民の税金を使ってどんな仕事をするかを決める強い権限が与えられています。
現知事のもとでは、連載で見てきたように、「行革」の名で県民の暮らしや福祉の予算がカットされる一方で、大型開発や企業誘致など大企業やゼネコン向けの施策が継続される「逆立ち予算」になっています。
たとえば、大企業への補助が中心の「企業立地補助」の今年度予算は約十三億円。一方、県行革で対象者が大幅削減された母子家庭等医療費給付助成費を元に戻すのに必要なのは約六億円、今年度廃止された「老人医療費助成」を復活するのにかかるのは約五億八千万円、あわせて約十二億円です。年間予算約一兆九千億円のわずか〇・一%にも満たない額です。
知事が、大企業やゼネコンの方でなく、住民の方を向いて仕事をすれば、県政は大きく変えられるでしょう。
知事の姿勢で、県政が大きく変わることは、この間の全国の動きが示しています。
沖縄県では、翁長知事が、県民のいのちを守る立場で、基地の県内移設を絶対許さないと頑張っていますが、くらしの問題でも、独自の奨学金をつくり、こどもの貧困対策を進めています。沖縄県は決して財政豊かな県ではありませんが、知事の姿勢があれば財源の知恵も生まれてきます。

県主導で病院統合:広畑病院閉院で地域医療はどうなる?

住民が懇談会



姫路では、いま、兵庫県の主導によって、県立姫路循環器病センターと社会医療法人製鉄記念広畑病院とを統合し、新県立病院(仮称)県立はりま姫路総合医療センターをJR姫路駅東約八百メートルの姫路市所有地に二〇二二年度の上期に開院させる計画が進行しています。これに伴い、姫路市南西部住民の地域医療を担って来た広畑病院が閉院します。
そこで、広畑病院閉院後の地域医療を考える住民懇談会が五月二十八日広畑市民センターで行われました。新県立病院の計画が明らかになってから結成された「姫路の地域医療と介護を守る会」が主催したもので、四十人が出席しました。
会場周辺に配布された案内チラシを見て参加された方からは、「病院統合計画を初めて知った」という声もありました。
参加者間の活発な意見交換があり、①住民が納得できる説明会を②広畑病院の医療機能を残させる署名活動を③繰り返し住民学習会を④地域に運動が見える行動を⑤在宅医療体制整備を求める―などの行動が提起されました。(苦瓜かずしげ=姫路市議)

神戸市が突如発表:「神戸港将来構想」(上)

目を疑う超巨大開発

神戸市は五月十九日、神戸港開港百五十年の記念式典で突如「神戸港将来構想」を発表しました。二〇五〇年(概ね三十年後)を目標年次とする同「構想」は、目を疑うような二つの「超大型開発」――「国際ロジスティック構想」と「ウオーターフロント構想」――が据えられた神戸港「構想」です。その問題点を二回連載で考えます。

①一兆円こえる超巨大港湾づくり



一つ目の「超大型開発」は、新たな人口島埋め立てを柱にした「国際ロジスティック構想」です。
六甲アイランドの南沖に三百三十三ヘクタールもの人口島を埋め立て、巨大なコンテナターミナルを整備します。まだできてもいない大阪湾岸道路から、コンテナ専用橋上道路を二本建設し、六甲アイランド南と、ポートアイランド二期につなぐ計画です。
埋め立て事業は、神戸空港をしのぎ、ポートアイランド二期(三百九十ヘクタール/五千二百億円)に匹敵する五千億円規模。現在進められている総事業費五千億円の大阪湾岸道路に、二つの橋上支線道路と埋め立て事業が加わると、一兆円を大きく超える計画です。
いま、日本の大手船会社三社では事業統合計画がすすんでおり、神戸港で利用される十一の国際コンテナターミナルの維持どころか減少すら想定されています。「構想」では神戸港のコンテナターミナルをほぼ倍加する計画ですが、当然費用対効果はまったく検討されておらず、過大な投資といわざるをえません。

前市長の公約を破棄し、六甲アイランド南を建設

六甲アイランド南は、阪神・淡路大震災前からある埋め立て計画です。二〇一一年に矢田前市長が、市長選出馬時に「大規模投資は抑制し、市民生活に身近な投資を優先する」と公約。そこで掲げられたのが「六甲アイランド南凍結」です。
その後の市政運営で「大規模投資の抑制」は必ずしもそうなっていませんが、「六甲アイランド南凍結」は、いまも神戸市の大方針です。「構想」は、そうした経過が市議会でも確認されていることを無視し、方針の大転換を勝手にきめています。
久元市長は、自らが四年前に掲げた「子どもの医療費無料化」について「一部負担が必要」と公約を放棄しました。このたび、前矢田市長の「大規模投資は抑制」の公約まで放棄し、「超大型開発」優先の神戸市政の復活を推し進めようとしています。
(続きは次号)

パブリックコメント募集中

神戸市は「同構想」を「パブリックコメント案」として六月二十一日まで市民意見を募集していますが、批判の声をふくめ広く市民の意見を聞く姿勢が神戸市に求められています。
「神戸港将来構想(案)」への市民意見は、個人は住所と氏名、団体は所在地・名称・代表者氏名を明記して下の宛先へ郵送・Fax・電子メールで提出します。
また、同構想(案)の資料は①市政情報室(市役所二号館二階)、②みなと総局技術部計画課(市役所一号館二十一階)で閲覧できます(募集期間中の平日)。
「神戸港将来構想(案)」パブリックコメント提出先
郵便:〒650‐8570 神戸市中央区加納町6‐5‐1
神戸市みなと総局技術部計画課
Fax:078‐322‐6127
e-mail:minato_keikaku@office.city.kobe.lg.jp
(問い合わせ:同課☎078‐322‐5680)

がんばってます!兵庫6区:吉見秋彦さん


六区(伊丹・川西・宝塚)で国政委員長として活動することを決意しました。
街頭や対話では安倍政権の憲法に対するスタンスと「改憲許さず憲法を守り生かす政治」を訴えると反応があり対話になります。
安倍政権ほど日本国憲法を変えようとして実際に解釈で違憲な法律を連発している政権はありません。
戦争法(安保法制)の時もこれまでの憲法解釈で「できない」とされてきた集団的自衛権(九条)を現行憲法下で法制化しましたし、憲法で規定された内心の自由・団結の自由・表現の自由(一九条・二一条)を侵す「共謀罪」を審議不十分、まともな答弁なしに衆院で強行採決しました。
国の責任である社会福祉・社会保障の向上(二五条)も投げ捨てて、医療・福祉・教育の分野での改悪は目を覆うばかりです。
そして改憲では憲法記念日の九条に関するメッセージ。「自民党総裁としての発言」「読売新聞を熟読してほしい」おおよそ首相の答弁として信じられない国会での答弁です。
北朝鮮のミサイル発射と自衛隊のあり方はどのように解決するか国民の中でもさらなる議論が必要ですが、すべきことは憲法を変えて自衛隊を日本の安全と関係ない海外派兵させることでも自衛隊の違憲状態をただちに解消することでもありません。
オリンピック開催のために「テロ」を口実に警察権力が国民の内心をのぞき、密告を奨励し、国民を監視する共謀罪をつくることでもありません。
明文改憲・解釈改憲になんの道理もなく、対案もありません。現行憲法の精神に従って平和外交で近隣諸国と友好関係をつくる努力と実績、基本的人権を保障し人間らしく生きられるよう、社会保障の充実を図ることこそ今求められる改革です。
来るべき総選挙にむけて政治と市民共同・野党共闘の力をともに広げ、党躍進のための自力をつける先頭にたって奮闘します。

伊丹革新懇総会で志葉氏が記念講演

日本国憲法で保障された権利のために一人ひとりが声あげよう



伊丹革新懇は五月二十七日、伊丹市立図書館「ことば蔵」で第五回総会を開き、約五十人の参加がありました。
第一部は戦場ジャーナリストとして活躍中の志葉玲さんの講演。テーマは「戦場取材から語る日本国憲法」です。ガザをはじめ様々な戦場で取材された生々しい映像をもとに自身の捕虜体験など貴重なお話を聞かせていただきました。
ドローンでわざわざ子どもを狙い、救急車や病院、発電所まで破壊するイスラエル軍。イラクの一般家庭で宿泊させてもらった志葉さんは、そこの人たちが、文化や言語が違っても私たちと同じ心をもっていることを実感したといいます。
安倍政権は大企業と組んで「武器輸出三原則」を撤廃し、こういった戦争をする国に武器を売ることを可能にしました。志葉さんは「本当に愚かなことです。近代史の中で最も犯罪的な兵器(原爆)の被害を受けた日本こそ、兵器を売り、拡散していくことをすべての国にやめるよう求めていく立場ではなかったのでしょうか」と訴えます。
「戦争や武器輸出などを日本の国民は拒絶する権利があります。憲法前文にある『平和的生存権』とは、殺し殺されないで、平和に生きる権利があること。憲法をただの文ではなく、社会に息づく生きたものとするためには、日本の国民一人ひとりが憲法で保障された権利を自覚し、自らの権利のために声をあげることが大事。自民改憲案はこういった条項を削除しており、現憲法を守り抜くことが必要です」と志葉さんは講演を締めくくりました。
第二部の総会では兵庫革新懇事務局の宮田静則氏の力強い挨拶を受け、事務局から「昨年度の活動報告」「会計報告」「今年度の活動方針&年間行事計画」(特に今年度は新しい方針として「野党共闘を求める市民連合を発展させる」を追加)「予算案」「役員案」を提案。総会参加者からの建設的な意見も加えてすべて承認されました。(中島隆夫=同革新懇事務局)

兵庫県原水協が理事会(総会)

「ヒバクシャ国際署名」推進

開会挨拶をする津川ともひさ筆頭代表委員

津川筆頭代表理事「非核宣言すらしない兵庫県政の転換を」
兵庫県原水協は五月二十七日、二〇一七年度理事会(総会)を行い、十八地域原水協、十六県団体などから八十二人が出席し、「ヒバクシャ国際署名」の推進などの新方針を確認しました。津川知久・筆頭代表理事(兵庫県知事選予定候補)が開会挨拶をし、核兵器禁止条約実現の道を切り開いた被爆者を先頭にした非核の世論と運動の役割を強調しました。そして、「非核宣言すらしない兵庫県政の転換に全力をあげよう」と訴え大きな拍手を受けました。
講演する土田氏
理事会では、日本原水協の土田弥生事務局次長が、「核兵器禁止条約の実現へ 私たちの役割を果たそう」と題して記念講演。国連会議に出席した土田氏は、条約草案が発表された歴史的意義を明らかにし、被爆者の発言、市民社会の長年の努力が高く評価されたことを、数々のエピソードを紹介しながら語りました。アメリカなど核兵器国と核兵器依存国の強い圧力、妨害、特に、日本政府の禁止条約に対する敵対的な態度に国際的な批判が広がっており、六月十五日にはじまる国連会議第二会期に向けて「ヒバクシャ国際署名」を広げることの重要さを強調しました。
理事会は、各地、団体から、「ヒバクシャ国際署名」などの取り組みの経験、決意が語られ、兵庫県知事選挙で津川勝利、国民平和大行進と原水爆禁止世界大会(長崎)の成功などの新方針などを採択しました。
代表理事に津川知久(兵庫労連顧問)、上園隆(民青同盟)、岡本毅一(年金者組合)、岸本友代(新婦人)、村上哲也(兵商連)、和田進(神戸大学名誉教授)、事務局長に梶本修史などの役員を選出しました(敬称略・役職はいずれも再任)。
(梶本修史=兵庫原水協事務局長)

電力足りているのにナゼ再稼働?

原発なくす会が学習会



原発をなくし自然エネルギーを推進する会(原発なくす兵庫の会)は、学習会「電力足りているのにナゼ再稼働?」を五月二十五日、神戸市内で開催しました。
講師は電力兵庫の会の速水二郎さん。福島原発事故後、国民的な節電努力や家電の改善もすすみ、さらに再生可能エネルギーが爆発的に増えており、原発は必要なくなっているにもかかわらず、関電が依然として原発を推進している最大の理由として原発燃料が資産になっていると指摘。原発燃料は数年使い続け、使用済み燃料は破綻しているが核燃料サイクルで再度燃料とされ、単年度で五千億円以上の「資産」になっていると解明しました。
さらに関電は原発再稼働で電気代を引き下げ、自由化で逃げた顧客を取り戻す魂胆との説明に、参加者も「なるほど」とうなずきました。
関電は株主総会を六月二十八日ワールドで開く予定。原発なくす会は毎月十一日のイレブンアクションを引き続き継続し、学習・交流もすすめることにしています。
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ビデオ:『県民のいのち、くらしを守る県政へ転換を』

日本共産党県議団がビデオを公開



日本共産党兵庫県会議員団が、兵庫県政を語るビデオ『県民のいのち、くらしを守る県政へ転換を』(三十七分)を公開しました。
同県議団は、県知事選挙(六月十五日告示・七月二日投票)に向けた学習などに活用をと呼びかけています。
グラフや地図、写真を使って、五人の県議が県政の現状を分かりやすく解説しています。
このビデオはインターネットのYouTube(ユーチューブ)「日本共産党兵庫県会議員団」チャンネルで視聴できます。
また、これを収録したDVDも日本共産党の兵庫県委員会や各地区委員会を通じて注文することもできます(実費)。

映画『母―小林多喜二の母の物語』を見る

戸崎曾太郎



八十五歳の映画プロデューサー・監督の山田火砂子が、三浦綾子の「母」を映画にしました。
主演の寺島しのぶは、「人の幸せを願う」多喜二を信じ、ひたすら子を思う「母」の心を素直に演じています。
息子を惨い遺体にして返した非道な国家権力に対する怒りも、見る人に訴えるシーンでした。「戦争するな、武器をつくるお金で貧しい人たちに食料をあたえよ」という思いから小説を書いた小林多喜二は、治安維持法で検挙され、拷問され、虐殺されたのです。
いま安倍政権が治安維持法の現代版と言われる「共謀罪法」を強行成立させようとしているとき、「二度と戦争はさせない、暗黒社会にはしない思い」を強くする映画です。
(治安維持法国賠同盟兵庫県本部会長)
元町映画館(元町通4丁目)で、6月17日(土)〜30日(金)までの2週間、連日午前10時30分から1回の上映です。料金は一般1,700円、シニア1,100円、学生1,000円

島村美津子川柳句集『姉ちゃんは百歳』によせて

田渕茂美

島村美津子さんのお姉様、吉川絹恵様の百歳のお祝いに出版された貴重な句集です。お姉様は長女、島村さんは十四歳下の末っ子だそうです。
「兵庫民報」の森卓司編集長から見せていただいて、「心の広い人…」と第一印象が私の口からほとばしり出ました。島村さんは川柳、私ははたけちがいの短歌。まして、川柳のお仲間の文と絵が添えられた句集。悩みましたが、編集長のお誘いにこたえ、感想を書いてみました。
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百歳の姉は私の宝もの
老老介護の身で何人の方がこの句を詠えるだろうかと思う時、島村さんの心の広さ、深さを見たように思いました。
いいんだよ何度も同じこと聞いて
「何度も同じことを聞いて」と友がぼやいているのを聞いたことがあります。「病人だものしかたがないわ」と私が言うと、友は「私は心ができていなから」と言う。この句にも作者の心の広さ、深さがうかがえます。
介護する小鳥のような小さな背中
瘦せて小さくなった姉を愛おしく感じる作者の心が小鳥と詠わせたのだと思います。発想の転換の豊かさを感じました。
天の月地上の自分ほめて寝る
今日も色々あったけれども、私がんばったでしょう…。お月様に心を放って眠りに就かれたことでしょう。読んで「ごくろうさまでした」と思わず声が出ました。
明かり消し誰にともなくありがとう
灯りを消し、一日のあれこれを思いめぐらすとき、でも今日、無事過ごせたことの感謝と喜びを込めて「ありがとう」とおっしゃったのでしょう。
全部で十八句という小さな句集ですが、川柳作家の仲間の画と文が加わり、ほっこりと温かい心にさせていただきました。
島村さんに見習い、心を広く、深く、発想の転換ができるよう、私も生きて行きたいと思います。
(新日本歌人協会会員)



『姉ちゃんは百歳』川柳・島村美津子、絵・なおと、文・妹尾凛、芳賀博子、渡辺かおる――は、A6判三十六ページ・カラー、二〇一七年四月発行の私家版です。

観感楽学

第二次安倍内閣が発足した二〇一四年、内閣官房のもとに「内閣人事局」という新しい部局が作られた。この新組織は、「役人主導」から「官邸主導」に、つまり「政治家の関与を強めるため」創設されたもので、結果、一府十二省の事務次官を筆頭とする最高幹部約六百名の人事権は総理大臣と官房長官が握ることになった▼官房長官等によって抜擢された最高幹部たちは、安倍総理に忠誠を誓い、命がけで働いている▼そういえば、「森友学園問題」では佐川理財局長が、「共謀罪」の質疑では、金田法務大臣にかわって審議官が、自衛隊問題では、官僚が稲田防衛大臣の盾になって野党の追及を逃れた。彼らは、体を張って安倍内閣を支えようと必死になっている▼しかし「森友学園」に続いて発覚した「加計学園」問題で、その最高幹部だった一人が「反乱」をおこした▼文部大臣などが、「国のトップの意向」などという文書は存在しない。と国会答弁したが、「あるものをないとは言えない」「文書はここに存在する」と、前・事務次官が暴露し衝撃が走った▼記者会見に臨んだ冷静沈着な前・事務次官に対して、菅官房長官は滑稽なほど慌てふためき、低劣極まりない罵詈雑言を浴びせて事実を隠蔽しようとしている。が、「隠すより現る」加計学園問題に対する総理大臣の関与はもはや隠しようがない。大見えを切った安倍総理には、さっさと退陣していただこう。 (D)

(「兵庫民報」掲載)