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2016年10月23日日曜日

モトコーを守る会と堀内議員が懇談

堀内議員通じて回答求め立ち退き迫る根拠なさ明確に



「モトコーを守る会」と日本共産党の堀内照文衆院議員との懇談が十月七日に行われました。こんどう秀子兵庫一区くらし相談所長、大前まさひろ・林政人両神戸市議、金田峰生国会議員団兵庫事務所長も参加しました。
元町高架通商店街(通称モトコー)は昭和レトロな雰囲気を持つ三百店舗以上からなる商店街で長く市民に親しまれていますが、今年はじめ、JR西日本が耐震化を理由に山側は二〇一七年・海側は二〇一八年の契約期間満了での立ち退きを求めてきました。
しかし、七月末に開かれた説明会では、当初の話と異なり、「リニューアル」前面に出したものでした。不審に思った「会」メンバーが民商とともに、国土交通省に説明を求めたところ、当該区分の耐震化は済んでいるかの回答。そこで改めて、堀内議員を通じて国交省に対し明確な回答を求めたところ、「安全性の条件を満たしている」と正式に書面回答がありました。南海トラフ地震をも想定した基準です。
さらに防火についても基準を満たしていることが、神戸市議会での消防局答弁で明らかにされています。
今回の懇談で、堀内議員は「今後も皆さんと力を合わせていきたい」と発言。大前市議も「耐震化、防火基準を満たしていることが明らかになったが、神戸市は商店街を守る立場にたたず、JR側についている。モトコーを守るためにがんばりたい」と発言しました。
「モトコーを守る会」からは「堀内議員のおかげで、重要な国交省回答を得て、道が開けた。ありがたい」「これで振り出しに戻った。JRに計画を撤回させよう」との発言がありました。

(2016年10月23日付「兵庫民報」掲載)

IPB世界会議/英国平和交流・連帯ツアー報告〈1〉

ひろがれ!ヒバクシャ国際署名

兵庫県原水協事務局長 梶本修史

IPB世界会議会場前での日本原水協代表団(右から3人目が筆者)

日本原水協は、国際平和ビューロー(IPB)がドイツ・ベルリンで開催した「軍縮を!平和の機運をつくるために」世界会議(九月三十日~十月二日)に私を団長とする代表団を送りました。

IPB世界会議

IPBは、一八九一年に創設された世界最古の平和NGOで、一九一〇年にノーベル平和賞を受賞し、一九〇一年以降十数人ものIPBメンバーがノーベル平和賞を受賞。ノーベル平和賞の推薦資格も持ち、日本被団協を推薦しています。日本原水協は、IPBの副会長を務めています。
*
成田空港からロンドン空港経由でベルリン空港まで約十二時間の移動でした。
世界会議は、軍事費削減、平和、核兵器廃絶の問題を、経済、気候変動、環境、貧困などと結びつけて、平和のための資金を生み出すことをテーマに開催されました。七十五カ国一千百人が参加登録し、十三カ国の大使も出席しました。
*
日本原水協代表団は、この会議全体の成功に貢献し、各国の反核団体とともに「核兵器廃絶会議」を企画、核兵器禁止条約の実現を訴えました。

被爆組写真を贈る

会場のベルリン工科大学で原爆写真展も行い、会議での被爆者証言とともに大きな反響を呼びました。代表団参加にあたり、被爆組写真を世界の平和団体に贈る募金を訴え、五十七組分の募金が寄せられました。募金者の名前を記して会場で交流した諸団体に提供し、歓迎されました。
私たちは、五十五もの分科会を回って「ヒバクシャ国際署名」を訴え、世界会議が提案した「行動計画」にもその取り組みが明記されました。
非核「神戸方式」はじめ兵庫県の平和の取り組みを紹介する英文資料も五百部近く手渡しました。
(次号に続く)

ヒバクシャ国際署名の旅報告会/10月26日(水)18時30分/神戸市勤労会館会議室403/参加費無料/兵庫県原水協☎078‐341‐2818

(2016年10月23日付「兵庫民報」掲載)

日高病院のベッドを残せ!:地域医療をまもる但馬の会

11月12日に住民集会開催


「地域医療をまもる但馬の会」は十月十日、豊岡市内で第四回総会を開き、日高病院を守る行動を起こすことを確認しました。
豊岡病院組合(管理者・井上哲也氏)の公立日高病院は、眼科の高度な手術や透析治療を中心に、地域医療を担う九十九床の病院ですが、耐震化改修と合わせて、病床をなくし、診療所にする計画が出ています。
総会では、「兵庫の地域医療を守る会」の今西清代表が日高病院をめぐる情勢について報告。但馬地域で病床数は過剰ではなく逆に不足していること、「計画」は管理者の私的諮問機関が答申しているに過ぎず、管理者が委員として会議に出席し議論をリードしていたなど、問題の多い内容であることを明らかにしました。
参加者からは、「透析患者から〝とても不安。許せない。命が掛かっている。絶対やめさせたい〟との声が寄せられている」「地域の開業医も〝何かの時に駆け込めるベッドが絶対に必要だ〟と無床化に反対している」などの発言がありました。
会ではこれまでも日高病院のベッドを残すよう求める署名に取り組んでいますが、さらに、「ハガキ署名」「ステッカー貼りだし」など運動を広げるとともに、十一月十二日(土)午後二時から、日高農村環境改善センターで住民集会を開催し、関係先へ申し入れを行うことを決めました。

(2016年10月23日付「兵庫民報」掲載)

「部落差別固定化法」案廃案求め東播で連絡会結成


今開かれている臨時国会で強行採決が危ぶまれている「部落差別の解消の推進に関する法律」案=「部落差別固定化法」案の廃案を求めて十月十六日、明石市魚住市民センターで東播連絡会の結成のつどいが開かれ、民主団体や議員など三十一人が参加しました。
つどいでは、最初に東播人権連の前田泰義会長が、法律案全文を朗読し、連絡会結成までの経過を報告し、会則案を提案しました。そして前田会長は、かつて大阪府、京都府、東京都などで革新統一が前進し革新自治体が次々に誕生し、市民の切実な諸要求を実現する運動が大きく高揚したが、その時、自民党などが革新分断のために最大限に利用したのが「同和行政」と部落解放同盟(解同)の特殊な反共主義であったと指摘。今日安倍政権は戦争法を強行成立させ、立憲主義を踏みにじって明文改憲をねらって暴走しているが、もっとも恐れているのが野党共闘と市民の連合であり、その威力は先の参院選でも証明されたと述べ、今回の「部落差別固定化法」案は、戦争法廃止、立憲主義回復のために政治改革をめざす野党共闘を分断しようという目論みだと強調しました。
次いで、兵庫人権連の前田武事務局長が「廃案に向けての今後の取り組み」について報告しました。法案の成立をねらう解同の動向について、二〇〇二年の同和特別法失効以前から「部落解放基本法」の制定を念頭に、地方自治体には「部落差別撤廃宣言」や特別対策を継続実施させるための「人権条例」制定の運動を全国的に展開し、その流れと勢いを今回の「部落差別固定化法」案に結びつけようとしていると指摘しました。しかし、「部落差別固定化法」案のもつ危険な内容を宣伝する運動が広がるにつれ、「断固反対」の声も高まっており、今こそ廃案要求の署名運動を急速に広げ、地方議会でも制定反対のたたかいを強化しようと訴えました。
この後、自由法曹団事務局次長の杉島幸生弁護士が「法案の危険な問題点―なぜ断固反対するのか」と題して記念講演をしました。
杉島弁護士は「『部落』や『部落民』は存在しない」と前置きし、自由法曹団の「『部落差別の解消の推進に関する法律案』に反対する意見書」(十月十三日発表)に基づいて、部落問題の歴史や「矢田事件、八鹿高校事件など、解同の引き起こした暴力事件」を紹介し、「確認・糾弾」を厳しく批判しました。そして、部落差別固定化法の制定を許せば、法律によって部落差別を固定化・永久化させることになり、同時に乱脈同和行政や糾弾を復活させることになると話しました。
討論では、「立法事実がない」こと、「立法手続きが間違っている」こと、「法律案は従来の時限法ではなく恒久法である」こと、「法律名に『部落』を付けている」こと、「差別の規定がないだけに、地方自治体は無限に施策を行わざるを得ない」ことなど真剣な意見交換が行われました。
つどいは最後に、東播連絡会の結成を確認し、衆院法務委員長あての東播独自の廃案要請葉書の送付や県連作成の署名を広げる取り組みを申し合わせ、「部落問題解決に逆行し同和利権を温存する『部落差別固定化法』案を廃案にしましょう」とのアピールを採決して終了しました。

(2016年10月23日付「兵庫民報」掲載)

消費税をなくす会第27回総会

あいさつする堀内議員

「消費税一〇%中止・当面五%に」「戦争法廃止!」―消費税をなくす兵庫の会は十月十六日、あすてっぷ神戸で第二十七回総会を開催し、各地域・分野から二十五人が参加しました。
最初に、『消費税一〇%はやめ、戦争法は廃止に』のパンフレットの学習を行いました。ヨーロッパでは、輸出企業に対する還付金制度を廃止すること、食料品などに対する軽減税率も廃止すべきだと提言されていること、諸外国で定着しているかに見える消費税=付加価値税が抜本的な見直しが起こっていることに、わが国でも注目すべきだとの指摘がありました。
今後の活動方針については、世論と運動で、二度にわたり増税延期に追い詰めたことに確信をもち、草の根から新しい署名や街頭での定例宣伝、暮らしアンケート、会づくりと会報の拡大などに取り組むことを確認しました。
活動交流では、定例宣伝の紹介、草の根の活動を継続していくこと、学習の重要性、運動の担い手をつくらなければ、目標を持っての活動は必要、消費税が何に使われているのか――などが語られました。
発言するふじたに氏
日本共産党の堀内照文衆院議員、消費税廃止兵庫各界連絡会の大嶋誠事務局長(税理士)が連帯のあいさつ。日本共産党の、ふじたに香恵子衆院兵庫三区・新町みちよ衆院九区両予定候補も参加し、発言しました。
(藤原紀嘉=消費税をなくす兵庫の会・事務局長)

(2016年10月23日付「兵庫民報」掲載)

尼崎でつどい:『JCP MANIFESTO』開き


十月十五日、徳田稔尼崎市議の生活相談地域の党組織合同で「堀内照文衆院議員を囲む集い」を開催、三十四人が参加しました。
司会の徳田市議が「今日は堀内さんに三十分話してもらいたい」と紹介すると、会場から「十分時間をとって語ってほしい」と要望が出され、堀内衆院議員は五十分たっぷりと国会論戦の様子をリアルに紹介し、綱領と日本の未来を語りました。
安倍首相の所信表明の最中にスタンディングオベーションがおこなわれるという異常からはじまった臨時国会。堀内衆院議員は、菅官房長官・稲田防衛相・高市総務相の白紙領収書問題での小池書記局長の追及をはじめ、「働き方改革」戦争法、TPPなどをめぐり、共産党議員の国会質問が安倍政権を追い込んでいる姿を生々しく語りました。
また、堀内衆院議員は、参加者に配られた『JCP MANIFESTO』を開きながら、日本の進路についての展望、統一戦線についての党の方針を説明し、いま発展している「野党共闘」はこうした綱領をもっているからこそできたことなど、綱領本文にそって縦横に語りました。参加者はページを繰りながら熱心に聞き入っていました。
つどいにとりくんだ党組織は、参加者へお礼とあわせ入党を働きかけようと計画しています。

(2016年10月23日付「兵庫民報」掲載)

成功へ取り組み発展を県憲法共同センターが代表者会議

10・21国際反戦デー集会、11・3憲法集会など


憲法改悪ストップ兵庫県共同センターは十月十二日、加盟団体代表者会議をひらきました。
和田邦夫事務局長が報告で、国会論戦も始まるなか、九月十九日の戦争法強行一年の行動が、当初計画を大きく越え、全県五十カ所近く・約千四百人による宣伝・集会・デモ・スタンディングなど多彩な形で取り組まれたことをあげ、戦争法廃止へ共同行動が引き続き発展していると強調。その一方で東播二市二町の「平和のつどい」後援を自治体が取り消す逆流もあると指摘しました。
戦争法廃止・改憲阻止へ地域から学習を軸に運動を新しい段階に見合って発展させようと提起しました。
今後のとりくみでは、総がかり行動実行委員会が、十月三十日の青森集会へ向け自衛隊の南スーダン派遣中止署名をとりくむことを呼びかけており、沖縄署名も作成、戦争法廃止・憲法改悪反対の署名は当面、県共同センターが作成したものを署名行動などで活用すること、三日、十九日行動を節に十月二十日の国際反戦デー集会(18時30分、神戸市勤労会館大ホール)、十一月三日の憲法集会(行事案内欄参照)の成功へ取り組みを発展させることが呼びかけられました。
また、兵庫県国民大運動実行委員会が十二月十一日にアベノミクス・暴走とたたかう県民集会を計画、兵庫県弁護士会も十一月十二日、十二月十八日に「共謀罪法案」反対のデモを計画していることも紹介されました。
同会議は、共同のたたかいをさらに草の根から広げ、発展させることを確認しました。

(2016年10月23日付「兵庫民報」掲載)

憲法と医療・福祉が危ない:九条の会.ひがしなだ学習講演会


九条の会.ひがしなだ(神戸市東灘区)は十月十六日、「アベ改憲と市民生活の行方~いま憲法と医療・福祉が危ない!」と題して、同区内で学習講演会を開催しました。講師は、外科医で元埼玉県済生会栗橋病院院長補佐、いま医療制度研究会副理事長の本田宏氏。
*
本田氏は、「医療はすべて政治」とした上で、「下級武士のクーデターで成立した明治維新以来、今も続くクレプトクラシー(収奪・盗賊政治)を倒さなければ、医療・介護・年金などの社会保障の再生はもちろん、安保関連法や原発・辺野古新基地・TPPなど多くの問題解決は不可能」だと強調しました。
そのために「諦めるのではなく、問題の本質を明らかにすることが第一歩」だとして、①全体像の把握②グローバルスタンダードとの比較③温故知新、歴史に学ぶ④フォロー・ザ・マネー、誰が得をするのかの追求―など認識方法の転換を呼びかけました。
さらに「アベ改憲は憲法改正に値せず、全面的な戦前回帰で戦争体制を目指すもの」だと警鐘を鳴らし、「市民と野党の共闘で、〝新たな市民革命〟を」と、展望を明らかにしました。

(2016年10月23日付「兵庫民報」掲載)

今こそ知ろう自民党改憲草案:芦屋「九条の会」が学習会


芦屋「九条の会」は、自民党改憲草案の危険性を学ぼうと川元志穂弁護士を招いて学習会を十月十五日、リード芦屋で開催しました。
川元さんは自民党改憲草案について――
個人の尊厳を守ることを目的としている今の憲法と大きく異なり、国家を守ることが中心に据えられ、〝お国のために生かされる〟そんな時代へ戻ってしまう。
近代国家では当たり前の立憲主義、憲法は権力者を縛るものという考え方が否定され、憲法は国民を縛るものに変えられている。
―と根本的な問題点を指摘しました。
また、今の憲法には入っていない緊急事態条項について、自民党が災害やテロの対策に必要だとしていることに対して、川本さんは、多くの弁護士が、今でも法律で十分対策が取られており、国家を守るために政府の一存で何もかも決めることができる緊急事態条項の危険性を指摘、警鐘を鳴らしていることを紹介しました。
質疑応答では、会場いっぱいの参加者から次々と手が上がり、「九条の会の会員ではないが安倍さんに違和感を持っている」など危険性を訴える声が続きました。
参加者からは、「非常にわかりやすい話でよかった」「自民党の草案はおそろしい内容だ」などの感想が出されていました。

(木野下章)

(2016年10月23日付「兵庫民報」掲載)

北区9条のつどい:5百人の会場うめつくす


第十一回「北区9条のつどい」が十月十日、すずらんホールで開かれ、参加者が五百四席の大ホールをうめつくしました。主催したのは神戸市北区の六つの九条の会でつくる連絡会です。
首都大学東京教授(憲法学専攻)の木村草太氏が「テレビが伝えない憲法の話」と題して講演し、集団的自衛権と憲法の関係について、自衛隊法、安保法制の付帯決議も取り上げ、批判しました。「天皇の生前退位」「辺野古訴訟」についても解説しました。ユーモアを交えての話しぶりは度たび大爆笑を引き起こすなど一時間半にわたり聴衆は聞き入りました。
文化行事の「津軽三味線」も民謡と合わせ会場を大いに盛り上げました。

(2016年10月23日付「兵庫民報」掲載)

みなさんの声を力に国会論戦:堀内照文エッセイ(2)

先日、大門みきし参院議員、清水ただし衆院議員にもお越しいただいて、国政報告懇談会を行いました。各種団体、地方議員のみなさん五十人ほどにお集まりいただき、地域の要求や国政上の課題について、たくさんのご意見をいただきました。
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振り返ってみれば、こうした県民の声に支えられての国会活動でした。
実際の論戦の中で心がけてきたのは三つ。
市町村国保の財政運営の都道府県化、派遣法改悪、介護報酬引き下げ、保育の規制緩和など、安倍政権と正面から対決し、悪政を許さない歯止めになること。
阪神・淡路大震災被災者むけ災害援護資金返済免除、借り上げ住宅からの追い出し、アスベスト被害の救済、太陽光パネル設置に伴う土砂災害などの被害、劣悪な歯科技工士や臨時教員の処遇改善、原爆症認定など、切実な願いを国政に届けること。
そして、どの質問、課題でも積極的提案をすすめ、例えば児童虐待問題では、来年度予算の概算要求に市町村支援拠点の整備・運営費助成が盛り込まれるなど、実らせるとともに、保育士の処遇改善の野党共同提案をおこなうなど、野党共闘をすすめることです。
補正予算審議が終わり、いよいよ臨時国会での本格的な各委員会での審議がはじまります。今回もお寄せいただいた声を力にがんばります。
(日本共産党衆院議員)

(2016年10月23日付「兵庫民報」掲載)

しんぶん赤旗囲碁将棋大会兵庫県大会

第五十三回しんぶん赤旗囲碁・将棋兵庫県大会が十月十六日、神戸市内で開かれ、県内各地の大会を勝ち抜いてきた人たちが熱戦を繰り広げました。将棋では小学生や二十代の青年の活躍がありました。十一月十二、十三日の全国大会には、囲碁A級優勝の井圡雄介氏、将棋A級優勝の長森優作氏が出場します。
県大会の結果は以下のとおりです。

囲碁A級決勝戦:優勝の井圡氏(左)と李氏(右)

【囲碁】A級=①井圡雄介(姫路市)②李沪(大阪市)③向井俊成(神戸市)④沖恵太(神戸市)B級=①田中覚行(神戸市)②渡部和宣(神戸市)③田渕正一(神戸市)④井上幸夫(神戸市)。

将棋A級決勝戦:優勝の長森氏(右)と横田氏(左)

【将棋】A級=①長森優作(三田市)②横田淳史(西宮市)③佐々木優綺(播磨町)④中拓海(神戸市)B級=①平田仁之(姫路市)②村上智亮(姫路市)③芝原功輝(加古川市)④畠田尊寛(姫路市)。

(2016年10月23日付「兵庫民報」掲載)

劇団文化座『銀の滴 降る降る まわりに 首里1945』

神戸演劇鑑賞会2月例会



沖縄県糸満市に慰霊塔「南北之塔」がある。この塔に刻まれた「キムンウタリ」(山の同胞)のアイヌの言葉を見つけた、劇団代表・女優・の佐々木愛の「なぜ沖縄にアイヌの墓が」。この疑問から生まれたのが、今回の舞台です。
一九四四年~一九四五年。沖縄の首里郊外、運玉森(ウンタマムイ)にある与那城家。今は軍に接収され、炊事兵の調理場兼宿泊所になっている。兵士たちは個性が強く、些細なことで喧嘩をするし、いがみ合いが絶えない。
ある日、アイヌの冨田栄吉と、沖縄で現地徴用された中里幸吉が、食料調達係りでコンビを組むことに。まったく異質のふたりが、同じ仕事をする。事あるごとにぶつかり合い、罵りあう。だが、冨田が中里を、中里が冨田をかばうことがしばしば起こる。この事からふたりの距離は日を追う事に縮まってゆく。が、戦況はますます悪くなり、部隊に突撃命令が下る。炊事兵たちが最後につくったのは、沖縄のお菓子、サーターアンダギーだった…。
この舞台には、難しい哲学や、教訓めいたことが示されていない。人間の優しさや、人と人とが手を繋つなぐ事の大切さ、人はみな平等など。わたしたちが大切に思っていること、しかし、つい忘れがちなことごとを、思い出させてくれる。
題名の「銀の滴 降る降る まわりに」は、知里幸惠が採録したアイヌ神謡の一節ですが、この詩のように、舞台全体は、人間へのつきない〝愛〟に溢あふれている、と思うのです。(小谷博子)

劇団文化座公演『銀の滴 降る降る まわりに 首里1945』/作:杉浦久幸、演出:黒岩亮、出演:佐々木愛・阿部勉ほか/①11月18日(金)18時30分②19日(土)13時30分/神戸文化ホール中ホール/会員制(入会時に入会金1,000円と月会費2カ月前納)、月会費3,500円(大学生2,000円、中高生1,000円)/☎078‐222‐8651、Fax078‐222‐8653

(2016年10月23日付「兵庫民報」掲載)

映画『山河ノスタルジア』:過去、現在、そして未来を描く

神戸映画サークル協議会市民映画劇場11月例会



一九九九年、二〇一四年、二〇二五年の中国山西省・汾陽(フェンヤン)を舞台に、その街に生きる女性教師タオと彼女に想いを寄せる二人の男性たちとの人生を、文化大革命後、改革開放政策の中、格差に揺れる内陸部の街の風景と共に描いた作品。
「山は移り、丘は動いても、わが慈しみはあなたから移ることはない」。時代を超えても変わらないもの――それが母が子を想う気持ちであり、旧友との絆であり、生まれ育った故郷だ。そんな想いがこの映画の中心点にある。
監督は常に市井の人々の姿を映画を通して丁寧に描いてきたジャ・ジャンクー。
(松本正憲)

『山河ノスタルジア』/11月18日(金)①11時②13時30分③16時④19時/19日(土)①11時②13時30分◎講演「中国における日本の映像文化の影響」袁葉(広島大学講師):16時~17時③18時/神戸アサヒホール4階/監督ジャ・ジャンクー 出演 チャオ・タオ、チャン・イー、リャン・ジンドン/2015年中国、125分/一般1,300円(当日1,700円)、シニア・障害者・大学生以下1,300円/☎078‐371‐8550、http://kobe-eisa.com/

(2016年10月23日付「兵庫民報」掲載)

兵庫山河の会「山河」69号より

地場産の野菜料理のバイキング日頃の不足取り戻したり
塩谷凉子

夕暮れに散歩にでれば甘い香のきんもくせいの花少しさきたり
山下 勇

咲きそむる季節たがわぬヒガンバナ異常気象をものともせずに
古賀悦子

彼岸には忘れていてもきっと咲く母遺したる白き彼岸花
鵜尾和代

彼岸花鮮やかな赤に足とまり懐かしい人へ思いをはせる
高木庸子

田も畔もしらぬ都会の彼岸花狭き空き地に赤の行列
山下洋美

手をのばしイルカと握手する孫は一瞬緊張笑顔満開
新井 幸

秋雨の降ったり止んだりする夜半寝付けぬままにまたキーを打つ
大中 肇

政活費不正請求次々と辞職議員は「号泣」もせず
古賀哲夫

やんばるの自然を守れ基地いらぬその声聞かぬアベ政権は
西澤 愼

カチカチとなる白杖に耳すませ手引きのわれは歩調あわせる
安武ひろ子

(2016年10月23日付「兵庫民報」掲載)

西郷さんも喜ばず:段重喜


(2016年10月23日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

ラベル貼りとレッテル貼り

「レッテル」とは商品などに貼られその名前や内容を表示した小紙片のこと。語源はオランダ語であるが、その本来の意味は文字のことであり小紙片の意味で使うのは日本独自、と角川外来語辞典は説明している▼もっとも、その意味ではいまや「ラベル」が普通に使われており「レッテル」は死語になりつつある。が、レッテル貼りという言葉は生きている。しかも民報読者の多くの方が得意なラベル貼りとは異なった意味で使われている▼これを多用するのが安倍首相。開会中の臨時国会でも「戦争法というレッテル貼り」とか「年金カット法案と、レッテル貼りをせずに」などと答弁。寸鉄人を刺すような追及質問に対して、説得力のある反論ができない焦りをこの言葉に託し、したり顔で決め文句にしようとするがその姿はあまりにも醜悪。わたしには「うるさい黙れ」と言っているようにしか聞こえない▼そういえば自民党新潟県連が、知事選危うしとみて緊急対策会議を開き、選挙終盤の宣伝文句として確認したのがなんと「県庁に赤旗立てさせない」。このボロボロのレッテル貼りは、原発再稼働を許さない市民と野党の共同の前には全く通用しなかった。(T)

(2016年10月23日付「兵庫民報」掲載)