[調査・視察もいかし教育、福祉など県民要求の実現せまる
日本共産党の、きだ結県議が十月三日の兵庫県議会で一般質問を行いました。
こども医療費、三十五人学級
きだ県議は、十二市町で独自助成がさらにすすみ、中三まで無料が三十四市町・県下八割にまで広がり、所得制限も廃止した市町が六市町増えたことを指摘し、こども医療費を中三まで所得制限なしに完全無料にする取り組みをすすめてきた立場から、県に迫りました。
県当局は、「こども医療費は重要。自己負担と所得制限は必要。国にペナルティーの廃止、国制度の創設を要望し、現在検討中である」と答弁しました。
小学校四年生でとどまっている三十五人学級。小学校を訪問して聞いた校長の言葉、「小五で四十人学級になり思春期で身体も大きくなるが教室の大きさは変わらない。教師が一声かける、連絡帳に一言加えるのが大切だが、大変になる」を紹介し、政府・財務省の教職員を減らそうとする姿勢を批判。知事に「国待ちでなく、県独自に三十五人学級をすすめるべきだ」と迫りました。
高井教育長は、「三十五人学級は国で措置すべき。県独自の拡充は考えていない」「定数改善のために国に学校現場の実情を伝える」と答えました。
第三次行革プラン
県は福祉医療については、「他自治体との均衡」を理由にカットしつづけているにもかかわらず、企業立地では、全国有数の天井知らず(投資額三%)の補助金をつづけています。
きだ県議は、企業立地補助金は、「他団体との不均衡」そのものだと指摘し、過大な需要予測で税金投入した神戸空港などの不要不急の大型公共事業からの転換を求め、「行革」によりカットされた福祉医療の回復こそ必要であり、老人医療費助成を存続することを迫りました。
また、政令市に小中教員の給与費などが権限移譲される予定になっていますが、その機会に、権限移譲とは関係のない県が主導して実施してきた体験教育の事業を、市単独事業として一方的に押し付けることを批判し、県の責任を果たすことを求めました。
井戸知事は、「老人医療費は、特別な対策として必要かどうか検討する。兵庫の道路は、ネットワークや渋滞などの問題があり、今後大阪湾岸西伸道、播磨臨海地域道路をすすめる」などと答えました。
UR借り上げ住宅
きだ県議は、これまで二回実施された、UR借り上げ県営住宅の継続入居の可否判定をする第三者委員会について、個人情報開示された資料をもとに、その運営のあり方の問題点について、入居者の意見や実情が十分に反映されず、県の事務局が「不可判定」を誘導していることを指摘し、改善を求めました。
また、「特別な事情」しか認めていない七十五歳未満の入居者に、県が説明会などで、「対象外」の扱いをして、申請を諦めさせていることを批判し、改善を求めました。
県当局は、「入居者に七十五歳未満を受け付けないとの印象をあたえないよう丁寧な説明を行う。今後とも入居者の実情を第一に」と答えました。
認知症対策の強化
きだ県議は、県で三十万人余、六十五歳以上の五人に一人の認知症の方への対策、特に見守りの訓練や、専門家(認知症コーディネータ)の本格的な養成研修の実施に県がイニシアティブを発揮することを求めました。
質問にあたり、先進的な取り組みで知られる、福岡県・大牟田市の模擬訓練に実際に参加し、その体験を踏まえて提案しました。(写真)
井戸知事は、「認知症SOSネットワーク構築の手引きを作成。全市町構築をめざす。近隣府県と協力。県独自に認知症対応ネットワーク、地域推進員やサポーターを養成している。県内すべての市町ですすめる」と答弁しました。
タバコ対策、禁煙、受動喫煙対策
きだ県議は、喫煙率を目標の一〇%(二〇二〇年)にまで下げるための対策の強化を求めて質問しました。
①健康診断や会社での取り組みなどの推進②学校での防煙教室、「最初の一本を吸わせない」取り組み③受動喫煙防止条例の強化―をすすめ、県民の健康と命を守る取り組みをすすめることを提案しました。
当局は、「禁煙指導、妊娠指導、両親教室、健康づくりチャレンジ企業の禁煙企業の助成をしている。小中の防煙教室をすすめる。小学校五年生全員にリーフ配布。受動喫煙防止では条例見直しで、小規模飲食店を含め実態調査を踏まえ効果的な対応を検討する」と答えました。
(2016年10月9日付「兵庫民報」掲載)