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2016年10月9日日曜日

西宮革新懇が参院選1人区の経験を聞く

市民と野党の共闘、いっそうの発展を


発言する大和さん(左)と
(壇上左から)冨田、たなべ、氏平、山口の各シンポジスト

西宮革新懇が、市民と野党の共闘について参院選一人区の経験を聞くシンポジウムを十月一日、西宮市立勤労会館で開催。長野県革新懇代表世話人の山口光昭さん、革新岡山の会事務局長の氏平長親さん、香川選挙区の野党統一候補としてたたかった、たなべ健一さんが、同革新懇世話人の冨田宏治関学教授のコーディネートで、それぞれの経験を報告しました。


長野県での野党統一候補・新人の杉尾秀哉さんの勝利について、山口さんは、最大の要因が野党共闘の実現だったと述べるとともに、長野で市民や市民団体が主権者意識を深めながら、積極的に選挙のたたかいに参加したことをあげ、それが有権者の関心を強め、六三%という全国一の投票率と無党派層の六割を超える市民の支持に大きく貢献したと報告しました。
氏平さんは、社会市民連合(七七年結成)による共産党除く政権構想以来の影響を克服し、岡山県での市民と野党の共闘の推進役を果たした「戦争法の廃止と立憲主義の回復を求めるおかやまいっぽんの会」の取り組みを報告。課題として、安倍政権に代わる未来像をしめす共通政策の発展、共産党アレルギーを取り除く努力をあげました。
たなべさんは、全国でただひとつ日本共産党候補への一本化となった経緯について、民進党や連合役員の決断力をたたえるとともに、民進党と共産党との「確認書」に書かれているような日本共産党綱領路線が多くの人にはまだ知られていないこともあげ、お互いを尊重しあい、それを乗り越えて行くことの大切さを指摘しました。
ママと有志の会@西宮らへんの大和陽子さんも発言。無党派の母親も発言の機会ができ、政治が変わってきたと感じたと述べ、今後も活動を続けたいと語りました。

(2016年10月9日付「兵庫民報」掲載)

国会議員と運動団体・地方議員団が懇談

あいさつする(左から)大門、堀内、清水の各議員

「日本共産党国政懇談会in兵庫」(日本共産党兵庫県委員会・党国会議員団兵庫事務所の主催)が十月一日、県中央労働センターで開催され、堀内照文衆院議員、清水ただし衆院議員、大門みきし参院議員が、県内運動団体代表や議員団など五十人と懇談しました。国政懇談会は今年二回目の開催です。
冒頭、三人の国会議員がそれぞれ挨拶しました――
大門議員は参議院選挙での支援にあらためてお礼を述べ、党の議席が増えて質問時間が大幅に伸びるなど、さらに強力な議員団活動ができると紹介し、「今日は、皆さんのこれまでの運動とその到達点、そしてどこを突破していけばいいのかをお聞きし、共に知恵と力を合わせる懇談会にしたい」と挨拶。
清水議員は、「安倍首相が施政方針演説を中断し、議会に賛同の拍手を求めたが、まさに〝国会ジャック〟で許せない」と切り出し、TPPや「部落差別固定化」法案を阻止する闘いを呼び掛けると共に、「近畿は維新の幻想があるが、市民と共に正体を暴露し、同時に魅力ある対案で圧倒したい」と述べました。
堀内議員は、一年九カ月の国会論戦を振り返りつつ、安倍政権と正面から対決、切実な願いを国政に届け、積極的提案で政治を動かす、野党共闘推進の要という三つの役割を果たす努力を紹介。「皆さんと要求実現の運動を広げるとともに、この議席を守るためにがんばる」と決意を表明しました。
続いてフロアから要望がだされました。
▽国保の県一本化で保険料が一気にあがる危険が高い。国の責任を果たさせたい▽短期保険証すら取得できなくなっている。このままでは医療を受けられない人が激増する▽精神障害、知的障害に対する認識と支援が薄すぎる。制度改善の運動を進めているが行政はたらいまわし。ぜひ力を貸して欲しい▽正当な賃金が支払われない。現場でも闘っているが、国会でもぜひ実態を正して欲しい▽駅舎のバリアフリーがなかなか進まない。乗降客数の基準が引き下げられるなど前進はみられるが、事業者任せが問題。ここを突破したい▽明石駅へのホームドア設置をJRに要請したら〝三ノ宮駅につかないものがうちにつくはずがないでしょう〟などと言われた。国と事業者の責任をはっきりさせたい▽〝モトコー問題〟で堀内事務所と連携し、市議会でも取り上げている。引き続き取り組むので連携を▽学校環境がまだまだ劣悪。国の積極的な支援を引き出したい▽まだ自治体が良いことをすると、国が交付金を削るなどペナルティをかけてくる。止めさせるのに一緒に闘って欲しい―など、切実な声が寄せられました。
これらの発言に、国会議員団は「ぜひ現場調査に行きたい」「知恵と力をあわせよう」などと応じました。
国会議員団事務所は、これら要求をまとめ、年内にも対政府要請を行うことにしています。
懇談会は、参議院兵庫選挙区候補だった、金田峰生事務所長が司会し、こんどう秀子(一区)、平松順子(二区)、冨士谷香恵子(三区)の各衆院小選挙区予定候補も参加しました。

(2016年10月9日付「兵庫民報」掲載)

県議会で日本共産党きだ県議が一般質問

[調査・視察もいかし教育、福祉など県民要求の実現せまる



日本共産党の、きだ結県議が十月三日の兵庫県議会で一般質問を行いました。

こども医療費、三十五人学級


きだ県議は、十二市町で独自助成がさらにすすみ、中三まで無料が三十四市町・県下八割にまで広がり、所得制限も廃止した市町が六市町増えたことを指摘し、こども医療費を中三まで所得制限なしに完全無料にする取り組みをすすめてきた立場から、県に迫りました。
県当局は、「こども医療費は重要。自己負担と所得制限は必要。国にペナルティーの廃止、国制度の創設を要望し、現在検討中である」と答弁しました。
小学校四年生でとどまっている三十五人学級。小学校を訪問して聞いた校長の言葉、「小五で四十人学級になり思春期で身体も大きくなるが教室の大きさは変わらない。教師が一声かける、連絡帳に一言加えるのが大切だが、大変になる」を紹介し、政府・財務省の教職員を減らそうとする姿勢を批判。知事に「国待ちでなく、県独自に三十五人学級をすすめるべきだ」と迫りました。
高井教育長は、「三十五人学級は国で措置すべき。県独自の拡充は考えていない」「定数改善のために国に学校現場の実情を伝える」と答えました。

第三次行革プラン

県は福祉医療については、「他自治体との均衡」を理由にカットしつづけているにもかかわらず、企業立地では、全国有数の天井知らず(投資額三%)の補助金をつづけています。
きだ県議は、企業立地補助金は、「他団体との不均衡」そのものだと指摘し、過大な需要予測で税金投入した神戸空港などの不要不急の大型公共事業からの転換を求め、「行革」によりカットされた福祉医療の回復こそ必要であり、老人医療費助成を存続することを迫りました。
また、政令市に小中教員の給与費などが権限移譲される予定になっていますが、その機会に、権限移譲とは関係のない県が主導して実施してきた体験教育の事業を、市単独事業として一方的に押し付けることを批判し、県の責任を果たすことを求めました。
井戸知事は、「老人医療費は、特別な対策として必要かどうか検討する。兵庫の道路は、ネットワークや渋滞などの問題があり、今後大阪湾岸西伸道、播磨臨海地域道路をすすめる」などと答えました。

UR借り上げ住宅


きだ県議は、これまで二回実施された、UR借り上げ県営住宅の継続入居の可否判定をする第三者委員会について、個人情報開示された資料をもとに、その運営のあり方の問題点について、入居者の意見や実情が十分に反映されず、県の事務局が「不可判定」を誘導していることを指摘し、改善を求めました。
また、「特別な事情」しか認めていない七十五歳未満の入居者に、県が説明会などで、「対象外」の扱いをして、申請を諦めさせていることを批判し、改善を求めました。
県当局は、「入居者に七十五歳未満を受け付けないとの印象をあたえないよう丁寧な説明を行う。今後とも入居者の実情を第一に」と答えました。

認知症対策の強化


きだ県議は、県で三十万人余、六十五歳以上の五人に一人の認知症の方への対策、特に見守りの訓練や、専門家(認知症コーディネータ)の本格的な養成研修の実施に県がイニシアティブを発揮することを求めました。
質問にあたり、先進的な取り組みで知られる、福岡県・大牟田市の模擬訓練に実際に参加し、その体験を踏まえて提案しました。(写真)


井戸知事は、「認知症SOSネットワーク構築の手引きを作成。全市町構築をめざす。近隣府県と協力。県独自に認知症対応ネットワーク、地域推進員やサポーターを養成している。県内すべての市町ですすめる」と答弁しました。

タバコ対策、禁煙、受動喫煙対策


きだ県議は、喫煙率を目標の一〇%(二〇二〇年)にまで下げるための対策の強化を求めて質問しました。
①健康診断や会社での取り組みなどの推進②学校での防煙教室、「最初の一本を吸わせない」取り組み③受動喫煙防止条例の強化―をすすめ、県民の健康と命を守る取り組みをすすめることを提案しました。
当局は、「禁煙指導、妊娠指導、両親教室、健康づくりチャレンジ企業の禁煙企業の助成をしている。小中の防煙教室をすすめる。小学校五年生全員にリーフ配布。受動喫煙防止では条例見直しで、小規模飲食店を含め実態調査を踏まえ効果的な対応を検討する」と答えました。

(2016年10月9日付「兵庫民報」掲載)

神戸市議会で松本・味口両市議が代表質問

大型開発偏重あらため市民の願い・地域の課題にこたえる市政に


九月二十六日に開かれた神戸市議会本会議で、日本共産党議員団から松本のり子、味口としゆき両議員が代表質疑に立ち、久元喜造市長らの政治姿勢をただしました。
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神戸市の前年度決算は十二億五千六百万円の黒字を計上。五年連続の黒字です。松本議員は、国の悪政で社会保障が削られるなか、神戸市も国民保険料や介護保険料、保育所や幼稚園の保育料を値上げするなど、暮らしを応援してこなかった結果の黒字だと指摘しました。
市民所得を減らすような施策はやめて、中小企業や地域商店街への直接支援、高すぎる国保料や介護保険料の値下げ、子どもの医療費無料化、待機児童解消など、市民の願いにまっすぐ応える市政に転換すべきと求めました。
一方、神戸市は神戸空港や医療産業都市にはあわせて五年で一千億円を超える支援を行いました。しかし、この五年間、実質賃金は下がりひと月あたりでは六千円も減少し、市民消費は冷え込んだままです。
松本議員は、大型プロジェクトの「成長の果実」を期待するトリクルダウン政策の誤りは、過去の大型開発の失敗が証明していると指摘。三宮一極集中の再開発や湾岸道路延伸、国際戦略港湾づくりなどの「大型開発」「企業誘致」偏重の市政運営を見直すように求めました。
答弁に立った久元喜造神戸市長は「神戸空港などの経済効果を示すことは難しい」「実質賃金が上昇せず、消費支出が低下しているのはご指摘の通り」としながら「原因は、若い世代の社会保障への不安があり、主として国の役割が大きい」と発言。「開発すべて否定して、個人消費に回すように見直すことは賛同できない」としました。
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味口としゆき議員は、都心・三宮再開発について質問しました。
神戸市は、中央区役所・三宮図書館や勤労会館などを移転させ、中・長距離バスターミナルづくりをトップダウンですすめています。同時に、三宮駅周辺四十五ヘクタールを「国際競争力の強化」を目的に、進出大企業に税優遇をすすめる「特定都市再生緊急整備地域」に指定することを国に申請しています。
神戸市は国の優遇制度に上乗せして、都心に進出する企業に最大で四億五千万円補助する制度をつくりました。その補助をつかい六甲アイランドから三宮駅前ビルに移転した企業P&Gは、従業員を千二百人から九百人に縮小しています。
味口議員は、事業所を縮小する大企業に補助金を助成する自治体が一体どこにあるのかと厳しく批判。「企業誘致偏重」をあらため、地域経済の足腰を強くする方策を打たなければ地域経済も雇用も市民の暮らしも守れないと指摘しました。
三宮一極集中の再開発に市長が熱中する一方で、かつて神戸市が開発したニュータウンは、街全体の高齢化が進行し、様々な問題が生まれています。須磨区の名谷南センターなどでは、会館は指定管理になり、さらに近隣センターの中心となっているコープの敷地面積は半減する計画です。灘区の鶴甲会館や東灘区の渦森会館は、会館の管理・運営を地元管理にすることで計画が進められようとしています。
味口議員は、三宮へ一極集中し、ニュータウンを縮小させる方針の転換を求め、人口減少など様々な問題に直面している地域の課題に寄りそって充実させるべきだと主張しました。

(2016年10月9日付「兵庫民報」掲載)

中小企業振興基本条例を:西播磨の民商と党市議団が学習会

地域活性化の決め手



赤穂・相生・揖竜宍粟民商と日本共産党赤穂市議団・相生市議の共催で九月二十五日、赤穂市内で、京都大学大学院経済研究科教授・岡田知弘氏を招き学習会を開きました。民商の会員ほか三十人が参加しました。テーマは「中小企業振興基本条例で地域をつくる」です。
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岡田教授の講演内容は次のとおりです。
災害が起こったとき、役所や大店舗は被害で機能せず、危機の一週間を乗り切れたのは、地元の商店や農家、建設業者の存在です。いま、大企業は、生産を海外に移し、産業の空洞化が起こっています。景気が悪化したり、収益性が落ちると、すぐ撤退し、地域を見捨てます。兵庫県では、事業所数の九九・八%、従業者数の八〇・七%が、赤穂市では事業所数の九九・四%、従業者数の九一%が中小企業・小規模企業です。地域経済における経済活動、雇用の創造の圧倒的部分を担っています。地方に求められていることは、地域経済をつくり維持する経済主体である地元の中小企業、小規模事業者や商店、農漁業者への支援です。地元に根づくこうした団体個人と地方自治体が、地域に再投資を繰り返すことです。仕事と所得・雇用を生み、生活を維持、拡大していきます。そのための手段の一つとして「中小企業振興基本条例」が注目されています。全国二百十自治体で制定され自治体を動かしています。
それぞれの自治体において、条例制定に向け、幅広い協同が必要です。
(小林篤二=赤穂市議)

(2016年10月9日付「兵庫民報」掲載)

養父市議選16日告示・23日投票:日本共産党の竹浦・津崎氏が全力

くらし・福祉・教育の充実を


竹浦昭男氏

津崎和男氏

養父市議選(定数十六)は十月十六日告示・二十三日投票で行われます。
日本共産党は、現職の竹浦昭男氏(69)と新人の津崎和男氏(57)を立て、現有二議席確保をめざします。
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現在の養父市政は市民の声も職員の意見も聞かず、議会をないがしろにしたトップダウン市政です。これに対し日本共産党議員団は問題点を正し、具体的な提案・対案も示し実現に奮闘してきました。その一つが「農業特区」問題。市長が農業委員の同意を得ないまま国に虚偽の報告までして進めたのに対し、党議員団は、農業への企業参入というTPPをすすめる国の片棒をかつぐもので、農業振興に逆行すると追及。家族経営を守り支える市政の重要性を強調し、農家・関係団体と共同し、農家の求める農業振興策を求めました。
その一方で、市民と力を合わせて、中学三年生までの子ども医療費無料化(所得制限なし、入院・通院とも)、保育料・給食費用の負担軽減、住宅リフォーム助成増額などを実現してきました。
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今回の市議選に向けては、高校卒業までの医療費無料化、小学校入学祝い金(五万円)の創設、学校給食完全無料化、公立病院(八鹿・日高)の病床削減をやめ地域医療を守る、国保税引き下げ、介護保険料・利用料軽減、TPP反対、企業農業から家族農業を守る農業施策へ、中小企業・商店支援策、円山川・八木川・大屋川の改修促進、ごみの資源化・減量化と自然エネルギーの活用―など財政調整基金五十四億六千万円など、財源も示して、その実現を主張し支持を訴えています。


(2016年10月9日付「兵庫民報」掲載)

日本aalaのラオス(東アジア首脳会議議長国)要請に参加して

日本アジア・アフリカ・ラテンアメリカ(AALA)連帯委員会は、東アジアに「不戦、平和、協力、繁栄の共同体」をつくることをめざし、東アジア諸国の首脳への要請署名「戦争するな!国際署名」に取り組んでいます。九月には東アジア首脳会議の議長国・ラオス人民共和国に訪問団を送り、ラオス平和連帯委員会のカンパン会長に国際署名個人分一万四千筆と団体署名五百筆を手渡しました。昨年、当時の議長国・マレーシアの駐日大使館に提出した分と合わせると個人署名は二万四千筆、団体署名は五百筆。AALA連帯委員会は引き続き、署名を訴えています。今年のラオス訪問団に参加した兵庫県AALAの須増唯理事の手記を紹介します。

東アジアに不戦・平和・協力・繁栄の共同体を

非核「神戸方式」パンフも手渡し

兵庫県AALA理事 須増 唯

須増さん
私は九月二十二日から二十八日までラオスを訪ねました。
ラオスはASEAN加盟国の中で唯一の内陸国で、中国、ベトナム、タイ、カンボジア、ミャンマーと国境を接しています。メコン川という大河が流れているので、魚料理も沢山あります。国民の九〇%が仏教徒で、街のいたるところにお寺が見受けられます。
東アジア首脳会議も見学する予定でしたが、会議の日程が早まり、私たちがラオスを訪れたときには、もう終わっていました。しかし、ラオスの与党である人民革命党に事務所を置くラオス平和連帯委員会を訪問し、会長を務めるカンパンさんとお会いできることとなり、日本で集めた署名を手渡すことができました。
今、日本のまわりの中国、韓国、北朝鮮などの国々との関係が問題になっています。より良い国際社会をつくるには、もっと協力し、お互い信頼できる関係をつくらなければなりません。そのために、ASEANのやり方を学び、アジアでの平和をつくっていく必要があると考えた結果、この署名ができました。
*
ラオス平和連帯委員会のカンパン会長(右)に
非核「神戸方式」パンフを渡す須増さん(左)

署名提出の際、私は神戸市からの参加ということで非核「神戸方式」の英語版パンフレットを渡すと、カンパンさんは、「ラオスは他国の基地を作らせないし、何があっても核は使わない」とおっしゃいました。神戸は神戸のやり方で平和を作り、ラオスはラオスのやり方で国を守っていると感じました。いつか日本が他国の基地を作らせず、核の傘から抜け出し、核の脅威に頼ることをやめ、本当の意味での平和を求めるようになればいいなと思いました。
*
今回ラオスを訪れて、歴史を知ることがどんなに大切なことか、あらためて気付きました。過去を知らなければ今を知ることができないと思います。
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私が生まれたのは一九九七年。生まれた時にはソ連はなく、中国で何があったか、ベトナムでなにがあったか、世界で何があったかなんて知りませんでした。しかし、想像力を働かせ、その時代の人々に思いを馳せ、思考し、勉強することで本質を捉えることができると思います。
私が今進んでいる道を振り返ると、険しいながら闘い進んできて道を作ってくださった方々が沢山いたことに気付かされます。命懸けで闘い、志半ばで倒れた方もいたでしょう。どんなにか細く小さな道になったとしても、決して途切れることなく切り開いてきてくれた、私たちの先輩方には本当にいつも感謝しています。彼等が繋げてきてくれたから、こうやって活動ができると思います。いろんな国のいろんな人々が、自分たちの平和や生活のために切り開いてくれた道を、今度は私たちが先頭に立ち後世へと繋げていきたいと思いました。

(2016年10月9日付「兵庫民報」掲載)

危険な大はしゃぎ:大門みきしエッセイ(11)

九月二十六日から臨時国会が始まりました。安倍首相のふるまいは以前にも増して異様です。
所信表明演説では国民を逆なでするようなことばかり言うので野党席からヤジがとぶ。「この道を力強く前へ」(これ以上の暴走はやめろ!)。「みんな限界にチャレンジしている」(限界に追いこんだのは誰だ!)。「夢は叶えられる」(あんたにだけは言われたくない!)。
最も異常だったのは、衆議院の演説で安倍首相が「わが国の領土は断固として守り抜く」「現場で任務に当たっている諸君(自衛隊員ら)に、いまこの場所から心からの敬意を表そうではありませんか」と呼びかけ拍手を始めると、自民党議員が一斉に起立し大きな拍手で応えたことです。自衛隊員への敬意というより、自民党議員たちが「領土を守り抜く」という言葉に触発され、みずからの「愛国心」に勝手に酔いしれているように見えました。反知性主義もとうとうここまできたかと呆れました。
翌日からの代表質問で安倍首相は、民進党議員の質問にたいしては「民主党政権のときよりましだ」とケチな反論ばかり繰り返し、わが党の志位さんや市田さんの質問にはまともに答えず逃げの答弁に終始する。もともと器の小さい人間が、祖父(岸信介)の背後霊のおかげでタカ派のプリンスにまつりあげられ、わがままをリーダーシップと勘違いして大はしゃぎしている姿を見て、この内閣は一刻も早く倒さなければ日本が危ないとあらためて思いました。

(2016年10月9日付「兵庫民報」掲載)

日本共産党文化講演会が憲法を考える文化のつどい


日本共産党兵庫県文化後援会は十月二日、こうべまちづくり会館で「憲法を考える文化のつどい」を開催、五十五人が参加しました。
「つどい」は朝倉えつ子神戸市会議員の司会ではじめられ、オープニングコンサートで、待谷翠さんのヴァイオリンと西川彩乃さんのチェロで、ヘンデルの「ソナタ ニ長調」などが演奏されました。
段野太一文化後援会会長の挨拶のあと、神戸学院大学の上脇博之教授が「自民党改憲草案と日本国憲法〜日本国憲法を良く理解するために」をテーマに講演しました。
上脇教授は、詳しいレジメに基づいて、日本国憲法の成り立ち、その基本的な内容と、それを自民党改憲案がいかにゆがめようとしているかをわかりやすく解明しました。
自民党の言う「平和主義」は軍隊をもって海外に出かけることなので、「自由」とか「人権」についても巧みに隠されている意図をよく読み取り、日本をふたたび「帝国憲法」時代にもどすことなく、現憲法を生かしていくことの意義を指摘しました。
講演のあとの質疑では、自衛隊問題や沖縄への政府の不法行為などについて意見交換があり、上脇教授からは「自衛隊については改憲派にもいろいろ解釈があり、集団的自衛権を合憲として海外にまで出て行くことは許されないという立場の人も多く、現時点ではこの点での共同をすすめていくことが大事だ」などの指摘がありました。
参加者のアンケートでは、つどいは「非常に良かった」との評価をえていました。生演奏がすばらしかった、講演がわかりやすかった、との感想も多く寄せられました。
(堤隆二)


(2016年10月9日付「兵庫民報」掲載)

みんぽう川柳〈九月〉「敬老」「老い」: 選者 島村美津子

特 選


敬老の言葉を生かす政治なし
神戸市 高馬士郎

【評】敬老どころか「生きていてすみません」と言わねばならない現実。年金福祉は削られ、安心して暮らせる老後はどこへ行ってしまったのか、「政治なし」と言い切る作者、アベ政治への不満は沸騰します。人間らしく生きる。真に豊かな老後に向けてアベさんには直ちに辞めて頂きましょう。

入 選


美しい老いを生きたいアベ打倒
神戸市 山本尚代

敬老や言うて予算はバッサリと
神戸市 松尾美恵子

アベ辞めろ軽老の日にコールする
神戸市 古賀哲夫

敬老の心が欲しいアベノミクス
神戸市 梶山洋枝

敬老日作り魂入れぬ国
神戸市 塩谷凉子

おしゃれして輝いている敬老の日
尼崎市 富田明美

老いの父かかえる私もう老いだ
尼崎市 西村光行

タイムスリップ亡母に懺悔の敬老日
神戸市 玉山歳子

万歩計とにらめっこして過ごす日々
神戸市 米本孝正

老いの愚痴聞いてくれる友大事
神戸市 藤田幸子

生きがいは頼りにされる年配者
神戸市 寺坂寿美子

孫と爺宇宙話で長電話
神戸市 水田裕子

下流老人命を繋ぐだけの日日
神戸市 山元三恵子

老いと我抜きつ抜かれつまだ走る
神戸市 長沼幸正


(2016年10月9日付「兵庫民報」掲載)

風呂敷で包んで中身を見せない安倍政権:段重喜


(2016年10月9日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

「私たちは、鉄道事業を核に、お客様の暮らしをサポートし、将来にわたり持続的な発展を図ることにより、お客様、株主、社員とその家族の期待に応えます」―JR西日本の基本理念です。二〇〇五年のJR福知山線脱線事故では、百七名が尊い命を奪われました。その際、企業方針の第一目標を「稼ぐ」とし、「安全」は二の次にされた「利潤第一主義」の姿勢が問題となったのは記憶に新しい▼先日の神戸市議会では、元町高架通商店街(モトコー)の商店主に対して、JRが契約更新を拒絶し、事実上の退去を求めている問題が取り上げられた。ここではJRが「耐震補強が必要」と商店主らに退去を迫っていたが、そもそも耐震基準は満たされており、工事計画などもないことが明らかになりました。地元の運動、そして国会・市会議員団の連携によって、神戸市も「JRを厳しく追及する」と答弁せざるをえなくなりました。虚偽の理由で、退去を迫るとは。JRの抜きがたい企業体質が厳しく問われます▼福知山線での事故は一体なんであったのか。こうした大企業の横暴を許すのか、国や自治体の責任が問われるとともに、地域での運動の大切さが浮きぼりになっています。 (あ)

(2016年10月9日付「兵庫民報」掲載)