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2016年7月17日日曜日

第24回参院選:比例・大門氏当選/選挙区・金田氏健闘

市民と野党の共闘豊かに発展させ憲法守り、公約実現へ全力


第二十四回参議院議員選挙は七月十日投開票で行われ、「自公と補完勢力」対「四野党プラス市民」が対決構図となる戦後かつてない選挙となりました。

日本共産党は、比例代表選挙で六百一万六千百九十五票(得票率一〇・七四%)を獲得し、市田忠義、田村智子両副委員長、大門実紀史氏、岩渕友氏、武田良介氏の五人が当選、東京選挙区の山添拓氏を加え、六議席を獲得。改選三議席を倍増、非改選と合わせ十四議席となりました。
市民と野党の共闘は、全国三十二の一人区すべてで統一候補を立て、青森・岩手・山形・宮城・福島・山梨・長野・新潟・三重・大分・沖縄の十一選挙区で勝利しました。

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投票日の翌朝、元町駅前で挨拶する金田峰生氏(右)
(中央は堀内照文衆院議員、左は松田隆彦党兵庫県委員長)


兵庫選挙区で日本共産党は、民進党と競い合って、兵庫でも自民・公明とおおさか維新はじめその補完勢力を少数に追い込もうと全力をあげ、金田峰生氏が二十二万八千八百十一票(得票率九・三九%)で、前回票を維持・前進(約八千票増、得票率〇・二㌽減)させましたが、議席獲得には及びませんでした。

比例で当選した大門実紀史氏(左から3人目)


比例代表選挙では県内で二十四万八千五百七十六票(得票率一〇・三〇%)を獲得。二〇一四年衆院選時には及ばなかったものの一三年の前回参院選比で約二万五千票前進(得票率〇・七㌽増)させ、兵庫・滋賀・大阪・奈良・和歌山を活動地域とする大門氏の当選に貢献しました。

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選挙期間中には、安倍首相が公明党候補の応援に入るなど、各党党首がかつてなく兵庫入りする大激戦となりました。

そのなかで、関西市民連合やママの会で活動する人々などが日本共産党の演説会で訴えるなど、市民と野党の共闘もすすみました。

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日本共産党兵庫県委員会と金田峰生氏は、「物心両面のご支援、ご協力をくださったすべてのみなさまに心から感謝を申し上げます。今回生まれた市民と野党の共闘を今後さらに豊かに発展させるとともに、安倍暴走政治に対決、憲法を守り、公約実現へ全力を尽くす決意です」と表明しています。

(2016年7月17日付「兵庫民報」掲載)

「あさぎ」七月詠草:姫路年金者組合

ここちよい青田をわたる五月さつき風窓から入りてわれを包みぬ
沖縄の女性殺害遺棄事件米軍基地は撤去しかない
藤原信子

さみどりの色あざやかな飯の豆河内羽曳野碓井より来し
手を取りて歩いてくれる青年の男孫の掌柔らかすぎる
衣川有賀子

何年も袖を通さぬ夫のシャツ孫が着ているパジャマとなりて
夏帽子買ったつもりでカンパ箱ちょっとくやんでちょっと晴ればれ
山下直子

暑さゆえ買物にも出ず夕食は娘が買い来しスーパーの寿司
夕立が二日続いて今日も降れ夜の涼しさ願いて空見る
常田洋子

俳優の宝田明氏をむかえ「九条は宝だ」集会をもつ
戦争の激しきなかを生き延びて引き揚げ船で帰りきたりと
田渕茂美

(2016年7月17日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

「ウソとごまかし」を見抜く力を磨くには?―考えさせられた参院選挙だった。安倍首相が改憲の意図を徹底して隠し続けたことはマスコミも批判した。「TPP反対なんて言ったことがない」との大ウソまでもついた▼アジア侵略の契機となった盧溝橋事件、米国がベトナム戦争本格参戦の口実としたトンキン湾事件、イラク戦争開始の理由とした大量破棄兵器保有情報…。多くの戦争が「ウソ」ではじまった▼「平和利用」というごまかしで「原発大国」づくりが推進され、原発事故に至っても「コントロールされている」とのデタラメでオリンピックまで呼び込んだ▼憲法前文の言う「再び戦争の惨禍が起ることのないや(よ)うに」決意するまでに幾千万の犠牲を経てからではあまりにも悲惨だ。「痛い目に合う」ことのないよう「ウソ」を見抜く力が必要だ▼参院選でも沖縄、福島、山形や新潟など国民が賢明な判断力を示したたたかいがあった。米軍被害、原発事故、TPPなどの厳しい体験が改憲勢力の「ウソとごまかし」を見抜く力を培い、発露させたということだ。国民が持つ健全な意識とつながり、「見抜く力」を研ぎ澄まして心して次のステージのたたかいに進もう。 (K)

(2016年7月17日付「兵庫民報」掲載)