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2016年6月19日日曜日

神戸三宮に志位委員長迎え街頭演説:雨の中5500人の聴衆


「野党共闘の勝利と日本共産党の躍進で安倍政権を倒し、新しい政治を」「比例四十六万票・日本共産党の躍進の大波をつくり『命と個人の尊厳を大切にする政治』を信条とする金田さんを押し上げよう」

―参院選公示まで十日となった六月十二日、日本共産党は神戸三宮・そごう前で街頭演説を行い、志位和夫委員長、堀内照文衆院議員と、参院選比例予定候補の大門みきし氏、参院兵庫選挙区予定候補の金田峰生氏が訴えました。また、安保関連法に反対するママと有志の会@兵庫の向山桂子さんが応援のスピーチをしました。

この街頭演説には雨の中、二〇一四年衆院選時を上回る五千五百人がつめかけ熱気にあふれました。

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ママと有志の会の向山さんはスピーチで、「一市民として、子どもをもつ母親として現政権に危機感を感じ声をあげずにいられなかった」「あなたの大切な一票で未来は変わります」と訴えるとともに、「戦争法廃止二千万人署名など市民団体とともに活動している(日本共産党の)姿にとても共感し、民意を反映してくださると確信しています」と期待を表明しました。

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堀内衆院議員は、派遣労働やブラック企業、借り上げ住宅、アスベスト被害などの問題をあげ、草の根で国民と結びついている日本共産党だからこそ、国民の声をじかに国会に届け、世論や運動とスクラムを組んで政治を動かすことができると確信を持って言えると強調。参院選で日本共産党議席を大きくしてほしいと訴えました。

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大門比例予定候補は、消費税増税は延期でなくきっぱり中止・断念せよとの声を参議院選挙でつきつけようと呼びかけました。「〝税金は大企業・大金持ちから取れ〟の声を大きくし、消費税に頼らない別の道を一緒に進みましょう。そのためには日本共産党をこの選挙で躍進させてください」と訴えました。

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金田選挙区予定候補は、「とうとう夫に派兵命令が出ました。助けてください」と街頭で言われたことを紹介。「戦争法は国民を守るのではなく国民に犠牲を強いる法律であり、一刻も早く廃止する」「憲法九条を守り生かす政治を貫いてしっかり平和と安全を確保する」と述べ、平和の願いを日本共産党と金田峰生にお寄せくださいと訴えました。

また、大学時代、運転手の過労によるスキーバス事故で友人を亡くしたことから、もっと人の命を大切にする社会にしたいと入党したと述べ、憲法に基づいて個人の命・尊厳・個性を大切にする政治に変えると決意を表明しました。「今度の選挙で日本共産党を伸ばし兵庫で金田峰生を勝たせていただくことは、憲法改悪を許さない明確な審判になり、野党共闘を発展させ政治を変える確かな力になる」と強調。「公約実現にむけ、最後までがんばりぬきます。どうかこんどこそ国会へ送ってください」と力をこめ訴えました。

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志位委員長の訴えの大要は十四日付「しんぶん赤旗」に掲載されています。

(2016年6月19日付「兵庫民報」掲載)

市民にあたたかい神戸市政へ〈20〉:神戸市地域公共交通活性化協議会を傍聴して(1)

利用者の声をまず聴くことから
公共交通神戸電鉄粟生線/沿線住民の足を守る会 松本勝雄

国鉄分割民営化・ローカル線切り捨て、間違った規制緩和による地方鉄道の危機、生活に欠かせない路線バスの廃止などが公共交通の危機を作り出し、国民の交通を守れの声が大きくなっています。これに対し、国は交通政策基本法を制定、地域公共交通活性化・再生法を改定しました。

この流れの中、神戸でも「神戸市公共交通網形成計画」を作ることになり、三月の準備会を経て「第一回神戸市公共交通活性化協議会」が六月三日に開かれました。その会議を交通問題に取り組んでいる仲間と傍聴しましたが、いろいろな問題点を感じました。

活性化協議会に利用者側は二人だけ


まず、この「活性化協議会」の構成です。

学識経験者、市民、交通事業者、行政機関のメンバーでつくられていますが、市民としては住民団体の二人だけで少なすぎることです。

公共交通を守るためには市民の理解と「協働」が必要で、公共交通の問題に取り組んでいる方や障がい者団体の方などを加えるべきだと思います。会議でも「供給側のことばかり」との意見も出ていましたが、一番肝心な公共交通を利用する側からの声をまず聴くことをやるのが大事だと思います。

現状や課題などの検討が不十分


計画を作るためには現状をしっかりとつかみ、何が求められているのか、これまでのやり方に問題はなかったかを検討することが欠かせませんが、これが大変不十分と感じました。

公共交通の危機や、高齢化などの社会情勢の変化で市民生活はどうなっているのかの分析が必要です。

また、いくら市民が必要としても採算が取れなければ公共交通として整備しようとせず、民間任せとするばかりか、既存の公営交通もどんどん民間に移行させるやり方など、これまでの神戸市の公共交通政策を再検討し、市民の要求に応える政策への転換を明確にするべきだと思います。

取り組む問題を「公共交通とは」「公共交通空白・不便地とは」など、それぞれの言葉を「定義」していくことも必要です。

「公共交通網形成」の目的からも不十分


「神戸市公共交通網形成計画案」が提案されましたが、その目的からも不十分な点や目的にそぐわないことなどが混じっていると感じました。

①目的で一番大事なことは、市民の「移動する権利」をどうするか明確にすることだと思います。

交通政策基本法では、国民の「交通権」の明記が、「時期尚早」と自民党や国交省の一部から異論が出て見送られましたが、自治体の中には交通基本条例で「市民の移動する権利尊重」(熊本市など)と決めているところもあります。

神戸でも「市民の移動する権利」を認め、尊重すべきで、これは多くの市民が求めておられると思います。これを入れることで、この計画が市民の気持ちにぴったりくるものになると思います。
(次号に続く)

(2016年6月19日付「兵庫民報」掲載)

パナソニック姫路液晶工場撤退:党県議団と金田氏が県に申し入れ

雇用継続へ県も対策を〝大企業呼び込み型〟政策改めよ



日本共産党の金田峰生国会議員団兵庫事務所長と兵庫県議団(団長=ねりき恵子県議)は、六月九日、パナソニックの姫路液晶工場の「撤退」問題で、兵庫県知事に対し申し入れを行いました。

申し入れでは、県が多額の税金を投入したにもかかわらず、尼崎の三工場の全面撤退につづき、姫路工場も「撤退」することは、「県政のあり方を厳しく問わなければならない」と指摘した上で次の四点を求めました。

一、パナソニック社は、今回の件で人員削減は行わないとしているが、二〇一二年の茂原工場閉鎖時にも、配転に応じられない多くの社員が事実上の首切りにあっている。非正規社員を含め、すべての雇用を継続するよう強く要請するとともに、県としても必要な対策を講じること。

二、同社に今後の計画を明らかにさせるとともに、県として地域経済への影響について調査し、公表すること。

三、同社への補助金支出を停止し、すでに支給した全額を返還させること。

四、過度の税金優遇の見直し、現行企業立地補助金制度は廃止するなど、「大企業呼び込み型」政策から、地域に根をはった中小企業への支援や地域産業への中長期支援策の創設など、県政策の抜本見直しを行うこと。

各県議は、「補助金を支出している立場から、雇用の継続など強く迫るべきだ」「姫路市民の要望の第一は雇用の安定。オープニングスタッフ百人は派遣。税金支出の目的が果たせているのか疑問。税金の使い方をあらためるべきだ」などと主張しました。

金澤和夫副知事は「地域経済を救うため企業側とやりとりする。影響を注視していく」「今回は、工場閉鎖でなく、産業用パネルなどに中身を変える。軌道にのってほしい」「状況をみたい」と答えました。
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(2016年6月19日付「兵庫民報」掲載)

新名神橋桁落下事故で共産党が西日本高速道路に申し入れ

原因徹底解明・再発防止、地域住民への被害補償を



新名神高速道路有馬川橋橋桁落下事故について日本共産党は六月十四日、西日本高速道路株式会社(NEXCO)を訪問し、申し入れました。

作業員二人死亡・八人重軽傷という重大事故の原因の徹底解明と再発防止を求めるとともに、国道176号線の通行止めは通勤・通学などに支障をきたし、店舗の経営不振を招くなど、深刻な影響を与えており、同社の責任は重大だとして次の五項目を申し入れました。

一、工事内容や設計および工事施工計画に関する問題、労働環境や安全対策など再発防止に資する事故原因の解明を徹底的かつ早期に行うこと。

二、今回の事故によって被害を受けている住民、業者、関係者、他に対する賠償・補償、情報提供と説明、意見・要望等の聴取と反映など、誠意を持った対応を行うこと。また、被害対象を狭くせず、説明会開催や相談窓口対応に関する広報はマスコミを通じたCM、ホームページでの掲載、周辺沿道やサービスエリア等での掲示など、広く行うこと。

三、今回の事故で影響を受けている下請け事業所、労働者に対する補償、仕事の斡あつ旋せん・確保を行うこと。

四、貴社設置の技術検討委員会を集中して開催すると共に、会議ならびに議事録を公開とし、検証内容を速やかに公表すること。

五、他の類似工事についても早急に調査・総点検を行い、結果を公表すること。

申し入れは、堀内照文衆院議員、松田隆彦県委員長、金田峰生国会議員団兵庫事務所長と県・神戸・西宮・宝塚・川西・三田・猪名川の各議員団の連名で行われました。

(2016年6月19日付「兵庫民報」掲載)

「部落差別解消推進法」は部落差別の固定化・永続化法案

――広範な共闘で廃案めざそう


兵庫県地域人権運動連合事務局長 前田 武

二〇〇二年三月末で三十三年間にわたった国の同和に関する特別法が終結して十四年目となります。それなのに突然、自民党、公明党、民進党が通常国会に「部落差別の解消の推進に関する法律案」(部落差別解消推進法案)を提出してきました。部落解放同盟(解同)の機関紙「解放新聞」(五月二十三日付)には、「法制定へ前進―国会議員に要請行動」と報道しており、解同等の要請であることは明白です。

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昨年十一月十六日、自民党の二階俊博総務会長らによる「人権問題解決に向けた和歌山県集会」が東京・千代田区のホテルで開催され、この集会で稲田朋美政調会長が講演し、「匿名によるインターネット上の不当な人権侵害等が広がっている」と述べ、部落差別の法規制の必要性に言及しました。これを受けて二階総務会長の指示で自民党内に「部落問題に関する小委員会」を立ち上げ、山口壯つよし衆院議員(兵庫12区選出)が委員長に就任し、「部落差別解消推進法律案」をまとめたようです。さらに同党の政務調査会に「差別問題に関する特命委員会」(平沢勝栄委員長)が設けられ「議員立法を検討し、今国会中の成立」を目指す動きが作られました。

これが法案提出の経緯です。そして、同法案が衆院法務委員会で提出されていない五月十八日の段階で、理事会協議とした上で、翌日十九日には、自公・民進の三会派が法案を共同提案し、趣旨説明を行い、拙速にも二十五日の法務委員会で採択強行の動きが作られました。

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同法案には、部落差別の解消に向けて「国と地方公共団体の責務」「相談体制の充実」「国民の一人一人の理解を深める」「部落差別を解消するため教育及び啓発」「地域の実情に応じた施策」「部落差別の実態に係わる調査」などが含まれています。この法案制定を許すと、部落差別の固定化・永久化となり、事実上「同和行政」が復活されます。

そして、国民には、差別問題に特化した「人権教育・啓発」が際限なく強化され、国家による「思想統制」が強まることは必定です。同時に憲法で保障された基本的人権の具現化を求める要求や運動が抑圧されかねません。

そこで、全国人権連は二十四日、急ぎ上京し、衆参法務委員の五十五人の議員に対して、法制定に反対の要請行動を展開しました。二十五日の衆院法務委員会では、日本共産党の清水忠史議員がただ一人、四十分にわたって法制定反対の明快な質問を行いました。

結局、法案は継続審議扱いとされ、火種は残されています。次期国会に向けて、廃案に向けての広範な共闘の運動が求められているところです。

(2016年6月19日付「兵庫民報」掲載)

兵庫革新懇が全国総会報告集会

野党共闘の背景に地域での日常的な努力



参院選を直前にして野党共闘が大きく前進し一人区の選挙区すべてで統一候補が実現しました。こうした野党共闘が前進した背景に国民的な運動の広がりが指摘されていますが、政治の革新をめざして統一戦線運動を一貫して取り組んできた全国革新懇(平和・民主・革新の日本をめざす全国の会)がこのほど発足三十五周年に当たる第三十六回総会を開催。兵庫革新懇からも五人が参加し、六月四日、その報告集会として拡大世話人会議が開催され、代表世話人、世話人、地域・職場革新懇などから多数が参加しましました。

報告集会では、日本共産党の村上亮三県書記長が参院選をめぐる情勢と統一運動の前進について発言し、全国総会に参加した岡本毅一、前哲夫、段重喜代表世話人、からそれぞれ総会の報告がありました。

参院選の統一候補が誕生した背景に、中央段階の努力と共に、地域ごとの粘り強い要求に基づく共同行動、統一行動への日常的な努力・追求があることが指摘されました。

統一候補で唯一、共産党候補を生んだ香川県では、戦争法反対やTPP、原発問題に取り組むなかで校区ごとの革新懇づくりが進んでいることも報告されました。

全国総会と全国事務局長会議に参加した宮田静則兵庫革新懇事務局長は、兵庫での最近数年間の革新懇建設はまだ十分ではないが「県下全自治体に革新懇を」という取り組みは全国的にも注目されており、賛同団体と力を合わせて全国革新懇・兵庫革新懇ニュース読者を広く普及しながら組織建設にとりくみ、とりわけ青年革新懇を早く結成することが重要な課題になっていることを痛感した、と報告しました。

各地の革新懇からも全国の経験に学び活動を飛躍させたいという発言が有りました。
(堤隆二)

(2016年6月19日付「兵庫民報」掲載)

関西電力:原発再稼働にいまだ固執/避難者への社宅提供は拒否できず

原発なくす兵庫の会が関電に要請



原発なくす兵庫の会(原発なくし自然エネルギーを推進する兵庫の会)は六月六日、関西電力神戸支社を訪ね、関西電力に対する「高浜原発など全ての原発の再稼働をやめ、住民の安全・安心を確保する社会的責任を果たすことを求める要請書」を提出し、要請を行いました。この間、大津地裁の差し止め判断で混乱していると関電側が交渉日を延期していたものです。

関電側は、▽再稼働中止・廃炉については、「炭酸ガス排出がなく発電コストが一番安いエネルギーであり新規制基準に合格したものから再稼働をおこなう」「規制委員会委員長から安全の第一義的責任が会社にあるとの指摘を受け止め運転する」▽再生可能エネルギーへの抜本的転換については、「大阪南港などで設置しているが太陽光は夜は発電できないなど安定的供給できないものだ」▽住民の安全確保については、「要介護者運搬の介護車の提供、船・ヘリコプターなどを準備している」―と原発再稼働に固執する姿勢を示しました。

福島事故避難者への関電社宅の空き部屋提供の要請には、「受け止めさせてもらいます」と答えました。関電は昨年、電気料金値上げを国に申請した際、社宅の四割にのぼる空き家の維持費(年間約十一億円)を電気料金算定の原価に含めること求めたものの、経済産業省から減額査定されており、空き部屋提供の要請は拒否できませんでした。

なくす会代表の金持徹神戸大学名誉教授が、「原発は、未確立の危険極まりない技術でありやめるべきもの」「自然エネルギーについては、日本よりはるかに高緯度の西欧の努力に生ぶべきであり、蓄電技術の発展も知るべきだ」と指摘しました。

コスト論について金持氏が「放射性廃棄物処理、廃炉費用などでもう破綻済みだ」と批判したのに対し、関電は「国が安定した廃棄地を決める」と反論しましたが、「それはどこにあるのか」との問いに関電側は答えられませんでした。

「原発事故の責任が本当に果たせるのか」との問いに関電は「東電と同じ対応をする」と答え、「東電が、いまだに七万人以上が避難している被災者に責任を果たしているのか」と会側が問いただすと、「詳細は承知してないが、被災者の話は聞いた」と答えました。

会は要望を本社に伝えることを強く求め、関電も伝えると約束しました。

関電は六月二十八日、神戸で株主総会を開きます。

(2016年6月19日付「兵庫民報」掲載)

福崎町長選挙不当捜査:中止要請を敵視

国民救援会兵庫県本部と福崎町長選不当捜査をやめさせる会は六月八日、兵庫県警・県庁前で福崎町長選不当捜査に抗議する宣伝を行い、その後、県警への申し入れを行いました。

宣伝では、警察の不当捜査の実態と、福崎町で三百五十人の参加で開かれた住民報告集会の内容を掲載したビラを配布し、訴えました(写真)。

選挙期間中でも後援会など団体の内部活動は自由であり、警察の介入は思想信条・結社の自由の侵害であり、加えて出頭強要の捜査のやり方は人権侵害です。

国会でも日本共産党清水忠史衆議院議員の追及で、後援会員にニュースを送ることは法相自身も行っている当たり前の行為であることが明らかになっています。四月に行われた国連人権理事会の調査でも問題が指摘されました。

要請に対して、兵庫県警は「捜査は厳正・公平にやっている」と強弁、「養父と同様に住民の買収情報は放置したではないか」との指摘には「個別・具体には答えられない」と答えました。また、「書類送検したのか」どうかについても「答えないこともある」とするなど、要請を敵視する姿勢をとっています。

福崎町ではこの間の抗議、集会などの後、「呼び出し」は止まっていますが、捜査中止まで運動を強めることを救援会・やめさせる会は確認しています。

(2016年6月19日付「兵庫民報」掲載)

ノーモア・ヒバクシャ近畿訴訟全面勝利めざし、近畿のつどい

開会あいさつする全国原告団の和田副団長

「ノーモア・ヒバクシャ近畿訴訟全面勝利をめざすつどい」が同訴訟支援近畿連絡会と近畿弁護団の共催で六月十一日、大阪市内で開催されました。

最近の近畿訴訟で、国が執しつ拗ように被爆実態を否定する態度を取って、二回の控訴審が相次いで逆転敗訴の不当判決が続いたことに反撃するための集まりでもありました。

冒頭、全国原告団の和田文雄副団長(神戸市西区在住)が、「被爆者に冷酷な国を許せない。粘り強くたたかおう」と開会のあいさつ(写真)。

講演する斎藤医師
福島医療生協わたり病院の斎藤紀医師(日本原水協代表理事・核戦争防止国際医師会議会員)が、「なぜ原爆訴訟を継続するのか」と題して記念講演しました。

斉藤氏は、戦後を「被爆者のための法律がなかった二十四年」「法律ができたが四つの個別の原爆裁判に三十六年かかった時代」の特徴を明らかにし、このたたかいの成果の上に二〇一三年からの三百人以上の被爆者が提訴した集団訴訟、ノーモア・ヒバクシャ訴訟が、国の間違った被爆者行政を正し、被爆の実相を明らかにしてきたことを示しました。「なぜ勝利しようとするか」と問いかけた斎藤氏は、「原爆被害の実相解明にとどまらず、放射線線量の担体としての存在から、それを克服する人間としての存在へ、戦争と原爆投下を問い続ける主体としての自己形成のたたかいだ」と強調しました。

愛須勝也弁護団事務局長は、全国で七十人の原告の提訴で、近畿訴訟では最高裁への上告(二人)、控訴審(六人)、地裁(十四人)の裁判支援の強化を訴えました。藤原精吾弁護団長からは、ドイツの法曹界から招待で原爆症裁判のたたかいをレポートしたことが報告されました。

出席した六人の原告に会場いっぱいの八十六人の被爆者・支援者から力をこめた激励の拍手が送られ、訴訟勝利への決意を示しました。

(梶本修史=兵庫県原水協事務局長)

(2016年6月19日付「兵庫民報」掲載)

青年学生後援会MINEsミネーズ

MINEsの街頭宣伝をテレビも取材

日本共産党兵庫青年学生後援会MINEs(ミネーズ)が六月十二日、街頭宣伝と決起集会を行いました。

MINEsとは、金田峰生さんの峰(みね)をローマ字書きしたmineと、「わたしのもの」という意味の英語mineとをかけて、「私の選挙」「私の金田峰生」という思いが込められた名称です。

神戸での志位和夫委員長の街頭演説に先立って行った宣伝では、四十五分で百四人と対話になりました。選挙に行くかの問いには「行く」「行かない」が半々でしたが、「ブラック企業なくしてほしい」「学費下げてほしい」など願いが語られました。「ブラック企業の規制」にシールを貼った女性は、「主人の職場がブラックです。朝六時から深夜ゼロ時まで働いている。ブラック企業はなくしてほしい」と語り、JCPマガジンでブラック企業規正法を紹介すると「ぜひ実現してほしい」と語りました。宣伝の様子は民放テレビの取材も受けました。

街頭演説が終った後、決起集会では「国民の生活が苦しいのに目を向けない安倍をとにかく降ろしたい。戦争法に対して北東アジア平和協力構想など、対案を示している日本共産党に頑張ってほしい」「JCPマガジンの提案、それが実現すれば自分の生活も変わる。宣伝でもっと対話して多くの人に共産党の提案を知ってほしい」「志位さんの話には夢がある。自分も身近な友人から党の展望を話していきたい」と参院選への意欲を語り合いました。

(2016年6月19日付「兵庫民報」掲載)

灘区九条の会が「ピアノと講演の夕べ」

「緊急事態条項」の怖さ学ぶ


講演する深草弁護士

灘区九条の会(北後明彦代表)は十一日、六甲道勤労市民センターで、「ピアノと講演の夕べ」を開催しました。

地元のピアニスト・伊藤有美さんの演奏に続いて、深草徹弁護士が「緊急事態条項と憲法九条・立憲主義」と題して講演しました。

緊急事態条項の創設を〝お試し改憲〟の目玉にして独裁への道を開く安倍政権に対して、「危険・有害・不必要」と断じ、参院選を前に「ナチス・ヒトラーは民主的なワイマール憲法の緊急事態条項を悪用して、独裁体制を確立した」「広く、早く国民に知らせて、阻止しなくてはならない」と訴えました。

自民党改憲草案は①緊急事態の認定・宣言を内閣に委ね、国会は事後審査だけ②継続期間百日は何回でも延長でき、長期化が可能③対象事項に限定がなく、内閣独裁を招く④人権侵害の歯止めはない―と批判。また、「憲法に緊急事態条項がないのは欠陥ではなく、危険な弊害を防ぐため、あらかじめ拒否したもの」と指摘しました。

また、日弁連のアンケートでは、被災自治体の八割が国ではなく、現地主導を望み、緊急事態条項はむしろ有害で、法整備の拡充と日頃の訓練の重要性を強調しました。

参加者は「緊急事態条項は、憲法に自爆装置を組み込むようなもの」として、「憲法を守る政治を実現するために奮闘を」と、互いの決意を固め合いました。

(2016年6月19日付「兵庫民報」掲載)

「あさぎ」六月詠草:姫路年金者組合

芍薬を畑より五本持ち帰り夫は笑顔でわれにさし出す
ひとえ咲きうすいピンクの芍薬のほのかな香りわれをはなさず
藤原信子

見まわせば高齢者にて満席の公民館の古典の講座
一斉に音読をして始まりぬ公民館の古事記の講座
衣川有賀子

孫生れて夫と作りし鯉のぼり大きなまごいシーツいっぱい
父譲りの上布を解きつつ忍びおり袖を通した夏祭りの宵
山下直子

瀬をくぐり小石に立ちて羽ふるう鳥の名聞きて川烏と知る
白糸の滝を背にして水払う川烏の羽黒く光れり
常田洋子

体調の回復なして今年またトマト胡瓜に茄子の苗買う
苦土石灰混合肥料で土作り今年も沢山実れと耕す
田渕茂美

(2016年6月19日付「兵庫民報」掲載)

ついに辞任:段重喜


(2016年6月19日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

五十九回目の国民平和大行進が間もなく兵庫県入りする。一九五八年、東京での第四回原水爆禁止世界大会へ西本敦が広島から行進を開始した。到着時には一万人に膨らんだ平和行進は、「歩くという人間の最も初歩的な行動」で、原水爆禁止の「人類的課題を訴えたい」というものだった▼水爆実験を繰り返す米国に、日本の女性たちは「名前を書く」ということで対抗する原水爆禁止署名を三千万余に広げ、今日の原水爆禁止運動を築いた(一九五四年)▼朝鮮戦争での原爆使用計画はわずか八カ月で集められた五億ものストックホルムアピール署名が断念に追いやった。キッシンジャー元米国務長官は、「平和の重要なことと、核戦争の恐怖ということに同意する他には、別に何も求めないというアピールは、ほとんど抵抗を許さない力を持っていた」と断念の理由を語った▼「歩く」「名前を書く」という原初的な行為が大きな力を作り出したように、「戦争する国にしない」「誰の子どもも殺さない、殺させない」が、今、日本の岐路を左右する争点になっている。さあ、参院選だ。 (K)

(2016年6月19日付「兵庫民報」掲載)