借り上げ住宅協議会、弁護団、日本共産党神戸市議団、金田氏らが抗議
久元喜造神戸市長が二月十六日、借り上げ復興住宅・キャナルタウンウエスト住宅の入居者に対し住居の明け渡しと損害賠償を求め、神戸地裁に提訴しました。
これに対し、ひょうご震災復興借り上げ住宅協議会は十八日、「暴挙に強く抗議し、提訴の撤回を求める」声明を発表しました。
声明は、
- ▽神戸市がすべての入居者に退去を強要し、話し合い解決を求める入居者や借上復興住宅弁護団、協議会の要請に一切耳を傾けず、拒否してきたこと、
- ▽提訴の法的根拠について、入居者保護の規定、公営住宅法二五条二項(事前通知義務)を意図的に無視していること、
- ▽損害賠償を求める根拠としてあげている市営住宅条例五〇条一項七号について、昨年の市民意見募集への応募七百余件中、賛成意見ゼロであり、市民は法的手段でなく話し合い解決を求めていること、
- ▽市は「退去に応じた住民との公平性」をあげているが、被災者間に不公平をもたらしたのは神戸市自身だったこと、
- ▽宝塚市、伊丹市では全世帯の継続入居を認め、西宮市も弁護団との間で協議をはじめていること
―をあげ、冷静に協議する道を選択すべきだと主張しています。
また、二十九日にはキャナルタウン住宅集会所で市に抗議し入居者を励ます集会の開催を予定しています。
神戸市の退去強要「提訴」に抗議し、入居者を励ます集会/29日(月)13時30分/キャナルタウン住宅2号館1階集会所(JR兵庫駅南)/ひょうご震災復興借り上げ住宅協議会
また、今回提訴された入居者三人の代理人である借上復興住宅弁護団は十六日、団長名で次の声明を発表しました。
「借上復興住宅問題は、入居者の居住の安定や今後の退去問題を考えれば、交渉による解決を図ることが最善であった。それにもかかわらず、このたび神戸市が、敢えて、提訴による追い出しを図る暴挙に出たことは、復興災害の最たるものであり、極めて残念である。
弁護団は、支援者の方々とともに、この残された震災復興の解決に向け、今後も全力で入居者のために対応する所存である」
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日本共産党神戸市議団も十七日、提訴撤回を求める市長あて要望書を提出し、住宅都市局に申し入れました。
要望書では、
「不安と恐怖におびえる被災者である入居者を法廷にたたせることは、住民の命と暮らしを守る地方自治体・神戸市の責務を真っ向から否定するものといわざるをえない」「復興支援施策に重大な禍根をのこすものであることを厳しく糾弾する」としています。
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17日の定例宣伝でも神戸市の暴挙を批判する金田氏 |
日本共産党兵庫県委員会の松田隆彦委員長と党国会議員団兵庫事務所の金田峰生所長は連名で十八日に声明を発表、
「行政が市民の生活基盤を壊そうとする暴挙であり、満身の怒りを込めて抗議」し、「直ちに提訴をとり下げ、希望者全員の継続入居を認めるよう強く要求」しました。
(2016年2月28日付「兵庫民報」掲載)
