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2016年2月28日日曜日

借り上げ住宅入居者に退去強要:神戸市は提訴撤回を

借り上げ住宅協議会、弁護団、日本共産党神戸市議団、金田氏らが抗議


久元喜造神戸市長が二月十六日、借り上げ復興住宅・キャナルタウンウエスト住宅の入居者に対し住居の明け渡しと損害賠償を求め、神戸地裁に提訴しました。

これに対し、ひょうご震災復興借り上げ住宅協議会は十八日、「暴挙に強く抗議し、提訴の撤回を求める」声明を発表しました。

声明は、

  • ▽神戸市がすべての入居者に退去を強要し、話し合い解決を求める入居者や借上復興住宅弁護団、協議会の要請に一切耳を傾けず、拒否してきたこと、
  • ▽提訴の法的根拠について、入居者保護の規定、公営住宅法二五条二項(事前通知義務)を意図的に無視していること、
  • ▽損害賠償を求める根拠としてあげている市営住宅条例五〇条一項七号について、昨年の市民意見募集への応募七百余件中、賛成意見ゼロであり、市民は法的手段でなく話し合い解決を求めていること、
  • ▽市は「退去に応じた住民との公平性」をあげているが、被災者間に不公平をもたらしたのは神戸市自身だったこと、
  • ▽宝塚市、伊丹市では全世帯の継続入居を認め、西宮市も弁護団との間で協議をはじめていること

―をあげ、冷静に協議する道を選択すべきだと主張しています。

また、二十九日にはキャナルタウン住宅集会所で市に抗議し入居者を励ます集会の開催を予定しています。
神戸市の退去強要「提訴」に抗議し、入居者を励ます集会/29日(月)13時30分/キャナルタウン住宅2号館1階集会所(JR兵庫駅南)/ひょうご震災復興借り上げ住宅協議会

また、今回提訴された入居者三人の代理人である借上復興住宅弁護団は十六日、団長名で次の声明を発表しました。
「借上復興住宅問題は、入居者の居住の安定や今後の退去問題を考えれば、交渉による解決を図ることが最善であった。それにもかかわらず、このたび神戸市が、敢えて、提訴による追い出しを図る暴挙に出たことは、復興災害の最たるものであり、極めて残念である。
弁護団は、支援者の方々とともに、この残された震災復興の解決に向け、今後も全力で入居者のために対応する所存である」

*
日本共産党神戸市議団も十七日、提訴撤回を求める市長あて要望書を提出し、住宅都市局に申し入れました。

要望書では、
「不安と恐怖におびえる被災者である入居者を法廷にたたせることは、住民の命と暮らしを守る地方自治体・神戸市の責務を真っ向から否定するものといわざるをえない」「復興支援施策に重大な禍根をのこすものであることを厳しく糾弾する」
としています。

17日の定例宣伝でも神戸市の暴挙を批判する金田氏

日本共産党兵庫県委員会の松田隆彦委員長と党国会議員団兵庫事務所の金田峰生所長は連名で十八日に声明を発表、
「行政が市民の生活基盤を壊そうとする暴挙であり、満身の怒りを込めて抗議」し、「直ちに提訴をとり下げ、希望者全員の継続入居を認めるよう強く要求」しました。

(2016年2月28日付「兵庫民報」掲載)

県の借り上げ住宅入居者が再判定申し立て

年齢で線引きせず個々の実態で判定を


兵庫県は、ことし十二月に借り上げ期限を迎えるUR借り上げ復興県営住宅の継続入居可否判定の結果を昨年十二月二十二日に発表しましたが、該当する住宅百四十一戸のうち八十七世帯が判定を申し込み、八十五世帯が継続入居可、二世帯が不可と判定されました。

県は、七十五歳未満の世帯について、厳しい要件を設け、年齢による事実上の「線引き」を行っています。

「職員から申請を拒まれた」「申請してもむだだと思った」という声が入居者からの相談で寄せられていることから、借上復興住宅弁護団は、七十五歳未満の入居継続要件の見直し・改善を求めていきたいとしています。

再審査を申し立てる沖さん(左から二人目)

不可とされた二人のうちの一人、沖銀波さん(64)が二月十九日、再判定を申し出ました。

沖さんは最初の判定申し立ての時、要支援二でしたが、その後に患った脳梗塞で、右脚まひの後遺症が残り、さらに腰脊柱管狭窄症も加わり、両足が不自由となり、身体障害者六級の認定を受けました。さらに介護認定の再調査を受け、新たな認定が三月に出る予定です。こうした実態で判断してほしいと、再申し立ての書類を県の住宅管理課に提出しました。

(2016年2月28日付「兵庫民報」掲載)

憲法が輝く兵庫県政へ[19]:但馬空港

赤字の県営但馬空港:住民目線で見直し、地域振興を

日本共産党県議団事務局長 児玉憲生

「六十四空港の赤字額百五十五億円。毎年税金で巨額赤字を穴埋め」(二〇一六年一月九日付、産経ニュース)…全国の地方空港のすべてが赤字経営で、税金で赤字を穴埋めしている実態です。兵庫県の但馬空港も、その赤字空港のひとつです。

*
但馬空港は、朝と夕方の二便(伊丹空港まで)運航し、乗客数は二万九千人ほどとなっていますが、利用率は六割台で、「空気を運んでいる」と皮肉が聞かれたこともあるほどです。

赤字路線ゆえに航空会社からの着陸料などの収入はなく、会議室や空港燃料の販売などの収入が年間六百万円ほどあるだけです。

その一方で、県予算としては、「但馬空港管理費一億六千百七十一万円」、「空港維持修繕費一億五千百八十六万円」、「但馬空港運航対策費補助等一億三千三百八十九万円」(=赤字補てん)の合計四億四千七百四十六万円が毎年県民の税金から投入されています。そして、空港周辺の公園に一千七百万円を使っています。

また、空港利用者を増やす(かさ上げする)ために、周辺自治体で、「但馬空港推進協議会」をつくり、利用者補助や欠航代替バス運行助成などを支出(一人二千五百円で、年間百七十二万円・二〇一三年度)。さらに、豊岡市・養父市・朝来市・香美町・新温泉町の各町で合計六千四百万円の独自補助もしています。

すべて合わせると県・市町合計で、五億三千万円あまりの税金を毎年のようにつぎこんでいます。

*
最近になって話題になっているのが、運航する日本エアコミューターの旅客機の更新です。

実は、但馬空港は開港前から赤字路線が明瞭だったため、運航会社が進出をためらっていました。そこで、通常、運航会社が所有する旅客機を県で購入し「無償貸与」しているのです。

現在の機種(約十二億円)から、最新鋭機に更新するには約二十八億円(カタログ価格)とされ、二〇一八年度から就航する予定をたてています。

開港時に無償貸与したことを、当時の新聞は、「全国自治体初」「県の執念の産物」とかかれるほど異例の対応でした。その理由を県は「但馬地域の地域活性のため」と説明しますが、それによる経済効果はとぼしく、より効果をあげるために、有識者らによる利活用検討会議で、羽田直行便の実現をめざすとかかげていますが、実現の見通しは全くたっていません。

*
「地方創生」が叫ばれるなか、但馬地域は、市町合併や病院再編など、政府と県の政策によって、疲弊がすすんできました。今後TPP加入も大きく影響をあたえます。

「地域活性化策」と称して但馬空港に税金をつぎこみつづけていますが、他方で、高規格道路建設をすすめ、都市部へのアクセスが改善されるなかで、空港の必要性は以前よりますます薄らいでいます。

*
公共事業や過去の巨大インフラにたよった地域振興は時代遅れとなっています。税金の使い方、但馬空港のあり方について、住民の目線で抜本的に見直すことが求められています。

(2016年2月28日付「兵庫民報」掲載)

憲法県政の会が総会:2017年県知事選挙へ

県政転換の共同ひろげよう


「憲法が輝く兵庫県政をつくる会」は十八日、神戸市内で第十二回定期総会を開き、二〇一七年夏の知事選挙にむけた「基本戦略」などを討議し、確認しました。

代表幹事で神戸女学院大学教授の石川康宏さんが開会挨拶。「憲法が輝く県政の実現へ政治と国民意識の急速な変化にこたえるとりくみを広げよう」と呼びかけました。

自治体問題研究所の岡田章宏理事長、市民にあたたかい神戸をつくる会の津川知久共同代表が来賓挨拶。「大きな危機を迎えている地方自治を守り、地方から政治を変えるとりくみを重視しよう」(岡田氏)、「二〇一七年は知事選挙につづいて神戸市長選挙があり、二人三脚でがんばっていきたい」(津川氏)と訴えました。

北川伸一事務局長が運動方針を報告。知事選挙にむけた政策活動、地域の会の再開・強化、いっせい宣伝、SNSの活用などの強化、選挙直前となる来年四月の大集会の開催、候補者選考のとりくみなどを提案しました。

日本共産党の、きだ結県議が、県の新年度予算案について「国の意に沿って組んだものとなっている」と指摘するとともに、県民の世論と運動、議会論戦で切り開いた前進面も紹介しました。

討論では、参加した各団体の代表らが「翁長知事が初当選した沖縄知事選挙のようなたたかいにしよう」「十八歳、十九歳が新有権者となる。積極的に若い人へのアプローチを」「戦争法や原発再稼働を容認するような県政は転換しよう」「公共交通をしっかりと支える県政を実現したい」と決意を語りました。

(2016年2月28日付「兵庫民報」掲載)

2016年度兵庫県予算案:社会保障ほとんど伸びず

六年ぶりに増加した一般会計


兵庫県の来年度予算案は、一般会計で一兆九千四百九十五億円(前年比一・四%増)で、歳入面では、県税等を過去最高となる八千百十九億円見込み、県債(借金)は一千百十億円と前年比一三%減となっています。五年連続で縮小していた一般会計の規模は、中小企業制度融資の増などを理由に、増加に転じています。

安倍政権の自然増分の大幅な圧縮方針のもとで、社会保障関係経費の伸びは一・八%に抑えられ、一体改革分の消費税充当事業では、子育て・保育分野での質的拡充が一部にありますが、若干の量的拡大があるだけで、県「第三次行革プラン」の基本方針は堅持しており、削られた福祉制度はそのまま。

一方、従来からの企業立地補助金(十八億円)に加え、本社移転などを促進するために新たな税の軽減を打ち出し、小野市で産業団地をあらたに開発。TPPにそなえ農地集積やブランド化をすすめ、名神湾岸連絡線や但馬空港の新しい機材導入予算などが提案されています。

「地方創生」も積極性欠く


井戸知事は、「地域創生元年」と意気込みますが、新規の「地方創生」の交付金(十二億円)は、「トライやる・ウィーク(職業体験教育)」など従来の事業を財源振り替えした事業もあり、「違いが見えにくい」「目玉施策に欠ける」と報道されるなど、他県が独自に給付制奨学金などを創設する積極的な姿勢とは対比的となっています。

県民の運動を反映した施策も


国の第三子保育料が軽減されるのにあわせて、県独自に第二子の保育料軽減(二・一億円)を発表。私立高校授業料の軽減で県加算を新設・増額、市町スクールワーカーの配置、特養ホームの補助単価や対象拡大、イノシシ生活被害防止対策、神戸電鉄粟生線の活性化にむけた支援など、これまでの県民運動・取り組みが反映した成果もあります。

中小企業振興条例の効果


昨年に議員提案で実現した中小企業振興条例の効果がどのように反映しているのかも注目されました。

制度融資の枠を三千億円から五百億円上乗せするなどがありますが、小規模企業も含めて、条例の内容を全面的に発揮しつくしたとは、まだまだ言えません。

現行計画の見直し、中小企業・小規模企業の悉しつ皆かい調査、支援策の強化など、今後の取り組みが求められています。

「震災関連」借金とは?


二〇一六年度残高で四千三百八十六億円の「震災関連」の借金を、「これがなければ三百二十億円の収支不足もない」(井戸知事の記者会見)と言い訳をしています。

しかし、そもそも、「創造的復興」と称して、阪神・淡路大震災からの震災復興を、復旧や被災者支援を中心にせず、従来型の大型開発で太らせてできたのが、現在の「震災関連」借金です。

実際に復旧のための借金は百億円あまりしかありません。

(2016年2月28日付「兵庫民報」掲載)

市民にあたたかい神戸市政を〈6〉:生活保護

裁判でようやく責任認める生活保護行政


神戸北生活と健康を守る会事務局長 東喜佐雄

高裁での勝利判決を喜ぶ支援する会の人々

裁判にいたるまで


神戸市北区で製パン・小売業を営むYさん夫妻は、近くに百円パンを販売するチェーン店が進出してきたため、営業収入だけでは生活ができなくなり、二〇〇九年十二月に生活保護を申請しました。

翌年の一月に保護申請が認められ、営業を続けながら生活保護を利用していました。

生活保護費の支給にあたって福祉事務所は、Y夫妻に対し、前月の繰越金を翌月の収入額に加算するよう誤った指導を行い、収入認定をした結果、収入が二重計上となり、そのため、生活保護費に過少支給が生じました。

過少支給となった期間は二十二カ月にわたり、妻が不審に思いケースワーカーに問い質したところ、福祉事務所は過失を認め、謝罪を行ないましたが、夫妻の要求に対して、過去の過少支給分については「二カ月しか遡及できない」と誠意のない回答に終始しました。

Y夫妻は、このまま「泣き寝入りはできない」との強い思いと怒りをもとに、二〇一三年三月十四日、神戸市長を相手に国家賠償請求裁判を起こしました。

神戸地裁の不当判決


裁判は神戸地方裁判所で、九回の口頭弁論が行われました。

争点は、利用者の収入申告が誤って過大に行われていた場合、福祉事務所がこれを適切に調査せず、過大に収入を認定し、そのために生活保護費を過少支給した場合に国家賠償法上、違法となるかというところにありました。

四人(原告妻・生健会役員・ケースワーカー二名)の証人尋問が行われました。

妻は、最低生活費を下回る保護費でどのような生活をしてきたのかを、「過少支給のあった期間は、三人目と四人目の子どもを出産した時期で、退院後一日だけ休み、少しでも収入を増やそうと休まず働いた。食事も、売れ残り、廃棄しなければならないパンでしのいだ。風呂も三日に一度にした」ことなどを切々と訴えられました。

原告代理人からのケースワーカー二名に対する尋問では、最初に担当したケースワーカーに対し、提出された証拠資料であるケース記録をもとに、収入の認定に当たって、原告の収入申告書の間違いを正しく修正しながら、そのまま放置し漫然と過少支給を続けてきたこと、次に担当するケースワーカーへの引き継ぎも十分行われていなかったことが明らかにされました。

しかし、被告の違法行為が裁判の中で明らかになったにもかかわらず、二〇一四年八月二十六日、神戸地方裁判所第四民事部は、被告神戸市の違法行為を認めず、「原告の請求を棄却する」判決を言い渡しました。

判決内容は、「市や福祉事務所に責任はなく、Y夫妻が誤って収入申告したことに責任があり、会計の専門家ではない福祉事務所の職員にとって誤りを見つけることは困難」というまったく不当な判決でした。

大阪高裁で勝利判決


地裁の判決言い渡し後の報告集会で、Y夫妻は控訴する決意を示され、ただちに大阪高等裁判所に控訴しました。

二〇一五年一月二十九日、大阪高等裁判所第一回控訴審では、原告妻の口頭意見陳述のみで、裁判長から被告神戸市に対し、本来支給されるべき額と過少支給された額を確認した上で、「本日で結審したい」との打診がありました。

原告側も、裁判所の意向を受け入れ、二月二十六日が判決言い渡し日と指定されました。

大阪高裁の当日の判決は、神戸地裁の判決をすべて変更し、福祉事務所の過失を全面的に認め、Y夫妻に対する損害額全額と慰謝料の支払いを認める画期的な内容のものでした。

神戸市の「上告断念」について


大阪高等裁判所での全面勝訴を受け、判決の翌日には、市役所前での「神戸市は上告するな」の朝ビラと、終了後、神戸市長に「上告を断念」するよう申し入れを行いました。

さらに、全国からのFAX集中、県下の各団体からもハガキを市長宛てに投函する取り組みなど、さまざまな運動を行ないました。

その結果、神戸市は、保健福祉局長名で「上告を断念する」との声明を同年三月九日付で発表しましたが、なんの反省も感じられない内容のものでした。

しかし、判決が確定したことによって、その後発生した過少支給の件では、福祉事務所の対応にも変化があり、差額を比較的早い時期に支給させています。

裁判闘争の支援とその結果


「Y夫妻国家賠償請求裁判を支援する会」を発足させ、裁判の傍聴には毎回多くの人が参加し、原告夫妻を激励するなどの支援を行いました。支援する会には、多くの団体・個人が結集し、大きく輪が広がるなかで、勝利判決が引き出されたと考えています。

それでも、原告として顔も名前も公表して裁判をたたかうには、非常に勇気がいったでしょう。

しかし、この裁判のおかげで、全国でも、過少支給で泣き寝入りしなくても済むことにつながりました。このことも大きな成果だと言えます。

(2016年2月28日付「兵庫民報」掲載)

神戸空港開港10年検証:ストップの会が集会

「希望の星」が「お荷物」に




「ストップ!神戸空港」の会は十六日、神戸市勤労会館で神戸空港の十年を検証したパンフレットの「完成記念集会」を開き、五十人が参加しました。

同会代表で医師の武村義人さんが「市民の税金が無駄づかいされないよう監視の目をもちつづけよう」と挨拶しました。


北岡浩事務局長がパンフレットの内容に沿って報告。震災復興の「希望の星」として三千百四十億円を投じて建設された同空港が、予測の六割の利用者、見込みの半分の着陸料収入で「飛ばせば飛ばすほど赤字を増やす空港」となっていると指摘しました。

神戸市が、関空と大阪空港をことし四月から運営する民間会社「関西エアポート」に神戸空港の運営権を売ろうとしていること、買いたたかれたうえ、負債を市が引き受けることになりかねないと指摘。運営権の売却ではなく、廃港と跡地利用も含めて市民的議論をおこそうと訴えました。

パンフレットは、A4判/本文30ページ/全ページカラー/定価200円/注文は、Fax078‐219‐8632へ/問い合わせ☎078・219・8632(Fax兼)

(2016年2月28日付「兵庫民報」掲載)

姫路女性後援会が2000万署名宣伝


二月二十一日午後、県女性後援会と姫路女性後援会は二月二十一日、姫路駅前で、金田峰生参議院選挙区予定候補と一緒に、二千万署名宣伝行動をおこない、十二人が参加。二十九筆の署名があつまりました。

金田峰生予定候補は、国会論戦であきらかになった、変質したPKOの内容、自衛隊が参加する南スーダンの危険な実態など紹介し、「憲法違反の戦争法をこのままにするわけにはいかない」こと。「市民運動が後押し」して、「日本共産党が提案していた『戦争法廃止』『立憲主義の回復』『安倍政権打倒』の野党合意がおこなわれ、参議院選挙での野党共闘が大きく前にすすみつつある」ことなど報告、さらにすすめるために署名にご協力を」と訴えました。

親子連れの若いご夫婦や、若いお母さん、中高年の男性が足をとめ、署名におうじてくれました。森由紀子姫路市議・桂忠次郎安保破棄兵庫県実行委員会会長も訴えました。

女性後援会の宣伝が終わるころには、同じ場所で引き続いて署名行動をする人たちが集まり、エール交換をして、署名行動を引き継ぎました。

(Web版のみ)

日本共産党西芦地区が2000万署名推進で活動者会議

野党共闘合意を確信に2千万署名達成・参院選勝利へ


日本共産党西宮芦屋地区委員会は二十一日、戦争法廃止の二千万人署名推進の活動者会議を開き約五十人が参加しました。

冒頭に、署名を五百筆以上集めている方の手紙が紹介されました――
「近所、知人をまわり、お好み焼き屋さんやスーパー前でも呼びかけています。遠方の友人には署名を送りお願いしています。戦争では、防空壕などに兄と逃げ回ったことを覚えています。戦争を起こさないのは責務だと思っています」。

活動交流では――
「友人と『孫を守りたいババの会』を勝手につくり、街頭などで青年に呼びかけている」
「必死になってつながりにあたっている。返信封筒も五十人くらいから返ってきている。さらに四百人に返信用封筒つきの署名を送ろうとしている」
「週一回通っているデイサービスで施設長に話して、毎回署名を集めている方がいる」
―など、多彩な取り組みが紹介されました。

また特別発言として、この間努力している世代的継承の課題について、野口あけみ西宮市議らが発言。「この間、若い世代を党や民青に迎えていることを語ると、『あそこにも若い世代がいる』と紹介してくれるなど、変化が生まれている。世代継承を議題にした交流会議も開催したい」と語りました。

最後に、庄本建次地区委員長が「五野党の野党共闘の歴史的合意は二千万署名を軸にした世論が大きな力になっている。これを確信に、署名目標達成と参院選挙勝利をかちとりましょう」と行動提起しました。

(2016年2月28日付「兵庫民報」掲載)

西はりま日本共産党後援会結成



西播の日本共産党後援会は四十年近くも「西播地区連絡会」のままでした。兵庫県の四分の一の面積を占める西播が「このままでいいのか」との声に押されて、二月十五日、姫路労働会館で四十七人が参加して「日本共産党西はりま後援会」の結成総会が開かれました。

準備会の代表から会則の提案がありました。その中心は五つの事業です。

  1. パソコン教室を実施する。ホームページを立ち上げニュース作りや後援会活動に役立つ情報を提供する。
  2. 会の動きを広く知ってもらうため「西はりま後援会ニュース」を発行し日刊「しんぶん赤旗」に折りこむ。
  3. 単位後援会の立ち上げを援助するため「出前講座」や学習会を行う。
  4. 親睦行事では、南部地域の後援会は北の地域でりんご狩りやバーべキューなどを楽しみ、北部地域の後援会は南の地域で潮干狩りや海水浴などを楽しみ交流するなど。
  5. 会の財政を確保するため一口千円程度の賛助会員を募る。


ホームページの担当者からスライドを使って補足説明がありました。そのポイントはどうしたら若者が参加できる後援会をつくれるかについてで、その目玉としてメール会員を募集したいとの提案がありました。

後援会活動の経験交流では六つの後援会が発表。近々立ち上げようという後援会や四カ月前からニュースを発行しはじめた後援会、のべ五十人が二カ月かけて役所の有権者台帳を閲覧し八千三百人の選挙台帳をつくった後援会、ニュースを二千二百部も発行している後援会、発足十七年目の後援会、など多彩な報告がありました。

その後、後援会長や五市六町の代表を含めた役員二十人が選ばれ、松本滋後援会会長(兵庫県立大学名誉教授)から「六十二人の富豪が世界の富の半分を独占。日本では安倍暴走政治が老人からお腹の赤ちゃんまで徹底的に痛めつけている。この末期的状況を共産党の大躍進でくつがえそう」との訴えがありました。

最後に、松本会長の音頭で「団結ガンバロー」を力強く三唱して終了しました。

(安積弘允=西はりま後援会事務局長)

(2016年2月28日付「兵庫民報」掲載)

県AALA連帯委員会:ISとテロ解決の展望学ぶ


兵庫県AALA連帯委員会は二十日、「ISとテロ解決の展望」と題し、川田忠明日本平和委員会理事を迎えた講演企画を開催し、約百人が参加しました。

はじめに神戸市外大の名誉教授でもある大塚秀之理事が主催者挨拶。大塚氏の専門はアメリカ。その大統領選挙に触れながら、「アメリカ世論の変化、そして日本の変化もある。世界に視野をひろげ、諸活動にとりくむ力にしましょう」と呼びかけました。

川田氏は講演で、ISとテロの問題について、「理性と文明が問われている」として、根本には、文明の「衝突」か共存かという問題があると提起。ISの源流が、アメリカの戦略のなかで生み出されていることや、ISに共感が広がる背景として反米感情と域外での差別などによる社会的閉塞感と理想郷への憧憬などもあると述べました。

そのうえで、軍事作戦が事態を悪化させていると指摘。解決に向けてとるべき四つの対策―①金・武器・人の流れを絶つ②テロの土壌をなくす③当事国の内戦・混乱を解決する④難民の人権を守る支援―をあげました。

そして、日本のとるべき態度として、戦争法による軍事支援は、報復の連鎖を生むだけでなんら解決策にならないと指摘し、二千万人署名の意義についても触れました。

(2016年2月28日付「兵庫民報」掲載)

西神ニュータウン9条の会:9周年のつどい

元高裁長官の林氏が安倍政権の立憲主義破壊を批判


神戸市西区の西神ニュータウン九条の会は、二月二十日創立「九周年記念の集い」を開き、二百三十人が参加しました。

集会では「手紙」と題する紙芝居・朗読、ニュータウン在住の神澤のりこさんのシャンソン「ヒロシマ」独唱などのあと、元裁判官の林醇さん(元神戸地裁所長、元高松高裁長官)=写真=が「ゆらぐ憲法」と題して講演しました。

林醇さん
林さんは、立憲主義について、国民と国家との関係についてなど、民主主義国家の基本を元裁判官らしい語り口で講演。「国家が国民に権力行使するのは憲法で正当性が基礎づけられているから」として、安倍政権の立憲主義をこわすやり方の不当性を厳しく批判しました。

元裁判官の講演とあってか、裁判所などの法曹関係者が広く県外からも参加されており、質疑応答でも「国民に開かれた裁判を」など、熱心なやり取りがありました。

(松本勝雄)

(2016年2月28日付「兵庫民報」掲載)

電力自由化Q&A:わが家はどうなるの?[3]

Q、新電力って沢山あるらしいけど、どこを選べばいいの?

電力兵庫の会 速水二郎


Q 全国にある新電力はどれくらいあるの?

A 資源エネルギー庁への登録は二〇一六年一月末現在百三十社となっています。

*
Q 新電力はどのようにして電力を調達しているのですか?

A 自社で火力、太陽光などの発電所を所有し発電する新電力もあれば、他の電力会社や日本卸電力取引所などで電力を購入するケースもあります。新電力の電力提供は全国エリアと考えて差し支えありません。ただし、新電力によってどこで販売するかは異なりますので、契約前に確認しておく必要があります。

*
Q 新電力の電力が枯渇したり、倒産した場合の対応は?

A 何らかの理由で新電力の発電所から電力供給ができなくなった場合は、自動的にその地域を供給区域とする電力会社から電気が供給され、電気が止まることなく新電力の契約料金で継続して電力供給が得られます。

また、新電力が倒産などで事業が継続できなくなった際には、電力会社には「最終保障約款」に基づき需要家に電気を供給する義務があるため、電力会社から電気の供給を受けることができます。

*
Q 停電などトラブルが起こったとき電力会社と新電力のどちらが行うのですか?

A 新電力へ切り替えた場合でも、今までと同じ電力会社の送電網により電気が届けられますので、停電などの原因によって異なりますが、電力会社が復旧にあたります。二〇二〇年四月以降も地域送配電会社が責任を持って対処します。

*
Q 新電力には「燃料費調整額」や「再生可能エネルギー発電促進賦課金」はないのですか?

A 燃料費調整額については、電力会社との契約と同様の負担を求める価格プランとなっているケースが多いようです。

再生可能エネルギー発電促進賦課金は、電気を使うすべての方が負担することが国の政策によって決められていますので、新電力から電気の供給を受ける場合も同様に負担することとなります。

*
Q 新電力の受け付けはいつから始まるのですか? 許容量が満杯になると断られるのですか?

A 既にはじまっています。新電力にもよりますが日本全体で見ると地方でかなり片寄りもあるようです。事業として始めたがまだ既存の電力会社と送電線と繋がっていない会社もあります。

許容量ということはあまり考える必要はないと思います。急ぐ必要はありません。じっくり比較・検討・調査し、決めれば良いのです。(終わり)



学習会:原発再稼働のいま、電力自由化を考える/3月2日(水)18時30分/高教組会館大会議室/定員70人・要事前申込/参加費500円(資料代)/原発をなくし自然エネルギーを推進する兵庫の会、ひょうごECOクラブ:☎078‐335‐3770(兵庫労連)

(2016年2月28日付「兵庫民報」掲載)

尼崎アスベスト訴訟(労災型)控訴審が結審

大阪高裁判決は5月26日


報告集会

神戸港からクボタにアスベストを運搬して肺がんで死亡した山本隆彦さん(享年六十三歳)と、溶接作業で耐熱手袋などから飛散したアスベストを吸い込んで肺がんで死亡した藤原信之さん(享年五十六歳)の遺族が、規制を怠った国とクボタの責任を問う労災型の尼崎アスベスト訴訟の控訴審第三回弁論が二月十五日、大阪高裁で行われました。当日は、雨まじりの冷たい風が吹き荒れる寒い天候でしたが、九十人が傍聴し、原告を激励しました。

原告弁護団は、労働者の生命よりも産業活動を優先した神戸地裁判決をあらためて批判し、一月二十二日の大阪建設アスベスト訴訟大阪地裁判決、同二十九日の京都建設アスベスト訴訟京都地裁判決は、双方とも国の責任を認め、京都では建材メーカーの責任も認めていることにふれ、「控訴審では、利益を求めてコスト削減を優先したため、そのしわ寄せが労働者の命に及んだ事実を真摯に受け止め、経済活動を優先させるのか、人命・健康を優先させるのかという価値判断を伴う重要な事件であることを認識の上、公正な判断を」と、訴えました。

この日で結審となり、判決は五月二十六日の午後一時二十分に言い渡されることが決まりました。
(粕川實則=アスベスト被害からいのちと健康を守る尼崎の会事務局長)

(2016年2月28日付「兵庫民報」掲載)

藤田佳代舞踊研究所:自由な発想で創作実験劇場

昨年11月のかじのり子リサイタルIVの舞台、撮影:中野良彦

藤田佳代舞踊研究所が「来る」をテーマにモダンダンス公演創作実験劇場を三月十二日に開催します。

「創作実験劇場」はモダンダンスの作舞者、舞踊手の育成のために開いているもの。これまで数々の実験的な作品を創出してきました。

今回は初の試みとしてジュニア生(小六~中三)が共作で「春の香」「夏の色」「秋の光」「冬の音」を発表。若い自由な発想で興味深い作品となることが期待されます。

また、けがで休んでいた金沢景子さんが復帰し、長田弘の詩の朗読による「最後の答え」を踊ります。


藤田佳代舞踊研究所モダンダンス公演:創作実験劇場/12日(土)16時30分開場(17時開演)/東灘区民センターうはらホール/ジュニア生からベテランまで新作11作品を発表/前売2500円、当日3000円/☎&Fax078‐822‐2066

(2016年2月28日付「兵庫民報」掲載)

兵庫山河の会「山河」62号より

六甲の谷間をわたる木枯らしをうけてビラ入れ春の香を待つ
山下 勇

シールズとママの会の行動の力強さに未来の光
鵜尾和代

テロリスト一人殺せば一〇〇人のテロリスト生む無人機攻撃
古賀哲夫

何としてもこの夏にはアベ政治ストップさせる絶好のチャンス
西澤 愼

パソコンを打つ指止めてため息よスーツの女性車内も職場
新井 幸

退院日言葉少なき子が二人ケーキ買い来て父を迎えり
塩谷凉子

空き室の増えゆく団地の荒れゆける花壇に冬陽しずかにきざむ
古賀悦子

キャベツ二個ドアの外に置いてあり無口な隣人姿を見せず
大中 肇

管野スガ伊藤野枝らの生涯に心揺れたる若き日遠し
山下洋美

被災地を走るバスの午後一時兜太の書掲げぬ「アベ政治許さぬ」
安武ひろ子

(2016年2月28日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

まちなかで小学四年くらいの女の子がお母さんに質問。「お母さん、ここに書いてある、ちりかみってなに」「エッ? ああ、ティシュのことよ」間髪入れずに返答あり。横で聞いていたわたしの驚きと気づき。ちり紙が死語になっていた▼考えてみれば身の回りのものでカタカナに転換しきっているものは他にもある。帳面がノート、写真機がカメラ、便所がトイレ、そして衣紋掛けが…これは古すぎるか。でも井上ひさしのことばを思い出して自らを慰めた。「主語―目的語―述語の語順が英語の主語―述語―目的語に置き換えられる事態でなければ日本語は大丈夫」▼そんなこと考えてたらまたぞろ現首相の聞くに堪えないことばが次々浮かんできた。政府批判を「レッテル貼り」といい、武力行使することを「積極的平和主義」といい、「わたしに任命責任がある」といいながら暴言・失態閣僚をそのまま放置する。憲法を無視するお人は日本語までも勝手な解釈でつかうのか。子どもたちの日本語教育のためにも一日も早くお引き取りを願わなくては▼ところで「なぜ、ちりかみって名前がついたの」と第二の質問が出ていたらお母さん、何と答えたのかな。 (T)

(2016年2月28日付「兵庫民報」掲載)