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2016年1月24日日曜日

阪神・淡路大震災21年:東日本にも思いよせ追悼・メモリアル

阪神・淡路大震災から二十一年の一月十七日、さまざまな催しが行われました。

○市民追悼のつどい



被災者ネット、福祉ネット、ボランティアグループ「すまいる」、県生健会、NPO法人Earthでつくる実行員会は、諏訪山ビーナステラスで地震発生の午前五時四十六分に黙禱するなどの「早朝追悼のつどい」を行いました。


また午前十時から神戸市勤労会館で「市民追悼のつどい」を開催、筑前琵琶と声明による音楽法要などを執り行いました。


挨拶で実行委員長の安田秋成さん(90)は、「国民の命と暮らしを守ることを第一とする国や自治体をつくるための一つのきっかけとして市民追悼のつどいは続けていく」と決意を語りました。

○復興県民会議メモリアル集会



阪神・淡路大震災救援・復興兵庫県民会議は、神戸市勤労会館で「メモリアル集会」を開き、三百人が参加しました。

代表委員の菊本義治さんが挨拶。岩田伸彦事務局長が二十一年を経ての課題などについて、借り上げ復興公営住宅の転居強要、災害援護資金の返済免除、支援法拡充の緊急性などを報告。「消費税一〇%になれば三千万円で住宅再建しても支援金三百万円が税金で消える」と訴えました。

ひょうご借り上げ住宅協議会の段野太一運営委員は、神戸市の議事録も示し、「行政は、そもそも二十年で退去と入居者に説明していなかった」と指摘。「継続入居へ最後までがんばる」と訴えました。

日本共産党の森本真神戸市議が新長田駅南の再開発のスライドを示しながら、シャッター街、過剰な店舗床など失敗の実態とともに、にぎわいをとりもどす住民の取り組みを紹介。県と神戸市が発表した行政機能の一部移転と庁舎ビル建設が苦肉の策であり「人、街、暮らしがもどってこそ復興」と語りました。

福島県浪江町の馬場有町長が「浪江町が受けた原発被害と現状」と題して記念講演。「私も原発推進論者でした」と反省を込めて語り、いまだに事故原因究明も検証もないこと、原発再稼働の動きを批判し、「原発はもういらない」と訴えました。いまだに町内全域、二万一千人全町民が避難指示によって福島県内外に避難、「戻りたい」(一七・八%)「戻らない」(四八%)という回答の町民アンケート結果も紹介。再生可能エネルギー活用など復興まちづくりの計画も紹介しました。

借り上げ住宅の継続入居、最低五百万円への引き上げなど被災者支援法の拡充などを訴えた集会アピールを採択しました。

○震災復興長田の会メモリアルウオーク



震災復興長田の会の呼びかけで開催された「長田メモリアルウオーク」には、百十五人が参加しました。

JR新長田駅南側の再開発地域を中心に、コースの要所ごとに震災当時の写真などを掲載した資料を手に、震災から二十一年目の長田区を歩きました。

ウオーク後、神戸平和と労働会館で開いた交流会では、被災者から当時の状況や今も続く苦しみが語られ、県や神戸市の復興施策が被災者無視で進められていることが訴えられました。

今年二十歳になるという震災後に生まれた青年は、震災のことを話でしか知らないので、自分の足で確かめたかったから参加したと語りました。宮城県からの参加者は、東日本大震災被災地の現状を報告するとともに、大災害を風化させない地元の取り組みを続けようと強調しました。

○1・17と3・11をつなぐ会



「市民追悼のつどい」に引き続いて、福島原発事故のために兵庫、大阪などに避難してきている被災者との交流会が開かれ、福島県だけでなく、茨城県、千葉県、東京都などからの避難者十家族がそれぞれの実情を話しました。

放射能から子どもたちを守ろうと避難したものの、とくに福島以外からの場合、原発被災者としてまわりに認めてもらえないなどの困難さや辛さを語り、このように話を聞いてもらえる場がほしいと訴えました。

(2016年1月24日付「兵庫民報」掲載)

阪神・淡路大震災21年――日本共産党兵庫県委員会が声明

生活再建と真の復興、防災施策の前進を


日本共産党兵庫県委員会が一月十四日、以下の声明を発表しました(標題は編集部)。

県庁記者クラブで声明を発表する
金田峰生氏と(左)と森勇治党県副委員長(右)

死者六千四百三十四人、全半壊(焼)約四十七万世帯の被害をだした阪神・淡路大震災から二十一年にあたり、あらためて亡くなられた方々、ご遺族のみなさまに哀悼の意を表するとともに、被災されたすべての方々に、お見舞いを申し上げます。

*
兵庫県や神戸市、西宮市が、借り上げ復興公営住宅の入居者に「二十年が期限」と退去を強制している問題は、昨年、兵庫県弁護士会の意見書発表をはじめ県内の世論と運動がひろがり、西宮市議会での退去提訴議案の全会一致による継続審議、県の判定委員会が入居者のおかれた条件を考慮して一定の継続入居を認めるなどの動きが生まれました。

しかし、「じわじわ首をしめつけられているよう。つらい毎日です」(神戸市議会での陳述)という借り上げ住宅入居者、やむなく転居を余儀なくされた人も少なくありません。西宮市につづいて神戸市でも、震災の教訓さえ投げ捨て、「ついのすみか」から被災者を裁判にかけてでも追い出そうとしており、こんなコミュニティ破壊の理不尽は、許されません。

宝塚市、伊丹市のように希望者全員の継続入居を実現するために全力をつくします。

*
阪神・淡路大震災では被災者支援金(最高三百万円)などの公的支援がなかったため、多くの被災者が災害援護資金(限度額三百五十万円)を借りて、その返済に苦闘してきました。昨年、堀内照文衆院議員が返済免除による救済を国会で要求したことをはじめ、世論と運動がひろがるもとで、少額返済者も免除の対象となることを国に認めさせるなど、解決へ大きく前進しました。

ひきつづき返済免除による救済に力をつくします。中小業者・商店への直接支援をはじめ住民本位のまちづくり、高齢化する被災者の見守りとコミュニティづくりへの支援施策の拡充など、ひきつづき奮闘します。

*
近年、二〇一四年の丹波水害など自然災害が相次いでいます。三月には東日本大震災から五年を迎えます。「個人財産の形成になる」といって民間の商店、工場、医療機関などの復旧を支援しないという旧来の災害対策の「原則」を取り払い、住宅と生業の再建に必要な公的支援を行うことを復興の基本原則にすえるよう、日本共産党は、国と自治体に求めて奮闘します。被災者支援金の五百万円への引き上げなど支援制度の拡充に力をつくします。

*
「防災」の名目で大型公共事業の復活をはかる自公政権の「国土強きよう靭じん化」ではなく、国民の命とくらしを守る真の防災・減災対策こそ必要です。日本共産党は、南海トラフ地震対策をはじめ、津波、高潮、洪水など水害、土砂災害への抜本対策、一刻も早い公共施設の耐震化と住宅の耐震化へ奮闘します。保健所や土木事務所の統廃合や職員の削減ではなく、医療や福祉の日常的なネットワークづくりや専門家の配置、橋や道路などの維持・管理、「防災」「老朽化対策」などに重点をおいた公共事業こそ急務です。

*
日本共産党は、阪神・淡路大震災二十一年にあたり、「国民の苦難軽減」の立党の精神に立って国会でも、地方議会でも、生活再建と真の復興へひきつづき全力をつくし、「復興県民会議」「借り上げ住宅協議会」などの諸団体や住民のみなさんと力をあわせて奮闘します。東日本大震災の復興のたたかいとボランティア派遣をはじめ、各地の被災者の運動と連帯した取り組みをすすめます。ことし夏の参議院選挙は、金田峰生を先頭に、戦争法(安保法制)廃止の「国民連合政府」実現、被災者の生活再建と防災施策の前進へ奮闘する決意です。

二〇一六年一月十四日 

日本共産党兵庫県委員会
 委員長 松田隆彦
 災害・東日本大震災救援・復興対策委員会事務局長 金田峰生

(2016年1月24日付「兵庫民報」掲載)

憲法が輝く兵庫県政へ[14]:農業

農業と平和は国の礎


兵庫県農民運動連合会 田中眞一郎

TPPで日本の農業が壊滅するという話は正しい。

もっとハッキリ言うなら、すっかり衰退していてTPPがトドメの一撃となりうる。

そんな状態だから、運動の成果でTPPへの参加を取り止めただけでは、日本の農業を魅力ある産業にできないと思っている。

*
一昨年の春に、淡路島の農家で大学を卒業した長男が、農業を継いでくれそうだと喜んでいたが、教職員に採用されてしまった。残念ではあるが、皆「ヨカッタネ」と声をそろえる。公務員なら安定した給料がもらえる。

対して農業で得られる収入はささやかだ。

天候不順でキャベツの値段が倍になった時、二百円のキャベツが高いと言われた事がある。テニスコート三面くらいの畑に千玉のキャベツが育っていた。全部二百円で売れても二十万円で終わり。翌月から次の収穫まで無収入で過ごすのだ。

だから、少しでも高く売りたい。

この時は大雪で、銀世界……キャベツは雪に隠れて見えない。雪をかき分けながら収穫するキャベツは寒さからアントシアニンで紫色に色づいていた。見事な出来栄えだったが、「寒さで小さいね」と値切られて二百円で売れなかった。

こんな状況で野菜を作っても、野菜には行政から補助金が出ないから、生計をたてる事は難しい。

農業に憧れて、野菜を作りたいという人がいても、会社員や公務員を定年まで勤めあげて十分な年金で生活が保障されている人でなければ無理だ。若い後継者など望めない。

水田稲作も低米価で赤字が当たり前になっている。五キロ=二千円の米は茶碗一杯に換算すると三十円だ。茶碗一杯三十円でも高いといわれてはどうしようもない。

家族経営の農家は年金をつぎ込んで農業を続けているのが実態だ。その一方で政府が推奨する大規模農家は借金が増えるばかりで、先が見えない。年金で賄える程度の赤字では済まないのだ。生命保険を担保に借金を続ける酪農家もいる。

*
農業は、食べる人があってこその産業だ。

しかし、世界で日本だけが二十年以上も労働者の賃金が増えず、不安定な非正規労働者が当たり前になった。低賃金では、食べるものも価格で選択せざるをえない。

私はかつて日雇い派遣で日当三千八百円の仕事が有ったり無かったりの生活をしていた。昼食に飲み物は百円で一リットル、食べ物は百五十円で一番カロリーの高いパンを買っていた。見回すと、日雇い派遣の全員が同じものを買っている。店で自由に選んだつもりが、選ばされている事に気づいた。

低賃金では年金も正社員のようには負担できない。現在、高齢者の年金受給額が減る一方なのも、現役世代の賃金が安すぎるから年金の原資が不足するのだ。

現役労働者が適正な賃金を得て、高齢者も不安なく暮らせる額の年金を受け取れる社会でなければ、安心安全な国産農産物は、行き場を失う。

農業の問題は農村だけでは解決しない。

*
七十年前、新しい憲法とともに、すばらしい未来像を持っていたはずだ。もう一度、日本社会に望ましい未来像を思い出し、今度はシッカリ持たなくてはならない。

今の政治は何もかも間違っている。

農業と平和は国の礎だ。農地を荒らし、戦争をする国に未来は無い。

(2016年1月24日付「兵庫民報」掲載)

市民にあたたかい神戸市政へ〈3〉:中学校給食(下)

安全・安心な自校調理で中学校給食の再開を(下)

神戸の中学校給食を実現する会 井村弘子

神戸市の中学校給食の問題としてこれまで、「おかずが冷たくおいしくない」「選択制で利用率が四割程度」「栄養教諭が配置されない」などがあげられていました。

全国各地でデリバリー方式から撤退


いま、全国で「民間委託・デリバリー方式」から「親子方式」「自校調理方式」への転換が相次いでいます。厚労省「大量調理施設衛生管理マニュアル」で「一〇℃以下又は六五℃以上の温度管理の配送」が義務付けられていますが、デリバリー方式では六五℃以上での配送が困難。一〇℃以下の「冷たい給食」は、「おいしくない」と生徒の利用率が低迷した結果、食育を推進することができなくなったというのが主な理由です。

姫路市では、年間一億円の費用で利用率一〇%台にとどまり、文科省の「学校給食実施基準」第二条(すべての児童・生徒に対し実施する)に反するとして、「デリバリ―方式」からの撤退の方向を打ち出しました。

神戸市は、政令指定都市では学校数が多く、デリバリー方式を選んだ例が多いとしますが、大阪市(百二十四校)でも、市民の運動で六年かけて「親子方式」への転換が始まりました。

兵庫県内でも、新たに実施を開始・決定した芦屋市は『自校調理方式』を選択し、川西市でも、実施計画の内容・方式は未定ですが「自校調理方式を基本として検討をすすめる」との基本方針を明らかにしています。

「自校調理」への転換市長の決断で可能


神戸市は、「デリバリー方式」採用の根拠の一つに、「経費が安く、すぐに実施できること」をあげていました。しかし、維持管理運営費は、他の方式より「デリバリー方式」の方がかさみます。(表参照)

各方式の年間財政負担(運営期間40年で割戻し)
単位:億円、神戸市教育委員会資料より作成
自校調理 親子 センター デリバリー
初期投資費 3.6 1.6 3.2 0.4
修繕更新費 6.6 2.7 5.6 0.4
運営維持費 16.2 18.6 13.6 18.4
年間経費
26.4 22.9 22.3 19.2

「デリバリー方式」は初期投資が少なくても、「異物混入問題」で明らかになったように、安全・衛生面への設備投資がおざなりにされ、監督指導がゆきわたらない致命的欠陥があります。

「自校調理方式」を選択した場合、初期投資費は約百四十億円かかりますが、市債償還年数二十年で負担すると、年間七億円程度ですみます。どちらの方式をとるかは神戸市の姿勢、市長の決断にかかっています。

また、「デリバリー方式」の準備で、すべての中学校の配膳室の整備が終わっており、これを活用すれば「親子方式」(小学校で調理した給食を近くの中学校に配送する)はすぐできます。

神戸の中学校給食を実現する会は、自校調理方式での給食実施を求める、新たな市長請願署名を開始しています。

憲法二六条が生きる「未来への投資」を


日本国憲法二六条は、「すべて国民は……ひとしく教育を受ける権利を有する」「義務教育は、これを無償とする」と定めています。「会」の代表でもある料理研究家の坂本廣子さんは「食は未来につながり、こどもが変わり、地域全体が変わる。給食は憲法の理念を生かした、未来への投資です」と語っています。

もう一度、署名積み上げ神戸市動かそう


「会」が神戸市全区に結成され五年。九万筆の署名が神戸市を動かし、「給食実施」が決まり、多くの保護者・市民に喜ばれました。

この五年間の運動の中で、よく学び、各地の給食も試食して、運動する側みんなも成長したドラマが山ほどあります。三人の子育て中のAさんは「私は母親のネグレクトで辛い幼児期を過ごしましたが、小中学校に通えたのは『給食』があったからです。中学校給食の運動に参加させてほしい」との手紙を「会」に寄せ、以来、運動に参加しました。

九万筆の署名活動では、運動会、音楽会、夏祭り、PTA役員にも訴えました。新たに始まった署名にも大きな反応が返ってきています。もう一度署名を積み上げて神戸市を動かしましょう。

(2016年1月24日付「兵庫民報」掲載)

日本共産党神戸市議団が借り上げ住宅明渡し請求中止を市長に申し入れ


日本共産党神戸市会議員団は十三日、久元喜造神戸市長に対し「キャナルタウンウェスト住宅入居者への明渡し請求の中止」を申し入れ、①入居者に送付した文書の撤回②入居者を裁判で追い出すようなやり方はやめ話し合いを継続すること③希望者の継続入居を認めること―などを求めました。

神戸市は、昨年十二月二十五日付で「借上げに係る市営住宅の明渡しについて(請求)」という文書を、借り上げ住宅のキャナルタウンウェスト(兵庫区)入居者に送付。「平成二十八年一月三十日をもって借上期間が満了」するから「借上期間満了日までに、市営住宅を明け渡すよう」迫ってています。

これは、「借り上げ期間二十年」を口実に、継続入居を求めている人たちを無理矢理追い出そうとするものです。年末にこの文書を受け取った人たちは「無理やり追い出されるのか」「住む家を奪われるのか」「追い出されたら、どうやって生きていったらいいのか」など、不安におびえながらの年末年始となってしまいました。

申し入れでは、神戸市の態度は、議会論議や県弁護士会の意見書等からみても容認できないと指摘。議会での論議を抜きに「市長専決処分」で提訴しようとしていることも厳しく批判しています。

申し入れには、金沢はるみ、大かわら鈴子、山本じゅんじ、西ただす、味口としゆき各議員が参加、住宅都市局の高木雅章住宅整備担当部長らが応対しました。

議員から、決算特別委員会住宅都市局審査(十月二日)で住宅担当局長が「公営住宅法にもとづく明渡し請求が合理性を有するかどうかまでは(国土交通省に)聞き取ってはいない」「公営住宅法三二条を盾に追い出すつもりはない」などと答弁していることを指摘。

さらに、神戸市が押し付けている「完全予約制」に応じることができない理由が入居者それぞれにあること、県弁護士会の意見書も「一人ひとりの事情に応じて対応することは、個人の尊重を基底とする日本国憲法の要請である」と指摘しているとして、コミュニティを壊して高齢者の命を縮めるようなやり方はやめ、個人を尊重した対応をと強く求めました。

高木部長らは「完全予約制に応じれば、文書は撤回することになる」「期日の一月末までは話し合いを続ける」「裁判になれば主張が認められるようにしていく」などと、入居者の実情を無視した答えに終始しました。「裁判で違法だとされたら、高齢者の健康を破壊したことなど、だれがどう責任を取るのか」との指摘に対しては、「判決には従う」としか答えられませんでした。

また、今回、文書を送付した入居者の入居許可証には「入居期限」が記入されていないことも認めました。

(2016年1月24日付「兵庫民報」掲載)

借り上げ復興住宅で健康・法律相談


「二十年が期限」と退去を迫られている借り上げ復興公営住宅の入居者を支援する「借上復興住宅弁護団」は、県保険医協会、兵庫民医連の協力をえて、一月十六日から三十一日にかけて、神戸市内を中心に九カ所で健康・法律相談会を開催しています。「継続入居がどうしても必要だという借上復興住宅の入居者の声を届ける一助に」と企画されたものです。

神戸市兵庫区の借り上げ住宅団地「キャナルタウンウェスト」の集会所で十六日、開催された相談会では、弁護士と民医連の医師・看護師らが相談に訪れた入居者の不安にこたえ、「市が退去を求めてきたら交渉します」(弁護士)などと激励しました。

同団地に住む女性(72)は「ぜんそくがあって、お薬手帳を持ってきました。やさしく指導していただき、とてもうれしかった」と語りました。入居者の男性(67)は「うちは十月が期限ですが、弁護士の先生が『応援します』とおっしゃってくれました。元気が出ました」と話していました。

(2016年1月24日付「兵庫民報」掲載)

明るい福崎町をつくる会が「感謝のつどい」:町民の理解と協力に感謝

「町民が主人公・憲法を暮らしに」と20年


「明るい福崎町をつくる会」が一月十七日、福崎町エルデホールで、「感謝のつどい」を開催し、二百五十名が参加しました。昨年十二月に任期満了を迎えた嶋田正義前町長の五期二十年にわたる町政を支えた福崎町民の理解と協力に感謝することを目的に開催されたものです。

つどいでは、町民が参加する団体による民謡や太鼓、ミュージカルなどの文化行事に引き続き、嶋田正義氏が記念講演を行いました。

講演する嶋田前町長

嶋田氏は、自らの生い立ちと中学校教師時代の体験を通して社会の矛盾を解決する生き方に到達したいきさつにふれた後で、町長選への立候補の決意にいたった経過、二十年間におよぶ町政運営のなかで努力したことを述べました。

嶋田氏は、町民が主人公、憲法を暮らしにいかすことを何よりも大切にし、そのために情報公開と職員の研修研けん鑽さんに特別に力を入れてきたことを報告。柳田國男の故郷である福崎町で、「『自律(立)の心を育て参画と協働のまちづくり』に努めてきた」と述べました。

講演の最後で嶋田氏は、昨年十二月の町長選挙時から兵庫県警と福崎署による不当捜査が引き続き行われている問題にふれて「何の違反でもない後援会活動を違反にしようとする『えん罪作り』を許さない」「憲法を暮らしにいかす立場で、憲法違反の不当捜査の中止を求めて頑張りたい」と決意を表明しました。

感謝のつどいでは、橋本省三町長が来賓として挨拶しました。また日本共産党の金田峰生参院選挙区予定候補のメッセージが紹介されました。

(2016年1月24日付「兵庫民報」掲載)

戦争法廃止2000万署名:日本共産党女性後援会がロングラン宣伝

16歳の少女たちも「戦争絶対いや」と署名


通りすがりに激励の声をかける人も

日本共産党兵庫県女性後援会は一月十六日、神戸・元町商店街東口で、「戦争法の廃止を求める統一署名」(二千万署名)のロングラン宣伝を行いました。正午から午後二時までの二時間、机をだしての宣伝に県下から十二人が参加。九十一筆の署名が集まりました。新婦人兵庫県本部内後援会の由利美香さん、同垂水支部内後援会の尻池直美さんが訴えました。

金田峰生参議院選挙区予定候補も駆けつけ、「国民連合政府を実現して戦争法を廃止し、立憲主義・民主主義をとりもどし、個人の尊厳といのちを守る政治の実現を」と訴えました。西ただす神戸市議も憲法を変えようとする安倍政権の危険性を訴えました。

十六歳の少女二人が「戦争なんて絶対いや」と署名に応じてくれたり、「野党共闘がどれだけできるかにかかってるね」(中年男性)、「安倍政権をやめさせなあかん」(車いすを押していた男性)、「共産党が頑張ってくれな困る」(五十代女性)などの声が寄せられたりしました。

(2016年1月24日付「兵庫民報」掲載)

金田氏と民青同盟がセンター試験受験生を激励


金田峰生参議院兵庫選挙区予定候補と民青同盟兵庫県委員会は十六日、阪急六甲駅前でセンター入試の受験生を激励する宣伝を行いました。

シールアンケートに答えた受験生からは「新聞を読むのが好きで、民青もネットで見て気になってました」「大学に入ったら政治や社会のことをもっと知りたい」という声や「学費を上げないで」「ブラックバイトをなくして」という切実な要求が次々と出されました。

(2016年1月24日付「兵庫民報」掲載)

第一四九回クリスタル短歌の会から

安武ひろ子選

いつの日も希望捨てぬとうシールズの若き女性に共感覚える
塩野菜美

わが団地大規模修繕始りて家具の移動で老は悲鳴を
大西千鶴子

福島救援ツアー

足伸ばし眠りたいと言う老人四年が過ぎる仮設ぐらしに
正津房子

福島救援ツアー

田や畑はフレコンバッグの黒き山除染の後の仮・仮置き場に
三浦良子

孤食より共食が良いと押しかけて友と味わう昼のにゅうめん
広瀬弘子

風呂上り鏡に映るわが姿思わず年齢を思う瞬間
清水淑子

大間崎若き夫妻の店ありてスルメのカーテン寒風に踊る
岡本征子

まだ高き夕日の公園に子らは群れ桜の紅葉木に揺れ映える
宮川菊代

四世代育てしわが家のものがたり古びし床のキシキシと鳴る
平野万里子

一点を争ふアメフトあと三秒キックの成否に総立ちの客
西嶋節子

温暖化時期たがえしかぼけの花小春日和にこぼれ咲きおり
島田国子

臥せおれば友もちくれしちらし寿司徳島風はこぼう入りなり
長谷川一枝

薄れゆく視力とどめんすべなくて苛立ち諦めと心はゆらぐ
植村千鶴

(2016年1月24日付「兵庫民報」掲載)

日本国憲法が危ない


段 重喜

(2016年1月24日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

阪神・淡路大震災の年は被爆五十年だった。当時、被災地に居住した被爆者は三千九百八十六人(全県で六千三百五十三人)。兵庫県原水協は被爆者を訪ね安否確認を行い支援活動を展開した▼兵庫県は、被爆者の安否確認すら行わず、「被災で住所異動は連絡を」の「お知らせ」を出したがそれを被爆者の手元に届ける措置もとらなかった▼原水協は、住所がわかる被爆者の会会員(神戸市内千百八十七人、芦屋市百十六人、宝塚市九十八人など)を住宅地図に記し、交通機関が途絶えた中、倒壊した住居から近くの避難所まで訪ね歩いた。神戸市内では約三分の一が全壊・全焼、半壊▼必要な救援物資を届け、落ちかけた天井などの補修、入浴や通院・入院の手配、ガレキの片付けや屋根のシート掛けなども行った。生活、健康など切実な要望、相談も寄せられたが、合わせて被爆体験、被爆者としての苦労が語られた▼この貴重な機会を子どもらにも聞かせようと、のべ二百二十五人の教員、青年が参加。「原爆にも地震にも負けない」と語り、逆に訪問者を激励した被爆者は、この二十年間に二千四百五十七人(全県三千六百九十八人)に激減。大震災二十一年・被爆七十一年を経る体験を引き継ぐ課題は今、大切になっている。 (K)

(2016年1月24日付「兵庫民報」掲載)