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2016年10月16日日曜日

ノーモアヒバクシャ近畿訴訟・傍聴記:2016-09-30

最高裁への要請署名運動を提起

副島圀義

九月三十日の大阪地裁第七民事部。原告側弁護士が、先の名古屋地裁判決の意義について意見陳述しました。
九月十六日の第二民事部とは、別の原告グループについて、別の裁判官が担当しているので、同趣旨の内容です。
本紙読者のみなさんには重複を避けて、主に報告集会で話されたことなどをご報告します。

①最高裁への要請署名運動が提起されました。大阪高裁の不当判決を打ち破るため、
一 大法廷での審理
二 口頭弁論の開始
三 原爆症との認定
を求める署名です。
本欄で前回「裁判…は公開法廷で…行うはずなのに(憲法八二条)」と、疑問・不満を書きました。
確かに「対審(当事者双方が裁判官の前でやり取りする場面)は公開」だから、明文的な違憲ではないかもしれません。
しかし、公開法廷ですら、書面や書類の扱いなどにかなりの時間が費やされ、原告、代理人、証人らが話したり議論したりするのはごく限られた時間です。最高裁となると、公開審理自体がめったにない、となれば、憲法の精神がいかかされていないと、やっぱり思うのです。

②国側が最近、原告被爆者一人一人について「その病気は被爆しなくてもかかる」という医師証言や意見書を次々と出す「戦術」をとっている、との報告がありました(毎回十数人もの訟務官が出てくるのもそのためかな?)。
「原爆症」という「特別の病気」があるのではなく、原爆の強烈で複合的・全身的なダメージ、被爆後長期にわたる生活崩壊・健康破壊等々によって、発病しやすく、治癒しにくくなっている「病気の総称が原爆症」です(強い放射線被曝による急性症状など一般にはない症状もありますが)。
放射線医学の専門家でもなく、被爆者医療に携わったこともない医師らに「心筋梗塞とか肝臓がんとかは被爆者でなくてもかかる」と証言させる「法廷戦術」は、蒸し返しで汚く、税金のムダ遣いでもあると思ったことです。

③「原爆症認定制度の抜本的な改定」「被爆者が裁判に訴えなくてもよいように、との合意を守れ」は、高齢の被爆者にとってはまことに切実です。
全国弁護団が日本被団協といっしょに国会要請をすることが報告されました。弁護団のみなさんの熱心さには頭のさがる思いです。

(2016年10月16日付「兵庫民報」掲載)

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