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2016年9月18日日曜日

「テロ等組織犯罪準備罪」:県弁護士会の市民集会で危険性が明らかに

安全・安心な社会に監視される?



兵庫県弁護士会は九月十一日、市民集会「安全・安心な社会に監視される?――どうして監視社会が止まらないのか」を開催。約百五十人の参加で会場の同弁護士会館講堂は満席となりました。
自民党政権は二〇〇三年から〇五年にかけ三回にわたり「共謀罪」法案を国会に提出。そのたびに「人権侵害だ」と国民からの批判をあび、いずれも廃案になっていますが、安倍内閣はこれまでの「共謀罪」規定を「テロ等組織犯罪準備罪」規定へと改め、臨時国会に提出しようとしています。
市民集会の開会あいさつで米田耕士県弁護士会会長は、「共謀罪」が導入されたらどんな社会になっていくか、ともに考えたいと集会の趣旨を説明するとともに、提出予定法案は従来の「共謀罪」法案と同様の危険性があり、法案の〝提出そのもの〟に反対する会長声明を同日付で発表したことを報告しました。
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第一部では、県弁護士会共謀罪・特定秘密保護法問題対策プロジェクトチームの弁護士らが寸劇で、共謀罪がすでに制定されている特定秘密保護法、通信傍受法、司法取引と組み合わされ国民のプライバシーを著しく侵害するありさまを示しました。
第二部では、ジャーナリストの斎藤貴男氏が、「共謀罪と監視社会」と題して講演し、密告が奨励されるとともに、マイナンバーや、「防犯」名目で設置が広がる監視カメラ・顔認識機能など、言論統制と監視システムが結びつき、国民みずからが権力批判の口を閉ざしてしまう危険性を強調。その背景には、格差拡大と戦争する国づくりという経済的利益追求、一種の帝国主義的な動きがあると指摘しました。
続いて、斎藤氏、日弁連共謀罪法案対策本部事務局長の山下幸夫弁護士、毎日放送元取材ディレクターの坪井兵輔氏が、吉田維一弁護士のコーディネートでパネルディスカッションを行いました。
山下氏は、提出予定法案では、対象を「組織犯罪集団」としているが、対象かどうかの判断は行為時であり、適法に成立している市民団体、労働組合や会社組織が「変質して組織犯罪集団に変化しうる」と法務省刑事局長答弁で明らかにされていることを紹介し、対象が限定されない危険性を指摘しました。
坪井氏は、東ベルリンに赴任していた時に見聞きした市民の相互監視や、取材で発掘した神戸市内の隣組の会報にみられる戦中の相互監視の様子などを具体的に紹介して、監視社会の危険性を告発しました。
堀内照文衆院議員も聴衆として参加しました。

(2016年9月18日付「兵庫民報」掲載)

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