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「あさぎ」九月詠草:姫路年金者組合

庭の草ひざつきながらがっちりと鎌で引き抜き少しほっとする
蚊帳吊草鎌にあたりていい香りそっと拾いて腰をのばしぬ
藤原信子

ヒロシマの十倍強き水爆の死の灰浴びし福竜丸帰る
治療より核の身体影響に重きを置きしアメリカの調査
衣川有賀子

私の出生生い立ち聞きたがる老婆はきょうも元気でリハビリ
介護士は自分の体の仕組を話し運動不足を酷く詰らるる
江藤雅江

軒にきて力の限り鳴く蝉よ今日は最後の七日目なのか
夫の挽くチェンソーできざみし楠の木は香り残してストーブの薪
山下直子

きらきらと床に光るは年を経たレースのカーテンミラーの残がい
新調のレースのカーテン遮光して冬暖かと効能謳う
常田洋子

EGFR遺伝子変異陽性の肺腺癌と診断を受く
貴女の肺腺癌の増殖を抑える薬イレッサがあると
田渕茂美

(2016年9月18日付「兵庫民報」掲載)