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2016年9月4日日曜日

劇団青年座『横濱短篇ホテル』

神戸演劇鑑賞会9月例会



奥山ハルコと柳井フミヨは、共に高校の演劇部員。このふたりの人生を、一九七〇年から一九九五年(+数年)まで五年毎に区切り、七話にまとめている。それはまるで短編小説のようである。場所は、横濱の老舗のホテル。客室や、喫茶室、ロビーラウンジで展開される。

第一話(ヤクザに追われて)、二話(人間観察)、三話(脅迫)、四話(初恋の人)、五話(離婚記念日)、六話(プロポーズ)、七話(ネックレス)。一話二十分。その中に伏線が仕掛けられている。話が複雑に思えるが、熟達した俳優たちの演技が、その伏線を感じさせずに、物語をスムーズに運んで行く。例えば、四話、初恋の人で、大野木健太に扮する大家仁志。農業高校の教師で登場する。まるでダルマのようにコロコロに太っている。椅子の方が小さすぎて、身体がはみ出る。そして、六話では、背広をきちんと着こなして登場する。四話と六話では、大野木健太の身体の落差に、あっと驚き、思わず息をのんでしまう。

さて、幕開きは、ホテルの一室で、映画監督と、プロデューサが真剣に話し込んでいる。彼等は次回作「夏子の冒険」の夏子役の女優を捜している。そこへ、ノックもしないで、飛び込んできた女性がいる。奥山ハルコである。さて…。

幕が下りると、人生って何。思わず出てくる言葉です。 (小谷博子)



劇団青年座公演『横濱短篇ホテル』/作=マキノノゾミ 演出=宮田慶子 出演=津田真澄、椿真由美ほか/①9月16日(金)18時30分②17日(土)13時30分/神戸文化ホール中ホール/会員制(入会時に入会金1,000円と月会費2カ月前納)、月会費3,500円(大学生2,000円、中高生1,000円)/☎078‐222‐8651、Fax078‐222‐8653

(2016年9月4日付「兵庫民報」掲載)

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