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2016年7月24日日曜日

借り上げ住宅の真実Q&A 〈4〉

Q: 別の市営住宅に引っ越ししたらええやんか…
A: 大切なコミュニティを失うことになります。

借上復興住宅弁護団 吉田維一

K:吉田先生、最後に、教えてもらいたいのですが、「別に追い出されるわけやなくて、別の市営住宅があるんやろ。引っ越ししたらええやんか」という方もおられます。

Y:年齢が高くなったり、病気や障がいを抱え、働くことが難しくなってきたりと、年を取ってくると、若いときには思ってもみなかったことが次々と待ち受けています。一言で「引っ越し」と言っても、若いうちの「単なる寝場所の住み替え」とはわけが違います。通院や介護の施設などはもちろん、ここに行けばこの人がいるという安心感、自分を気遣ってくれる人たちの存在は、私たちが生きていくためにかけがえのないものです。その目に見えないものを……

K:はい、「コミュニティ」ですね。

Y:震災から二十年以上経った今、借り上げ復興住宅からの転居は、単なる「引っ越し」ではありません。その人たちにとってかけがえのない大切な「コミュニティ」を失うことになります。

K:仮設住宅などで起きた孤独死などは決して繰り返されてはなりませんよね。実際に、転居していった方々はどうなったのでしょうか。

Y:自治体からは発表はありませんが、転居された方の中には、お亡くなりになった方や、ケガをされた方などもおられると伺っています。

*
西宮市役所へ向け訴える(昨年9月29日)

K:被災して二十年近くにわたって築いてこられた被災者の「終の棲家(ついのすみか)」を守り、継続入居を確保することで、あの震災で被災し、懸命にがんばってこられた方の健康な生活を守ることができます。みなさん、ぜひ、継続入居を求める署名にご協力ください。よろしくお願いいたします。

Y:署名用紙は、神戸あじさい法律事務所のホームページ(http://ajisai-law.jp/)から印刷していただくか、お電話をください☎078・382・0121。(終わり)

(2016年7月24日付「兵庫民報」掲載)

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