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借り上げ住宅の真実:Q&A [2]

Q: そやかて、税金めっちゃかかってんねやろ……
A: 内容をよくよく見てみましょう。
借上復興住宅弁護団 吉田維一

西宮市で宣伝する西宮・神戸両市議団(6月1日)

K:吉田先生、でも、私は、「そやかて、税金めっちゃかかってんねやろ」という声も聞きます。西宮市や神戸市、兵庫県といった借り上げ復興住宅から出ていってもらうという自治体は、税金の負担を理由にして、出ていってもらわないといけないって言ってるんじゃないんですか。

Y:清田さん、税金のことについては、報道内容をよくよく見てみる必要があるんです。

K:どういうことですか。

○全部を税金でまかなっているわけではありません


Y:そもそも、借り上げ復興住宅の入居者も、他の公営住宅の入居者と同じように、家賃を払っています。全部を税金でまかなっているわけではありません。

K:そうですよね。どうして、他の公営住宅と違って、税金がかかると言われるのですか。

○初期費用もかかっていません


Y:それは家主(オーナー)に賃料を支払うからです。でも、考えてみて下さい。他の公営住宅は、いわば、自治体が自前で建てた建物です。土地を取得したり、建物を建てたり、駐車場を整備したり等々、いろんな費用が最初にかかっています。

K:わかりました!借り上げ復興住宅の場合は、そうした初期費用が全くかかっていないのですね。

○20年たった後も国からの補助はあります


Y:その通りです‼さらに、清田さん、借り上げ復興住宅を実施している自治体には、国から補助金が出ていることは知っていますか。

K:はい、聞いたことはありますがどのくらい出ているのですか。

Y:家主に支払う賃料から入居者の方が支払った賃料を差し引いた額のうち、初めの五年間は四分の三、その後の六年目から二十年目までは、三分の二を国が負担しているんですよ。

K:そうすると、自治体の負担というのは四分の一とか三分の一なんですね。

Y:ところが、報道で紹介された税金の負担額というのは、国の補助金を含めた額で、自治体が実際に負担した正味の額ではないんです……。

K:えっ、そうなんですか!

Y:はい。しかも、二十年たった後も、国は補助金を二分の一に減額するものの補助自体は決定しています。

K:そうすると、三分の一負担から二分の一負担になるから……自治体の負担としては六分の一が増えるということですか……

Y:はい。ただし、入居継続希望の方のみ六分の一増となるんですね。

K:たとえば神戸市ではどうなるのですか。

Y:弁護団では詳細は分かりませんが、神戸市の数年前の発表資料やこれまでの報道等からすると、神戸市が税負担額として発表している三十四億六千万円のうち、国の補助金などを除いた借り上げ復興住宅に入居している部屋に神戸市が実際に負担している税負担額は五億円ほどと推測されます。他方、空室に神戸市が支払っている税負担額は九億二千万円ほどだと思われます。

K:そうすると、二十一年目からの増額と言っても、年間二億五千万円ほどだから年間の神戸市の負担額は七億五千万円……、三十四億六千万円とは全然違いますね。
吉田先生、たしか、西宮市は、URから住宅一棟を借りるという方式だったのではないですか。

○市営住宅として使い続けることを予定しているかのように西宮市は空き部屋に賃料を払っていました


Y:はい。西宮市と同じように一棟をそのまま借りていた他の自治体は、使わなくなった部屋を早期返還していました。西宮市は退去者が出ていても、空き部屋を返す交渉をすることなく、そのまま借り続け、誰も住んでいない部屋に賃料を払い続けていたのです。

K:まるで、そのまま二十年たった後も市営住宅として使うことを予定していたような税金の使い方ですね。

Y:清田さん、するどい指摘ですね。もともと返すことが決まっていたのであれば、この西宮市の空き部屋への賃料支払いこそ、税金の無駄遣いではないかと言われそうです。
続く

(2016年7月3日付「兵庫民報」掲載)

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