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2016年7月3日日曜日

図書紹介:廣岡豊著『さくら咲く街――自然エネルギーの普及は未来への贈り物』

実践先行の活動スタイルに脱帽

速水二郎(電力兵庫の会)

郵政労働運動をされていたころから知り合いの廣岡豊さんから「本ができたよ」と自費出版の『さくら咲く街――自然エネルギーの普及は未来への贈り物』をいただきました。手にするとずっしり、百三十五ページの労作、一気に読ませる内容で「こりゃ尋常の人生記録とちゃうね」と思いました。

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第一章=東日本大震災・東北へのボランティア活動のドキュメントはまさに感動です。

阪神・淡路大震災での被災体験から直ちに六甲道駅前での募金活動を皮切りに行動開始、携帯ガスコンロや支援物資調達、これを積むための自動車まで購入し、四月下旬夜を徹して石巻市へ、ガレキや腐った魚等の悪臭の中での被災者支援の苦労がリアルに記されています。

二〇一一年秋までに三回、さらに毎年のように現地へ入り「神戸での体験の御礼」に全力をつくされた姿に驚きます。

第二章=原発ゼロ・自然エネルギー普及――これも廣岡さんならではの実践記録となっています。

農地転用問題が難しいなか、関係各所へ体当たりして佐用町の畑地に大型太陽光発電を実現する苦労。仲間を信頼し、原発に頼らず地球温暖化を防止するため、自分にできることを精一杯続ける意思力にバンザイです。

そのさなかに起きた佐用町などの豪雨災害も記録されています。また灘区の神鋼石炭火力発電所被害にたいするたたかいの記録も環境問題を取り組む人々の模範になっています。

第三・四章は「忙中閑あり」。百名山紀行のような楽しい記録です。なかでも東北の風力発電、九州の地熱発電、地産地消エネで有名となった町々への訪問を結び付け、あらためて勉強になります。

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定年後の十一年の記録とされていますが、何よりも「実践を先行する活動スタイル」に脱帽です。

郵政労働運動のあと、地域社会の特に環境や災害問題で、全く専門外なのに、例えば今では、原発問題や石炭火力問題ではまさに兵庫県でトップクラスの研究専門家として活躍されています。私たちが続けている「スマートグリッド研究会」でも貴重な資料・データを提供下さっています。

この本は「自費出版」となって寄贈されていますが、立派な学習本とも言えますので、もっと広く普及する手立てを考えて頂きたいと思います。

(ご希望の方は、〒657‐0054 神戸市灘区稗原町3丁目2‐1 廣岡豊さんへ)

(2016年7月3日付「兵庫民報」掲載)

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