記事を検索

2016年6月19日日曜日

観感楽学

五十九回目の国民平和大行進が間もなく兵庫県入りする。一九五八年、東京での第四回原水爆禁止世界大会へ西本敦が広島から行進を開始した。到着時には一万人に膨らんだ平和行進は、「歩くという人間の最も初歩的な行動」で、原水爆禁止の「人類的課題を訴えたい」というものだった▼水爆実験を繰り返す米国に、日本の女性たちは「名前を書く」ということで対抗する原水爆禁止署名を三千万余に広げ、今日の原水爆禁止運動を築いた(一九五四年)▼朝鮮戦争での原爆使用計画はわずか八カ月で集められた五億ものストックホルムアピール署名が断念に追いやった。キッシンジャー元米国務長官は、「平和の重要なことと、核戦争の恐怖ということに同意する他には、別に何も求めないというアピールは、ほとんど抵抗を許さない力を持っていた」と断念の理由を語った▼「歩く」「名前を書く」という原初的な行為が大きな力を作り出したように、「戦争する国にしない」「誰の子どもも殺さない、殺させない」が、今、日本の岐路を左右する争点になっている。さあ、参院選だ。 (K)

(2016年6月19日付「兵庫民報」掲載)

日付順目次