記事を検索

2016年6月26日日曜日

観感楽学

全国遊説をアベさんは一人区から開始。しかし行った先々で、やりたくてしようがない改憲問題にはだんまりを決め込み、底の割れたアベノミクスの「成果」を語り、「もっとギアを上げエンジンふかす」とおっしゃる▼そしてなにより力が入るのは野党共闘への批判、というより罵ば詈り雑ぞう言ごん。「野合」を決め言葉としておつかいのようです。国語辞典をみると「正式な手続きを踏まずに結婚すること」となっています。一昔前風にいえば「親の承諾もなく仲人も立てず届けもしない」ということなのでしょうか▼さて「野合」という言葉は中国・漢の時代、司馬遷の著した『史記・孔子世家』に出てきます。「(父である)紇こつと顔がん氏のむすめが野合して孔子を生む」とあります。孔子を尊敬してやまなかった司馬遷。しかし稀代の歴史家として孔子の生母が正妻でなかったことをごまかさずに「野合」と記述したのは感動的ですらあります▼このたびの野党共闘、政党の合体ではなく共同ですから、「野合」というのは日本語の言葉づかいとしても誤っています。しかも市民運動がその「仲人」の役をしっかり果たしているのですから、もはや何をか言わんや。 (T)

(2016年6月26日付「兵庫民報」掲載)

日付順目次