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2016年6月5日日曜日

観感楽学

東日本大震災が発生して五年が過ぎた今年、「熊本地震」が起こり、また甚大な被害をもたらした。地震災害に詳しい歴史学者・磯田道史氏は、一六一一年に東北地方で「慶長三陸地震」が発生し大津波が起こり、その八年後の一六一九年に熊本で断層地震が発生、さらに一六三三年には小田原で地震が発生して江戸で数千人が犠牲になったと紹介している▼四百年の時をへて、そっくり同じ事態になるのではとぞっとする。日本は、まさに災害列島であり、わが国は、繰り返されるこうした自然災害と共存して生きてきたのである▼ところで、神戸市は、阪神・淡路大震災から二十一年がたち、高齢となった借り上げ住宅居住者に対して、住宅からの退去と損害賠償を求めて神戸地裁に提訴、先日、口頭弁論が開始された▼この「提訴」にたいして「兵庫県弁護士会」が神戸市に意見書を提出した。曰く、「入居する被災者にとっては、一般の復興公営住宅も借上公営住宅も…同等の被災者支援の制度としてとらえられるべきである」「客観的には継続入居の必要性が存在するにもかかわらず…明け渡しが訴訟等で強制される結果をもたらすという先例を残すことは…復興住宅施策制度への信頼感を喪失させる懸念が大である」と厳しく批判した▼五月十二、十七日の裁判だが、法廷に入りきれない傍聴者であふれ、裁判所は立ち見傍聴を許すという異例の措置をとった▼いま、この裁判勝利に向け署名が進められている。支援しよう。 (D)
(2016年6月5日付「兵庫民報」掲載)

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