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2016年6月26日日曜日

市民にあたたかい神戸市政に〈21〉:神戸市地域公共交通活性化協議会を傍聴して(2)

市民のための交通網計画に


公共交通神戸電鉄粟生線/沿線住民の足を守る会 松本勝雄

(前号の続き)
②市民のための公共交通を作る上で、神戸市は「採算が成り立つことが前提」「運行の判断は事業者が行う」としてきた方針を転換し、住民に必要な公共交通には「『社会資本』として公費を」(喜多秀行神戸大学教授)投入することを目的で明確にするべきです。

③公共交通整備を進めるための基本的な方向性を明確にすることが必要です。

公共交通は人と環境にやさしいものを最優先にする。公共交通のなかでもLRT(次世代型路面電車)を含む鉄軌道が大量性や定時制、信頼性、二酸化炭素排出、省エネなどでも優れていることを考慮に入れ、「交通まちづくり」の方針を打ち立て、歩いて楽しいまちづくりをめざし、基本的方向を決めるべきです。

④先進的な取り組みを行っている都市では、「多核連携のまちづくり」(熊本市)や「お団子と串」(富山市)。「環境首都」(フライブルク・独)、「トラム(LRT)を軸にしたまちづくり」(ストラスブール・仏)など特徴的なやり方がとられています。

神戸ではそのような先進例にみならいつつ、海と山に囲まれた魅力的な神戸を最大限に生かし、神戸らしい目的、方向性を市民の声で作り上げるべきです。

神戸市はLRT、BRT(バス高速輸送システム)の検討を打ち出してますが、ストラスブールのようにLRTを軸に考えたり、バスターミナルについても、協議会で希望があった観光バスの待機場所やタクシー乗車場所などもLRT導入を軸に考え、計画すべきだと考えます。

住む街をよくする活動に参加する権利


この協議会の運営や討議の内容について、一番大事な市民が主人公の立場が弱いと痛感します。この「会」の傍聴席は十席、会議の周知も弱く、出席者の構成も市民が少ない。粟生線の活性化協議会でも市民の声を聴き、「協働」をめざす態度が弱く、協議会が形骸化していて、たびたび粟生線の会でも申し入れしてきましたが、改まっていません。

和歌山電鉄貴志川線でも、東灘区住吉台くるくるバスでも、公共交通を守る「市民の会」がつくられ、多くの住民がこれに参加したことが成功の要因とされています。

自分の住む街をもっとよくするための活動へはすべての市民が参加する権利を持っています。この権利をしっかり保障することこそ、公共交通を守る一番の基礎となることです。「官僚主導」「市民の意見を聞かない」「過大な需要予測」などは、失敗の一番の原因になることを銘記すべきです。

会議の発言を聞いていて気になったことがあります。参加している交通事業者などの発言は、自社の利益のための要求が目立ったことです。要求を出すなとは言わないまでも、この協議会への参加は市民ための公共交通網の計画を作るために、「協働」することを求められているという自覚を持って参加してほしいと感じました。 (終わり)

(2016年6月26日付「兵庫民報」掲載)

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