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2016年5月1日日曜日

憲法が輝く兵庫県政へ[まとめ]

憲法が輝く兵庫県政に向けて


憲法県政の会代表幹事・神戸女学院大学教授 石川康宏

「兵庫民報」のWeb版を利用して、この連載をあらためて読み返してみました。いろいろな発見がありましたが、特に印象に残ったのは、農民連の田中眞一郎さんが書かれた次の文章です。

「七十年前、新しい憲法とともに、すばらしい未来像を持っていたはずだ。もう一度、日本社会に望ましい未来像を思い出し、今度はシッカリ持たなくてはならない」。

憲法が輝く兵庫なのか、憲法を投げ捨てる兵庫なのか――兵庫の県政とこの県にくらす県民の生活全体が、いま大きな分岐点に立たされています。

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軍国の独裁政治に国民が支配された戦前社会への深い反省から、戦後の日本は「国家が主人公」から「国民が主人公」(主権在民)への政治制度の根本的な転換を行いました。そして国には国民生活を支える責任があるとの理念から、国が国民の最低限のくらしを守る(憲法二五条)、教育を受ける権利を守る(二六条)、はたらく者の労働条件とたたかう権利を守ること(二七・二八条)を憲法に書き込みました。

憲法が定めた基本的人権の中でも、これらは特に社会権と呼ばれ、国民がもつ自由権(それを国家が保障する)と区別されます。国民は自由の権利だけでなく、人間らしい生活と教育と労働の保障を国に求める権利を持つということです。

地方政治は本来、地方の実情にそって、こうした権利を守ることを仕事の中心とするものです。

その地方の平和と安全を守り、赤ちゃんからお年寄りまですべての人のくらしを支える。そのために必要な医療や社会保障を充実させる。あらゆる教育現場を支援し、子どもから大人まで教育を受ける権利を拡充する。労働者、農家、中小業者、アルバイト学生など「はたらく人/はたらきたいすべての人」に、仕事を提供し、人間らしい労働条件を保障する。これが地方政治の仕事の核心です。

したがって、今日の安倍政権のように、国が憲法の精神から逸脱した誤った政治を行う時には、地方政治はそれに従属することなく、県民のくらしと権利を守る分厚い壁とならねばなりません。いわゆる「悪政の防波堤」になるということです。

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しかし、この連載がすでに具体的に示してきたように、兵庫県政の実態は、これにまったく反しています。憲法を投げ捨てようとする自公政権の動きになんら抵抗することなく、それどころか追従し、時にはこれを先取りまでして、県民の生活と安全を圧迫しています。

こうした政治はなんとしても止めさせなければなりません。

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いま全国に「立憲主義を取り戻せ」という声がとどろいています。憲法の平和主義を焦点に「憲法どおりの政治」を国に求める動きです。私たちはこの取り組みをさらに力強く育てる努力に合流しながら、あわせて「立憲」の内容を憲法の全面的な実施に広げ、「憲法どおりの政治」を国とともに兵庫県政に、県下のあらゆる自治体につくっていきたいと思っています。

「憲法が輝く日本と兵庫県政」をつくるため、目前の国政選挙にしっかり結果を出しながら、あわせて二〇一七年の兵庫県知事選挙に向けて、本気で準備を進めていきましょう。

(2016年5月1日付「兵庫民報」掲載)

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