記事を検索

2016年5月29日日曜日

石炭火力発電所新増設は論外:大気汚染で早期死亡者増の予測

―気候ネットワーク講演会で指摘



気候ネットワークの主催、国際NGOグリーピース・ジャパン、NPO法人地球環境市民会議の協力で特別セミナー「石炭火力による大気汚染・健康影響と気候変動問題」が五月十八日に神戸市勤労会館で開かれ、約六十人が参加しました。

講師のラウリ・ミルヴィエルタさん(国際環境NGOグリーンピース)は、大気汚染による早期死亡者数は世界で三百万人になっており、「大気汚染物質はガンによる死亡の重要な環境原因である」と世界保健機構が位置づけていること、日本ではPM2・5に起因する早期死亡者数が二〇一三年には一日百七十人と推定されること―をあげ、現在計画されている石炭火力発電所がすべて稼働すると、大阪・兵庫圏だけで年間百九十九人が早期死亡し、低出生体重児が二十一人となると予想されるという衝撃的な報告を行いました。

新設する石炭火力発電所は、いくら高効率であっても大気汚染物質の重大な排出源となり、東京・千葉圏、大阪・兵庫圏の人口過密都市に集中しており、悪影響が増幅され、予測できない健康影響を引き起こす可能性があると述べ、累積する大気汚染についても影響評価を行う必要性を強調しました。

また、運転年数期間にわたって、大気汚染物質の排出だけで数万人単位の早期死亡の原因となる可能性も指摘し、石炭火力発電所建設計画に疑問を示しました。

大気汚染公害と気候変動問題と題して報告した早川光俊さん(NPO法人地球環境市民会議)は、西淀川大気汚染公害裁判の経験から公害問題と気候変動問題には共通性があること、石炭火力発電所を新増設することはパリ協定に逆行することをあげ、現在も大気汚染公害は解決しておらず、新たな公害被害を発生させることになる、石炭火力の新増設など論外だと報告しました。

(丸山寛=ひょうごECOクラブ)

(2016年5月29日付「兵庫民報」掲載)

日付順目次