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2016年5月1日日曜日

観感楽学

「え! おたく共産党? 区役所に水がほしい言うたら、ここに電話して、言われたんやけど、共産党かいな、ほな結構ですわ」と言って電話が切れた。阪神・淡路大震災の救援活動中の一コマである▼二十一年前、地震で壊滅的な被害を受けた神戸の中心市街地に、大量の水や食料を、軽トラックに満載して真っ先に届けてくれたのは播磨町の金岡利春町議(当時)らと共産党後援会だった。震災三日目には広島県党から二十トントラックと給水タンクを積んだ車が到着した▼こんな支援を受けた共産党の救援隊は、区長に会って「水の手配など、必要なら共産党が対応しますよ」と申し入れた。区長は「市民から依頼があれば電話してもらうのでよろしく」と喜んで受け入れた▼冒頭の電話だが、「水が出ない。何とかしてほしい」と区に要請したマンション管理人が、区長の紹介で電話したら共産党だったので驚いて断ったのである。区役所で事情を聞いたマンション管理人が再度電話をかけてきたのは夜十時すぎ、水はすっかりなくなっていた▼電話の向こうでがっかりする管理人に、「今から水を汲んできて遅くなっても届ける」と約束し、それから山越えで北区まで水を汲みに行き、届けたのは午前二時、マンションの人たちは全員起きて待っていた。感激したこのマンション管理人からは、今もなお年賀状が届く。(D)

(2016年5月1日付「兵庫民報」掲載)

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