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2016年5月1日日曜日

ミャンマーの民主化と今後:AALA連帯委員会が講演会


兵庫県アジア・アフリカ・ラテンアメリカ連帯委員会は、五十五年ぶりに民主的な選挙が行われ、軍事政権から文民政権に移行したことが、大きな注目を集めているミャンマーについて、「ミャンマーの民主化と今後」と題した講演会を四月二十三日、兵庫県中央労働センターで開きました。

講師には、ミャンマーの政治・歴史・経済などを専門にしている中西嘉宏京都大学准教授を迎え、質疑応答をふくめ、約二時間、じっくりミャンマーの政情について学びました。

中西氏は、はじめにミャンマーについて説明。人口は五千百万人、七つの地域と七つの州の地方単位があり、宗教は仏教中心、百三十五の民族がいる多民族国家と説明。

そしていまなぜミャンマーが注目されているかについては、昨年十一月の選挙が一九六〇年以来の自由で公正な選挙となり、アウンサンスーチー氏率いる国民民主連盟(NLD)が圧勝したこと、そして、四月一日からNLDを中心とした政府が誕生したことを紹介しました。

中西氏は、二カ月にもおよぶ選挙期間中や投票日に現地に行き、その様子を取材してきたエピソードにも触れながら、「国中がおまつり騒ぎだった」と語りました。

そこに至る背景には、長期間にわたり軍事政権が支配するなかで、長年の民主化をもとめる運動とともに、二〇〇八年につくられた憲法により立法府が設置され、一〇年の選挙を経て、一一年に政権が民政移管されたことをあげました。そのときに、アウンサンスーチー氏のNLDが合法政党となり、一二年の補欠選挙で大勝。そして、今回の総選挙での圧倒的勝利につながっていることを紹介しました。

中西氏は、民主化の流れをうけ、新たな政権が樹立したことで、「政治上重要な移行期を迎えている」としたうえで、今後の注目点として、アウンサンスーチー氏頼みで経験の浅いNLDの政権運営能力や、新たな法律をつくり国家顧問に就くアウンサンスーチー氏の指導力が強すぎることなどを挙げました。

質疑応答では、ミャンマーの経済や行政改革、過去の汚職・贈収賄や麻薬産業の問題など多岐にわたる質問が寄せられましたが、中西氏は、一つ一つに丁寧にこたえました。

感想には、「ミャンマーのことは、ほとんど知らなかったけど、非常にわかりやすく説明していただけてよかった」「現地に行かれて雰囲気も含めて語られたのがよかった」などが寄せられました。

(2016年5月1日付「兵庫民報」掲載)

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