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2016年4月10日日曜日

みんぽう川柳〈三月〉「震災忌」

選者 島村美津子

特 選


震災ニュース海は黙って光ってる
神戸市 山元三恵子

【評】悲しみや怒りを超えて静せい謐ひつささえ漂ってくる一句、次の句の山空海も涙するにも呼応して、まして大震災ことに原発事故は大人災でもありました。五年が経つ現在も溶け落ちた核燃料の状態も分からないまま、それでも原発再稼動という政治、増え続ける黒袋、野生動物が我が物顔で横行するかつて人間の温かい営みのあった町、投句の数々は訴え続ける。

入 選


震災忌 山 空 海も涙する
神戸市 誠 かおる

犠牲者の話に泣いた震災忌
神戸市 高馬士郎

震災忌入学告げるランドセル
明石市 植木多佳子

雨もりや床カビきしむ仮設の五年
神戸市 松尾美恵子

忘れたらあかん無念の震災忌
明石市 片山厚子

竹灯篭涙を照らす震災忌
明石市 川路政行

東遊園地叔母の名前をそっとなで
神戸市 山本尚代

爪跡にも春の花咲く震災忌
神戸市 熊谷敏子

街角の小さな碑にも花献ぐ
明石市 小西正剛

ウリ坊が我物顔の震災忌
明石市 門脇潤二郎

震災忌ジワリと増える黒袋
神戸市 長沼幸正

再稼働みんなで止めた震災忌
明石市 門脇かつ子

再稼働政治の狂気震災忌
神戸市 古賀哲夫

震災忌しんしんと時きざむ音
神戸市 妹尾 凛

(2016年4月10日付「兵庫民報」掲載)

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