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2016年4月24日日曜日

観感楽学

桜が散り、目に青葉がとびこんできて野山歩きに絶好の頃。この時期の季語として「青を踏む」があると俳人・坪内稔典さんに教えてもらいました。稔典さんが紙上で紹介した句は「出発の二人に戻り青を踏む」。わが妻に声かけしようと思いましたが…▼この季語の元は「踏青(とうせい)」であり中国の漢詩、たとえば孟浩然の「大堤行」に「歳々春草生じ踏青二三月」とあります。年々春になると若草が萌もえ、郊外に足が誘われる。二月二日・三月三日に催される恒例行事の意味もあったそうです。子どもならずとも裸足で駆け出したくなります▼ところで「踏青」がひっくり返るとセイトウとなり、よく似た単語の「青鞜(せいとう)」を思い出します。一八世紀のロンドンにおける女性運動のシンボルであったブルー・ストッキングの和訳。一九一〇年代前半、平塚らいてうを中心に女性解放運動の先駆けとなった青鞜社はこれをもじったもの、というのはよく知られた話ですね▼さて、国会における多数派・少数派のセイトウが逆転するとどうなるか。戦争法を廃止し憲法にもとづく政治を取り戻す、その道にみんなの足で踏み出すことになります。二千万署名が逆転の確かな力。 (T)

(2016年4月24日付「兵庫民報」掲載)

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