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2016年4月17日日曜日

観感楽学

「被爆者は核兵器廃絶を心から求めます」とのよびかけが発表された。日本、韓国、北米、ブラジル、カナダ、メキシコ在住の広島・長崎被爆者九人の連名のよびかけだ▼被爆者みずからの悲惨な体験を述べ、「悪魔の兵器」である核兵器の廃絶を訴える。平均年齢八十歳を超えた被爆者は訴える――後世の人々が生き地獄を体験しないように、「生きている間に何としても核兵器のない世界を実現したい」と▼核兵器禁止・廃絶条約を求める署名を世界で数億集めるようと提唱。被爆者が呼びかける核兵器署名は初めてのことだ。「もうこんなことは、たくさんです」「あなたとあなたの家族、すべての人びとを絶対に被爆者にしてはなりません」▼日本を訪れたオリバー・ストーン監督は、被爆者が原爆への復讐でなく核兵器廃絶の声をあげ続けたことの道義性を称賛。核兵器の非人道性を告発して核兵器禁止条約を求めることは世界の大勢だ▼被爆者の「心からの叫び」に応えられるかどうか、私たちの人間性道義性が問われてもいる。広島開催の主要七カ国外相会議で、核兵器国に気兼ねし、核兵器の非人道性に触れることを避けた安倍政権は、被爆者の「叫び」に応えられなかった。 (K)

(2016年4月17日付「兵庫民報」掲載)

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