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2016年3月20日日曜日

「あさぎ」三月詠草:姫路年金者組合

寒椿うずまく風にちぎれとび赤き花びら吹きよせられる
目ざめから夕餉のメニュー考えるブリの照りやき肉じゃががいい
藤原信子

薄灰のかぶりし如き雑木山春立つ頃の好きな情景
差し当たり用もないのに手をとめて庭に出てみる陽に誘われて
山下直子

病院食この薄味でこの量と血糖値高き人くり返し言う
入院はこれが仕事とリハビリにはげんだ後のコーヒータイム
常田洋子

薄氷の路地を伝いてバス停へ転ばぬように踏みしめて歩く
マニラ・レイテ・コレヒドールにモンテンルパわが十代に覚えしフィリピン
衣川有賀子

力無くわが身もてあます日日告げば岡山の友は草引きくれる
青春の歌うたわんと楽譜出し夜のしじまに二人でうたう
田渕茂美

(2016年3月20日付「兵庫民報」掲載)

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