記事を検索

2016年2月28日日曜日

観感楽学

まちなかで小学四年くらいの女の子がお母さんに質問。「お母さん、ここに書いてある、ちりかみってなに」「エッ? ああ、ティシュのことよ」間髪入れずに返答あり。横で聞いていたわたしの驚きと気づき。ちり紙が死語になっていた▼考えてみれば身の回りのものでカタカナに転換しきっているものは他にもある。帳面がノート、写真機がカメラ、便所がトイレ、そして衣紋掛けが…これは古すぎるか。でも井上ひさしのことばを思い出して自らを慰めた。「主語―目的語―述語の語順が英語の主語―述語―目的語に置き換えられる事態でなければ日本語は大丈夫」▼そんなこと考えてたらまたぞろ現首相の聞くに堪えないことばが次々浮かんできた。政府批判を「レッテル貼り」といい、武力行使することを「積極的平和主義」といい、「わたしに任命責任がある」といいながら暴言・失態閣僚をそのまま放置する。憲法を無視するお人は日本語までも勝手な解釈でつかうのか。子どもたちの日本語教育のためにも一日も早くお引き取りを願わなくては▼ところで「なぜ、ちりかみって名前がついたの」と第二の質問が出ていたらお母さん、何と答えたのかな。 (T)

(2016年2月28日付「兵庫民報」掲載)

日付順目次