記事を検索

2016年2月7日日曜日

市民にあたたかい神戸に〈4〉:国民健康保険

所得の低い人が安心して医療を受けられる国保に

兵庫県社保協事務局 高山忠徳

神戸市国保は二十三万世帯、三十七万五千人、四人に一人が加入しています。所得百万円未満が六割超、減免世帯は六五%に達しています。二〇一四年度から国民健康保険の所得割保険料の計算方式が「住民税方式」から「基礎控除後所得方式(旧ただし書き方式)」に変わりました。

これまでは所得から基礎控除、配偶者控除や扶養控除、障害者、寡婦(夫)控除など各種控除、社会保険料や生命保険料控除などを差し引いた住民税額をもとに計算する方法でしたから、非課税世帯、均等割世帯には所得割額はありませんでした。

基礎控除後所得方式は三十三万円のみの控除であることから、所得は変わらないのに、低所得、多人数、障害者、寡婦(夫)世帯には大幅な値上げとなることが明らかになり、急きゆう遽きよ、神戸市独自の軽減措置が激変緩和策として導入されました。

①独自控除の期間は「当分の間」とし、

  • 配偶者・扶養親族:一人三十三万円
  • 障害者・寡婦(夫): 一人二十六万円
  • 同居特別障害者: 一人五十三万円
  • 障害者・寡婦(夫)で住民税非課税者:九十二万円


②一定基準所得以下の住民税非課税措置適用者にたいし、二年間に限って基礎控除後所得を控除する激変緩和措置

  • 一四年度:二割控除
  • 一五年度:一割控除


この独自控除方式の問題点は①実施期間が「当分の間の措置」とされていること②人的控除以外の社会保険料や医療費、生命保険控除などが控除されないこと③軽減のための財源は加入者の保険料負担とされ、一般会計からの繰り入れではないことから、加入者全体にとっては高い保険料の引き下げになっていないこと―です。

しかも、独自控除措置は「例外」として二〇一八年度に予定されている「国保の都道府県単位化」にあたっては見直すことを明らかにしています。独自控除が廃止されるなら、低所得、多人数、障害者、寡婦(夫)世帯にとっては大幅な保険料値上げとなります。

「当分の間」ではなく「継続・恒久化」とすること、財源は一般会計からの繰り入れとすること、さらに減らされた国庫負担をもとに戻して、全加入世帯の保険料を引き下げることが求められます。

もともと国民健康保険は無職、低所得、高齢世帯が多く、発足当初から医療費の半分が国庫負担でしたが、八〇年代以後、国庫負担率は四分の一まで削減されました。

その一方、所得がない世帯や、赤ちゃんにまで賦課される均等割や平等割(「応益割」)が高い保険料の原因となっており、十八歳未満の子どもの保険料の軽減、免除を求める声は、全国知事会など自治体の共通した要求となっています。

こうした「国保の構造問題」解決のために、全国知事会、市長会などの強い要望で、本年度から毎年投入されることになった一千七百億円、二〇一八年度からは三千四百億円の投入により「一人一万円の引き下げ効果」(厚労省)とする追加支援策が、高い保険料引き下げにつながるよう求めたい。

国民健康保険法は事業の目的を「社会保障及び国民保健の向上に寄与すること」と明記し、地方自治法は自治体の役割を「住民の福祉の増進を図ることを基本」とすると規定しています。これらに基づき、高い保険料を引き下げ、もっとも困っている所得の低い人々が安心して医療を受けられるよう強く願うものです。


(2016年2月7日付「兵庫民報」掲載)

日付順目次