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2016年2月28日日曜日

2016年度兵庫県予算案:社会保障ほとんど伸びず

六年ぶりに増加した一般会計


兵庫県の来年度予算案は、一般会計で一兆九千四百九十五億円(前年比一・四%増)で、歳入面では、県税等を過去最高となる八千百十九億円見込み、県債(借金)は一千百十億円と前年比一三%減となっています。五年連続で縮小していた一般会計の規模は、中小企業制度融資の増などを理由に、増加に転じています。

安倍政権の自然増分の大幅な圧縮方針のもとで、社会保障関係経費の伸びは一・八%に抑えられ、一体改革分の消費税充当事業では、子育て・保育分野での質的拡充が一部にありますが、若干の量的拡大があるだけで、県「第三次行革プラン」の基本方針は堅持しており、削られた福祉制度はそのまま。

一方、従来からの企業立地補助金(十八億円)に加え、本社移転などを促進するために新たな税の軽減を打ち出し、小野市で産業団地をあらたに開発。TPPにそなえ農地集積やブランド化をすすめ、名神湾岸連絡線や但馬空港の新しい機材導入予算などが提案されています。

「地方創生」も積極性欠く


井戸知事は、「地域創生元年」と意気込みますが、新規の「地方創生」の交付金(十二億円)は、「トライやる・ウィーク(職業体験教育)」など従来の事業を財源振り替えした事業もあり、「違いが見えにくい」「目玉施策に欠ける」と報道されるなど、他県が独自に給付制奨学金などを創設する積極的な姿勢とは対比的となっています。

県民の運動を反映した施策も


国の第三子保育料が軽減されるのにあわせて、県独自に第二子の保育料軽減(二・一億円)を発表。私立高校授業料の軽減で県加算を新設・増額、市町スクールワーカーの配置、特養ホームの補助単価や対象拡大、イノシシ生活被害防止対策、神戸電鉄粟生線の活性化にむけた支援など、これまでの県民運動・取り組みが反映した成果もあります。

中小企業振興条例の効果


昨年に議員提案で実現した中小企業振興条例の効果がどのように反映しているのかも注目されました。

制度融資の枠を三千億円から五百億円上乗せするなどがありますが、小規模企業も含めて、条例の内容を全面的に発揮しつくしたとは、まだまだ言えません。

現行計画の見直し、中小企業・小規模企業の悉しつ皆かい調査、支援策の強化など、今後の取り組みが求められています。

「震災関連」借金とは?


二〇一六年度残高で四千三百八十六億円の「震災関連」の借金を、「これがなければ三百二十億円の収支不足もない」(井戸知事の記者会見)と言い訳をしています。

しかし、そもそも、「創造的復興」と称して、阪神・淡路大震災からの震災復興を、復旧や被災者支援を中心にせず、従来型の大型開発で太らせてできたのが、現在の「震災関連」借金です。

実際に復旧のための借金は百億円あまりしかありません。

(2016年2月28日付「兵庫民報」掲載)

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