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2016年2月28日日曜日

憲法が輝く兵庫県政へ[19]:但馬空港

赤字の県営但馬空港:住民目線で見直し、地域振興を

日本共産党県議団事務局長 児玉憲生

「六十四空港の赤字額百五十五億円。毎年税金で巨額赤字を穴埋め」(二〇一六年一月九日付、産経ニュース)…全国の地方空港のすべてが赤字経営で、税金で赤字を穴埋めしている実態です。兵庫県の但馬空港も、その赤字空港のひとつです。

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但馬空港は、朝と夕方の二便(伊丹空港まで)運航し、乗客数は二万九千人ほどとなっていますが、利用率は六割台で、「空気を運んでいる」と皮肉が聞かれたこともあるほどです。

赤字路線ゆえに航空会社からの着陸料などの収入はなく、会議室や空港燃料の販売などの収入が年間六百万円ほどあるだけです。

その一方で、県予算としては、「但馬空港管理費一億六千百七十一万円」、「空港維持修繕費一億五千百八十六万円」、「但馬空港運航対策費補助等一億三千三百八十九万円」(=赤字補てん)の合計四億四千七百四十六万円が毎年県民の税金から投入されています。そして、空港周辺の公園に一千七百万円を使っています。

また、空港利用者を増やす(かさ上げする)ために、周辺自治体で、「但馬空港推進協議会」をつくり、利用者補助や欠航代替バス運行助成などを支出(一人二千五百円で、年間百七十二万円・二〇一三年度)。さらに、豊岡市・養父市・朝来市・香美町・新温泉町の各町で合計六千四百万円の独自補助もしています。

すべて合わせると県・市町合計で、五億三千万円あまりの税金を毎年のようにつぎこんでいます。

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最近になって話題になっているのが、運航する日本エアコミューターの旅客機の更新です。

実は、但馬空港は開港前から赤字路線が明瞭だったため、運航会社が進出をためらっていました。そこで、通常、運航会社が所有する旅客機を県で購入し「無償貸与」しているのです。

現在の機種(約十二億円)から、最新鋭機に更新するには約二十八億円(カタログ価格)とされ、二〇一八年度から就航する予定をたてています。

開港時に無償貸与したことを、当時の新聞は、「全国自治体初」「県の執念の産物」とかかれるほど異例の対応でした。その理由を県は「但馬地域の地域活性のため」と説明しますが、それによる経済効果はとぼしく、より効果をあげるために、有識者らによる利活用検討会議で、羽田直行便の実現をめざすとかかげていますが、実現の見通しは全くたっていません。

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「地方創生」が叫ばれるなか、但馬地域は、市町合併や病院再編など、政府と県の政策によって、疲弊がすすんできました。今後TPP加入も大きく影響をあたえます。

「地域活性化策」と称して但馬空港に税金をつぎこみつづけていますが、他方で、高規格道路建設をすすめ、都市部へのアクセスが改善されるなかで、空港の必要性は以前よりますます薄らいでいます。

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公共事業や過去の巨大インフラにたよった地域振興は時代遅れとなっています。税金の使い方、但馬空港のあり方について、住民の目線で抜本的に見直すことが求められています。

(2016年2月28日付「兵庫民報」掲載)

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