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2016年2月14日日曜日

憲法が輝く兵庫県政へ[17]:高齢者の貧困

深刻な高齢者の所得の実態と安心できる暮らしを目指して

全日本年金者組合兵庫県本部副委員長 福原冨雄

兵庫県の六十五歳以上の高齢者は、百五十一万八千六百六十七人(二〇一五年)。高齢化率二十六%で四人に一人という状況です。

61%の高齢者が「下流老人」


兵庫県下自治体の介護保険料の調査の中で明らかになった現状を見ると、生活保護基準以下の収入(介護保険料区分第一、二、三段階)で暮らしている高齢者は五十二万九千六百七十五人、全体の三四・九%になります。月十万円以下で暮らしています。

また、高齢者本人が収入百二十万未満で住民税非課税の世帯に課税者がいる場合(介護保険料区分第四、五段階)は四十万二千二百四人(二六・五%)です。

両方合わせると高齢者の六一・四%が住民税非課税となっています。いまマスコミで「下流老人」といわれる範囲に入るのがこれらの人々です。

高齢者の暮らしを考えない政府


高齢者の所得が深刻な事態にあるにもかかわらず政府はマクロ経済スライド制を導入して毎年、年金を下げることを強行しています。物価が上がっても年金は上がらない仕組みになっています。社会保障を大改悪し、国民健康保険料、後期高齢者医療保険料、介護保険料はどんどん上がっています。しかも、介護保険、後期高齢者医療保険、市民税は年金から天引きされ、少ない年金から容赦なく取り上げられています。

こうした状況は高齢者の暮らしを直撃しています。年金者組合が兵庫県下の自治体アンケートを実施し、調べたところ生活保護世帯の中で高齢者の占める割合が県全体で四七%になっています。農村地域の自治体で高いところでは七一%にもなっています。

農業一筋で生きてきた夫婦で国民年金の場合、高齢で働けなくなり、片方が亡くなり、一人になると生活保護を受けざるを得なくなることが増えてきています。

都市でも社会保険のない企業や非正規で働いて高齢期を迎えると、国民年金満額で月六万五千円程度です。

「これでは生活できない」とアルバイトで働き月三~五万円程度の収入を得ても、高齢者は生活習慣病などで医者にかかっている方が多く、医療費は七十歳未満の場合は三割負担、市営住宅の家賃、社会保険料を払うとぎりぎりの生活です。

生活保護以下で暮らしている高齢者がたくさん居られるのが実態です。憲法二五条の文化的な生活を営む権利はまったく保障されていません。

悪政から暮らし守る役割果たさない県


ところが政府の悪政から住民の暮らしを守る役割を持つ兵庫県政もその役割を果たしていません。

年金の引き下げについて政府に物を言わず、社会保障関係の保険料は政府言いなりで高齢者の負担を増やしています。

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今、多くの若者たちが非正規で働かされていますが年収四百万円で厚生年金に四十年加入しても将来の年金は十六万円程度です。これは生活保護基準程度です。このままでは日本の将来は深刻な総貧困化社会になります。

年金者組合は全ての国民が安心して高齢期を迎えられるように社会保障としての最低保障年金制度の創設を目指しています。この道以外にすべての国民が安心して高齢期を迎えることはできないと思います。

(2016年2月14日付「兵庫民報」掲載)

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