記事を検索

2016年1月10日日曜日

憲法が輝く兵庫県政へ(12):防災

防災へ十分な人員と予算を

日本共産党兵庫県議団事務局長 児玉憲生

津波・液状化対策


東日本大震災で目のあたりにした地震・津波の脅威にどう備えるのか?

一つ目は、火災などの危険性のある沿岸部の石油コンビナート地域などの対策です。

県内には三十八の危険物等の特定事業所があり、全国有数の危険物集積地域です。姫路市には特定事業所が十五事業所もあります。また沿岸部は液状化の危険度が高い地域となっています。

県議会の質問のなかでも、「危険物施設ごとに配管や建築物等の耐震性能、技術基準の適合状況及び液状化の可能性等を確認」という国通知を指摘して、対策強化が求められました。

二つ目は、堤防被害への対応についてです。

港湾の堤防については、詳細な被害調査がされ一定の対策工事がはじまっています。

一方、河川の堤防については、津波が河川を遡上する際に堤防が役割を果たせるかどうか、地震動による液状化・沈下がどの程度あるのか、この調査や対策がきわめて不十分です。

尼崎ゼロメートル地帯でも、現在の被害予測では、湾岸部からの浸水で河川からは浸水しないことになっています。

しかし、一部が明らかにされた兵庫県の詳細調査(静的解析)では、タテとヨコに九十㌢㍍も堤防がずれ、隙間があくほどの被害を受ける地点があります。

「河口から六㌔㍍で三カ所のごく限られた調査地点に過ぎない」と指摘され、県議会で議論となっています。

河川洪水、総合治水対策


武庫川ですすめられている総合治水では、学校や公園などに雨をため下流部の被害を軽減する対策が、その目標自体は低いにもかかわらず、実施されているのは県立施設がほとんどで、計画の三割しか達成されていません。

県議会で、流域の小中学校校庭や市立公園などへの雨水貯留について、県で事業化したり、財政的に支援することを求められ、県は「市の学校・公園の貯留には、指針を作成するなど促している。県の負担軽減策は、ニーズや整備効果を踏まえて、検討する」と答えました。

災害拠点の病院


「沿岸部の石巻市民病院の二の舞にならないように」、東日本大震災の支援をした医師たちの当然の思いです。

それにもかかわらず兵庫県は、神戸市須磨区の高台にある県立こども病院を、人工島のポートアイランド二期に移転・建て替えました。

移転のメリットとされた事柄はまったく実現していません。

医師会を含め医療関係者・県民の意見を無視してすすめた移転で、将来に禍根を残すと言わざるをえません。

マンパワー、日常からの備えが緊急時にも力を発揮


災害・緊急時にもっとも力を発揮するのは、技術や福祉の専門的な職員です。広域自治体である兵庫県は、専門的な職員を配置して役割を担ってきましたが、それを大きく後退させたのが、県「行革」です。

兵庫県の総合土木職と建築職は、二〇〇八年の千三百八十二人から九百八十四人へ四百人も減っており、五年間でほぼ三〇%減。年齢構成でも二十代は九%と技術の継承が困難になっています。

このような体制のもとで、日常の道路や橋きよう梁りようの老朽化対策への対応をしなければならず、県は民間企業の協力を得てすすめる方針ですが、安全性の低下を招きかねず、災害時・緊急時に役割を発揮すべきマンパワーも不足することが懸念されます。

また、技術職員を減らす一方で、従来型の高規格道路をすすめる予算を確保していることも問題です。

公共事業を、維持管理や老朽化対策に、金も人も大きくシフトしていくことが求められています。

(2016年1月10日付「兵庫民報」掲載)

日付順目次