記事を検索

2016年1月17日日曜日

市民にあたたかい神戸市政へ〈2〉:中学校給食(上)

安全・安心な自校調理で中学校給食の再開を(上)

神戸の中学校給食を実現する会 井村弘子

神戸市の中学校給食は、調理を民間業者に委託し、業者の工場から各中学校に配達される「デリバリー方式」を採用し、三十三校で先行実施がはじまっていました。

異物混入問題の解決を神戸市はできるのか?


ところが、昨年十月六日、マスコミで、神戸の中学校給食「異物混入問題」が報道され、大きな波紋を呼びました。十一月からの八十二校全校実施の直前だけに中学生・保護者の不安と落胆は大きく、神戸市PTAも「学校現場において食の安全が脅かされている」として、原因究明と安全・安心な給食の提供を求める要望書を提出しています。

神戸の中学校給食を実現する会の
「運動再出発学習集会」(12月13日)

私たち「神戸の中学校給食を実現する会」は、神戸市の「対応」決定が行われた十月二十一日に「交渉」を申し入れ、十一月十一日教育委員会は交渉に応じました。

①原因を明らかにし安全衛生の神戸市の責任を果たすこと②東灘・西区以外の給食が中止となった原因と責任を保護者と生徒に誠実に説明すること③給食全校実施の期待に早期に応えること―を求めました。

しかし、神戸市は、原因は特定できず不明だとし、安全衛生に関する市の指導責任はあいまいにしたまま。改善できない調理業者との契約を解除し、生徒や保護者には「お詫わびび」の文書だけで、早期開始の見通しも示せず、誠実な説明もなされていません。

安全衛生は民間任せがデリバリー方式の最大問題


その後、日本共産党の市議会議員の追及を受け、神戸市教育長も「我々の業者指導の徹底に課題があったと言わざるを得ない」と議会で答弁し、神戸市の責任を認めました。

今回の「異物混入問題」は、食材を床に置く、扉に網戸を設置しないなどの調理業者の安全衛生基準違反が原因です。しかし、業者の基準違反に対し、神戸市の監督が行き届いておらず、数カ月にも及ぶ指導にも業者を従わせることができませんでした。

食の安全という何よりも優先されるべき学校給食において、民間業者の資質に左右され、行政の監督指導責任が果たせないという、「デリバリー方式」の最大の問題が浮き彫りになりました。

自校調理も含めた実施方式の見直しを


しかし神戸市は、業者への指導の問題と、実施方式とは分けて検討するなどとして、有識者による検証委員会では三月まで検証を終え改善方向をだすとしています。しかし問題を起こした実施方式(デリバリー方式)そのものを検証しない限り問題は解決せず、中学生と保護者の期待と不安に応えることはできません。

何のための給食か。いまこそ、食育の観点に立ち返り、自校調理方式をふくめた実施方式の再検討を神戸市は行うべきです。 (つづく)



(2016年1月17日付「兵庫民報」掲載)

日付順目次