Web版の発行はしばらく休止します

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2016年1月31日日曜日

2000万署名:長田区民集会


「戦争法廃止二千万署名を実現させる長田の会」が一月二十三日、新長田勤労市民センター大ホールで「二千万署名をすすめる長田区民集会」を開催し、百十人が参加しました。

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呼びかけ人の一人で演出家の合田幸平氏が開会挨拶。やはり呼びかけ人の一人で神戸学院大学法学部教授の上脇博之氏が記念講演をしました。

上脇氏は、憲法九条は国家から戦争する手段を奪うだけでなく、国民の平和的生存権と切っても切れない関係にあると指摘した上で、安倍政権による戦争法強行にいたる経緯のあらましを解説しました。

さらに、どのようにして戦争法廃止を実現するのかについて、国政選挙での争点から戦争法をはずそうとする安倍政権・与党の動きに対し、集会・パレード・署名活動など、憲法九条違反・民主主義蹂じゆう躙りん・立憲主義否定との批判の声をあげ続け、次の選挙を主権者・国民のための選挙にしようと訴えました。

とくに、署名については、集会・デモなど行動に参加できない人々にも戦争法反対・立憲主義回復の意志を示してもらう手段として重要だと強調しました。

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続いて呼びかけ人のリレートーク。まちづくりボランティアの清水光久氏、画家の竹田圭右氏、元高校教師の奈良征夫氏、主婦の屋敷満子氏、牧師の鳥飼慶陽氏がそれぞれ、戦争法廃止への思いと決意を述べました。

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集会後は、一番街、大正筋、六間道、本町筋と新長田の商店街をパレードして、署名運動への協力を訴えました。

(2016年1月31日付「兵庫民報」掲載)

2000万署名:〝サポーター〟ひろげ加速:日本共産党明石二見支部

JR魚住駅での
二見9条の会と魚住9条の会の
合同宣伝(19日)

日本共産党明石二見支部では、「戦争法の廃止を求める統一署名」(二千万署名)の目標を千三百筆と決めた時に、サポーターを百人つくることを同時に決めました。

サポーターは読者、後援会員を中心に七十人に依頼しました。

一月二十日現在、署名数は支部全体で八百八十筆になりました。そのうち、現在三十二人のサポーターからの署名が全体の二五%、二百二十筆を占めています。

なお、家族だけ署名の人はサポーターにカウントしていません。もちろん党員もカウントしていません。広い意味のサポーターは党員や家族だけの署名の人も含めると全体で六十人くらいです。

週に一回の地域の訪問と買い物客が来るトーホー前などでの宣伝署名活動もしています。一月十七日の街頭宣伝には九人が参加して、一時間で約四十筆が集まりました。なかには、「私は創価学会員ですが署名します。今組織は二つに割れています」と言う方もありました。

地域を訪問すると、地図でマークをしています。年配の方の在宅が多い時間帯ですが、中国問題のことなどいろいろ質問も出され対話になります。「しんぶん赤旗」の講読も訴えていますが、断わっても署名だけならという人も少なくありません。また、パッチワークサークルの中で、先方から署名用紙をいただけますかと声をかけてきた人もいます。

今、支部で議論しているのは、今の結びつきでサポーターを依頼するのは、限界がきている、新しい方に署名の意義を話して、サポーターの依頼をしていくしかないということです。

また、この活動に支部の六割が行動し、支部会議に参加する人が数人増えたことも嬉しいことです。目標達成にむけて、元気に取り組んでいます。
(石川敏雄=日本共産党東播地区委員)

(2016年1月31日付「兵庫民報」掲載)

2000万署名:手紙添え地域に配布、訪問:日本共産党尼崎立花東支部

尼崎市の立花東支部は、「国民連合政府実現には国民の世論と運動が成否を決める」との提起に、支持拡大目標千八百を「二千万署名」の目標として取り組んでいます。

署名のお願いの手紙を添えて地域に配布し、回収しています。自宅の周りを全戸訪問するなど、全ての支部員が何らかの形で署名運動に参加しています。

なかでもMさんは、町会長として結びついた人や、後援会員をもれなく訪問し、四百七筆(十六日現在)を集め、五百筆をめざしています。

「九条の会」に参加する人が四枚分を持ってきてくれたり、全戸訪問では公明党支持者も署名に応じてくれるなどの経験が生まれています。また、若い人が「家族のみんなに書いてもらいます」と用紙を持って帰ってくれたりします。

(党尼崎地区委員会「しんぶん赤旗」読者ニュース16日付から)

(2016年1月31日付「兵庫民報」掲載)

憲法が輝く兵庫県政へ[15]:公共交通

公共交通の危機打開に県は役割発揮を

公共交通神戸電鉄粟生線/沿線住民の足を守る会 松本勝雄

粟生線を行く1000系電車

二〇一〇年十一月二十七日、神戸新聞が報じた「神戸電鉄粟生線存廃判断へ」との記事は、沿線住民に大きな驚きと不安を与えました。神戸市北区の鈴蘭台駅から小野市の粟生駅まで総延長二十九・二㌔㍍の粟生線が、毎年十億円以上の赤字が発生し一民間企業で事業を継続することができなくなってきて「廃線の危機に直面している」――こんな内容でした。沿線に住む私には、寝耳に水というのが正直な感想でしたが、あらためて考えさせられ、「公共交通神戸電鉄粟生線/沿線住民の足を守る会」を結成し粟生線の問題に取り組むことになりました。

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粟生線は、少なくなったとはいえ年間六百五十六万人(最高は一九九二年の千四百二十万人)の利用者があり、これをバスやマイカーで代替はできません。粟生線がなくなれば、この地域に住み続けることができない人が多数出てくることになります。現に沿線では車の運転ができなくなった人が自然環境豊かなこの地域から転出するケースが増えています。

粟生線の危機に対し、関係自治体、住民代表、神鉄、学識経験者で「神戸電鉄粟生線活性化協議会」がつくられ、粟生線の維持と活性化に取り組まれていますが、私たちは住民の立場からいろいろと働きかけています。

去年も活性化協議会や神戸市、兵庫県、神戸電鉄などに申し入れと懇談を求める活動を行いました。

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兵庫県は、高速道路などでは熱心に取り組んでいますが、同じように鉄道や路線バスなどの公共交通にも取り組むことが求められています。

粟生線活性化協議会でも、ずっとオブザーバーでしたが、最近強い要望も受けてやっと正式メンバーとなりました。

粟生線のように複数の自治体にまたがって運行する場合、リーダーシップの取れる兵庫県がその役割を発揮することが求められています。現に二〇一二年の「廃線の危機」のとき、兵庫県がリードして四十億円無利子貸し付けで危機を救ったこともありました。

また、危機におちいった地方鉄道のいくつかで、和歌山電鉄貴志川線のように、いろいろな創意工夫で再生を果たしている路線があらわれていますが、その中では県レベルのリーダーシップ発揮によるものが多くあります。私たちは、兵庫県にその役割発揮を強く求めました。

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二〇〇〇年ごろから行われた公共交通へのあやまった「規制緩和」は、地方鉄道の危機を招き、生活に欠かせない路線バスの廃止も大きく引き起こし、「大事な公共交通を民間任せにしているのは日本だけ」(岡山・両備グループ小嶋光信代表)と批判される民間まかせによる安全より儲け優先の横行などから、公共交通の危機は日本の大きな社会問題にもなっています。

この事態に、国はようやく「交通政策基本法」を制定、公共交通活性化・再生法改定を行い、その際に自民党などの抵抗で見送られた国民の「交通権」を、自治体の交通基本条例で保障しようという動きもいま全国で広がりつつあります。

いま、すべての市民に自由な移動を保障することが求められています。私たちは、長年「交通権」に取り組んでいる立命館大学名誉教授の土居靖範さんをお招きして学習・交流集会「市民のあし公共交通」を開くことにしています〔二月二十七日(土)十三時三十分から神戸市勤労会館四○三号室。神戸交通問題連絡会と神戸市民要求と実現する会の共催〕。そして、公共交通をしっかりと充実させていくため頑張っていこうとしています。

(2016年1月31日付「兵庫民報」掲載)




(グラフのデータ)
粟生線の輸送人員
1990年 1337万人
1992年 1420万人
1995年 1210万人
2000年 1001万人
2014年 791万人
2005年 681万人
2010年 656万人

川西市中学校給食:自校調理方式で早く実施を

中学校給食を実現する会が署名運動


川西能勢口駅前での宣伝
(左は黒田みち市議)=19日

川西の中学校給食を実現する会は、自校直営調理方式での早期実施を求め、昨年末から署名運動を展開し、三月議会に要望書を提出する予定です。

川西市では、昨年(二〇一五年)三月に基本方針が発表され、「自校調理方式を基本として検討をすすめる」とされていますが、まだ実施計画も内容・方式も決まっていません。

「実現する会」は、昨年十月に教育委員会と懇談しましたが、予算もつかず計画がほとんど進んでいないことが明らかになり、「中学校給食を早期実現するためには、川西市民の声・世論をもっと広げていかなければならない」として、年末から要望署名の取り組みを始めています。

市民からは、「早く川西でも実施して欲しい」「長い間待ってます」「小学校の給食はおいしい、同じ方式がいいね」「大阪みたいなん(デリバリー式)はあかん」「反対する人なんかおらんよ」などの声が返ってきています。

一月十九日には、川西能勢口駅前で寒風吹き荒れるなか、七人で宣伝行動。「寒い中お疲れさま」と普段より多く声もかかり、一時間の宣伝で九十五筆の署名を集めました。また二十三日には、「川西市PTCAフォーラム」の開会前に宣伝。九人が一時間で二百六十筆の署名を集めました。

早期実施は子育て真っ最中の父母たちの切実な要望だと、宣伝に参加した実現する会会員は改めて実感。会では、さらに市内のスーパー前宣伝を計画しているほか、訪問活動、地域の団体などへ申し入れなど、署名集めに全力で取り組んでいます。(吉岡健次=実現する会)

(2016年1月31日付「兵庫民報」掲載)








【訂正】前号一月二十四日付、「あったかこうべ」シリーズ〈3〉「中学校給食」の記事の中ほどに
兵庫県内でも、新たに実施を開始・決定した川西市や芦屋市は「自校調理方式」を選択しています。
とありましたが、川西市では実施計画が未定でしたので次のとおり訂正します。
  兵庫県内でも、新たに実施を開始・決定した芦屋市は『自校調理方式』を選択し、川西市でも、実施計画の内容・方式は未定ですが「自校調理方式を基本として検討をすすめる」との基本方針を明らかにしています。
Web版記事は訂正済みです。

処分場反対赤穂市民の会:馬奈木昭雄弁護士が講演

産廃処分場作らせず、「ごみは出さない」へ転換を



産廃処分場反対赤穂市民の会(略称=赤穂市民の会)は一月二十三日、赤穂市文化会館で、講演会「なぜ産廃処分場は不要なのか」を開催しました。

講師に招かれた馬奈木弁護士は、水俣病訴訟やじん肺被害者救済や産廃処分場建設反対運動に関わり、裁判では国の責任も厳しく追及し、多くの訴訟を勝利に導いています。参加者は約二百人、明快な講演に熱心に聴き入りました。

馬奈木氏は、冒頭、「安全な産廃処分場はない」と断じ、「どんな処分場も一切作らせない立場で処分場建設反対の運動を進める意味」をわかりやすく話されました。

水に溶けない五品目のみを扱う「安定型処分場」は「安全」だといわれているが、真っ黒な水や泡が出たり、火災が起きたり、有毒ガスが発生するなど各地で起きている事故を紹介。「安全なゴミだけを分別持ち込みは、不可能だ」と明快に結論づけ、国の規制基準値について「基準値内なら安全な有害物質などあり得ない。事故や健康被害が起き、告発されるたびに国の基準値を変更してきた。基準値などにだまされてはならない」と指摘しました。

「産廃処分場がなかったらゴミはどこに捨てるの?」の問いに、①「ゴミは出るのが当たり前」の発想から「ゴミは出さない」の発想転換を図ること②環境先進国ドイツの例に学び、製造者責任の考えに立つこと―を強調されました。

講演後も、参加者より「反対住民運動をどのように拡げればよいのか?ネットワークづくりの有効な手だては?」「赤穂市高野の安定型産廃処分場に市民として今後どう対応すれば?」など切実な声があがりました。

また、開会にあたり、同会参与で赤穂市議会議長の家入時治氏が、市議会として「産業廃棄物最終処分場建設に反対する都市宣言」の決議をしたことを報告し、同宣言文を読み上げました。
(川西康行=赤穂市民の会副会長)

(2016年1月31日付「兵庫民報」掲載)

倉敷民商弾圧事件:無罪を勝ち取る兵庫の会が支援集会


「権力による『えん罪』『弾圧』許さない」と、「倉敷民商弾圧事件・無罪を勝ちとる兵庫の会」は二十一日、「倉敷民商弾圧事件支援集会」を開き百五十人が参加しました。

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同事件は、広島国税局が倉敷民商会員だった建設会社の法人税法違反を口実に、容疑とは関係のない同民商の三人の事務局員を法人税法違反、税理士法違反で逮捕・起訴した権力による弾圧です。

そして安倍政権が「戦争する国づくり」に向け、国民にものを言わせない、行動をさせない体制づくりの攻撃そのものであり、「暮らし・平和を守ろう」と活動しているすべての運動団体に対する攻撃に他なりません。

男性事務局員二人に対する裁判では、岡山地裁の不当判決に続き、控訴審でも裁判長は実質審理をしないというきわめて不当な「訴訟指揮」で控訴棄却とし、上告審のたたかいとなります。女性事務局員の裁判は岡山地裁で審理中です。

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主催者挨拶に立った兵庫労連の津川知久議長は、「『戦争する国づくり』を許さない国民的運動と結んで、法廷外のたたかいをさらに広めよう」と呼びかけました。

支援活動と裁判闘争の経過報告の後、倉敷民商小原淳事務局長は「皆さんのご支援に励まされている。昨日、最高裁前で宣伝、申し入れも行った」と、たたかいぬく決意を表明しました。

最後に、救援会県本部の市川幸美会長から、当面の活動として、①裁判傍聴運動②岡山地裁への署名運動③個人・団体会員拡大と結んだ財政支援の強化④事件の本質を学ぶ学習活動―が呼びかけられました。

「集会」では、「会」会長の松山秀樹弁護士が「新たなえん罪の温床~司法取引制度」と題して講演しました。
(田中邦夫=兵商連事務局次長)

(2016年1月31日付「兵庫民報」掲載)

兵庫労連臨時大会:春闘方針・参院選闘争方針を決定


兵庫労連は十六日、第五十一回臨時大会を開き、二〇一六年春闘方針、参議院選挙闘争方針を決定しました。

津川知久議長は開会挨拶で――
「二つの大うそ―『安保法制で日本の平和が守られている』『アベノミクスで景気が良くなる』―がマスコミを取り込み流されている。地域からのたたかいで打ち破ろう」「国民のたたかいは新しいステージに入っている。『市民連合』が結成され三つの柱で『野党は共闘』を一人区で求めている」「我々が掲げる『二万円以上の大幅賃上げと最低賃金千円で全労働者の賃金底上げを』の要求は春闘で切実なものになっており、国民の安倍暴走政治との新たなたたかいにしっかり結びついてこそ実現できる」「全組合員の討議をていねいに積み上げ、生き生きと全員参加する運動を起こし、日本社会の変革の牽引車になろう」
―と呼びかけました。

北島隆事務局長は、「STOP暴走政治、戦争法廃止、壊すな憲法、暮らしを守る共同で、賃上げと雇用の安定、地域活性」を掲げる春闘方針案を説明。「安倍政権の憲法・立憲主義を破壊した戦争法の強行に、戦争法廃止への国民的運動がさらに広がっている」「この戦争法廃止へ『統一署名』を軸に全組合員参加で国民的たたかいいを発展させよう」と、統一署名運動の意義を強調しました。

また、兵庫県での共同の発展のなかで憲法記念日に共同で憲法集会を開催することも報告し、実質賃金引き上げ・労働法制改悪を許さないたたかい、暮らしを守り、原発再稼働許さず、地域経済活性化などの運動を共同で発展させることを提起しました。

その後、参加者が提起にもとづいて熱心に討議し、方針を決定しました。

この大会では、日本共産党の金田峰生参議院兵庫選挙区予定候補が来賓挨拶をしました。

(2016年1月31日付「兵庫民報」掲載)

宜野湾のたたかい応援に沖縄を訪ねて

「オール日本」でたたかいともに

今井まさこ(神戸市議)

予算議会がはじまる前に、ぜひとも沖縄の辺野古基地建設反対のゲート前に行って、心は一つだとつたえたい。宜野湾市長選へ向けての取り組みの応援にも行きたいと、盛りだくさんの願いをかなえるために、一月十三日から十五日、松本のり子議員、森本真議員と私の神戸市議三人を含む六人で沖縄に行ってきました。

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十三日、那覇空港に到着したとたん、「ゴー!」という戦闘機の音。普天間基地にはオスプレイが十機以上並んでいました。沖縄の空を米軍の戦闘機やオスプレイが沖縄の空をわがもの顔に飛ぶ現実を見せつけられました。

オスプレイが並ぶ普天間基地

また、応援でハンドマイク宣伝をしていると、戦闘機の爆音で私たちの声がかき消される場面もあるなど、沖縄は米軍が大きな顔をしているところだと実感しました。

*
座り込みに参加する筆者
(プラカードを持っている左から
松本、今井、森本の各市議)

キャンプ・シュワブのゲート前には連日、機動隊が来て、座り込む人々を排除しています。私たちが行った十四日も、朝三回機動隊が排除に来たそうです。

そんな緊張した状況の中でしたが、「辺野古の歌姫」と言われる京都のシンガー・川口真由美さんや、地元の男性も「ここに座り込め、そこに座り込め」と力強く歌うなど悲壮感はありませんでした。連日座り込むために、曜日ごとに団体の当番を決めて、朝六時から座り込みをしているなど、地元の方から取り組みを聞きました。

「辺野古には基地はつくらせない」「基地の永久化はゆるさない」の決意が伝わってきます。これからも支援を続けていきたいと心から思いました。

*
あわただしい沖縄訪問でした。何もかもが中途半端で迷惑だったのではないかと、心苦しかったのですが、辺野古基地建設反対の共同センターの方がフェイスブックで「十四日神戸市会議員の松本さん、森本さん、今井さんら六人が、スライド学習。その後、ゲート前の座り込み行動に参加し、昨日と今日は宜野湾市長選挙へ向けての支援です。このような精力的な支援活動に、つくづく沖縄の闘いは、全国に支えられていると痛感します。感謝」と書いてくれていました。

普天間基地の撤去、辺野古基地建設反対のたたかいはこれから。「オール沖縄」から「オール日本」へ、ともにたたかっていかなければならないと感じた沖縄行でした。

(2016年1月31日付「兵庫民報」掲載)

ノーモアヒバクシャ近畿訴訟・傍聴記:2016-1-20

「科学的知見とは」を正面から問い直す

副島圀義

大阪高裁一月二十日の弁論は、放射線被曝と疾病の関係についての「科学的知見とは?」を、正面から問い直す場となりました。


甲状腺機能低下症と被曝線量の関係についての研究業績が高く評価され、国際被爆医療協会名誉会長でもある長瀧重信氏らが、国側にたった意見書を提出。

対して、原告代理人の濱本由弁護士が反論するとともに、被爆者医療の第一人者である郷地秀夫先生が意見書を提出したのです。


長瀧氏らは「原告の請求を認めた一審判決は、長瀧論文などを不適切に引用している」「長瀧論文は甲状腺機能低下症と放射線の関連性を認めたわけではない」と、自らの研究の成果を低めました。国が遠距離被爆者の甲状腺機能低下症を原爆症と認めないことを「専門家として応援する」内容です。

郷地先生は逆に、長瀧論文の値打ちを緻密に明らかにしました。有病率と発病率の関係、研究対象の選び方、被爆医療研究発展のなかでの位置などについて述べています。

データ解析・評価での長瀧氏の「つまずき」について「放射線起因性があるということは、線量と発病率が単純に右肩上がりになるということではない」と、臨床現場ならではの指摘もあります。

さらに、国が一貫して認めようとしない内部被曝の仕組みについて、核種ごと臓器ごとの特徴などを詳しく解説。長瀧論文が、甲状腺の病気にとっては特別重要な内部被曝の問題にせっかく接近したのだから「自説に誇りと自信を持っていただきたい」と惜しんでもいます。


裁判は本来、学問上の研究討論の場ではなく、憲法・被爆者援護法などを基準に、行政のあり方の是非を問うものでしょう。しかし、この日の弁論を聞き、郷地意見書を読んで、科学的知見発展のプロセスや、科学(者)が果たすべき社会的役割についても、改めて考えさせられたことでした。

(2016年1月31日付「兵庫民報」掲載)

兵庫山河の会「山河」合同歌集五号より

わが裡に棲める小鳥よ羽搏きて伝えてゆけよ反戦の声
安武ひろ子

戦争反対デモに行く孫に負けじとポスターを貼る
鵜尾 和代

アベ政治災厄の箱パンドラに残りし希望その名シールズ
古賀 哲夫

「読んでね」とビラを手渡す「はい」と取る高校生の未来頼もし
塩谷 凉子

翁長さん奮然として立つ裁判は新基地いらぬ沖縄へ返せ
西澤 愼

この国の平和をまもる戦いにプラカード持ち街頭に立つ
山下 勇

哀しみの参議選にしたくなし支持も広げて署名取り組む
岸本 守

芯までは病んではいない世に在るに少し疲れた末枯れ松の木
山下 洋美

昼デモの見知らぬ人と声交わす戦争あかんの決意みなぎり
大中 肇

(2016年1月31日付「兵庫民報」掲載)

全国遊説演説会を結節点に参院選勝利へ―日本共産党


日本共産党県委員会と各地区委員会は、七月の参議院選で比例四十六万獲得、選挙区での金田峰生候補勝利を勝ち取り、「戦争法廃止の政府」実現の流れを兵庫から大きく強くしようと、一月二十四日、尼崎アルカイックホール・オクトで、こくた恵二衆議員と金田峰生参院兵庫選挙区予定候補が訴えた演説会をかわきりに、兵庫県内各地で「全国遊説演説会」を計画しています。

《姫路》3月5日(土)14時/姫路市文化センター大ホール/弁士=市田忠義副委員長(参院議員)、金田峰生参院兵庫選挙区予定候補

(2016年1月31日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

「中国引揚げ漫画家の会」というのが一九九五年三月に旗揚げしている。赤塚不二夫・森田拳次・ちばてつや・古谷三敏・高井研一郎・北見けんいちなど十二人の漫画家と漫画評論家の石子順によって結成。『ボクの満州』や『中国からの引揚げ-少年たちの記憶』の出版や、日本各地そして中国での漫画展も行ってきている▼全員が中国から「引揚げ」てきた経験を持つのだが、石子順は「引揚げ」という言葉にどうしても引っかかると『ぼくらが出会った戦争』でその心情を語っている。「引揚げ」では旧満州を植民地にし中国を侵略してきた歴史や事実がうすまるというのだ。中国からみれば、国内にいる日本人を送還・退去させる「遺送日僑」という表現となり、不法に中国にいたということも言外にこめられ実態に近い。ところがそれとぴったり合う日本語がない。これが彼の引っかかりなのである▼戦前の天皇制政府は「五族協和」「王道楽土」のスローガンで国民を「満蒙開拓」に動員し、敗戦となるとこれを「終戦」といいかえ、「一億総懺ざん悔げ」によって自らの戦争責任を曖昧にしてきた。そんな言葉づかいをつかさどる遺伝子はいまアベ政治に復活している。「一億総活躍社会」なるコトバを打ち出し担当大臣まで置いた。「世界で一番企業が活躍しやすい国」と言ってきたこととの整合性などお構いなし▼「引揚げ世代は今日も生きて、亡くなったものたちの言葉を伝えている」と石子の弁。その言葉こそがいまわかものの体内に取り込まれ、彼ららしい彩りでスマホにメモされ、街中で発信されている。 (T)

(2016年1月31日付「兵庫民報」掲載)

2016年1月24日日曜日

阪神・淡路大震災21年:東日本にも思いよせ追悼・メモリアル

阪神・淡路大震災から二十一年の一月十七日、さまざまな催しが行われました。

○市民追悼のつどい



被災者ネット、福祉ネット、ボランティアグループ「すまいる」、県生健会、NPO法人Earthでつくる実行員会は、諏訪山ビーナステラスで地震発生の午前五時四十六分に黙禱するなどの「早朝追悼のつどい」を行いました。


また午前十時から神戸市勤労会館で「市民追悼のつどい」を開催、筑前琵琶と声明による音楽法要などを執り行いました。


挨拶で実行委員長の安田秋成さん(90)は、「国民の命と暮らしを守ることを第一とする国や自治体をつくるための一つのきっかけとして市民追悼のつどいは続けていく」と決意を語りました。

○復興県民会議メモリアル集会



阪神・淡路大震災救援・復興兵庫県民会議は、神戸市勤労会館で「メモリアル集会」を開き、三百人が参加しました。

代表委員の菊本義治さんが挨拶。岩田伸彦事務局長が二十一年を経ての課題などについて、借り上げ復興公営住宅の転居強要、災害援護資金の返済免除、支援法拡充の緊急性などを報告。「消費税一〇%になれば三千万円で住宅再建しても支援金三百万円が税金で消える」と訴えました。

ひょうご借り上げ住宅協議会の段野太一運営委員は、神戸市の議事録も示し、「行政は、そもそも二十年で退去と入居者に説明していなかった」と指摘。「継続入居へ最後までがんばる」と訴えました。

日本共産党の森本真神戸市議が新長田駅南の再開発のスライドを示しながら、シャッター街、過剰な店舗床など失敗の実態とともに、にぎわいをとりもどす住民の取り組みを紹介。県と神戸市が発表した行政機能の一部移転と庁舎ビル建設が苦肉の策であり「人、街、暮らしがもどってこそ復興」と語りました。

福島県浪江町の馬場有町長が「浪江町が受けた原発被害と現状」と題して記念講演。「私も原発推進論者でした」と反省を込めて語り、いまだに事故原因究明も検証もないこと、原発再稼働の動きを批判し、「原発はもういらない」と訴えました。いまだに町内全域、二万一千人全町民が避難指示によって福島県内外に避難、「戻りたい」(一七・八%)「戻らない」(四八%)という回答の町民アンケート結果も紹介。再生可能エネルギー活用など復興まちづくりの計画も紹介しました。

借り上げ住宅の継続入居、最低五百万円への引き上げなど被災者支援法の拡充などを訴えた集会アピールを採択しました。

○震災復興長田の会メモリアルウオーク



震災復興長田の会の呼びかけで開催された「長田メモリアルウオーク」には、百十五人が参加しました。

JR新長田駅南側の再開発地域を中心に、コースの要所ごとに震災当時の写真などを掲載した資料を手に、震災から二十一年目の長田区を歩きました。

ウオーク後、神戸平和と労働会館で開いた交流会では、被災者から当時の状況や今も続く苦しみが語られ、県や神戸市の復興施策が被災者無視で進められていることが訴えられました。

今年二十歳になるという震災後に生まれた青年は、震災のことを話でしか知らないので、自分の足で確かめたかったから参加したと語りました。宮城県からの参加者は、東日本大震災被災地の現状を報告するとともに、大災害を風化させない地元の取り組みを続けようと強調しました。

○1・17と3・11をつなぐ会



「市民追悼のつどい」に引き続いて、福島原発事故のために兵庫、大阪などに避難してきている被災者との交流会が開かれ、福島県だけでなく、茨城県、千葉県、東京都などからの避難者十家族がそれぞれの実情を話しました。

放射能から子どもたちを守ろうと避難したものの、とくに福島以外からの場合、原発被災者としてまわりに認めてもらえないなどの困難さや辛さを語り、このように話を聞いてもらえる場がほしいと訴えました。

(2016年1月24日付「兵庫民報」掲載)

阪神・淡路大震災21年――日本共産党兵庫県委員会が声明

生活再建と真の復興、防災施策の前進を


日本共産党兵庫県委員会が一月十四日、以下の声明を発表しました(標題は編集部)。

県庁記者クラブで声明を発表する
金田峰生氏と(左)と森勇治党県副委員長(右)

死者六千四百三十四人、全半壊(焼)約四十七万世帯の被害をだした阪神・淡路大震災から二十一年にあたり、あらためて亡くなられた方々、ご遺族のみなさまに哀悼の意を表するとともに、被災されたすべての方々に、お見舞いを申し上げます。

*
兵庫県や神戸市、西宮市が、借り上げ復興公営住宅の入居者に「二十年が期限」と退去を強制している問題は、昨年、兵庫県弁護士会の意見書発表をはじめ県内の世論と運動がひろがり、西宮市議会での退去提訴議案の全会一致による継続審議、県の判定委員会が入居者のおかれた条件を考慮して一定の継続入居を認めるなどの動きが生まれました。

しかし、「じわじわ首をしめつけられているよう。つらい毎日です」(神戸市議会での陳述)という借り上げ住宅入居者、やむなく転居を余儀なくされた人も少なくありません。西宮市につづいて神戸市でも、震災の教訓さえ投げ捨て、「ついのすみか」から被災者を裁判にかけてでも追い出そうとしており、こんなコミュニティ破壊の理不尽は、許されません。

宝塚市、伊丹市のように希望者全員の継続入居を実現するために全力をつくします。

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阪神・淡路大震災では被災者支援金(最高三百万円)などの公的支援がなかったため、多くの被災者が災害援護資金(限度額三百五十万円)を借りて、その返済に苦闘してきました。昨年、堀内照文衆院議員が返済免除による救済を国会で要求したことをはじめ、世論と運動がひろがるもとで、少額返済者も免除の対象となることを国に認めさせるなど、解決へ大きく前進しました。

ひきつづき返済免除による救済に力をつくします。中小業者・商店への直接支援をはじめ住民本位のまちづくり、高齢化する被災者の見守りとコミュニティづくりへの支援施策の拡充など、ひきつづき奮闘します。

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近年、二〇一四年の丹波水害など自然災害が相次いでいます。三月には東日本大震災から五年を迎えます。「個人財産の形成になる」といって民間の商店、工場、医療機関などの復旧を支援しないという旧来の災害対策の「原則」を取り払い、住宅と生業の再建に必要な公的支援を行うことを復興の基本原則にすえるよう、日本共産党は、国と自治体に求めて奮闘します。被災者支援金の五百万円への引き上げなど支援制度の拡充に力をつくします。

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「防災」の名目で大型公共事業の復活をはかる自公政権の「国土強きよう靭じん化」ではなく、国民の命とくらしを守る真の防災・減災対策こそ必要です。日本共産党は、南海トラフ地震対策をはじめ、津波、高潮、洪水など水害、土砂災害への抜本対策、一刻も早い公共施設の耐震化と住宅の耐震化へ奮闘します。保健所や土木事務所の統廃合や職員の削減ではなく、医療や福祉の日常的なネットワークづくりや専門家の配置、橋や道路などの維持・管理、「防災」「老朽化対策」などに重点をおいた公共事業こそ急務です。

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日本共産党は、阪神・淡路大震災二十一年にあたり、「国民の苦難軽減」の立党の精神に立って国会でも、地方議会でも、生活再建と真の復興へひきつづき全力をつくし、「復興県民会議」「借り上げ住宅協議会」などの諸団体や住民のみなさんと力をあわせて奮闘します。東日本大震災の復興のたたかいとボランティア派遣をはじめ、各地の被災者の運動と連帯した取り組みをすすめます。ことし夏の参議院選挙は、金田峰生を先頭に、戦争法(安保法制)廃止の「国民連合政府」実現、被災者の生活再建と防災施策の前進へ奮闘する決意です。

二〇一六年一月十四日 

日本共産党兵庫県委員会
 委員長 松田隆彦
 災害・東日本大震災救援・復興対策委員会事務局長 金田峰生

(2016年1月24日付「兵庫民報」掲載)

憲法が輝く兵庫県政へ[14]:農業

農業と平和は国の礎


兵庫県農民運動連合会 田中眞一郎

TPPで日本の農業が壊滅するという話は正しい。

もっとハッキリ言うなら、すっかり衰退していてTPPがトドメの一撃となりうる。

そんな状態だから、運動の成果でTPPへの参加を取り止めただけでは、日本の農業を魅力ある産業にできないと思っている。

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一昨年の春に、淡路島の農家で大学を卒業した長男が、農業を継いでくれそうだと喜んでいたが、教職員に採用されてしまった。残念ではあるが、皆「ヨカッタネ」と声をそろえる。公務員なら安定した給料がもらえる。

対して農業で得られる収入はささやかだ。

天候不順でキャベツの値段が倍になった時、二百円のキャベツが高いと言われた事がある。テニスコート三面くらいの畑に千玉のキャベツが育っていた。全部二百円で売れても二十万円で終わり。翌月から次の収穫まで無収入で過ごすのだ。

だから、少しでも高く売りたい。

この時は大雪で、銀世界……キャベツは雪に隠れて見えない。雪をかき分けながら収穫するキャベツは寒さからアントシアニンで紫色に色づいていた。見事な出来栄えだったが、「寒さで小さいね」と値切られて二百円で売れなかった。

こんな状況で野菜を作っても、野菜には行政から補助金が出ないから、生計をたてる事は難しい。

農業に憧れて、野菜を作りたいという人がいても、会社員や公務員を定年まで勤めあげて十分な年金で生活が保障されている人でなければ無理だ。若い後継者など望めない。

水田稲作も低米価で赤字が当たり前になっている。五キロ=二千円の米は茶碗一杯に換算すると三十円だ。茶碗一杯三十円でも高いといわれてはどうしようもない。

家族経営の農家は年金をつぎ込んで農業を続けているのが実態だ。その一方で政府が推奨する大規模農家は借金が増えるばかりで、先が見えない。年金で賄える程度の赤字では済まないのだ。生命保険を担保に借金を続ける酪農家もいる。

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農業は、食べる人があってこその産業だ。

しかし、世界で日本だけが二十年以上も労働者の賃金が増えず、不安定な非正規労働者が当たり前になった。低賃金では、食べるものも価格で選択せざるをえない。

私はかつて日雇い派遣で日当三千八百円の仕事が有ったり無かったりの生活をしていた。昼食に飲み物は百円で一リットル、食べ物は百五十円で一番カロリーの高いパンを買っていた。見回すと、日雇い派遣の全員が同じものを買っている。店で自由に選んだつもりが、選ばされている事に気づいた。

低賃金では年金も正社員のようには負担できない。現在、高齢者の年金受給額が減る一方なのも、現役世代の賃金が安すぎるから年金の原資が不足するのだ。

現役労働者が適正な賃金を得て、高齢者も不安なく暮らせる額の年金を受け取れる社会でなければ、安心安全な国産農産物は、行き場を失う。

農業の問題は農村だけでは解決しない。

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七十年前、新しい憲法とともに、すばらしい未来像を持っていたはずだ。もう一度、日本社会に望ましい未来像を思い出し、今度はシッカリ持たなくてはならない。

今の政治は何もかも間違っている。

農業と平和は国の礎だ。農地を荒らし、戦争をする国に未来は無い。

(2016年1月24日付「兵庫民報」掲載)

市民にあたたかい神戸市政へ〈3〉:中学校給食(下)

安全・安心な自校調理で中学校給食の再開を(下)

神戸の中学校給食を実現する会 井村弘子

神戸市の中学校給食の問題としてこれまで、「おかずが冷たくおいしくない」「選択制で利用率が四割程度」「栄養教諭が配置されない」などがあげられていました。

全国各地でデリバリー方式から撤退


いま、全国で「民間委託・デリバリー方式」から「親子方式」「自校調理方式」への転換が相次いでいます。厚労省「大量調理施設衛生管理マニュアル」で「一〇℃以下又は六五℃以上の温度管理の配送」が義務付けられていますが、デリバリー方式では六五℃以上での配送が困難。一〇℃以下の「冷たい給食」は、「おいしくない」と生徒の利用率が低迷した結果、食育を推進することができなくなったというのが主な理由です。

姫路市では、年間一億円の費用で利用率一〇%台にとどまり、文科省の「学校給食実施基準」第二条(すべての児童・生徒に対し実施する)に反するとして、「デリバリ―方式」からの撤退の方向を打ち出しました。

神戸市は、政令指定都市では学校数が多く、デリバリー方式を選んだ例が多いとしますが、大阪市(百二十四校)でも、市民の運動で六年かけて「親子方式」への転換が始まりました。

兵庫県内でも、新たに実施を開始・決定した芦屋市は『自校調理方式』を選択し、川西市でも、実施計画の内容・方式は未定ですが「自校調理方式を基本として検討をすすめる」との基本方針を明らかにしています。

「自校調理」への転換市長の決断で可能


神戸市は、「デリバリー方式」採用の根拠の一つに、「経費が安く、すぐに実施できること」をあげていました。しかし、維持管理運営費は、他の方式より「デリバリー方式」の方がかさみます。(表参照)

各方式の年間財政負担(運営期間40年で割戻し)
単位:億円、神戸市教育委員会資料より作成
自校調理 親子 センター デリバリー
初期投資費 3.6 1.6 3.2 0.4
修繕更新費 6.6 2.7 5.6 0.4
運営維持費 16.2 18.6 13.6 18.4
年間経費
26.4 22.9 22.3 19.2

「デリバリー方式」は初期投資が少なくても、「異物混入問題」で明らかになったように、安全・衛生面への設備投資がおざなりにされ、監督指導がゆきわたらない致命的欠陥があります。

「自校調理方式」を選択した場合、初期投資費は約百四十億円かかりますが、市債償還年数二十年で負担すると、年間七億円程度ですみます。どちらの方式をとるかは神戸市の姿勢、市長の決断にかかっています。

また、「デリバリー方式」の準備で、すべての中学校の配膳室の整備が終わっており、これを活用すれば「親子方式」(小学校で調理した給食を近くの中学校に配送する)はすぐできます。

神戸の中学校給食を実現する会は、自校調理方式での給食実施を求める、新たな市長請願署名を開始しています。

憲法二六条が生きる「未来への投資」を


日本国憲法二六条は、「すべて国民は……ひとしく教育を受ける権利を有する」「義務教育は、これを無償とする」と定めています。「会」の代表でもある料理研究家の坂本廣子さんは「食は未来につながり、こどもが変わり、地域全体が変わる。給食は憲法の理念を生かした、未来への投資です」と語っています。

もう一度、署名積み上げ神戸市動かそう


「会」が神戸市全区に結成され五年。九万筆の署名が神戸市を動かし、「給食実施」が決まり、多くの保護者・市民に喜ばれました。

この五年間の運動の中で、よく学び、各地の給食も試食して、運動する側みんなも成長したドラマが山ほどあります。三人の子育て中のAさんは「私は母親のネグレクトで辛い幼児期を過ごしましたが、小中学校に通えたのは『給食』があったからです。中学校給食の運動に参加させてほしい」との手紙を「会」に寄せ、以来、運動に参加しました。

九万筆の署名活動では、運動会、音楽会、夏祭り、PTA役員にも訴えました。新たに始まった署名にも大きな反応が返ってきています。もう一度署名を積み上げて神戸市を動かしましょう。

(2016年1月24日付「兵庫民報」掲載)

日本共産党神戸市議団が借り上げ住宅明渡し請求中止を市長に申し入れ


日本共産党神戸市会議員団は十三日、久元喜造神戸市長に対し「キャナルタウンウェスト住宅入居者への明渡し請求の中止」を申し入れ、①入居者に送付した文書の撤回②入居者を裁判で追い出すようなやり方はやめ話し合いを継続すること③希望者の継続入居を認めること―などを求めました。

神戸市は、昨年十二月二十五日付で「借上げに係る市営住宅の明渡しについて(請求)」という文書を、借り上げ住宅のキャナルタウンウェスト(兵庫区)入居者に送付。「平成二十八年一月三十日をもって借上期間が満了」するから「借上期間満了日までに、市営住宅を明け渡すよう」迫ってています。

これは、「借り上げ期間二十年」を口実に、継続入居を求めている人たちを無理矢理追い出そうとするものです。年末にこの文書を受け取った人たちは「無理やり追い出されるのか」「住む家を奪われるのか」「追い出されたら、どうやって生きていったらいいのか」など、不安におびえながらの年末年始となってしまいました。

申し入れでは、神戸市の態度は、議会論議や県弁護士会の意見書等からみても容認できないと指摘。議会での論議を抜きに「市長専決処分」で提訴しようとしていることも厳しく批判しています。

申し入れには、金沢はるみ、大かわら鈴子、山本じゅんじ、西ただす、味口としゆき各議員が参加、住宅都市局の高木雅章住宅整備担当部長らが応対しました。

議員から、決算特別委員会住宅都市局審査(十月二日)で住宅担当局長が「公営住宅法にもとづく明渡し請求が合理性を有するかどうかまでは(国土交通省に)聞き取ってはいない」「公営住宅法三二条を盾に追い出すつもりはない」などと答弁していることを指摘。

さらに、神戸市が押し付けている「完全予約制」に応じることができない理由が入居者それぞれにあること、県弁護士会の意見書も「一人ひとりの事情に応じて対応することは、個人の尊重を基底とする日本国憲法の要請である」と指摘しているとして、コミュニティを壊して高齢者の命を縮めるようなやり方はやめ、個人を尊重した対応をと強く求めました。

高木部長らは「完全予約制に応じれば、文書は撤回することになる」「期日の一月末までは話し合いを続ける」「裁判になれば主張が認められるようにしていく」などと、入居者の実情を無視した答えに終始しました。「裁判で違法だとされたら、高齢者の健康を破壊したことなど、だれがどう責任を取るのか」との指摘に対しては、「判決には従う」としか答えられませんでした。

また、今回、文書を送付した入居者の入居許可証には「入居期限」が記入されていないことも認めました。

(2016年1月24日付「兵庫民報」掲載)

借り上げ復興住宅で健康・法律相談


「二十年が期限」と退去を迫られている借り上げ復興公営住宅の入居者を支援する「借上復興住宅弁護団」は、県保険医協会、兵庫民医連の協力をえて、一月十六日から三十一日にかけて、神戸市内を中心に九カ所で健康・法律相談会を開催しています。「継続入居がどうしても必要だという借上復興住宅の入居者の声を届ける一助に」と企画されたものです。

神戸市兵庫区の借り上げ住宅団地「キャナルタウンウェスト」の集会所で十六日、開催された相談会では、弁護士と民医連の医師・看護師らが相談に訪れた入居者の不安にこたえ、「市が退去を求めてきたら交渉します」(弁護士)などと激励しました。

同団地に住む女性(72)は「ぜんそくがあって、お薬手帳を持ってきました。やさしく指導していただき、とてもうれしかった」と語りました。入居者の男性(67)は「うちは十月が期限ですが、弁護士の先生が『応援します』とおっしゃってくれました。元気が出ました」と話していました。

(2016年1月24日付「兵庫民報」掲載)

明るい福崎町をつくる会が「感謝のつどい」:町民の理解と協力に感謝

「町民が主人公・憲法を暮らしに」と20年


「明るい福崎町をつくる会」が一月十七日、福崎町エルデホールで、「感謝のつどい」を開催し、二百五十名が参加しました。昨年十二月に任期満了を迎えた嶋田正義前町長の五期二十年にわたる町政を支えた福崎町民の理解と協力に感謝することを目的に開催されたものです。

つどいでは、町民が参加する団体による民謡や太鼓、ミュージカルなどの文化行事に引き続き、嶋田正義氏が記念講演を行いました。

講演する嶋田前町長

嶋田氏は、自らの生い立ちと中学校教師時代の体験を通して社会の矛盾を解決する生き方に到達したいきさつにふれた後で、町長選への立候補の決意にいたった経過、二十年間におよぶ町政運営のなかで努力したことを述べました。

嶋田氏は、町民が主人公、憲法を暮らしにいかすことを何よりも大切にし、そのために情報公開と職員の研修研けん鑽さんに特別に力を入れてきたことを報告。柳田國男の故郷である福崎町で、「『自律(立)の心を育て参画と協働のまちづくり』に努めてきた」と述べました。

講演の最後で嶋田氏は、昨年十二月の町長選挙時から兵庫県警と福崎署による不当捜査が引き続き行われている問題にふれて「何の違反でもない後援会活動を違反にしようとする『えん罪作り』を許さない」「憲法を暮らしにいかす立場で、憲法違反の不当捜査の中止を求めて頑張りたい」と決意を表明しました。

感謝のつどいでは、橋本省三町長が来賓として挨拶しました。また日本共産党の金田峰生参院選挙区予定候補のメッセージが紹介されました。

(2016年1月24日付「兵庫民報」掲載)

戦争法廃止2000万署名:日本共産党女性後援会がロングラン宣伝

16歳の少女たちも「戦争絶対いや」と署名


通りすがりに激励の声をかける人も

日本共産党兵庫県女性後援会は一月十六日、神戸・元町商店街東口で、「戦争法の廃止を求める統一署名」(二千万署名)のロングラン宣伝を行いました。正午から午後二時までの二時間、机をだしての宣伝に県下から十二人が参加。九十一筆の署名が集まりました。新婦人兵庫県本部内後援会の由利美香さん、同垂水支部内後援会の尻池直美さんが訴えました。

金田峰生参議院選挙区予定候補も駆けつけ、「国民連合政府を実現して戦争法を廃止し、立憲主義・民主主義をとりもどし、個人の尊厳といのちを守る政治の実現を」と訴えました。西ただす神戸市議も憲法を変えようとする安倍政権の危険性を訴えました。

十六歳の少女二人が「戦争なんて絶対いや」と署名に応じてくれたり、「野党共闘がどれだけできるかにかかってるね」(中年男性)、「安倍政権をやめさせなあかん」(車いすを押していた男性)、「共産党が頑張ってくれな困る」(五十代女性)などの声が寄せられたりしました。

(2016年1月24日付「兵庫民報」掲載)

金田氏と民青同盟がセンター試験受験生を激励


金田峰生参議院兵庫選挙区予定候補と民青同盟兵庫県委員会は十六日、阪急六甲駅前でセンター入試の受験生を激励する宣伝を行いました。

シールアンケートに答えた受験生からは「新聞を読むのが好きで、民青もネットで見て気になってました」「大学に入ったら政治や社会のことをもっと知りたい」という声や「学費を上げないで」「ブラックバイトをなくして」という切実な要求が次々と出されました。

(2016年1月24日付「兵庫民報」掲載)