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2015年12月20日日曜日

発言:冨永弘久さん(兵庫民医連理事・尼崎医療生協病院副院長)

戦争と健康は相容れない




全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)は、地域の国民の目線から医療をよくすることを追求し、運動している医療団体です。

七月の全日本民医連評議員会で、「戦後七十年、平和と人権をさらに高く掲げて」と題する特別決議をあげました。

いまSDH(健康の社会的決定要因)がWHO(世界保健機関)などで取り上げられています。健康を害する社会的要因に対して取り組むことが、個々の医療とともに重要だ、ということが医療分野の国際的な流れになっています。

健康を害する要因の最たるものが戦争です。

敗戦の年・一九四五年の日本人の平均寿命は公的な統計ではありませんが、男性二十四歳、女性三十八歳だったといわれています。平和の時代には考えられない短さです。健康と戦争は相容れません。

評議委員会ではSDHの精神に立って、二つの点が強調されました。

一つは憲法の問題です。

ある人々は、憲法は「押し付けられた」というけれども、実際には、政府最終案に対する世論調査(四六年五月、毎日新聞)で七割が戦争放棄に賛成するなど、現憲法は国民多数に歓迎されて生まれました。今日まで日本に平和をもたらしてきた一番大きな力は国民のなかに「憲法を守ろう」という運動・意識がずっとあったからです。

もう一つは医療倫理の問題です。

ドイツの医療界は、ナチス時代の医療者の非人道的行為を戦争犯罪と規定し厳しく自己批判し、医療教育の中でも戦争犯罪についての講義が行われています。しかし、日本の医療界は、歴史の検証・反省が不十分なまま現代に至っています。私たちもその一員ですから、医療者として声をあげていくことが重要です。

こういう判断ができる民医連という組織で働いていることに私は大きな誇りを感じています。

私は、青年時代がベトナム戦争に重なり、当時から平和や反戦、憲法九条、原爆などについて考えることが当たり前のようであった世代です。しかし、いまの若い世代は教育の中でこうしたことを知らされていません。

その若い世代の中からも、今回のことで憲法、戦争・平和について改めて学び直した人が大勢出てきました。反対運動を通じて主権者としての意識が高まっています。

私たちの病院内でも、成立後、子育て世代の若い職員たちが、「あすわか」の弁護士さんを呼び、院内で憲法カフェを開くなど、自主的な活動が生まれるなど、従来にない動きがあります。

憲法の精神が根付いているのだと強く感じられ、確信になり、勇気をもらっています。

共産党の「戦争法廃止の国民連合政府」の提案は、ほんとうにすごい。中身がシンプルで分かりやすい。戦争法廃止と集団的自衛権行使容認の閣議決定撤回、そのための連合政府をつくると目的が明確です。しかも、この二つをやり遂げたら解散・総選挙をするという提案は、国民がどんな政府を選び託すのか、国民主権をとても大事にしている。これはすごいセンスだと思いました。

政党間では色々問題はあるのでしょうが、私たち国民自身の世論形成が戦争法廃止の国民連合政府を実現する力になると思います。いま提起されている「二千万人署名」も大いに取り組もうと活動を開始しています。

民医連は色々な運動の「架け橋」という表現で、従来はお付き合いのなかった様々な組織とのつなぎ目になるよう取り組んでいます。様々な違いがあっても大事な課題で協力、連帯していくことに、特に若い人たちといっしょに頑張っていけたらと思います。 (談)

(2015年12月20日付「兵庫民報」掲載)

借り上げ復興住宅明け渡し提訴議案:西宮市議会が継続に

西宮市議会は十二月十五日の本会議で、借り上げ復興住宅「シティハイツ西宮北口」の入居者に明け渡しを求める提訴議案を継続審議とすることを議決しました。

入居者を支援する借上復興住宅弁護団(佐伯雄三団長)は十一日、市議会建設常任委員会が全会一致で継続審議を議決したのを受け、「安易に訴訟での解決を図るのではなく、協議によって解決すべきであるとの見解が示されたことについては、大いに歓迎したい」とする声明を発表。また十五日、本会議での議決を受け、市長に対し協議を申し入れました。

西宮市は、URとの二十年の契約期間満了を理由に、借り上げ復興住宅からの全員退去を迫り、九月三十日に二十年を迎えた同住宅の住民に明け渡しと損害賠償を求める訴えを提起する議案を市議会に提出していました。

これにたいし住民団体や弁護団は、訴訟をやめるよう求めた市民らの署名を今村岳司市長と大川原成彦市議会議長あてに提出していました。

同委員会で日本共産党の上田さち子、庄本けんじ両市議は、期間満了時の退去の事前通知を市が怠り、入居者は何も悪いことをしていないと市側も答弁してきたことなどを指摘し、国の補助金活用を検討し和解するよう求めました。

入居者の中下節子さん(77)は「ほっとできないが、よかったと思います。これからです」と語りました。弁護団は声明で、入居者にとって借り上げ復興住宅は「命綱」に等しいと指摘し、「継続入居を希望する入居者が、シティハイツ西宮北口において生活できるように、今後も、西宮市との協議求め、解決を図っていく」と述べています。

(2015年12月20日付「兵庫民報」掲載)

戦争法廃止2000万人署名:全戸訪問・投函ポスト・「担い手」づくり

12月12日の元町・大丸前宣伝

戦争法廃止を求める二千万人署名を広げようと県内の日本共産党の支部と後援会は、駅頭や繁華街での署名行動、全戸訪問、投函ポストの設置、赤旗読者や後援会員への署名収集のお願いによる「担い手」づくりなど、地域密着で多彩な取り組みを広げています。日本共産党は県内で五十万人から署名を集める目標を決めています。

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芦屋西支部は、二千筆の目標をたて、全戸訪問などに取り組み、これまでに約百五十筆(党独自の署名も含む)を集めています。

支部では、「近々取りに伺います」と書いた署名呼びかけチラシをつけた署名用紙を事前に配布し、二、三日後に訪問するという活動を、この間五回取り組んでいます。訪問すると、インターホン越しに断られる場合もありますが「いつ来てくれるのか待っていた」と署名用紙にすでに書いて渡してくれる方や、「書いたから取りに来て」と電話をかけてくる方もいました。行動のなかでは、一日に七人の後援会員が増えたこともあります。

また、宣伝カーを運行し、国民連合政府や署名の呼びかけもしています。「誰の子どもも殺させない」とママの会のスローガンなども交えながら訴えると、「共産党がんばれ」という高校生やハイタッチで応じてくれる中学生など、反応も寄せられています。

今後は、地域の著名人に署名の呼びかけ人になってもらい、それをチラシで紹介しながら、署名を呼び掛けていこうとしています。

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三田のつつじが丘支部は、地域の二千三百戸を訪問し、五百筆の署名を集めようと十月から毎週全戸訪問を行っています。

前日に署名のお願いをいれ、翌日毎回二組に別れて訪問。なかには家族分まとめて書いて待ってくれている方もあり、地道に歩けば反応があると確信を深めています。現在約四分の一のお宅を訪問し、署名数は約九十筆になりました。また、訪問の中では、毎回、後援会員も一~二人増えています。日曜版読者も一人増えました。

支部長は「地域を歩けば、何かが起こる。地道に取り組んでいきたい。全戸を訪問しきることとともに、つながりでも集めながら、なんとしても五百人の署名を集めていきたい」と話しています。

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明石の二見支部は、二千万人署名を二週間で三百八筆集め、年内に五百筆集めようと奮闘しています。二見地区有権者の一〇%の一千三百筆を目標に取り組んでいます。署名を集めるサポーターも読者や後援会員の人びとを中心に百人を目標にして、現在三十一人。なかには一人ですでに六十筆を集めたサポーターも生まれています。

全戸訪問では、赤旗号外などを渡しながら署名をお願いしています。対話では「八月には戦争法案反対で東京に行ったよ」と署名に応じてくれる方もいました。十二月二日に、トーホーストア前で宣伝行動。九人で取り組み、二人に一人が応じてくれ四十七筆が集まりました。

(2015年12月20日付「兵庫民報」掲載)

堀内衆院議員が但馬で地域医療の実情調査

八鹿病院緩和ケア病棟で話を聞く
堀内議員(中央)と金田氏(その左)ら

日本共産党の堀内照文衆院議員が十、十一日の二日間、但馬で地域医療の実情について調査に入りました。

堀内議員は、朝来市の和田山、梁瀬両医療センター、豊岡市の豊岡病院と出石医療センター、養父市の八鹿病院(いずれも組合立)、豊岡市当局を訪ね、話を聞きました。

政府は、「新公立病院改革ガイドライン」を定めると共に、「医療・介護総合確保法」に基づき、急性期を中心にベッド数を削減する「地域医療計画」を進めています。また、介護要支援1、2の判定を受けたお年寄りを介護保険から外し、市町事業へ移行させました。

これに対して、「医師がいないから患者を受けられず、ベッドが空いているのであって、医療ニーズが減少している訳ではない。空きベッドが多いから削れというのは本末転倒」「人口だけでなく病院までの距離や通院手段の整備状況なども考慮するべき」などの声が寄せられました。

また、介護事業については、「正規雇用を増やせば赤字になる」と率直な指摘があり、必要な介護支援がボランティア頼みであることが明らかになりました。

この調査には、金田峰生参院兵庫選挙区予定候補、各市議、地域医療を守る但馬の会の千葉裕氏も同行しました。

(2015年12月20日付「兵庫民報」掲載)

県議会:ねりき議員が一般質問

安倍暴走政治への追随でなく県民の安全・雇用・農業・教育まもれ



十二月八日の兵庫県議会本会議で日本共産党の、ねりき恵子議員が一般質問を行いました。

武庫川の総合治水の推進を


武庫川の総合治水について、学校や公園などに雨をためる対策が、目標自体も低いにもかかわらず、計画の三割しか達成されていない問題点を指摘し、市立の小中学校の校庭や公園などへ、県で事業化したり、財政的に支援することを求め、県当局は「市の学校・公園の貯留には、指針を作成するなど促している。県の負担軽減策は、ニーズや整備効果を踏まえて、検討する」と答えました。

正規雇用を増やせ


ねりき議員は、安倍政権の「アベノミクス・三本の矢」でも国内需要の落ち込みは深刻であり、兵庫県として、非正規から、正規雇用を増やす雇用政策へ転換し、中小企業を応援する補助金の創設を求めました。

しかし井戸知事は、パナソニックに巨額を与えながら、撤退・雇い止めを起こした企業立地補助について、「正規雇用の確保に役立っている」とし、「国のキャリアアップ助成金の定着状況を見極めてから」などと答弁しました。

農家の担い手支援を


また、TPPについて県下の「飼料代が一・三倍に上がっているうえ、関税が下がり海外から安い乳加工品が輸入され、大きな影響を受ける」(淡路の酪農関係者)などの切実な声の一方で、政府の「総合的なTPP関連政策大綱」では、備蓄米や補給金などの追加のみで、不安を解消するものとは程遠い現状となっていることを批判し、少なくとも重要五品目の関税撤廃は認めないことや大規模化だけでない、農家の担い手支援を井戸敏三知事に迫りました。

私立高校生の学費負担を軽く


国の制度が始まったもとで、奨学金を活用しても、私立高校生の年収三百五十万円未満の世帯でも、初年度に約五十万円を超える負担があるのが現状です。

ねりき議員は、「全国では学費を軽減する努力をつづけている。県は『授業料以外は補助しない』という姿勢で、施設整備費などが重い負担であり、制度拡充と収入上限の緩和こそ必要」と追求。県当局は、「国の動向等を勘案する必要がある」と答弁しました。

(2015年12月20日付「兵庫民報」掲載)

神戸市議会:大前議員が初の一般質問

若い世代の願い代弁


神戸市議会が十二月七日に開かれ、日本共産党の大前まさひろ議員が本会議での初の一般質問を行いました。

大前議員は、若い世代の願いに応える神戸市政への転換を訴え、ブラック企業・ブラックバイト対策強化や保育所待機児童の解消を求めました。

ブラック企業対策


日本共産党市議団はこの間、市内企業への法令順守の徹底、働く者の権利を学校で教えること、区役所での相談窓口の設置などをブラック企業対策の強化として求めてきました。

大前議員は、久元喜造市長は市長選挙時に学生主催の討論会で「神戸市としてもできることがある」と発言したが具体化が進んでいないと批判し、対策を求めました。

認可保育所つくり待機児童解消を

待機児童の問題について、神戸市は、北、長田、須磨、垂水、西の五区では三歳児以上の待機児童が少ないと想定されるため通常の認可保育所をつくらず、ゼロ~二歳向けのマンションなどにつくる小規模保育施設で対応するという計画を掲げています。しかし、十一月三日時点で希望する保育所に申し込んだが入れなかった児童で、三~五歳の待機数を区別で見ると上位三区を、垂水、西、北区が占めています。

大前議員は、すべての行政区で認可保育所をつくる計画に見直すよう求めました。

久元市長らは、「(ブラック企業対策は)ホームページでの情報提供などを行っている。改善すべき点があれば、他都市の事例も参考にしながら、必要な対策を考えていく」「(認可保育所の整備は)各区需要を想定して計画を立てているが、状況が変化してくればまた対応していく」などと答弁しました。

阪急春日野道駅バリアフリー、阪神元町有楽名店街存続


この他、大前議員は、地元から出された要望について市長に質問。

中央区の阪急春日野道駅、花隈駅、阪神西元町駅は国の法律でバリアフリー化が求められていますが、「エレベータがなく、利用者から不便だ」との声があがっています。神戸市として各鉄道会社に強く働き掛けるよう求めました。

阪神元町駅にある有楽名店街について、阪神電鉄は来年三月に閉鎖しようとしています。閉鎖の理由としている消防上の問題点は、本来、阪神電鉄が改善すべきものですが、多額の費用がかかるとしています。大前議員は、有楽名店街存続のために、資力のある阪神電鉄に整備責任を果たすよう、神戸市から働きかけるよう強く求めました。

(2015年12月20日付「兵庫民報」掲載)

安全・安心な中学校給食:実施・再開求め運動再出発

安田准教授の講演を聞く参加者

神戸の中学校給食を実現する会が「運動再出発学習集会」を十二月十三日、兵庫駅前の健康ライフプラザで開き、各区の会世話人らが参加しました。

九万筆を超える「中学校給食を求める署名」など、多くの市民の願いを受け、二社の民間業者によるデリバリー方式で昨年十一月から三十三校で実施が始まり、ことし十一月には全校(八十二校)で実施の予定でしたが、多数の異物混入や食品衛生管理基準違反で一社との契約を解除。東灘区・西区以外の七区六十二校での給食が中止となっています。

同会は十一月に市教委と交渉しましたが、神戸市の不誠実な対応を変え、安全・安心な中学校給食の実施・再開を求める運動を再出発させようと今回の集会を開催しました。

集会では会事務局の井村弘子さんから、①民間業者まかせではなく、自校調理方式にすること②自校調理ができるまで、すでに整備された配膳室も活用し、小学校から給食を配送する親子方式で、早く給食を再開すること―の二項目を求める市長あて請願署名を来年三月、市の検証有識者会議が終わるまでに三万人を目標に取り組むことが提起されました。

また、赤田かつのり神戸市議が市議会での議論などを報告し、神戸女子大学家政学部管理栄養士養成課程の安田敬子准教授が「今、あらためて学校給食と食育について」と題し、中学校での食育、給食の意義について講演しました。大かわら鈴子市議も参加しました。

(2015年12月20日付「兵庫民報」掲載)

憲法が輝く兵庫県政へ(11):青年の雇用・学費

働き方、学費、奨学金…生きるすべがブラック化する社会の中で

日本民主青年同盟兵庫県委員長 上園隆

ブラックな実態がスタンダードに


「ブラック企業」問題が大きく取り上げられるきっかけになった、ワタミでの過労自死事件が先日、和解しました。あまりにもひどい実態に多くの国民から批判が集まりました。

しかし、こうした実態は依然として後を絶たず、むしろ今あらゆる職場が「ブラック」化する事態となっています。

今年の春、有名私立大学を卒業し、官公庁からのアウトソーシングを手がける大手企業に就職したMさんは、「出退勤の管理がコンピュータ入力となっているが、何時に入力しても『八時間』としか表示されないシステムになっている。自分は営業の仕事をしているが、事務作業は十七時三十分以降しかやるなと言われている」と言います。

また、私立の認定こども園で保育士として働いているKさんは、職場には判子を押す出勤簿があるだけで、残業時間は管理されておらず残業代は出ません。

公立学校教職員であるSさんは、書き仕事に追われ、時期によっては毎日深夜二時に学校を出ることもあります。この職場では実際にメンタルヘルスになった職員もおり、その分をカバーするためにさらに仕事が増えました。

二〇一四年一月二十一日付「神戸新聞」では、「情報を基に県内二百八の企業や事業所を調べた結果、八二・七%に当たる百七十二社・事業所で長時間労働や賃金不払いなどの法令違反があったことが二十日、分かった。違反企業に対し同労働局は是正勧告した」と報道されています。

「半失業」的雇用形態の増加


このように、あらゆる職種が「ブラック化」している背景には何があるのでしょうか。そのひとつに、今や当たり前となっている「非正規雇用」の活用があります。

伍賀一道金沢大学名誉教授が「就業構造基本調査」を元に作成したデータによれば、一九八二年に比べ、二〇一二年は労働者が千四百万人近く増加している一方で、正規労働者数はほとんど変化しておらず、単純に言って非正規雇用だけ千四百万人増えたということになります。そして、この非正規雇用は、度重なる労働者派遣法の改悪により、派遣社員や契約社員などの有期雇用がほとんどを占めています。

伍賀氏は有期雇用契約にある人々を「三カ月、一年、あるいは三年という有期労働契約で働いている人たちは次の契約が更新されるかどうかわからない。日雇いほどではないとはいえ、次の仕事がどうなるか、常に不安をかかえた働き方だ。現役労働者ではあるものの、同時に相対的過剰人口に属すると言えるだろう」と述べ、「半失業」状態にあると指摘。

さらに「職場のなかで半失業状態の非正規雇用が増加することは正規労働者の安泰を保証するどころか、働き方をも貧しくしている」と告発しています。(『経済』二〇一六年一月号「非正規雇用による日本の貧困と『資本論』」)

労働者派遣法が原則自由化され、正社員の「半失業」的労働者への置き換えがすすみました。「半失業」的労働者は、市役所や教職など公務の現場でも今や当たり前となっています。そうしたもと、あらゆる職種がブラック化しているのです。

さらに、「自助・共助」を基本にするような貧困すぎる社会保障が「反失業」状態に拍車をかけているとも言えるでしょう。

ブラック化する奨学金と学費


さらに問題は、こうしたブラックな実態が学生のバイトにも広がっていることです。

日本の学費は世界一高いうえに、奨学金制度は公的なものは貸与制のもの、しかも大半は利子付きのものになっており、卒業時には三百〜五百万円の借金を背負わされることになります。現在、学生の半分以上が奨学金を借りていると言われています。親世代の貧困化も進んでいるもとで、学費は奨学金に頼り、ケータイ代や通学定期代など学生生活にかかる費用はバイトでまかなうという学生が今やめずらしくありません。

つまりバイトが学生生活を成り立たせるうえでなくてはならないものとなっているのです。そうなると、「少々嫌なことがあっても我慢しなければ」となり、ブラックバイトであっても従事せざるを得なくなります。世界一高い学費と貧困な奨学金制度が、ブラックバイトの温床となっていると言っても過言ではないのです。

地方自治体の役割


これまで述べてきた若者のブラックな働き方の問題の根本は、国の悪政によるものですので、国政を変えることが何よりも必要です。同時に、そうしたもとでの地方自治体の役割も大きく問われているのではないでしょうか。

例えば、神奈川県では「『若者の使い捨て』撲滅かながわ宣言」を労組や商工団体などとの連名で県として発表、今野晴貴氏(NPO法人POSSE代表)を講師にしたブラック企業・ブラックバイトの対処法セミナーを開くなど対策が始まっています。また、自治体で働く労働者の待遇から改善していくことも重要だと思われます。

現在、民青同盟兵庫県委員会では「No More 賃金泥棒――若者の仕事・生活実態調査」に取り組んでいますが、青年の実態をたくさん集め、兵庫県に要請していきたいと思います。

(2015年12月20日付「兵庫民報」掲載)

民青同盟西宮芦屋班「NO MORE 賃金泥棒」

労働者の権利を行使し立ち上がれば変えられる

首都圏青年ユニオン・神部委員長が講演

民青同盟西宮芦屋班は十二月十三日、首都圏青年ユニオンの神じん部ぶ紅あかい委員長を招いて「NO MORE 賃金泥棒! 私の職場もブラックなの!?」を開催し、五十人が参加しました。

神部さんは「現在、非正規労働者が四割を超えて、最低賃金では生活できず、ダブルワークなど過酷な働き方をするしかない。雇用は都市部に集中していて、地方から出てきた若者は住居とセットの雇用を求める。住まいが脅かされ、身体と心を壊すような長時間労働を受け入れざるを得ない。失業すれば、週払いや日払いなどさらに過酷な仕事を選ぶしかない」と述べ、若者が異常な働き方でも、日々生きていくためにその環境から逃れられない構造があると指摘。「『探せば仕事はある』『働けば生活できる』は神話です」と述べ、コンビニやワタミ、ユニクロ、秋田書店などで行われている、若者を使いつぶす働かせ方の実態を告発しました。

高校生や学生を追い込むブラックバイトの実態については、アルバイトにノルマを課し、達成できなかったら罰ゲームと称して無給で働かせるなどの「ノルマ型」、当日にならないとシフトがわからず授業にも出られないなどの「拘束型」、勤務時間を法律で定められた一分単位で計算せず、五分、十分などで計算したり、準備や着替え、研修には賃金を払わないなどの「賃金泥棒型」などがあると説明しました。

しかし、そんな違法や生活できないほどの低賃金での労働に対し、世界中の労働者が声をあげており、時給十五ドルを求めている「Fight for $15」や、高校生ユニオンを結成し一人の高校生が声をあげたことで制服代の給料からの天引きを止めさせ、一分単位の賃金の計算を三百五十店舗すべてで認めさせた経験などをあげ、労働者が権利を行使して立ち上がることで実態を変えていけると展望を語りました。

参加者からの質問を受け、最後のまとめで神部さんは―「一分単位で賃金を支払わないといけないってことを経営者はわかって違法な搾取を行っている。もめないようにしたいと相談もあるが、願うだけではなく権利や正義を高く掲げて行使しないといけない。自分が辞めたらいいという考えは、同じ条件やさらに酷い条件を次の人へなすり付けることになる。おかしいなと思う感覚を信じてほしい。その感覚はたたかいの歴史の中でつくられてきています」

「声をあげることは勇気がいることです。首都圏青年ユニオンでは『発声練習』の場として、組合員が誰でも団体交渉に参加して勝利していく体験を大切にしています。団交の場にいるだけで、当事者を励ますことになり、参加者はそこにいるだけで何かできたと実感する。まんざらでもない自分になる。当事者をつくって組織していくことを大切にしています。労働分野では労働組合が最強です」―と語りました。

(2015年12月20日付「兵庫民報」掲載)

戦後補償問題を特集:兵庫の「語りつごう戦争」展

12.8平和のつどい

兵庫の「語りつごう戦争」展実行委員会は十二月五日~九日、妙法華院で「戦後七十年・戦争と平和を考える~『戦後補償』問題特集~」をテーマに第三十八回兵庫の「語りつごう戦争」展を開催しました。

日本軍侵略で大きな被害を受けた中国湖南省「廠しよう窖こう大虐殺」被害を示す写真や満蒙開拓団、広島・長崎の原爆被害、米軍による日本の都市への無差別爆撃、治安維持法による弾圧など加害・被害の両面で未解決の戦後補償の問題について資料を展示し、問題提起しました。

また子どもコーナー、平和色紙展が設けられ、「戦争体験を聞く集い」も連日開かれて期間中、小学六年生の児童百七十人が教師と共に会場を訪れるなど三百人以上が参観しました。広島・長崎原爆被害が世界各国の教科書でどう扱われているかを知るため今回初めて各国の駐日本大使館へ手紙を送ったところ、インドネシア、ギリシャ、スペイン、ペナン共和国、アメリカの五か国から返事が届きました。

太平洋戦争開戦から七十四年目にあたる十二月八日夕には「12・8平和のつどい」が同会場で開かれ、三十人が参加。上田雅美日中友好協会兵庫県連事務局長が、「太平洋戦争期最大の虐殺地・湖南省南県廠窖を訪ねて」と題し、現地調査を踏まえて講演しました。
講演の概要はWeb版

(2015年12月20日付「兵庫民報」掲載)

ノーモアヒバクシャ訴訟傍聴記:12/3、12/11

救援法の趣旨にかなった制度改善が急務

副島圀義

大阪地裁十二月三日は、原告Eさん本人と医師・穐久英明先生の証言でした。

*
Eさんは当時十三歳。長崎の爆心地から三・一㌔㍍、自宅近くの広場で被爆。三日後には一㌔㍍余のあたりまで行き、また自宅近くの畑の野菜や井戸水を飲んだりして、九月ごろに嘔吐やできもとなどを経験。

五十二歳の時に心筋梗塞の最初の発作に見舞われます。すぐにきっぱり煙草を断ちますが、五年経ったころから心筋梗塞再発で冠動脈バイパス手術などを繰り返し、十八年目には腹部大動脈瘤が見つかりました。

三年前に原爆症認定申請をしましたが翌年却下され、提訴しました。

国側の「尋問」は例によって、「発症原因は喫煙や加齢によるものだろう」「爆心地にそんな近づいているわけでもない」「被爆者手帳の申請書や調査票には急性症状があったことの記載がない」など、「心筋梗塞は原爆放射線とは無関係」との立場からの繰り返し。

*
穐久医師は「喫煙は発症リスクだが、禁煙したらそのリスクは低下する。生活習慣の改善、糖尿病の治療など、しっかりコントロールしているのに、繰り返す発症は被爆の影響としか考えようがない」と証言しました。

国側の「心筋梗塞については二㌔㍍以内の直爆、翌日までに一㌔㍍以内への入市」という「〝認定基準〟への固執」姿勢を、またも見せつけられた法廷でした。

十一日は、原告・淡路登美子さんについて愛須勝也弁護士が意見陳述。――胃がん手術後の食事療法などは「医療そのもの」。「要医療性に欠けるから認定しない」との国の対応は誤っている。ほとんど同じケースで東京地裁で国は敗訴したが、控訴していない――等々。

被爆者は高齢化。記憶も遠くなり、証拠確保も困難になってきています。七十年前にどれだけの放射線量の被曝をしたかなど、調べようのない議論をやめて、「被爆者が放射線被曝に影響のある病気になれば、その病状に応じた援助を行う」との、実際的で被爆者援護法の趣旨にかなった制度への抜本改善を一日も早くさせないと…と痛感します。

しかし、現に国が「被爆者いじめ」を改めない以上、司法がその役割を果たすよう、傍聴や署名などへのご協力を紙面をお借りして訴える次第です。

(2015年12月20日付「兵庫民報」掲載)

「あさぎ」十一月詠草:姫路年金者組合

給食のトマトも葱も保育所で放射線量測るフクシマ
保育所のすぐ裏山のどんぐりを拾うことさえ出来ぬフクシマ
衣川有賀子

友ひとり歌会に加わりはげまされよろこびの歌つづけて詠みぬ
やわらかな木犀の香に包まれて白のブラウスふんわり乾く
藤原信子

高原の銀の薄の中に咲く草竜胆をかがみて愛でる
雲海に沈みし村が朝日あび徐々に現る美作の里
常田洋子

幼き日記憶たどりて「法華口」父の面会におりたる駅か
鶉野の飛行場跡滑走路三万分の一の地図あり
山下直子

整形で膝関節にヒアルロンサンチクリと痛い注射をうちぬ
病院へ二人の息子送りくれやっぱり子供と感謝でいっぱい
江藤雅江

八十歳越えたる独居増す市住このまま此処で死にたいの声
コミュニティーこわれれば孤独死者増すと警告すれど聴き入れられず
田渕茂美

(2015年12月20日付「兵庫民報」掲載)

ひなたぽっころりん(568)



(2015年12月20日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

国立ハンセン病療養所栗生楽泉園にある重監房資料館を訪れた。全国一という群馬・草津温泉のそばに昨年、厚労省が設置した国立の資料館だ▼ハンセン病患者にたいする国による「強制隔離絶滅政策」の中で全国の患者を対象とした重監房。標高千㍍を越える極寒の地で電灯も暖房もない四畳半ほどの板張りの重監房が復元されている。延べ九十三名が収監され、うち二十三名が亡くなった▼重監房撤退闘争が起こったのは憲法施行の一九四九年五月三日の三日後。草津温泉に療養中だった共産党国会議員が重監房のことを知り調査団を派遣し、国会でも取り上げられ重監房は廃止に▼筆舌に尽くし難い社会的偏見と差別のもと、ハンセン病患者の人間回復のためにたたかった谺こだま雄二さんはこの療養所に居て共産党に入党。「オレ自身が党。党に入って、オレは思想的に社会復帰した」と語った谺さん▼一九〇七年から続いた強制隔離に対する違憲国倍訴訟の勝訴は二〇〇一年になって。しかし、厚労省の怠慢もあり、元患者の権利を守る被害の回復が遅れている。資料館に掲示された壮絶な闘いをまとめた年表に散見できる日本共産党の活躍ぶりには胸が熱くなる。 (K)

(2015年12月20日付「兵庫民報」掲載)

いま沖縄・辺野古で何が起きているか:23日、洲本で学習会


先月、洲本市の小松茂市議=無所属=が「沖縄タイムス」の公式フェイスブックに、沖縄県名護市の辺野古新基地建設に反対する人たちについて「思いっきりけとばせばいい」などと書き込んだことに対し、全国から小松議員に抗議の電話やファックス、メールが洲本市へ集中しました。

十二月七日には、川村五郎代表ら年金者組合洲本支部、新日本婦人の会洲本支部、淡路島平和委員会、淡路九条の会代表など十二人が、笹田守洲本市議会議長に対して「小松議員の議員辞職を求める要望書」を提出しました。

また日本共産党洲本市議団も笹田議長に対し「暴力をけしかける投稿をしたのは議員の資質が問われる」とし「小松茂議員の辞職勧告を求める要望書」を提出しました。

小松市議の辞職には至りませんでしたが、市民の運動と党市議団の奮闘によって、小松市議は「沖縄県民、洲本市民らに大変迷惑をかけた」と謝罪して、議会運営委員長を辞任させることにつながりました。

今回のことをつうじて、沖縄で起こっていることは、立憲主義と民主主義の破壊という点で、戦争法と根が一つであり、私たちの問題としてとらえることが必要です。「辺野古に新基地はつくらせない」と、沖縄県名護市辺野古で島ぐるみで運動を続けている生の声を聞き、新基地建設問題の真実を学びます。ぜひお越しください。

(岡田教夫=党淡路地区委員長)

12月23日(水・休)14時/洲本市文化体育館2階会議室/講師:仲本興真(ヘリ基地反対協議会事務局長・沖縄県商工団体連合会会長)/参加費無料/☎0799・24・2380

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農協・農業改革とTPP:グリーンウェーブ学習会

講演する坂口氏

「農協・農業改革とTPP交渉の深層」をテーマに兵庫県グリーンウェーブ学習会が十二月十二日、神戸市内で行われました。

主催したのは、全農兵庫労組、みのり農協労組、兵庫労連、兵庫農民連、新婦人県本部、兵保連、兵庫食健連でつくる兵庫県グリーンウェーブ実行委員会。

講師の坂口正明全国食健連事務局長は、「農業・農協改革」の中味が問題であり、食料を金儲けの対象にしていいのかが問われていると指摘しました。

一九九六年の世界食糧サミットで飢餓人口を八億人から一五年には半減させる目標を決めたが実現しておらず、水も手に入らない人が多くいるなど深刻な状況であり、国連でも大規模化でなく家族的経営を土台に持続可能な農業を打ち出していることを紹介。

その上で、安倍政権の「農政改革」は自給率などでなく「大企業が活躍できる国」の考えで企業に儲ける分野を提供するものであり、「農協改革」もアメリカの要求を背景に協同組合を金儲けの対象にするもの、やり方も五十二本もの法律を一括して通す乱暴なものだと批判しました。

TPPについて政府は「重要品目守った」と言うが、すべての品目が関税撤廃へ協議を続けることが決まっており、この内容が明らかになればさらに反対の声は広がり、国会でも批准は容易ではなく、アメリカでも批准反対が多いことをあげ、「大筋合意」報道で意気消沈している場合ではない、TPP反対の声を広げながら、様々な分野での安倍政権への国民的反撃と一体に共同を広げようと訴えました

その後参加者からの疑問にも答え、農民連からはこの間の懇談や要請の報告もありました。参加者からは、「『TPP大筋合意』報道であきらめていたが、話を聞いてTPP反対の声をあげていきたい」との感想も出されました。

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川西で第6回まち研カフェ:介護保険制度について語り合う


川西まちづくり研究会が、第六回まち研カフェを十二月五日に川西市文化会館で開催し、大阪社会保障協議会の日下部雅喜さんが、介護保険制度改革の方向と課題について講演しました。

日下部さんは、要支援1と2のヘルパーサービスとデイサービスを介護保険制度からはずしたり、特別養護老人ホームへの入所を原則要介護三以上に限る、所得によって介護保険の利用料を二割に引き上げるなどの改悪に続いて、安倍政権が次の制度改悪として要介護一と二まで介護保険からはずしたり、二割負担を拡大するような大改悪を準備していることを紹介。安倍政権が介護報酬を二・二七%、国費六百億円を削減する一方で、オスプレイ五機に五百十六億円もつぎ込むなど、福祉を削って軍事費を拡大している姿勢を批判しました。

また、マイナンバーを利用して預貯金などを国と自治体が把握し、医療と介護の双方で利用者負担の引き上げをすすめようとしている問題も指摘しました。

ヘルプ協会の細岡雄二さんも助言者として参加して、六十分にわたり参加者の自由討論を行い、川西市でも介護改善の取り組みを継続させていくことや、要支援の新総合事業化に向け、無資格者によるサービスは安易に導入させず、指定事業者による専門的サービスを維持したうえで、多様なサービスをプラスアルファとして付加させていく対市要求と取り組みを確認しました。

(今西清=川西まちづくり研究会事務局)

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青年たちがPeace Life Café:学んで交流しよう

津川氏(奥)の話を聞く青年たち

民青同盟兵庫長田北地区と日本共産党兵庫長田北地区は、戦争法反対のたたかいで多くの青年が立ち上がっているなか、学んで交流できる場をつくろうと実行委員会を結成し、十一月二十三日に第一回Peace Life Caféを長田区の若草物語で開催しました。

実行委員会は当日までに、神戸常盤大学の門前でビラを配ったり、学内にビラを置いてもらうなど事前宣伝にも取り組み、参加者は講師を含めて十二人で職種も多様でした。

講師に招いた兵庫県憲法共同センター代表の津川知久さんが、「わたしたちの運動がつくりあげてきたもの これからつくっていくもの」というテーマで講演。平和主義・民主主義・立憲主義の破壊への怒りが高まったこと、首相や閣僚の発言に対するSEALDsや青年たちの見事な反論を紹介しながら、運動のひろがりや特徴を語ってもらい、カレーとコーヒー、お菓子も交えてざっくばらんに意見を出し合いました。

―「戦争法について、自分なりに賛成派と反対派の意見を調べたが、日本が戦争しないためにという点では同じではないか」という疑問に対して、「個別的自衛権と集団的自衛権でできることとの違いは何かを考える必要がある」「日本を守るためにという安倍首相の説明と、中身が全く違うことによるジレンマではないか」「個別的自衛権や自衛隊を認める人も、今回はやり方に怒っている」など意見を交換しました。

また、「ニュースで〝空爆〟と言っているが、七十年前の戦争で自分たちが受けた時は〝空襲〟と言う。落とす側と落とされる側の目線の違いでとらえ方が違う」「ママの会の〝だれのこどももころさせない〟という言葉は、一国の平和だけでなく世界の平和を考える上でも大事な視点」「被害者の視点も大事だし、加害者の歴史もしっかり学ぶ必要がある」「自民党の改憲案は個人ではなく人としてとらえられていて、個性を大事にしていない」「国同士で対立しているように見えても、個人ではお互いに交流することで戦争する気がなくなる」など、たくさんの発言がありました。

実行委員会から来月もやりたいのでテーマを決めたいと提起をしたところ、「神戸市会の内容」「神戸港&特定秘密保護法」「原水禁・被爆体験」「原発反対の取り組み」「沖縄・基地問題」「マイナンバー」など多岐にわたって出されました。

次回:第2回 Peace Life Café /12月20日(日)12時/喫茶「若草物語」(神戸平和と労働会館1階)/テーマ:憲法のこと、講師:あすわか弁護士に要請中/参加費無料

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中央区革新懇が結成30周年

挨拶する竹田雅洋党東灘・灘・中央地区委員長

中央区革新懇は十一月二十一日、三十周年記念のつどいを開き、五十一人が参加しました。

第一部では武村義人中央区革新懇代表世話人が挨拶し、その後、前哲夫兵庫県革新懇代表世話人が講演しました。

第二部では岡本毅一兵庫革新懇代表世話人からお祝いが述べられ、年金者組合の活動などが紹介されました。三田、灘、港革新懇からはお祝いと各地の運動について報告がありました。阪急春日野道のエレベータ設置を求める運動に取り組んでいる野上さんからは神戸市に一千三百六十九筆の陳情を提出したことが紹介されました。

新日本婦人の会中央支部の会員から「行ってみたい」といって始まった沖縄連帯ツアーと沖縄の実態などが報告され、「行って良かった。これからも応援したい」と感想が語られました。

また、オカリナ演奏やフルートの演奏も行われました。

最後に今後も大いに運動に取り組み発展させていくことを決意し、盛大に三十周年を祝いました。

同革新懇は創立三十周年の記念誌も発行し、当日配りました。

(大前雅裕=中央区革新懇世話人)

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12・8のつどい:廠窖大虐殺事件現地調査踏まえ報告


太平洋戦争開戦から七十四年目にあたる十二月八日夕、兵庫の「語りつごう戦争」展実行委員会主催の「12・8のつどい」が妙法華院で開催され市民三十人が参加しました。

日中友好協会協会兵庫県連の上田雅美事務局長が、「太平洋戦争期最大の虐殺地・湖南省南県廠窖(しょうこう)を訪ねて」と題して、一九四三年五月に日本軍部隊が「江南殲滅(せんめつ)作戦」の第一期作戦(五月五日~十一日)で起こしたとされる中国湖南省南県の「廠しよう窖こう大虐殺事件」について講演しました。

上田氏は、二〇一四年十二月の訪中調査の内容を、地元テレビが放映した動画や被害者の自宅訪問、殺害現場、大量の遺骨が発掘された「千人坑」などの写真や被害者の証言内容などをスライドで示しながら一時間半にわたり報告しました。

また、日本軍の作戦目的や「戦果」「損害」についても防衛庁防衛研修所戦史室の記録資料をもとに地図を示しながら説明しました。

上田氏は、この事件の被害者数が三万人余りと南京事件に次ぐ多数であり、太平洋戦争期最大と言われているにも拘わらず日本ではほとんど知られていないことについて考えられる理由を四点あげ、今後さらなる真相究明の必要性を語りました。

さらに、日本の軍隊が一方的に侵略を拡大し続け、領土を占領し中国軍民への殺さつ戮りくや略奪の蛮行を重ねてきたことについて、「私たち国民が目をそらさず正面から向き合い加害の実相を追及することが中国国民との友好を進める上で避けて通れない大切な問題です」と強調しました。

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報告パンフ「被爆七十年ヒバクシャ遊説inヨーロッパ」


「被爆七十年ヒバクシャ遊説inヨーロッパ」(十月四日~十四日)の日本原水協代表団として、井村弘子さん(兵庫県AALA事務局長)がスペイン―フランス―イギリスのコースに参加し、報告パンフを発行しました。

新婦人の事務局長の頃から反核・平和運動にかかわりつづけ、元日本共産党県議であり、現在は兵庫県AALA事務局長として活躍しておられる井村さんが、被爆七十年を「核兵器のない世界」への転換点にするため、核保有国であるフランス・イギリス、NATO参加国のスペインに被爆体験を届けることで、核兵器の非人道性を広めることを目的にした日本原水協の遊説団として、各国の草の根の団体や労組・国会議員との交流を深めた内容が豊富な写真を添付して語られています。

「核兵器廃絶と平和の闘いが私のライフワーク」という井村さんの豊かな感性と元気な姿をとおして、日本の核兵器廃絶のたたかいが積み上げてきた値打ちと被爆者の体験談が世界の人々の心を動かし、さらに広がる連帯と核兵器廃絶の希望がみえて、いま戦争法廃止で大きな「政治的転換点」をと闘っている私たちが励まされる内容になっています。

問い合わせは兵庫県原水協☎078・341・2818まで
(平松順子)

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