Web版の発行はしばらく休止します

「兵庫民報」編集部は2012年11月から専任1人で続けてきましたが、その1人も2020年末で退職し、2021年1月からは嘱託となりました。編集業務の整理のため、「兵庫民報Web版」はしばらく休止いたします。それにともないTwitterへの転送も休止します。 紙版の通常号のご購読をお願いします。

2015年12月13日日曜日

「一度、話を聞いてみたい」―志位委員長街頭演説迫る

19日(土)正午から神戸・元町大丸前

戦争法廃止の政府提案から三カ月目にあたる十二月十九日の正午から、日本共産党の志位和夫委員長を迎えて、神戸・元町の大丸前で行う街頭演説を、幅広い県民に聞いてもらおうと党と後援会が、訪問や電話での案内、駅頭・繁華街宣伝などに取り組んでいます。「志位さんの話は一度、聞いてみたい」と関心が広がっています。

党兵庫県委員会は、二百団体に案内を郵送するとともに勤務員らが手分けして各団体を訪問しています。自民党や民主党など参院候補のポスターが事務所内に掲示されている業界団体や労組でも「志位さんがこられるのですか」「郵便でも案内をいただいていましたね」と役員が出きて応対してくれたり、「せっかく来ていただいたのに、あいにく役員が会議中で。あとで伝えておきます」などの反応がありました。

六日、大丸前では県委員会と神戸三地区委員会が合同で案内宣伝を行いました。


戦争法廃止を求める「二千万人署名」も呼びかけ、二十二人が応じました。「いまもっとも注目されている政治家の一人」と志位委員長を紹介すると注目が集まり、チラシも多く受け取られました。署名に応じた男性からは、「志位さんが来るんですか。ぜひ行きたい。がんばってや!」と激励が寄せられました。

(2015年12月13日付「兵庫民報」掲載)

TPPの影響についてJAあわじ島を訪問:ねりき県議と金田氏ら

JAあわじ島の森組合長(奥)と懇談

日本共産党のねりき恵子県議が、TPPの影響についての調査でJAあわじ島を訪ね、金田峰生県党農林漁民部長・参議院選挙区予定候補と、えびす智彦、吉田よし子両南あわじ市議が同行しました。

ねりき議員の「淡路の玉ねぎが心配です」の問いに森紘一組合長は、「六年後に関税撤廃になり、日本で安く売れるとなると、アメリカから輸入される可能性があり、脅威となる」と懸念を表明しました。さらに「TPP対策は中身がわからない。農業政策をコロコロ変えるのはいかがなものか」と指摘し、「米は赤字。農業は最低賃金も出ない。これでは後継者が育つはずがない。農産物の価格安定と所得補償が必要」と訴えました。

金田氏は、県議時代に県産農産物のセーフガードを知事に求め、当時でさえ「検討する」と答弁があったことを紹介しつつ、「政府は輸出で儲けるというが、為替動向で重大な影響を受ける場合もある。そもそもそんなのは農業ではない。やはりTPP参加を阻止することが一番ですね」と述べ、共闘を約束しました。

また、「戦争法廃止の国民連合政府実現の呼びかけ」を手渡すと、組合長も「しっかり読んでみましょう」と応じました。

(2015年12月13日付「兵庫民報」掲載)

堀内・金田両氏が街頭演説(尼崎)

国民連合政府で平和主義・民主主義・立憲主義を取り戻しましょう



日本共産党は十二月六日、JR尼崎駅前で、堀内照文衆院議員と金田峰生参議院兵庫選挙区予定候補の街頭演説を行いました。
*
堀内議員は、「戦争法を廃止する国民連合政府は、平和主義・民主主義・立憲主義を取り戻すという大きな取り組みであり、決して狭い共同ではありません」と指摘。マイナンバー制度や社会保障の改悪など、安倍自公政権の「国民いじめ」を具体的にあげて、「安倍政権の国民いじめはグロテスク。人間の尊厳を守るためにも、一致点を広げ、がんばります」と共同を呼びかけました。

金田氏は戦争法でシリア空爆や南スーダンでの駆けつけ警護に自衛隊が参加すれば、テロを日本に呼び込むことになると警告。国民を守り、テロの温床である「恨みの連鎖」を断ち切るためにも、「戦争法は一刻も早く廃止しよう」と訴えました。

夕方の寒い中、おおぜいが集まり、足をとめて二人の訴えに熱い激励を送っていました。

(2015年12月13日付「兵庫民報」掲載)

福崎町長選挙:橋本省三氏が初当選

嶋田町政の継承、発展掲げ


当選を喜ぶ橋本氏(壇上)と嶋田現町長(右端)
(左端は祝福に駆けつけた堀内照文衆院議員)

福崎町長選挙は十二月六日投開票で行われ、前副町長の橋本省三氏(64)=無所属・新=が五千四百十六票(得票率五九・六%)を獲得、元・前町議の二候補に大差をつけて初当選しました。投票率は六〇・一六%。

勇退する日本共産党員の嶋田正義町長は五期にわたり住民本位の町政をすすめ、昨年、十カ年の「福崎町第五次総合計画」を策定。橋本氏はこれに基づく町政運営を表明し「町政を継承、発展させる」と選挙戦で訴えました。

当選判明後、橋本氏は支持者を前に「輝く福崎町をつくりたい」と公約実現への決意を語りました。

日本共産党は橋本氏を支援しました。
}
(2015年12月13日付「兵庫民報」掲載)

憲法が輝く兵庫県政に(10):教育

〝空白の一日〟をなくし、教育と教職員に安心を!

兵庫教職員組合副委員長 桑原敦文

正規の先生と同じように仕事をし、実態として雇用が継続しているのに、三月三十一日にいったん解雇され四月二日には再び任用されるという臨時(常勤)の先生が兵庫県にはたくさんいます。
*
臨時(常勤)の先生にとって四月一日は、〝空白の一日〟と呼ばれています。今年度、四月一日の学校で大きな混乱と問題が起こりました。辞令の出ていない臨時(常勤)の先生に新年度のスタートの日ということで出勤を指示・要請した学校が何校もあったのです。当然、正式な辞令がないので、勤務しても給料は支払われません。まさに賃金不払いのただ働きです。何か事故があっても公務災害にはなりません。これは、管理職だけの問題ではありません。そもそも、四月一日を〝空白の一日〟にする県教委に問題の本質があるのです。

一方、臨時(常勤)の先生の着任がないので、学級担任の発表など新年度初日の仕事ができなかった学校も多くありました。来年度は、一日が金曜日ですから、新年度のスタートが四日の月曜日という学校も出てきます。このように学校現場の教育活動に混乱をもたらすのも〝空白の一日〟の問題なのです。

さらに、四月一日に辞令がないために、臨時(常勤)の先生は、①六月のボーナスが満額支給されない②四月分の住居手当・扶養手当が支給されないなどの大きな不利益も被るのです。
*
私たちは、〝空白の一日〟の解消を強く求めています。これが実現すれば、さまざまな不利益も、学校現場の混乱も解決できるのです。昨年、全国的な運動と一体になって、臨時(常勤)の先生の社会保険の被保険者資格を継続させるという前進をかちとりました。

今なお県教委は、地方公務員法二二条の「一年を超えて任用できない」を口実に〝空白の一日〟を設けていますが、その必要はないのです。総務省通知(二〇一四年七月四日)が「新たな任期と前の任期の間に一定の期間をおくことを直接求める規定は地方公務員法をはじめとした関係法令において存在しない」としていることからも明らかです。
*
教育に臨時はありません。しかし、産休・育休、介護、病休等の場合、臨時の先生は必要です。問題なのは、正規の定数枠があるのに、臨時の先生で補っていることとその身分保障や賃金・待遇が不十分なことです。

私たちは、正規の先生を増やし、臨時の先生も安心して働ける学校を求めています。教育の継続と安定性、学校全体の教育力向上を図りながら、子どもたちの健やかな成長を育むことのできる兵庫の教育を実現していきたいと考えています。

(2015年12月13日付「兵庫民報」掲載)

二千万人署名で地域を全戸訪問:尼崎市 川崎市議と支部・後援会

一軒一軒訪ね署名を訴える川崎市議(中央)ら

日本共産党の五つの支部・後援会が共同して、各支部の地域で戦争法廃止の「二千万人署名」を訴える全戸訪問の統一行動に取り組んでいます。

一回目は十一月二十九日、十一人が参加して七松地域で三十一筆を集めました。

十二月六日午後には二回目の統一行動を行いました。今回は難波北支部の地域で、十四人が五つのグループに分れ、一時間あまりの行動で署名三十九筆を集め、後援会ニュース読者も新たに十八人増えました。

最初の訪問で署名に応じてもらえ調子に乗れたチーム、最後の最後までなかなか署名がもらえず苦労したチームなど様々でした。

インタホンごしに「戦争法ではなく安保法、戦争するための法ではない」と断られることもありましたが、家から出てこられる人の半分以上は署名をしてくれました。

「子どもが二人も、自衛隊に入っており、戦争には反対」と話してくれた人もありました。また、子どもを自転車で遊ばせていたママが「子どもらのために」と言って、応じてくれたりもしました。

若い人たちが、まだ独身で子どもがいなくてもわざわざ外に出て来てくれるなど、時代の変化を感じる署名行動でした。

この行動のきっかけは支部長会議でした。「それぞれの支部が単独ではなく、川崎市議の生活相談担当地域で一斉に行動しよう。順番に五つの支部の地域に入って、軒並み訪問をしてみよう」ということになりました。

今回の行動後、「たった一日で、月目標の後援会員も増えた。皆さんのおかげや」と一番喜んでいたのが難波北支部の支部長さんでした。参加したみんなも、「全戸訪問で地域のことがよくわかる、大勢で行動すると意気が上がる、またやろう!」と元気を分かち合いました。

川崎としみ=尼崎市議)

(2015年12月13日付「兵庫民報」掲載)

日米共同演習止めよ:ストップ!ヤマサクラ69大集会


「戦争法廃止!ストップ!ヤマサクラ69大集会」(同実行委員会主催)が十二月五日、伊丹市内で行われ、約四百人が参加しました。

集会は、戦争法の廃止を求めるとともに、陸上自衛隊伊丹駐屯地で十二月一日から十三日までの十三日間にわたり、自衛隊員約四千五百人、アメリカ軍約二千人という最大規模で行われている日米共同軍事演習に抗議するものとして開催されました。

実行委員長の桂仲二郎氏は、「今日の集会は、戦争法成立後の最初で、しかも最大規模で行われる演習に抗議するとともに、基地建設反対とたたかっている沖縄にも連帯した集会です。がんばりましょう」と訴えました。

連帯報告にたった沖縄県統一連の大久保康裕氏は、「辺野古への新基地建設は、集団的自衛権の物的基盤の強化であり、許すことはできません。私たちの新基地建設反対は、戦争法廃止のたたかいと一体に取り組んでいます。必ず勝ちます。勝つまでがんばりましょう」と呼びかけました。

来賓挨拶にたった日本共産党兵庫県委員会のねりき恵子副委員長(県議団長)は、「戦争法を具体化する実践さながらの指揮所演習を許すわけにはいきません。戦争法ストップのために、次の参院選挙で、躍進を勝ちとりましょう」と呼びかけました。社会民主党の梶川美佐男兵庫県連合代表(宝塚市議)は、「戦争法をめぐるたたかいでは、阪神間七十一人の議員で阪神総がかり行動を行い、伊丹でデモ行進などもしてきた。安倍暴走をストップさせるために、野党で結束してがんばっていきたい」と挨拶しました。

最後に大集会決議を確認。参加者で伊丹駐屯地を囲む形でデモ行進しました。



(2015年12月13日付「兵庫民報」掲載)

春闘討論集会で渡辺氏が講演

講演する渡辺氏

十二月五日から六日にかけて、県春闘共闘・兵庫労連は神戸市須磨区の寿楼で春闘討論集会を開催しました。二日間でのべ百十名が参加しました。

一日目には国民春闘共闘の小田川義和代表幹事(全労連議長)が今春闘について講演。県春闘共闘の北島隆事務局長(兵庫労連事務局長)が最賃の取り組みや春闘ビラ配布など全組合が参加する春闘にしようと提案しました。また、二日間にわたる討論では各組織から活発な発言がされました。

二日目には、「安倍政権の戦争法強行と対抗する運動の展望」と題して一橋大学名誉教授の渡辺治氏が記念講演。戦争法のこれまでのたたかいを安保闘争と比較しながら説明し、今後の展望も示す講演となりました。

渡辺氏は、戦争法制は以前からのアメリカの要請であり、自民党政治が終わらない限り戦争法を発動してくる、また一方で安倍政権は大企業のための新自由主義経済(労働法制改悪・大企業減税・消費税増税・原発再稼働・社会保障改悪など)も進めていると指摘し、安倍政権打倒のためにはこの二つ(戦争法と新自由主義経済)に対するたたかいを結びつける必要があると力説しました。いっそう激しくなるたたかいのなか、「二千万人署名」を訴え、より多くの人が声をあげる第一歩となるよう奮闘しようと訴えました。

さらに、来夏の参議院選挙で安倍政権を倒し、野党が政権をとれば、戦争法はなくなるし、沖縄新基地もできないと述べ、野党共闘の実現には国民の声を広げることが大事だと強調しました。

その後の討論でも、「二千万人署名」を取り組む決意が多くの組織から表明され、歴史的な春闘にしようと決意を固め合いました。

土井直樹=兵庫労連事務局次長)

(2015年12月13日付「兵庫民報」掲載)

「九条の会」西宮ネットが音楽と憲法のつどい

「九条の会」西宮ネットワークが十二月五日、西宮市立勤労会館で『音楽と憲法のつどい』を開催し、二百二十人が参加しました。

第一部では地元で活躍する大上結歌さんのピアノ演奏に聴衆は聞き入りました。大上さんは平和への強い思いを語りながら、ショパンなどの名曲を披露しました。

第二部は、一橋大学名誉教授の渡辺治さんが、『安倍政権の戦争法強行と日本のゆくえ~戦争する国づくりから憲法の生きる日本へ~』と題して講演しました。

渡辺さんは、戦争法を強行した安倍政権は一体どんな日本をつくろうとしているのか、国民の戦争法反対運動に見えるこれまでにない新たな点を指摘し、憲法の生きる日本への展望と課題について丁寧にかつ説得力をもって力説しました。

さらに渡辺さんは、戦争法に反対している六割の人々に「反対」の声をどうあげていただくかがポイントであり、そのために「二千万人署名」と九条の会の果たす役割はきわめて大きいと指摘。また安倍政権は戦争法だけでなく、国民の暮らしを破壊する新自由主義改革を再起動し、両輪で攻めてきていることを踏まえた運動を構築しようと訴えました。

参加者は第二ステージに突入した九条の会の運動への思いを新たにしました。

上田隆=「九条の会」西宮ネットワーク) 

(2015年12月13日付「兵庫民報」掲載)

若手のお坊さんたちがDO YOU KNOW ウチナー沖縄:姫路・船場御坊

本堂での『標的の村』上映

船場御坊楽市で賑わう真宗大谷派姫路船場別院本徳寺(船場御坊)で十二月六日、「Do You Know ウチナー(沖縄)」と題して沖縄のドキュメンタリー映画『標的の村』と『戦場ぬ止み』の上映会が行われました。

主催したのは真宗大谷派山陽教区仏教青年会。同会副委員長で宍粟市山崎町の法性寺住職の松岡彰さんは―

「お経に『国豊民安。兵戈無用』という言葉があります。〝国は豊かで民は安心している。武器が用いられることはない〟ということです。しかし戦後七十年の今年、安保関連法が成立させられました。憲法九条で保たれてきた戦争放棄という立場が崩されようとしています。真宗大谷派は一九九五年に『不戦決議』を行っていますが、過去の反省だけでなく、現代の問題について取り組まないといけないと思い、いまいちばん問題となっている沖縄基地問題をとりあげました。多くの人に沖縄の現状を少しでも知ってほしい」―と話しています。

事前には、初めて「しんぶん赤旗日曜版」への案内チラシ折り込みを日本共産党西播地区委員会に依頼しました。

当日午前には「煩悩」をテーマにした法話に引き続き本堂で『標的の村』が上映され約六十人が鑑賞し、午後、山陽教務所で上映した『戦場ぬ止み』は約四十人が観ました。「ボーズ(坊主)カフェ」も賑わいました。

(2015年12月13日付「兵庫民報」掲載)

「駅前文化祭」もっぺん:民主主義を根付かせ発展させよう

面踊りも、もっぺん

七月二十四日に〝開催中の行事の会場使用許可の取り消し〟という前代未聞の措置によってやむを得ず途中中止となったJR姫路駅北側にぎわい交流広場での「駅前文化祭」が〝もっぺん(もう一度)仕切り直し〟として十二月六日午後二時から開催されました。

六日は二年前、特定秘密保護法が強行採決された日です。前回と出演団体に少し入れ替わりがありましたが、「西播地域の文化団体の交流発表の場としてもっぺんやりましょう」という西播労連の呼びかけに応えた姫路労音、民族歌舞団「花こま」など十二団体・個人の方々の協力のもとで開催することができました。

オープニングから百五十人を超える観衆が集まり、買い物や観光の途中に立ち寄った方も含めてエンディングの午後五時まで楽しみました。

会場では同時に各団体が開催するイベントのお知らせや紹介などの交流、戦争法廃止統一署名も取り組まれました。中央行動へ若者を派遣するカンパの訴えもありました。若者による戦争法廃止、脱原発・廃炉のアピール、コールも行われました。

締めくくりには、「安倍内閣のもとで自由な意思表明の根幹である民主主義が踏みにじられています。しかし、姫路ではまだ民主主義が生き残っています。この民主主義を根付かせ発展させるためにも折に触れ『駅前文化祭』を皆さんとともに開催しましょう」という西播労連からの呼びかけが行われました。

出田馨=西播労連事務局長)

(2015年12月13日付「兵庫民報」掲載)

養父市議選不当捜査事件:不起訴勝利報告集会


二〇一二年、教え子に宛てた手紙を、養父市議選挙での公職選挙法違反容疑にあたるとして捜査を開始、以来、兵庫県警・養父署が元教諭三名に対して五十回以上も出頭要求の呼び出しを続けてきた問題は、三年目の時効を目前にした十月九日に神戸地検豊岡支部が不起訴を決定しました。

これを受けて国民救援会や支援する市民で結成した「養父警察の不当捜査をやめさせる市民の会」が十二月五日、養父市の八鹿公民館で不起訴勝利報告集会を開催し、地元・県下各地から百人以上が参加しました。

集会では日本共産党但馬地区委員会、国民救援会兵庫県本部、豊岡合同法律事務所から経過報告が行われ、当事者となった元教諭三氏の紹介と挨拶、支援に取り組んだ各界代表からの挨拶が続きました。また「市民の会」として「報告集」を発行することが紹介されました。

この中で日本共産党但馬地区委員会の村岡峰男委員長は、養父市議選で元教諭に公選法違反の疑いがかけられ、不当捜査により長期にわたる負担をかけることになったことをおわびするとともに、「不当逮捕を許さない」と二十四時間態勢で対策にあたった地元の方など支援者への感謝を述べました。

国民救援会兵庫県本部の濱嶋隆昌事務局次長は、今回のたたかいが、国連の自由権規約人権委員会が日本での公選法による干渉を「控えよ」と勧告したこと、弁護士会に人権救済を申し立てたことなど、選挙の自由を求める上で大きな意義のある運動となったことを紹介しました。

不起訴をかちとった三氏は四十年前の八鹿高校事件も振り返り、兵庫県警の異常な不当捜査への怒りと支援者へのお礼を述べました。

最後に、不起訴決定により三氏を不当逮捕から守り抜くという目的を果たしたことをもって「市民の会」の解散が宣言され、閉会しました。

(2015年12月13日付「兵庫民報」掲載)

東日本救援バザー実行委員会5回目のツアー

東日本大震災直後から被災地救援を続けている東日本大震災救援バザー実行委員会は、十一月十九日から二十一日にかけて二〇一五年救援ツアーを行いました。三田革新懇からの六人をはじめ、宝塚から姫路まで県下各地から三十人が参加しました。救援ツアーは今年で五回目になります。

浪江町・双葉町・楢葉町


早川氏の話を聞く参加者

仙台空港からバスで南下して福島県に入り、帰還困難区域である浪江町、双葉町の様子を車窓から視察、福島第一原発を見ながら、九月五日に避難指示が解除された楢葉町に向かいました。

楢葉町では福島原発避難者訴訟原告団長の早川篤雄さんがバスに乗車、放射能除染物を入れた黒い袋がいたる所に積み上げられ、住民の人影がない楢葉町の様子など案内していただきました。

いたる所に積み上げられている袋詰めの除染物

早川さんが住職をされている宝鏡寺の本堂で、町の現状を聞きました。避難指示解除後、町に戻ってきたのは車が運転できる高齢者が数軒だけ、同居していた若い世代の人たちは戻ってこない、先の見通しのない町には戻れないのが実態だといいます。

早川さんは、福島第一原発事故は四基の原発でこの被害でとどまったのは奇跡であり、最悪の事態が現実になるおそれがあったとし、この町の復興・再生は、安心して暮らし、子どもを産み育てる環境を実現することだと強調しました。

「早く復興住宅を」と仮設入居者



二日目は、郡山市の南一丁目仮設住宅を訪問。福崎町名産のもちむぎめんの炊き出しをして被災者の方々と懇談しました。

一年前に避難指示が解除された川内村からの入居者は、「五年近くたって家がだんだん駄目になっていくが直す手立てがない」「働く先もなく、面接に行っても避難民は保障されていて困ってないでしょと言われる」「何でもいいから復興住宅を建てて、早く帰してほしい。足を伸ばしてゆっくり寝たい」「エレベーターの無い復興住宅でなく、高齢者向けの住宅を造ってほしい」など次々と切実な訴えがありました。

また、毎年このツアーに協力いただいている日本共産党郡山・安達地区委員会支援センターの大橋利明さんから、復興・救援に向けての国や県・市の議会での活動や、地元の共産党の取り組みなども報告され、ツアー代表の安武ひろ子さんが復興まで福島の支援を続けたいと決意を述べました。

被災者のみなさんに、県下各地から託された手作りの編み物や復興の願いを込めた色紙、折鶴などとともに、白菜や大根、淡路のみかんなども届けることができました。


現地で合流した金田峰生参議院兵庫選挙区予定候補は、周辺仮設住宅へも野菜や水など救援物品を届け、震災後訪問を続けている四倉保育所を訪ねて柿や淡路のみかんを手渡し、子どもたちと交流しました。

* 
三日目は、飯盛山・白虎隊記念館や鶴ヶ城の名で親しまれている会津若松城などを観光して楽しみました。


実行委員会は、阪神・淡路大震災を経験した兵庫から救援と連帯のこの取り組みを続けていこうと、来春には七回目の救援バザーを、秋には救援ツアーも行う予定です。

(文・柳原ゆき子、写真・松吉由美子)


(2015年12月13日付「兵庫民報」掲載)

原発賠償ひょうご訴訟第11回弁論

東京電力福島第一原発事故の避難者が国や東電に損害賠償を求めた集団訴訟の第十一回口頭弁論が十一月十九日、神戸地裁で行われました。

東日本大震災前の津波の想定をめぐり、「震災級の津波は予見できなかった」とする被告側のこれまでの主張に対し、原告側は「原発の敷地高を超える津波が基準で予見できた」と反論しました。

また、地裁が被告側に対し、津波高を試算した文書の提出を促したにもかかわらず、今年九月に提出を拒否したことも追及。被告側が「提出の義務はない」と述べると、傍聴席から「おかしい」との声もあがりました。
*
報告する橋本洋一原告代表

終了後の報告集会では、原告の六人から発言がありました。「娘の呼気から被曝線量が検出されたことをきっかけに、二年前に自主避難。健康にどうしても不安がある」「再来年の三月に市営住宅の退去をもとめられている。戻るべきか、とどまったほうがいいのか今後の生活も不安」など、それぞれの胸のうちを吐露しました。

(2015年12月13日付「兵庫民報」掲載)

みんぽう川柳〈十一月〉「故郷」

選者 島村美津子

特 選


故郷は見えない壁のその向こう
神戸市 長沼幸正

【評】故郷は跡形もなく消えていたり、限界集落であったり、なつかしい田園風景はどこにもなくスーパーやモノレールが立ち並んでいたり、そんな現実の中で作者のこころの故郷は壁の向こう側にあると歌う。

入 選


われだけの故郷ではない雪は降る
神戸市 妹尾 凛

故郷は父が逝き半分になる
神戸市 誠かおる

柿一つあれば故郷の絵が描ける
大阪市 竹原春江

故郷の記憶に残る川の幅
明石市 小西正剛

ふるさとを歌ってそっと涙する
神戸市 佐藤保美

母の手のあかぎれ思う里の冬
神戸市 佐野ユキ

ゾウさんを歌えば故郷やってくる
吹田市 喜田啓之

猪と鹿に食い荒らされるわが故郷
神戸市 高馬士郎

来い来いと故郷呼び込む人おらず
神戸市 田川 滋

古里にウラヤマタロウの影ひとつ
佐用町 上田宇堂

戦禍の故郷ライナーは行く三宮
神戸市 山本尚代

トンボ追った故郷の空にモノレール
神戸市 山元三恵子

再稼働帰れぬ故郷また増やす
神戸市 古賀哲夫

ふる里を捨て故郷へたどり着く
神戸市 松尾美恵子

(2015年12月13日付「兵庫民報」掲載)

戦後70年


段重喜

(2015年12月13日付「兵庫民報」掲載)

観感楽学

今年の「神戸ルミナリエ」のテーマは被災者の「鎮魂」とともに、まちの「にぎわい」であるとテレビで報道されていましたが、地元の業者の方が、「なんか私らは取り残されているような気がします」と答えていたのが印象に残りました▼私も、ルミナリエを見るたびに、何か違うなと思っている一人です。阪神・淡路大震災の被災者が住むところにも困り、街のコミュニティが壊され、営業の再開もままならない十二月の寒空の下、燦さん燦さんと輝く光に「これが復興の証か」と思ったのは、私だけではないでしょう▼戦後七十年、そして震災二十年の師走を迎えました。県や神戸市・西宮市は、借り上げ住宅から被災者である入居者の「追い出し」を迫り続けています。ある入居者の方は「仮設住宅の時と同じ。いつまで私らを困らせ続けるのか」と語ります。同時に、借り上げ住宅入居者、協議会や弁護団のたたかいが力強く発展し、兵庫県弁護士会からも神戸市に意見書が提出されるなど、兵庫県での「一点共闘」の輪が広がっています▼LEDの人工的な光にではなく、この連帯の輪にこそ阪神・淡路大震災被災者の明日を切り開く光があると感じます。 (T)

(2015年12月13日付「兵庫民報」掲載)